tag:blogger.com,1999:blog-78016498172739398852024-03-14T06:12:01.671+09:00現実世界の経済学 Political Economy of the Real World by SATO Yoshiyuki (Niigata)Unknownnoreply@blogger.comBlogger402125tag:blogger.com,1999:blog-7801649817273939885.post-69078828666060627312022-12-06T07:47:00.001+09:002022-12-06T07:47:27.304+09:00物価について 6 日本のデフレ プラス企業の価格設定方式<p> 今回もつらつらとですが、デフレについて書くことにします。</p><p> 本当は、研究書を参照しながら正確に書きたいのですが、鴨長明ではありませんが、わが家はとても狭く、私の部屋も方丈さながらの4.5畳、他の部屋にも本を置いていますが、置ききれずに段ボール箱に入れている始末、いちいち出して読む気になれません。ということで、頼りになるのは記憶のみ。</p><p> さて、日本では長らくデフレ(物価水準の低下)が続いていると言われてきました。本当にデフレかというと怪しい点もあるのですが、まあ、デフレということにしておきましょう。最もデフレといっても、あらゆる商品の価格が低下してきたわけではなく、上がるモノがあれば、下がるモノもある、といった体(態)であり、ただ平均すると下がっているということです。価格が下がるのは、主に工業製品であり、その理由は単純に生産性が上昇するからに他なりません。もっとも生産性が上昇しても価格が安定している場合もあれば、上がる場合もあるわけですが、昨今の日本では下がり気味でした。一方、サービス産業の場合、あまり生産性は上がりません。(なぜかって、例えば教師や床屋さんなどを考えてください。彼らは十年一日のごとく、同じペースで生徒を教えたり、髪を整えています。)そこで、ほおっておくと、製造業における人々の平均所得と比べて相対的に少しずつ所得水準が低下してきます。もしその職業が社会的に不必要なものであれば、やがていつかは姿を消すでしょう。しかし、もし社会的に有用なものであり、需要があれば、彼らが生きていくための所得(living income)を保障しなければなりません。言っておきますが、彼らが怠けているわけではありません。それはその産業の性質によるものです。</p><p> 前置きが長くなりましたが、「日本のデフレ」と言われているものを調べるには、少し歴史を遡って見る必要があります。それに加えて、企業というものがどのようにして自社製品に価格をつけているのか、つまり価格設定方式なるものを知る必要があります。</p><p> 後者から見ておきましょう。おそらく猿は分からないでしょうが、おそらく中学生や高校生ともなれば理解すると思いますが、モノを作るには費用がかかります。 そして、その費用は、1)プラント(工場や機械など)の減価償却費、2)製品の原材料・エネルギー代、3)賃金・給与(従業員への支払い)、4)利潤(これは株主への配当、経営者報酬、企業の内部留保、法人税などに分かれます)です。この他に雑多な支出があるかもしれませんが、取るに足らない額ですので、略します。これを見て、4)利潤は費用ではなく、売上げから費用を差し引いた企業所得(利得)ではないかという人がいるかもしれませんが、そのように考えることも可能ですし、いや、それも社会的に見れば生産するための費用に違いないと考えることもできるでしょう。私はどちらでも構わないと思います。</p><p> さて、企業はこれらの費用を回収し、もちろん4)の所得を実現するために、複式簿記をつけており、そのための計算を実施します。そのとき、普通一般に行われていることが知られている方式は、「マークアップ方式」(mark-up)と言われているものです。実例としてよく知られているのは、小規模飲食店のそれです。そこでは、材料費を計算し、その2倍になるように値段を設定するというものです。例えば材料費400円かけて作ったラーメンは800円也というわけです。そして、付加価値(800円-400円=400円)から従業員の所得やその他の費用を捻出することになります。普通の企業の場合には、もう少し複雑で、少なくとも原材料費やエネルギー代(電気ガス石油代など)に人件費(主に従業員の給与)を加えて、その額に一定の率をかけて、総額を計算し、それを生産量で割って算出する。これが普通のやり方です。</p><p> p=(c+w) m / q</p><p> 価格=(原材料費・エネルギー代+人件費)×マークアップ率÷数量</p><p> 1,800円=(1,000,000円+500,000円)×1.2÷1000単位 <br /></p><p> この場合、粗利潤は総額300,000円となり、それがプラントの減価償却費と利潤に相当する部分ということになります。ここで理論上問題となるのが、マークアップ率がどのように決められるのかという点ですが、これが必ずしもきちんと説明されているわけではありません。多くの場合には、これまでの経験から過去に実際に実現されたマークアップ率を計算し、それを新たな価格付けに際しても適用することが多いようです。(この問題をさらに追求すると、かなり複雑で、複合系の問題になってしまうので、ここでは断念します。)</p><p> さて、もしあなたが会社の経営者だったならば、利潤(利得)を増やすために、どのような方策を考えるでしょうか?</p><p> 競争的な環境の中で長期的な観点から考えれば、設備投資を通じて技術革新を行い生産性をあげればよいというのは一つの有力な考えであり、実際、高度成長期には、またその後も欧米に比べて比較的高い成長率を実現していた1980年代まで日本企業はそのように行動してきました。</p><p> ところが、1991年が日本企業にとって一つの大転換になりました。シニアの人ならば誰でも覚えているはずの、バブル崩壊と金融危機です。戦後経験したことのなかったような景気後退も生じました。しかも、その年は、戦後のベビーブーム期の最高点(1947年)に生まれた人々が44歳になった時です。40代といえば企業でも入社後20年以上たち給与がかなり高くなった時期です。会社経営者にとっては、不況の中で増えてゆく人件費が頭痛の種だったはずです。</p><p> 悪魔が彼らの耳元でささやいたに違いありません。「賃金を圧縮せよ! さらば救われん」というわけす。</p><p> もっとも私もそうですが、会社経営をやっている人ならば、戦後の高度成長期に大学でケインズ経済学を学んだはずであり、彼らがきちんと理解していると仮定するならば、「合成の誤謬」なるものを知っていたはずです。 それは、「もし賃金圧縮をあなたの会社が行うだけならば、あなたの会社の製品価格を引き下げることができ、その結果、あなたの会社の売上げ、そして利潤は大きく増えるであろう」が、しかし、「もし賃金圧縮をあらゆる会社が行ったならば、日本国民の総給与所得は減少することになり、その結果、彼らの購買力は低下し、有効需要は減少し、不況となる危険性が高い」と教えたはずです。</p><p> ところが、いかなる偶然か、1992年に日本も加盟しているOECD(先進国の仲良し経済クラブ)の企業者グループが「ケインズ殺し」を行いました(ケインズは1950年になくなっているので、ここで言うのは、当時盛んに「ケインズ(理論)は死んだ」ということです)。</p><p> 彼らはケインズから、アメリカで流行していた新古典派または90%以上が新古典派経済学である「新ケインズ派」へと鞍替えし、新しい「理論」を唱えるようになっていました。その主たる主張というのは、高賃金は(あるいは労働者を簡単に解雇できないような硬直的な労働市場を持つ国は)、高い失業率という代償を支払わなければならないというものでした。その上、その主張の矛先が日本に向けられたのです。1992年にOECDが日本に対してなされた対日勧告は、なぜかこの国ではよく知られていませんが、その後の政策変更を決定づけた点で、きわめて重大な意味を持つものです。さすがに当初は日本政府も躊躇しましたが、結局のところそれを受入れ、あまつさえ積極的に推進するようになります。</p><p> 一方、経済界でもそれに同調する動きが活発化します。こちらは覚えている人が多いと思いますが、『新時代の日本的経営』なる本が1993年に出版され、その中で、非正規雇用と期限付き雇用を日本は推進するべきことがはばかることなく謳われました。</p><p> こうして<高賃金>、<労働者を保護する日本的労働制度>が積極的に宣伝されるようになり、その動きはマスコミや労働組合(もちろん連合です)にまで広がってゆきます。これに反対する主張や運動はあたかも「反動」であるかのような論調が広がっていったのが1990年代という時期でした。そして、その施策は、はやくも1997年から実施に移されます。</p><p> ただし、 ことわっておきますが、その被害者となったのは、ベビーブーム期生まれの年代ではなく、むしろこれから新たに労働市場に入ってゆく新卒世代でした。はっきりしているのは、40代50代を敵にまわせば、政治的に持たないことが分かっていたからです。昔から「分断して統治せよ」(divide and rule)と言います。多数者を敵にまわすのではなく、分断された少数者を従わせるのは、古来からの政治家の常套手段です。</p><p> 「失われた世代」(lost generation、ロスジェネ)なる言葉が生まれたのは、これより後のことでしたが、 その因はすでに1990年代に生まれていたわけです。</p><p> ここで書いた90年代の経過や、その後の帰結などについては、まだ書くべきことがたくさんありますが、今回は以上にとどめておきます。いずれにせよ、デフレもまた「所得をめぐる紛争」と深くかかわっていることははっきりしています。 <br /></p>Unknownnoreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-7801649817273939885.post-37756193761534929722022-12-05T13:26:00.003+09:002022-12-05T13:26:51.366+09:00物価について 5 所得分配をめぐる紛争<p> しばしばインフレというと、やれ「コスト・プッシュ」だ、やれ「デマンド・プル」だという人が出てきます。そのように語っている人自身が自分の言うことをどれだけ自覚的に認識しているかは不明ですが、なんとなくそう言っているだけかもしれませんし、あるいはここでも言及した需給曲線の均衡点「理論」を念頭に置いているのかもしれません。しかし、すでに述べたように、需給均衡理論は、所与の環境が同じという状態のもとで、何らかの偶発的な撹乱要因が作用した場合に、どうなるかを示す努力もしてはいますが、終局的には、事態が均衡点(p、Q)にどのようにして収束するかを示すものであり、本質的にインフレ(やデフレ)といった均衡を壊すような事態を説明することができるような理論体系ではありません。その上、例えばコスト・プッシュはただ単に生産費用が上がるということ、つまりインフレが生じているからインフレが生じるということを示すにすぎず、要は同義反復にすぎません。デマンド・プルの場合も、人々の所得=購買力が増加したので、需要量が供給量をオーバーする結果として、インフレが生じると言われると、何となく説明しているようにも見えますが、通常はインフレが生じると、経済における調整が進行し、人々の(名目)所得も増えるので、それが次のステップのインフレを持続させるという面がなくもありません。</p><p> 誤解のないように言っておきますが、私は供給側や需要側の要因がまったくないと言っているわけではありません。ただ、その具体的な様相をはっきりさせずに、抽象的にコストだデマンド(需要)だといっても無意味だと言いたいだけです。おそらく、インフレ(そしてデフレ)の一般理論を構築するとしたら、ポスト・ケインズ派の人々が語るように、「所得配分をめぐる紛争」が根底にあると言えるでしょう。そこで、ずっと後で、新古典派の均衡理論をディスする前に、 簡単に所得分配をめぐる紛争(conflicts)とはどのようなものかを説明しておきましょう。(ここで、「紛争」という言葉が何か資本主義の欠陥を指し示すように思えるため、気にくわないという人がいたら、そうした人のためには、「競争」と言い換えてもよいと思います。</p><p> 「所得分配をめぐる紛争(競争)」ということのイメージをはっきりさせるために、1970年代のインフレーションを取りあげます。このインフレーションは、日本などの原油輸入国にとっては、輸入する原油価格の高騰によって進行したので、輸入原料(原油)の値上げによるコスト・プッシュとも輸入インフレとも言ってよいでしょう。フリードマンの言うように、決して通貨増発が原因だったわけではありません。当時は、フリードマンを神のように崇める人もいましたが、今そのようなことを言ったらただのおバカさんです。</p><p> が、そもそもなぜ原油の価格げ突然急激に引き上げられたのでしょうか? そのためには、戦後の国際経済体制を概観しておく必要があります。つまり戦後、日本、ドイツを含む欧米社会が産業的発展を謳歌する中で、第一次産品の生産と輸出に特化していた産油国を含む途上国は、輸出品の価格低迷に苦しんでいました。このことは、いわゆる交易条件に関する各種の統計を見れば一目瞭然です。(ここでは面倒なので、示しませんませんが、興味のある人はググって確認してください。)</p><p> なぜか? 力、すなわち市場支配力の差です。欧米日の主要国は圧倒的な資本力を持ち、途上国の製品(第一次産品)を安価に買いたたくことができました。例えばコーヒ豆の生産者は多数ではあっても、資力の乏しい分散した小規模な農夫であり、一方、買う側は巨大な独占的企業です。彼らにとってはあたかも赤子の手をひねるようなもの、勝負あったです。ついでに私が大学のゼミ報告大会で経験したことにもふれておきます。私の学生は、なぜか報告テーマにコーヒー豆に関連した「フェアトレード運動」を選びました。そして、当日、報告すると、ある大学の若い教師が「自由市場に介入するのは、公正な市場を歪めるのではないか」と問うたしだいです。この後の展開は省略しますが、質問した教師は、どうやら自由で公正な市場が存在すると本気で信じていたようです。</p><p> 原油については、1960年代まで欧米の石油メジャーが中東の油田を支配しており、原油をやすく買い取り、欧米日に輸出して巨万の富を築いていたことは言うまでもありません。 「石油メジャー」、今では懐かしい言葉になりました。</p><p> ところが、そんな中東の産油国にとって絶好の機会が訪れました。それは第四次中東戦争です。この機会を捉えて、彼らは国際石油カルテルを結成し、自国の原油販売価格を何倍にも上げることに成功しました。これは、原油を輸入している国にとっては、これまでの代金の何倍も支払わなければならないことを、つまり巨額のオイルマネーが輸入国から輸出国に移転したことを意味します。ロシアがウクライナと戦争している今現在も、本質的にはまったく同じことがおきていますが、これは日本の統計も認めている通り、巨額の所得(マネー)が原油(+ガスなど)の輸出国に流れていることを意味しています。</p><p> イギリスの著名な経済学者のN・カルドア卿は、1980年代に書かれた本の中で、このオイルマネーの総額を推計していますが、いまは本棚をひっくり返して調べるのが面倒なので、詳しい紹介は省略します。ともかく、輸入国の景気を例えば3%も悪化させるほどの、所得流出だったわけです。そして、当時(1970年代初頭)すでに3%の経済成長を実現することが難しくなっていた欧米諸国はGDPの低下を伴う激しい不況に陥りました。ちなみに、日本の成長率は5,6%ほどはあったので、プラス成長は維持したように思います。</p><p> この出来事は、振り返って見ると、戦後の世界経済体制の枠組みはがらっと変わる転機をなしたことは間違いありません。途上国は、また中国も、ひたすら第一次産品の輸出国の状態からの脱却をめざし、工業化の政策を推進してきました。一方、欧米諸国では、それまでの福祉体制から脱却しようとして、新自由主義政策(自己責任の強調、リストラ、金融の自由化など)を進めるとともに、工業分野を安価な労働力の途上国に移転させてきました。現在の国際経済体制が1970年代と1980年代に生じた大転換の余波の中にあることは、否定できないと思います。</p><p> 少し脱線気味になりましたが、元に戻り、もう一つ1991年のロシアのハイ・インフレについて述べたいと思います。きちんとした統計資料をあげながら書くのがおっくうなので、記憶にもとづいて大雑把な話しをしますが、大体の筋は間違っていないと思います。</p><p> 習知のように(?)、ゴルバチョフ氏がソ連共産党書記長に就任し、ペレストロイカをはじめてから、ソ連経済にもかなり大きい変化が生じました。その全てに言及することはできませんが、インフレに関連する限りで言うと、ソ連のゴスバンクが国有企業に与えた貸付額も巨額に膨れ上げっていました。建前上、ソ連企業は、利潤を国庫に納めることとなっており、また損失を自己負担することになっていましたが(独立採算制)、実際には、ゴスバンクが融資によって補塡していました。また経済発展のための設備投資が推奨され、そのための資金もジャブジャブと供給されていました。こうした潤沢な資金は、様々な経路を通じて従業員の貨幣所得(労働報酬、給与・賃金)を大幅に増やしたとされています。私は正確な統計を持っていませんが、ごく短期間のうちに倍になったとも言われています。しかも、この間も供給側の要因はほとんど改善されていなかったわけですから、末期の旧ソ連では、激しい需給不均衡が生じていたことは間違いありません。またかなりのインフレーションが避けられないという見透しもありました。したがって人々は、給与を手にすると買物競争に 走り、その結果、「モノ不足」「行列」が日常茶飯事となりました。テレビでこうした報道を見て、ソ連は「貧しくて、モノ不足」という印象を持った人が多かったはずです。</p><p> ちなみに、ゴスバンクが融資した貸付が企業によって、また給与として受け取った従業員によって返還されることはありませんでした。これは、アベノミクス(異次元の金融緩和、事実上の日銀の国債引受)によって政府に巨額のマネーが渡っている日本に似ていなくもありません。この国債は、近い将来償還される当てもなく、むしろ今後増えていくだろうことは誰もが予想していることです。そして、もはや日本人はMMTという神様のような存在にすがりつくしかない状態にあるようです。かつてハンガリーの経済学者ヤノシュ・コルナイは、「ソフトな予算制約」(銀行がいくらでも求めに応じて資金を提供する)という用語を用いて、ソ連経済の作動様式に批判的見地を示しましたが、日本がそれに近づいていることは、不気味な限りです。</p><p> また脇道にそれました。ロシアに戻ると、すでに1990年には、ロシアを自由な市場経済にすれば、激しいインフレが生じるであろうことは多くの識者には明らかになっていました。それに加えて、ロシアでは1991年に激しいインフレに道を開く本質的な「改革」が実施されました。その中でも最も重要な施策の一つは、私有化(privatizatsiia)です。多数の国有企業が二束三文で旧経済官僚の手に売却されました。</p><p> ここで旧ソ連の国有企業の多くが独占的な、つまり競争相手を持たない巨大企業だったことを思い出す必要があります。二束三文で独占的な巨大企業を手に入れたオリガーキーは、思う存分所得(利潤)を増やすために、何の気兼ねもなく、自社製品の販売価格を上げはじめました。ここには、前に欧米企業ビジネスマンを価格粘着性に固執させる動機はまったくありません。ロシアの消費者は、値上げされた商品を買うしかなかったのです。もちろん、インフレとともに、賃金の引き上げを求める声も高まります。かくしてインフレのスパイラルはとどまるところなく、進行します。現象としては、「コスト・プッシュ」も「デマンド・プル」も生じることになるのです。</p><p> そして、このインフレを止める最後の手段としては、中央銀行の金融引き締め策しかないことに人々は気づきます。別に貨幣量の拡大がインフレの原因ではなくても、そうせざるを得ないというジレンマがここには見られることになるわけです。</p><p> さて、ここまで書いてきましたが、近年(ここ30年?)の日本では、インフレではなく、デフレに見舞われてきたが、こちらはどうなのかという疑問もあるかと思います。そこで、つぎにこの点をいくぶん詳しく見ておきたいと思います。</p><p> (続く) <br /></p>Unknownnoreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-7801649817273939885.post-33029770367552058262022-12-05T10:03:00.002+09:002022-12-05T10:03:18.392+09:00物価について 4 幼稚な、あまりに幼稚な貨幣数量説<p> 物価は変動しますが、中でもインフレーション(インフレ)と呼ばれて、物価水準の持続的な上昇傾向が現れることがあります。歴史上よく知られているものには、1923年ドイツの天文学的なハイパーインフレーション、戦後日本のハイインフレーション、1970年代の停滞(stagnation)を伴ったインフレーション、ソ連崩壊後のロシアの1991年のハイパーインフレーション、そしてロシアのウクライナ侵攻によって生じている現在の世界的インフレーションなどがあります。</p><p> こうしたインフレはどうして生じるのでしょうか? 1970年代に世界的なインフレが生じたとき、アメリカの経済学者ミルトン・フリードマンは、インフレが「貨幣的現象」であると言い、また「貨幣数量説」を唱えました。彼は、後に俗に「ノーベル経済学賞」なるものを取っていますが、これは正確にはノーベル賞ではなく、「アルフレッド・ノーベル」の名を語ったニセのノーベル賞であり、正しくは「ノーベル記念スウェーデン国立銀行賞」です。これについても、いろんな話しがあるのですが、ここでは脇道にそれてしまうので、本道に戻ります。</p><p> さて、インフレが まさに「貨幣的現象」であることには私も同意します。しかし、貨幣的現象だから貨幣数量説が成立するというのは、論理が完全に飛躍しています。それは幼稚すぎるほど、幼稚な理解とさえ言えるでしょう。</p><p> 簡単に言えば、この考えは、物価水準が貨幣(通貨)量に比例しており、通貨量の変動に応じて物価が変動するというように定式化されます。数式で表現すれば次の通りです。</p><p> p=M/Q (p:物価水準、M:通貨量、Q:流通商品量)</p><p> 実は、この式には、様々な経済学上の問題点が含まれており、それを一通り説明するだけでも一苦労ですが、特に先を急いでるわけでもないので、ざっと説明したいと思います。</p><p> まずQ(流通商品量)ですが、世間には数万品目とも数十万品目ともいわれる商品種類があります。そしてそれらの量(総金額ではありません!)を表現する方法は、残念ながら、まったくありません。例えば米なら昔は「俵」「斗」「升」などで表現され、今ではkgで計量表示されます。また鉄などの金属はkgやトンなど、車は「台数」で示されます。しかし、医療などのサービスに至っては従事する人の勤務時間を除いて量を表示する方法を私は知りません。これらの雑多な商品の総量(おそらく物理量というべきでしょう)を一つの単位で示すのは不可能というべきです。実際には、人は(もちろん経済学者も)貨幣で示した総額を物価水準で割って総量(とその変化)を類推しているにすぎません。(そして、これが実際に行われている方法です。物価統計を思い出してください。)ただし、仮に労働価値説が成立し、すべての商品の価格が投下労働時間に比例していると想定するならば、総労働時間が商品量を示す"proxy"(代替物)にはなるでしょう。</p><p> しかし、この点はあえてスルーして、かりに商品総量が 物理量で計測できるとしましょう。次の問題は、通貨量ですが、これは現在ではどこの国でも行われている統計(中央銀行などの諸表)から知ることが出来そうです。しかし、ここにも問題はあります。というのは、学生向けの新古典派の教科書経済学では、貨幣は商品を売買するための手段としてしか登場しませんが、例えばケインズが述べているように、貨幣(通貨)には商品の売買のための機能以外にも様々な需要(用途)があるからです。例えばもしもの時の準備(予備)のための需要、資産保有のための需要(銀行預金など)、資産の売買のための需要などがそれです。つまり統計から通貨量を知ることができても、そのうちのどれだけが商品の売買のために使われたのかを知ることは、一般的に不可能です。もちろん、ある種の推計はできるかもしれませんが、それが事実に近いか、またどれほど近いかは「神のみぞ知る」です。</p><p> もう一つことわっておかなければならないのは、これは「金」というそれ自体として価値を持つ商品が貨幣素材であった以前の金本位制の時代ではなく、金本位制離脱後の通貨体制のことだということです。 現今の通貨体制では、銀行は様々な法的制約を受けていますが、単に技術的ということであれば、人々の貸付を行うことによって、いわば無から通貨を創りだしています。もし私が銀行から10億円を借りることに成功すれば、私の銀行口座には、10億円の預金残高が記入されることになるでしょう。銀行員がPCに向かって私の銀行口座に10億円と記入すれば、それで終わりです。</p><p> *ついでながら、銀行は、私たちが預金したお金を使って、それを他の人に貸し付けるという誤った理解をしている人がいるようですが、それはもちろん幼稚な誤解です。そもそも現今の通貨は、銀行が人々に貸付を行わない限り、社会に出てきません。</p><p> *もう一つ、ついでながら、最近、ネットでも紹介されるようになったMMT(現代貨幣理論)ですが、これの成否について、このような小考で論じることができないことは言うまでもありませんが、一言のみ。まずMMTがここで述べたような通貨発行のメカニズムから出発していることは言うまでもありません。しかし、政府が大量の国債発行をし、それを日銀が事実上引き受けるというような体制について、例えば山本太郎さんが「借金をしている人がいるということは、他方で貸している人もいるということです」と言っていることについては問題があると思います。確かに簿記における負債=資産という恒等式が常に成立することは言うまでもありません、それが政府がどれだけ国債発行をしても問題はないという結論を導くことはありません。もっとも、彼も「インフレが生じない限り」という限定を付していることは注意しなければならず、また彼がクズ政治家の多い状況の中で、多くの点で、まともな政策を提言している野党政治家の中の一人であることは間違いないと思います。</p><p></p><p> さて、ミルトン・フリードマンは、銀行がヘリコプターからお金(銀行券)をばらまくという比喩を使いましたが、現実にはもちろんそのような事は絶対にありえません。実際には、市中銀行が人々に貸付を行うことによって、通貨は社会に出てきます。</p><p> さて、ここからが本論ですが、フリードマンは、生産量に比べて社会にでまわる通貨が増えすぎるので、インフレが生じると考えました。この思想は、上式から見て、正しそうに思えます。しかし、そこにはいくつかの虚偽の推論が含まれています。</p><p> まず貨幣数量説は、頭の中の想像としてであれば、成立する余地はあります。もし何らかの事情で、突然、通貨量が2倍になったとします。その他の事情が同じならば、物価が2倍になってもおかしくないかもしれません。これは、例えば宇宙のすべてが2倍になったならば、私の背丈も、部屋も、物差しも、何もかも2倍になり、その結果、2倍になったこと自体が認識できないのと、似ているかもしれません。</p><p> しかし、実際に考えなければならないのは、そのような妄想ではなく、あくまで現実の世界で人々が新たな貸付を受け他結果、通貨量が増えて行くという事態です。 これは、中央銀行や市中銀行が勝手にヘリコプターから通貨をばらまくという妄想とは異なるものです。</p><p> はたして銀行(中央銀行を含む)は恣意的にばらまく通貨を増やしたりするものでしょうか? もちろん、銀行は人々(個人や企業)の通貨需要に応じて、貸付を行うものであり、かってに通貨(貸付)を増やすことなど決してできません。これを経済学の言葉でいうと、通貨量は「内生的に」(経済社会の必要に応じて)生じるものであり、銀行が「外生的に」(経済状況とは関係なく恣意的に)決めることができるものではありません。</p><p> もっとはっきり言えば、実際には、通貨量が増えるからインフレが生じるのではなく、逆にインフレが生じるために、通貨需要が増えて実際の通貨量(貸付量)も増えるというのが実際に因果関係です。</p><p> このことを示すものとして、実際に生じたインフレ時にどのような事が生じているかを示すのがよいと思います。どれでもいいのですが、例えば1991年のロシアで生じたハイインフレを取りあげましょう。この時も、ひとたび激しいインフレが生じると、その勢いは止まらず、あっという間に物価は千倍あるいはそれ以上に上昇しました。もちろん、ロシア中央銀行が意図的に1000倍あるいはそれ以上の通貨を発行してインフレを加速しようとしたわけではありません。彼らはインフレを抑えようとして、金利を引き上げ、通貨量を抑制しようとしました。しかし、主観的には通貨量を抑制しようとしても、現実には通貨不足が生じており(多くの地域で現物交換さえ行われるようになり)、通貨を求める声は高くなり、結局はそれに対応することを余儀なくされます。統計を見れば一目瞭然ですが、M/pの値は激しく低下してゆきました。もし通貨(M)の増発がインフレの主導的要因であれば、少なくとも物価水準pに比例して通貨量Mの数値が増えるはずですが、現実に生じていたのは、その逆だったのです。<激しいインフレの中の通貨不足>、これが1991年のロシアを襲った現実でした。</p><p> では、インフレはどうして生じるのか? これをあらためて問う必要が出てきます。あらかじめ、現在の本当に有能な経済学者たちが見ている本当の要因を示したいと思います。それは、一般化して言うと「貨幣的要因」であることは間違いありませんが、通貨量ではなく、「所得をめぐる紛争」(conflict over income)に他なりません。「所得」、これはすでに本ブログでも示したように、価格決定の背後にあるきわめて重要な要因です。それが物価変動に大きい作用を及ぼしたと考えるのは、きわめて合理的なことです。が、この点については、稿を改めて検討してみたいと思います。</p><p> (続く)</p>Unknownnoreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-7801649817273939885.post-26338946628017205412022-12-04T14:50:00.003+09:002022-12-04T14:50:20.890+09:00物価について 3<p> 前回は、価格現象の背後には、価格を価格たらしめる価値の実体があるという思考法を取りあげ、効用価値説と労働価値説を簡単に検討してみました。この2つのうち、効用価値説が成立する余地はないことを、ごく簡単な経済学史の整理を通して明らかにし、また労働価値説についても、それが例えば物理学にいう物質(の重量)と質量との関係にような意味では、労働が価格(価値)の実体ではありえないことを結論しました。ただし、労働量(というより労働時間)と価格との関係については、人が一定期間に妥当な労働時間と妥当な所得を実現することを求め、その結果、労働量が価格を決定するための最重要な要因となる力学(メカニズム)が存在する可能性を示唆したつもりです。</p><p> もちろん、これらの点についてもまだ述べるべき問題が残されていますが、それはしかるべき機会に委ねることとして、今回はさしあたり物価の変動に移ることとします。</p><p> 物価がそれをとりまく諸条件(環境)の変化に応じて変化することはあらためて言うまでもありません。とはいえ、日常の経験からも明らかな通り、モノ(商品)には、①価格がかなり激しく変動するものもあれば、②どちらかといえば安定しており、少なくとも短期的にはほとんど変動しないものもあります。スーパーなどで経験している通り、前者には、農産物や海産物(主に第一次産品)が含まれており、これらの商品の値段は毎時間、毎日とはいわなくとも、めまぐるしく変わります。季節的な変動が激しいのも、こうした商品の特徴です。卑近な例をあげれば、今年は雨がちの天候が続いたため、タマネギやジャガイモの値段が例年と比べてもかなり高騰しましたが、現在ではほぼ例年の水準に落ち着いているようです。このように多くの第一次産品が価格を大きく変動させる要因が供給側の事情にあることは、普通の人でもよく理解していることでしょう。例えば私の好きなイカがほとんど店頭に並ばなくなり、稀に並んでも異常な高値(700円/杯)がついていては、買う気も起きなくなります。</p><p></p><p> 一方、同じ食品でも加工品などは、一年を通じて同じ値段に設定されていることが多く、工業製品(第二次産業の製品)や各種のサービス(第三次産業の産出物)もかなり安定しています。そこで、今年のようにインフレーションが大きい問題となった年には、いつも498円で売られていた食品(海鮮丼)が598円になっているのを発見したときには、インフレが実際に生じていることを実感することになりました。</p><p> このような物価の安定性、あるいは「粘着性」(stickiness)は世界的に見られる現象であり、特に欧米ではときおり経済学者の調査の対象となるほどです。その際、ほとんどの商品の価格を設定するのは、それを生産する企業ですので、物価関係の調査は企業の価格設定行動に関する調査を通して実施されてきました。</p><p> その結果を要約すれば次のようにまとめられるでしょうか。</p><p> 通常、企業は価格設定についてはかなり保守的であり、1)値下げを欲しないばかりでなく、2)値上げについても消極的な態度を取ります。まず値下げについては、仮に自社が値下げしたとき、もし他社が追随しなければ、自社の売上げが増え、結果的に総売上げが増えるかもしれませんが、しかし、実際には、他者もそれに追随する可能性が高く、その結果、その業界全体が損失を被る危険性が高い、このようにビジネスマンは考えます。それでは値上げについてはどうか? もし値上げしたとき、かりに他社が追随すれば、(消費者が購入をひかえることもできず)その業界全体が利益を増やす可能が生まれることが期待されます。しかし、ビジネスマンは、もし他社が追随せず、値上げしたのが自社だけとなった場合、自社の販売が減少し、利得を増やすどころか、損失を被るリスクが高い、と考える。</p><p> 要するに、ビジネスマンがこのように考えるのは、彼らが現代経済でも市場競争が行われており、その環境を前提として価格設定変更のリスクを考えるからです。その際、彼らがかなり大きく変動する第一次産品を製品の原材料の購入者であるにもかかわらず、そうした変動を想定して価格設定を行っているため、彼らは同時に第一次産品の価格変動を吸収し、抑える役割を演じていることも指摘しておく必要があります。</p><p> しかし、こうしたことは彼らの次のような価格設定行動を理解するために重要です。それは、インフレーション(仏家水準の上昇)が進行している時の行動です。この場合、原材料や(それに対応する)賃金の上昇の影響は、自社だけでなく他社も同様に被るため、値上げを躊躇することはほとんどありません。これは欧米の企業についてはもちろんですが、近年値上げにことさら神経質になっていた日本企業についても(欧米に比べれば、小さいレベルかもしれませんが)同様です。 (ちなみに、日本経済については、機会を見つけてより詳しく検討してみたいと思います。)</p><p> ところで、こうした価格の「粘着性」問題については、ビジネスマンの上記の態度が経済理論的にどのように整合的に説明されるのかを、検討しなければなりません。 とりわけ、私たちは価格決定に関するクロス(需給の均衡点)理論を否定した以上、それに替わる理論的説明を行うことが求められます。</p><p> またこれらのこととは別に、インフレーション(そしてデフレーション)の問題を議論する必要があり、特にそれらがなぜ、どのような要因で、あるいはメカニズムを通じて生じるのかを検討しなければなりませんが、そのためには、何と言っても現代における貨幣(または通貨)の問題をあらかじめ理論的に整理しておく必要が出てきます。</p><p> (続く) <br /></p>Unknownnoreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-7801649817273939885.post-91715605961802156322022-12-03T09:52:00.000+09:002022-12-03T09:52:05.090+09:00物価について 2<p> 初回は、主に新古典派の教科書経済学に載っている需給に関するクロス図の非現実性=虚偽性を説明しました。これについては、まだ重要な点が二三残っていますが、それらについては後日適宜言及したいと思います。それに言及するためには、その前に明らかにするべきことがいくつかあるからです。</p><p> さて、今日はいわゆる労働価値説(value theory of labour, or theory of labour value?)について語ることにします。が、本論に入る前に、前回説明したクロス図が効用価値説(theory of utility value)と呼ばれていることに注意しておきたいと思います。実際には、この理論は、限界効用の低減および限界費用の逓増という2つの公準にもとづいているので、そのうち効用だけを取り出して、効用価値説と呼ぶのはいかがなものかとも考えるのですが、世間ではそのように呼んでいるので、ここでもさしあたりそのように呼ぶことにします。</p><p> イメージとしては、例えば現代の物理学者が「質量」と呼ぶものを考えると理解しやすいかもしれません。ここに例えば10kgの米と10kgの鉄があるとき、両者は素材としてはまったく異なったモノ(米と鉄)です。しかし、この地球上では両者とも10kgであり、かりに月面に持って行って計れば、両者とも2kg弱になるはずですが、その中に含まれている実体(質量)は変わる訳ではありません。</p><p> このように価格現象の背後にある実体(substance)が存在するという思想は、少なくとも古代ギリシャにまで遡ります。哲学者アリストテレスが家政術(oikosnomos)を論じた書物の中で、価格現象を取りあげ、複数の等しい価格の中には等しい何か(実体)が隠されているのではないかと考えたことはあまりにも有名です。</p><p> x単位のワイン=1ドラクマ</p><p> y単位のオリーブ油=1ドラクマ</p><p> 等しい価格1ドラクマの中には共通の何かがあるに違いないと考えるのは、ある意味で当然の思考方法でしょう。しかし、結論的に言うと、アリストテレースは、そのような実体(あるもの)を発見することはできず、そこで存在しないという結論に達します。</p><p> それからおよそ2千年。ブリテン島の一群の経済学者たちは、当該商品を作り出すのに投下された労働こそがその実体であり、価格の大小は投下された労働量の大小によって決まるという思想に到達しました。(労働価値説としては、その他に支配労働価値説と呼ばれるものがありますが、これは省略します。)その中でも最も有名な経済学者がアダム・スミスであり、その経済学上の主著が『諸国民の富』(the wealth of nations, 1776)であることは言うまでもありません。</p><p> <br /></p><p> しかし、アダム・スミスの労働価値説は、必ずしもスムーズに次の世代に受け継がれたわけではありません。多くの批判者が現れました。その中でも最も重要な人物が***であったと、私は考えています。彼は経済における人間の意識、または主観の重要性を指摘しますので、しばしば誤解されて、効用理論の提唱者とされることがありますが、それはまったくの誤り、無理解です。実際、彼は効用理論もまったく成立しがたいと考えていました。私は彼がイングランドの正当な哲学的伝統の上に立っていたと考えています。</p><p> 彼の言うことは、こういうことです。 どのような価値実体説であるにせよ、それらがなり立つからには、それは人(各個人にせよ、集団にせよ、社会全体にせよ)の意識にのぼらなければならず、人によって認識されなければならないということです。その認識メカニズムが明らかにされない限り、社会科学としての経済学の理論は成立しない、と。</p><p> 私もその意見に完全に同意します。そして、これが自然科学と社会・人文科学とを峻別する相違点をなすと思います。前の話に戻り、物理学の質量を取りあげましょう。物理法則、例えばニュートンの運動方程式は人間の意識とは無関係に成立します。もちろん、それを認識するのは人ですが、宇宙に発射されたロケットが描く軌道は、地上の人間の意識とは無関係に決まります。もちろん、官制センターの誰かが軌道を変えるための指示(電波を通じた操作)を与えれば別ですが、そうでない限り、ロケットは物理法則に従って運動するのみです。しかし、経済は人間の営みであり、人の意識によって決定されます。</p><p> 後に(19世紀)になってから、まずD・リカードゥが、そして次にK・マルクスが労働価値説の再構築を試みますが、その場合でも、いま述べたことは当然当てはまります。</p><p> ここでちょっと思考実験をしてみます。今、あなたがマーケットで買い物をしているとします。あなたは、買いたい商品を探しだし、そのパッケージを見て価格を確認します。もしその価格を妥当と感じれば、買うでしょうし、高すぎると感じれば、買わない可能性もあります。しかし、決してその商品の生産のために投下された労働量を考えることはないでしょう。もしいたとしたら、それは超レアな人に違いありません。しかし、そのようなレアな人も実際にその商品に投下された労働量を知ることは不可能でしょう。</p><p> ただし、これで話しは終わり、という訳ではありません。市場で商品を買うという瞬間の時点では、商品に投下された労働量を知ることができないとしても、もっとルーズな、現実の長いタイムスパンの中ではどうでしょうか?</p><p> この場合でも、個々の商品の生産に投下された労働量を正確に計測することはありえない不可能事であることは疑えません。そもそも一口に労働量といっても、個々の労働は異質であり、ある人の一時間の労働(製鉄作業)と別の人の労働(農業)はまったく違う作業です。この点について、マルクスはもちろん気づいており、「具体的有用労働」が「抽象的人間労働」に一般化される経路があると主張します。また複雑労働の単純労働への還元についえても言及します。私は、この主張に完全には同意できないところがありますが、ともかく、最終的には、労働時間が労働量を計測するための単位であるという結論には、同意せざるをえません。</p><p> そして、労働時間については、人によってかなり異なるとはいえ、当該社会にとって標準的または妥当な水準に関する社会的同意はあると言えるでしょう。現代の世界では、欧州の労働時間はかなり短くなっており、1500時間/年ほどでしょうか。日本の場合は、それよりかなり長く、2000時間ほど。ダラダラ働き、時間あたりの労働生産性の低さが問題点として指摘される程です。</p><p> 瞬時ではなく、長いタイムスパンの問題として、次に取りあげなければならないのは、所得です。所得は、一定期間に実現されるフローの量であり、ほとんどすべての人が働くのは、この所得を得るためです。そして、上記の労働時間を通じて人々が年間に受け取る所得は、年齢・職業・性別・熟練度・その他の要因に応じて、バラツキ(格差)があります。</p><p> ともあれ、多くの人の意識の中では、「自分はこれだけ働いたのだから、これだけの所得を受け取って当然」と満足したり、「あれだけ働いたのに、少ない」と不満を並べる、等々です。</p><p> ここで述べたことは、何を意味するでしょうか? 次のようなことは、間違いなく言えるはずです。</p><p> 1,マルクスが資本論で当然のように前提して記述を行っている投下労働時間に応じた厳密な等価交換は、実際には行われていない。むしろ不等価交換といった方がより正確であろう。</p><p> 2,それにもかかわらず、労働時間と所得というターム(現実に認識される事実)を通じて、労働量(あるいは労働時間)は、物価に大きく寄与している。</p><p> この2点についてさらに敷衍したいと思います。</p><p> 現実の取り引きでは、投下労働に応じた等価交換が行われていないことは、現実の経済を少しでも観察したことのある人なら誰でも分かることでしょう。もしもそれを信じている人がいたら知性を疑いたくなります。それにもかかわらず、マルクスが等価交換を前提として理論を組み立てた理由が問題となりますが、その理由の一つが彼もまた人は「理念型」を通じてしか現実に接近できないと考えたからと、私は思います。</p><p>「理念型」(ideale Typen) というと、マックス・ヴェーバーを思い出す人が多いと思いますが、私の意見では、彼に限るわけではありません。</p><p> そもそも人の認識能力は限られており、複雑で複合的な要因からなる不確実な現実世界を「ありのままの事実」として見るためには、複雑な手続きが必要となります。われわれは、構成的概念を用いて現実に接近しなければなりませんが、その理由は、私たちが現実を一挙に正確に認識できないからです。現代の物理学でも、私たちの住む宇宙(時空)のすべてを認識できないため、構成的概念を用いています。そして、「ありのままの事実」が少しづつ認識される程度に応じて、理念型に合わない部分を修正し、ある場合には構成的概念を全面的に組み直すことも行われます。</p><p> 社会科学でも同様でしょう。かつて、ある人が私に向かって、ヴェーバーの理念型は、静態的、固定的で現実にあわないという旨の発言をしたことがあります。しかし、ヴェーバー自身はそのようなことは当然織り込み済みであり、現実の世界はもっと複雑であることをよく知っていたはずです(「社会政策学と社会科学的認識の客観性」論文)。例えば彼は、中国が典型的な家産制国家であると言いますが、同時に、それを破るような試みが歴史上しばしば現れたことをも注意をもって指摘しています。</p><p> マルクスに戻ると、彼もまた<とりあえず前提して議論を進め>、後でその前提自体を再検討するという作業をしばしば行ってきたように思います。ところが、原理主義的・訓詁学的マルクス派がそのことを理解せず、マルクスを検討することを拒否してきたように思います。そして、そうこうするうちにマルクス自身が拒否されることにもなってしまったようです。</p><p> もう一つの点です。マルクスは『資本論』を出版した後に、ある医師から<この本は、労働価値説を前提として議論を議論を進めているが、労働価値説自体が説明されていない>旨の意見を受け取りました。私も(多くの読者もそうではないかと思います)、そう思います。そして、これに対するマルクスの返信が私には大きい関心をそそります。彼の返信は、<労働なしには、どんな社会も一週間と存続できない>といった趣旨のものです。</p><p> 私も、これには100%同意します。自然(地球)と労働は富の二つの源泉です。たしかに、これは投下労働に応じた等価交換を必ずしも意味するものではありません。しかし、労働なしで富は享受できないこと、そして物価の背後にある要素の中で、労働こそが無視できない、最も重要なものであるということは否定できません。</p><p> 繰り返しますが、私は厳密に投下労働に応じた交換がなされていると主張しているわけではありません。現実には、不等価交換が行われています。しかし、それにもかかわらず、労働量(または労働時間)は価格の背後にはり、それに最も強く作用する要因であることも否定できないはずです。それを人が意識・認識するメカニズムもあります。</p><p> このような意味で労働価値説が妥当することは、社会的にも広く意識されています。例えば、現在日本の人口統計学的状況はかなり悲惨となっていることが(遅まきながら)意識されてきました。毎年の出生数は、安倍政権時代にも急激に減少し、減少傾向はおさまる気配を示していません。これは味気ない経済学のタームを使って表現すれば、今後、(外国から労働力=移民を受け入れない限り)労働力が何十年間も減少しつづけることを意味します。もちろん、これが意味することははっきりしています。</p><p> 私の意見は、「日本、オワコン。この先も長く続く衰退の道」、この一言につきます。下の図から、橋下・小泉構造改革(リストラ)の時代、安倍腐敗政権の時代にいかに危機的に少子化が進行したかを、よく見ていただきたいと思います。 </p><p>(続く) <table align="center" cellpadding="0" cellspacing="0" class="tr-caption-container" style="margin-left: auto; margin-right: auto;"><tbody><tr><td style="text-align: center;"><a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEhjHpEbIgf3gyxNvl43f6iCEScCzl7DH4_oroiXbnmQOaeVHQvrB0JWxeYeXjIBdtfOy8hO2eHQmbwcRNGWnNkLJebLY2ONefw28FeNk0ldqW3CiP6ovpuxNcwK-gr42VRbNZhbZr8gUwWwjmDg26zc5Zi-nEfmmiv1SgNvDwsWzktQtaqFo45eM8QvOQ/s781/population.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: auto; margin-right: auto;"><img border="0" data-original-height="781" data-original-width="599" height="640" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEhjHpEbIgf3gyxNvl43f6iCEScCzl7DH4_oroiXbnmQOaeVHQvrB0JWxeYeXjIBdtfOy8hO2eHQmbwcRNGWnNkLJebLY2ONefw28FeNk0ldqW3CiP6ovpuxNcwK-gr42VRbNZhbZr8gUwWwjmDg26zc5Zi-nEfmmiv1SgNvDwsWzktQtaqFo45eM8QvOQ/w490-h640/population.jpg" width="490" /></a></td></tr><tr><td class="tr-caption" style="text-align: center;"><br /></td></tr></tbody></table><br /> <br /></p>Unknownnoreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-7801649817273939885.post-1482019811585711182022-12-02T15:27:00.000+09:002022-12-02T15:27:14.279+09:00物価について 1<p> しばらくぶりに本ブログを更新することにします。</p><p> この間ずっと、T・ヴェブレンの翻訳に取りかかってきましたが、5回目の訳文の推敲が終わりに近づき、何とか出版できるような日本文になってきたように思います。これまで一パラグラフずつ、そして一文ずつ、きちんと意味の通じる訳文になっているかを確認しながら、またそのためにパラグラフごとに二行以内の要旨をつけながら(アダム・スミス『諸国民の富』がそのような形式になっています)、やってきて、ほぼ誤訳や不適切訳をなくしたのではと思っています。</p><p> それはさて、「物価」ですが、今年になって日本でもかなりのインフレーション(持続的な物価水準の上昇傾向)が生じ、この間もこれまでスーパーで498円で売られていた海鮮丼が598円と20パーセントも上がっていました。この物価上昇は、言うまでもなく、輸入インフレ(輸入品の物価上昇)によるものであり、それがまたロシアによるウクライナ戦争、そして日本にとっては円安(ドル高)によるものであることは言うまでもありませんが、これに関するラジオ、テレビ等における各種の解説に違和感を覚えるものがかなりあったので、ここに私自身の考えてきたことを、きちんととは行きませんが、雑感風に綴ってみたいと思ったしだいです。</p><p> 市場(market)で売られている財やサービスに「価格」がつけられていることとは、小学生や中学生はもちろん、幼稚園児でも知っていることと思いますが、それがどのようなメカニズムによって決まるのか、どのようなメカニズムによって変動するのかは、かなり複雑であり、また複合的な性質をもっているため、それをきちんと説明するのは、専門家にとってもそう簡単なことではないと、私は思います。</p><p> こういうと、もしかすると人の中には、高校生(中学生)の時に、社会科の教科書に「×」(クロス)の図が載せられていたのを思い出して、需要曲線と供給曲線の交点で決定される(供給量=需要量と価格が)に決まっているジャンと思う人がいるかもしれません。私が大学の演習でこの問題を扱っていたとき、右上がりの供給曲線と右下がりの需要曲線の交点で価格も量も決まりますと、答えた学生がいました。</p><p> しかし、これは誤りです。少なくとも私はそう思いますし、多くのまともな経済学研究者もそう考えています。この「物価について」では、この点から始めて、物価の様々な問題について述べて行くことにしたいと思います。</p><p> さて、×(クロス)の思想がなぜ誤りなのか、経済学史(経済学の歴史)を紐解きながら、解説することにします。</p><p> この図(が示す思想 )は、何となく正しそうが気がします。繰り返しますが、何となく、です。が、何となくなので、その根拠を問われると、答えに窮する人が多いでしょう。わが学生も、私が「どうして?」と問うと一瞬戸惑い、次に「消費者(購入者)は価格が低いほうが有利ですし、反対に生産者(供給者)は、価格が高い方が有利です」という風に答えたように思い出します。たしかに人々(需要側、供給側)の「希望」がそうであることは間違いないでしょう。しかし、「希望」はあくまで「希望」であり、現実のメカニズムもそうなっているとは限りません。困りました。</p><p> そこで、次に「あなたは現実の商品、例えば米について今時点でのクロス図を描くことができますか?」と問うてみるとします。よく米を買いに行く主婦(または主夫 )ならば、5kgの米が1500円~2000円程で買えることは知っていると思いますが、それは無限にある点の中のただ一点=交点(p、Q)の情報にすぎません。</p><p> </p><div class="separator" style="clear: both; text-align: center;"><a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgZoZaMYEibfrJD9B30QRPSm68Fr_fv0IBH7FrbIeORX2XKEylfwkEUoqY2qdUllj-btSLcpkvmu7_KSloz6OMlUKDc4vkbJmqelckK8z6s8L9iuL9qwKkwt0LXdwQFhciNtGeMFPw4WAW9UfBQtbYclKNdzEzRWFQf1MiEko50iV8OsQofd7NQeI8cwQ/s568/cross.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" data-original-height="541" data-original-width="568" height="305" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgZoZaMYEibfrJD9B30QRPSm68Fr_fv0IBH7FrbIeORX2XKEylfwkEUoqY2qdUllj-btSLcpkvmu7_KSloz6OMlUKDc4vkbJmqelckK8z6s8L9iuL9qwKkwt0LXdwQFhciNtGeMFPw4WAW9UfBQtbYclKNdzEzRWFQf1MiEko50iV8OsQofd7NQeI8cwQ/s320/cross.jpg" width="320" /></a></div><br /> しかし、実証科学をめざす経済学ならば、この図がインチキと断定されないために、十分なデータがあれば、「描けるはず」ということを示さなければなりません。すくなくとも、原理的には可能だということを示すことができなければ、話しになりません。<p></p><p> そこで、この点では有能と認めざるを得ない一群の人々は、次のような思想に到達しました。</p><p> </p><p>1)右上がりの供給曲線(SS)の根拠</p><p>
単に「希望」ではなく、実態的な根拠があるというために考え出されたのは、モノ(財やサービス)を作るのに必要な費用が逓増するという「理論」でした。モノを作るのに費用がかかり、モノの生産量が増えるにしたがって総費用が増えるというのは、誰も否定しえない自明な事実でしょう。しかし、それだけでは十分と言えません。生産量が10単位のとき総費用が100円であり、生産量が20に増えたとき総費用が200円だとします。この場合、一単位あたりの生産費はいずれも10円であり、費用は逓増したとは言いません。</p><p> そうではなく、生産量が増えるにつれて単位あたりの費用が10円、15円、20円・・・と上昇してゆくとき、費用は逓増すると言います。そして、このように費用が逓増するからこそ、物価が10円、15円、20円・・・と上がって行くのに応じて、生産者は利益が出るギリギリの点まで生産量(供給量)を増やして行く、という思想です。うまいこと考えました。その頭のよさには脱帽してしまいます。・・・が、この思想が正しい(つまり現実に即している)かどうかは、別のことです。これについては、後で検証します。</p><p> 2)右下がりの需要曲線(DD)の根拠</p><p> こちらも単に「希望」ではなく、「疑いない事実」にもとづく根拠があるということが実証科学としての経済学には必要ですが、そのために考え出されたのは、効用の低減という思想でした。つまり、私たちは、モノを買うとき、必要があって買うわけであり、ある種の効用を感じるから買うという事が何となく正しそうと思われます。米を例に取れば、最初の5kgには100の効用を感じ、それを含めた10kgには200の効用を感じ、さらにそれらを含めた15kgには300の効用を感じるという風に考えると、単位(5kg)あたりの効用は、100と変わらないことになります。しかし、一連の理論家たちは、購買量が増えるにしたがって、この効用(限界効用)が次第に低下してゆくと考えました。このように考えると、個人レベルで考えても、まだ集団で考えても、購買量が増えるのは、限界効用の低減に応じて価格も低下してゆく場合です。(したがって、この定理では、効用と価格には一定の正比例関係があるということになります。</p><p> 実に美しい理論というべきではないでしょうか?</p><p> しかし、(これの提唱者にとっては)悲しいかな! 現代の科学は、自然科学であれ社会科学であれ、「疑いなき事実」(matter-of-fact)にもとづいており、そこから出発し、そこに回帰します。そして、上の理論(以下、「公準」といいます)は、この点からみて、決定的に怪しいことが分かっています。</p><p> これについての詳しい紹介は、おいおい実施することにしますが、ここではさしあたり簡潔に次の点だけを示しておくことにします。</p><p>1)ほとんどの調査は、費用の低減を否定している!</p><p> これまで欧米でも、また日本でも各種の調査が商品の価格設定に関連して行われてきましたが、その結果、ほとんどの製品について、費用は逓増するどころか、逆に低減していることが明らかにされてきました。このことはすでに19世紀末には明らかにされています。</p><p> しかし、よく考えれば、当然のことです。モノを生産する企業が生産量を増やしてゆくほど、効率よくモノを生産することができ、より安い価格で提供できることは、よく知られています。企業がより多くの商品を売るために、商業的努力をしていること、さらにはより多くの商品を購入する顧客に特別のよい条件を提供することもそれを裏書きすることになるでしょう。</p><p> ただし、念のためにつけ加えますが、農業などの第一次産業では事情が少し異なっており、(限界)費用は逓増する場合が多く見られます。これは、すでに農業に適した土地がすでに利用されており、それ以上に生産を増やそうとした場合に、不適地を耕したり、肥料などの追加投資を必要とするためと考えられています。しかし、企業調査は、そのような分野が総生産の数%ほどを占めるにすぎないことを示しています。</p><p> 2)効用は測定不能です!</p><p> 一方、そもそも限界効用の逓増、低減を語るまえに、効用は測定可能なのかという問題があります。そして、結論を言えば、それが測定可能と証した人は一人もいません。仮に測定可能とはどういうことかについても述べておきましょう。まずそれには単位が必要となります。また個人ごとに異なる効用評価を比較したり、合計したりすることができなければなりません。あなたは米5kgに対してどれだけの効用を感じるでしょうか? またそれを数字で表すことができるでしょうか? もちろん、それは各人の心の中の心理的事実として否定はできないかもしれません。が、同時に、物価の根拠となりうるためには、客観的・外面的な数値によって示すことができなければなりません。そして、結局、この難題に答えることのできる人はいませんでした。</p><p> この状況に最後まで抗った人はいます。中には、効用は(量を表すための)基数ではなく、序数だといった人がいます。例えば、私はバナナが一番好き、リンゴが二番目で、蜜柑が三番目・・・。K君はリンゴが一番好き、二番がカレーで、三番がラジオ・・・・しかし、これが何の役にたつのでしょうか?</p><p> もう一つの残念なあらがいは、例えばleets(steelの逆)なる単位を考え、それが価格に比例するというものでした。例えば10 leets=100円という等式が成立すれば、1000円のモノの効用は10 leets ということになります。しかし、これは主客転倒しています。本来は、効用が価格を説明しなければならないのに、価格が効用を説明するという逆転が生じているわけです。よく言っても「同義反復」(tautology)にすぎません。</p><p> こうしてクロスの思想は、経済学史上は消え去りました。ところが、です。それにもかかわらず、高校の教科書には載せられており、また大学の新古典派経済学の教科書には、載せられています。ただし、多くの場合、その根拠は、「当然の公理」として書かれていないか、書かれていてもぼやかされているか、です。これは、今日の物理学がそのよって立つ根拠となる事実を明示的に示し、そこから出発するのとは大違いです。</p><p> が、今日のところは、ここまでにします。<br /></p><p><br /></p>Unknownnoreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-7801649817273939885.post-52714922826036936942020-02-02T13:35:00.003+09:002020-02-02T13:35:58.777+09:00労働価値説とは何だったのか? 観念論的形而上学化と経験科学 大学の経済学部に入学してしばらくしたときのことを今でも思い出す。<br />
それなりに経済学に関心を持っていた私は、マルクスの『資本論』(岩波文庫本)を読んでみた。周知のように、それは「資本主義的生産様式の社会における富は巨大な商品集積として現われ、個々の商品は富の原基的形態として現れる」という文章から始まり、「商品の分析」に入り、いわゆる労働価値説に進んで行く。<br />
<br />
ところで、労働価値説とは何か? 正直にいって、今でもあまりよく理解しているとは言えないが、ごく大雑把に言えば、資本論では、交換される二つの素材を異にする商品の交換価値は、同質・同量でなければならないとされ、結局、それ(実体)は抽象的人間労働でなければならないとされ、さらに等しい労働量が交換されるという結論に至る。<br />
<br />
ここで、少し後知恵的なことも交えて、当時の私の当惑を記すと、次のようになる。<br />
1)例えば1000円の本と1000円のセーターには、等しい労働量が投下されている(結晶化または対象化されている)ということになるが、それはどのような経験的事実によって確認されたり、保証されるのであろうか?<br />
2) あるいは、本当に等しい価格のものには、等しい労働量が対象化されているのであろうか? 例えば1000円の本にも1000円のセーターにも一時間分の労働が対象化されているのだろうか?<br />
3)それとも、現実はそうはなっていないことは明らかに見えるが、この理論は現実の姿(Sein)を示すというより、むしろ「そうあるべき」(shall, sollen)だということなのであろうか?<br />
<br />
もちろん、18歳以上となれば、それほど子供ではないので、現実には等しい労働量が交換されているなどということは経験的にみて私には信じられなかった。<br />
しかし、マルクスは、一つには、複雑労働と単純労働が異なっており、前者は後者の何倍かの労働に値すると言っており、また二つめには、個々人の能力が相違していることを前提として「社会的な平均」に言及している。<br />
<br />
しかし、これは、根本的な疑問を持っている人にとって効果的な回答であるようには決してみえない。というのは、マルクス自身が言っているように、現実の商品をどんなに観察しても、そこには生産に要した労働時間などなにも表示されていないからである。<br />
商品が対象化された労働量に応じて交換、あるいは貨幣を介して売買されることを説得するには、それなりのメカニズムの説明が必要であろう。<br />
<br />
実際、資本論が出版されたのち、マルクスの知人であったある医師は、マルクスに宛てた手紙で、資本論は、労働価値説を前提して書かれているが、決して労働価値説を説明してはない、と書き送った。そして、これに対するマルクスの返信は、もし社会全体が労働をやめたならば、その社会は一週間と持たないだろう。というのは、すべての生産物は労働によって生産されるのであるから。あるいは労働は富の唯一の主体的要因である。<br />
もちろん、このことは自体はまったく疑うことのできない事実であり、数式が好きな人なら、若干単純化して、次のように書き示すかもしれない。<br />
Q=α*L Q:産出量、 α:労働の生産性、 L:労働時間(労働量)<br />
<br />
しかし、これは交換される二つの商品に対象化された労働量が等しいという主張とはまったく異なるレベルの主張である。<br />
<br />
そこで、異なった素材の価格の等しい商品には等しい労働量が対象化されているという意味での労働価値説は、当為(Sollen)を説く道徳または観念論的形而上学として放棄するべきであるという見解が、広い意味でマルクス経済学の立場に立つ人の中にも出てくることになる(カレツキなど)。ただし、マルクスの意義はそれでなくなるわけではない。<br />
<br />
一つには、上式(Q=α*L)という意味での労働の意義は、決してなくなっていない。またもう一つ、私には、かなりルーズな意味になるかもしれないが、労働量が価格形成に大きい影響を与えていることは間違いないように思える。しかも、それには経験科学上の裏付けが可能である。<br />
<br />
シェークスピアが語るように、人は(夜見る)夢と夢の間に囲まれて生きている存在である。一日は24時間であり、その時々の社会の習慣、条件などによって人が生活のために労働する時間は一定の幅に制限されている。例えば週40時間、35時間など。そしてこの時間の労働によって人は生活のための特定の所得(主に賃金)を得る。言うまでもなく、この所得は、基本的な厚生要素として商品の生産費の中に入る。その他に生産費に入るのは、企業者(経営者や株主)の得る純利得、不労所得である。<br />
この不労所得が生じるという理由から、アダム・スミスは、現代では商業社会以前の古い社会に見られたような労働価値説が(厳格、正確に?)成立しなくなると結論した。しかし、かりにそうだとしても、等しい時間働けば、等しい所得が得られたような社会のありかたがそれによって根本的に瓦解してしまったわけではない。人々が労働によって暮らせるようにという古い原理はいまでも生き延びている。この原理は、人々がこの世に生きている限り、成立する原理である。それは新古典派の形而上学的・観念論的・非現実的な「効用理論」とはまったく異質なものである。この効用理論たるや、人が主観的に感じる効用だけを論じていて、人が如何にして労働するのか、生活するのかをまったく視野の外に追いやっている。しかも、その効用たるは、経験的に測定することも、計算することもできない代物である。<br />
<br />
さて、アダム・スミスが現代では利得が生まれたために、古い労働価値説が成立しないとした、その利得であるが、これこそが実は大問題である。<br />
先ほどの Q=α*L の示すことと、労働による所得の原理との二つを組み合わせると、どのような帰結になるのか? これこそが重要である。<br />
観念論的・形而上学的な労働価値説に安住した人々は、経験論的な地平から逃避し、マルクスの信用を地におとしめたように思えるが、私には、経験論的な地平に立って理論を再構築する必要があるように思えてならない。<br />
先ほどの参議院選挙で、ある野党の候補は、「8時間働けば、普通に暮らせる社会」を作ろうと呼びかけて闘ったが、これは、経済学の価値論の世界の言葉に訳せば、8時間労働によって(なるべく平等な)所得分配を実現する、また高利得を廃するという事にほかなならないだろう。そして、それは(なるべく)等しい労働量(労働時間)の交換を実現する経済社会ということに他ならない。(結果的に、何故そうなるのかの説明はごく簡単であり、省略するが、できれば後日行いたい。)<br />
経済学はモラル・サイエンスである。それは、等しい労働量が交換されていない不等価交換社会の不正義を廃絶した上に、より公正な、自由な、豊かな社会が実現できることを示すことも可能である。ただし、経済学の限界もある。それを実現するのは、実際にこの世界に住み働いている人々の政治的な声である。<br />
<br />
Unknownnoreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-7801649817273939885.post-20443861795704367502020-02-02T12:09:00.001+09:002020-02-02T12:09:20.380+09:00ヴェブレン 推敲三回目 ようやく日本語らしくなってきたか? 調べて見たところ、私の同郷人だった猪俣津南雄(いのまた・つなお)もヴェブレンの著書(邦訳名『特権階級論』を訳している。その訳者序文に、次のようにしるされている。<br />
「氏の文体、措辞、行論の姿がまた極めて特異なもので、"Veblenian phraseology"(ヴェブレン流の言い廻し)などという言葉が、成句があるほどである。その一種独自のユーモアとアイロニーに富む氏の文章を、邦語に翻訳して、いくらかでも原文の面影をしのばせ得るものにするのは、極端にむづかしい。云々」<br />
<br />
ちなみに、某首相は、「云々」を国会で得意げに「でんでん」と読み上げたそうだが、それはともかく、私にとっては「原文の面影」どころか、よく理解できないところがあって、困ってしまっている始末である。ともかく、横のものを縦に直すには直したが、しばらく時間をおいて読み直してみると、よく分からない箇所が相当箇所に見られる。これは誤訳、不適訳の類いであることは間違いなく、その他の脱落、てにをはの間違い、理由不明のミスなど、不備もかなりある。<br />
<br />
ヴェーバーの翻訳のときもそうだったが、段落(パラグラフ)ごとに筆者の主張の要点をまとめながら、自分の頭を整理してゆくのがよいのではないかと考え、段落ごとの「小見出し」をつけながら、推敲している。この小見出し(多ざっぱな要約)をつける方式は、アダム・スミスの『諸国民の富』(英語版)にも採用されており、漫然と通読するよりはかなり有効なように思われる。だいたい一章に数十の段落があり、全8章+注記があるので、500段落くらいはありそうだが、これまでに6章までに進んだので、今月中には終えたい。<br />
<br />
訳文をつくるという作業は、手工業的な手仕事であり、少しずつ piecemeal に感性に向かうしかなさそうである。例えば、"Live and let live” なる成句の訳もそうである。これは、各人が自分の思い思いに活きるという意味であることは間違いないが、おそらく「(相互)不干渉」と訳すのが最適ではないかと思うようになった。これと同じような様子は、anarchy, quasi-anarchy という言葉で表現されており、通常、「無政府主義」「無政府状態」と訳されている。ある研究者は、「無秩序」と訳しているが、私には適訳には思えない。というのは、王朝国家以前の古代社会にも社会・共同体は存在し、なしがしかの「秩序」はあったからである。そしてその「秩序」(思考習慣、制度)が相互に干渉せずに活きるというものであった。したがってアナーキーは、通常の辞書の訳語通りに「無政府状態」などとやくすのが適切なように思う。effective も有効的か効果的か迷う場合があり、場合によってはどちらでもよいのかもしれないが、結局は個人の感じ方によるとしか言いようがないのかもしれない。予断、先入観と訳せる preconception も適切な日本語<br />
の言い廻しがなかなか見つからない言葉である。この含意は、すべての地域、国、階層などの人々(個人個人)には、その環境の中で育つときに埋め込まれたバイアス(bias、偏りや傾向)があり、したがって感じ方も、反応・対応も異なる、ということにある。それを先入観と訳すと非難めいた響きがつきまとう。非難めいた響きのない言葉がないということは現在の語彙の貧困のせいなのであろう。もちろん、バイアス(bias)という言葉もそうである。ヴェブレンの語彙では、ある意味で、すべての人が「偏見」をもっていることになるが、「偏見」という言葉の非難めいた語感は抜き去りがたい。<br />
<br />
Unknownnoreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-7801649817273939885.post-89989589963005037162019-11-12T17:41:00.004+09:002019-11-12T17:41:44.907+09:00『帝政ドイツと産業革命』第六章 ドイツの産業革命 やっと第六章に到達した。<br />
繰り返すことになるが、これで訳文の検討、推敲は終了というわけではない。また、これも繰り返すことになるが、翻訳にあたっては、ある大学紀要に掲載されている「翻訳」を参照させてもらった。前訳があるということはとても有難いことと、つくづく思う次第である。一つには、横のものを縦に直しただけではリーダブルな日本語にならないヴェブレンの難解な文書を少しでもこなれたものにするのに大いに役立つ。第二に、そもそも原文の言わんとしていることが、よく理解できなかったり、私の訳文が「誤訳」ではないだろうかと不安になったときに、比較対照するものがあることが大いに役立った。とりわけ、この六章は、難解な箇所が多く、この文章は一体何を意味しているのかと考え続ける回数が多かった。そのような時は、原文(英文)、拙訳案、紀要訳の三つを机の上に置いて一文に一時間以上も考え込むことがあった。<br />
言うまでもないことかもしれないが、今対象としているような難解な文章を翻訳しようとするような場合には、訳者の好み(趣味、嗜好)というものも訳文に大きく影響してくる。したがって二つの訳文が異なっているからと言って、少なくともどちらかが誤訳だと断定できないことも言うまでもないだろう。<br />
しかし、この章に限っても、そして上記のことを勘案しても、紀要訳には誤訳あるいは不適訳といわざるを得ない部分がかなり多いといわざるを得ないように思われる。一つ一つ指摘するべきかもしれないが、後日時間を見つけることができたら、論じることにしたい。ただ、私は誤訳摘発で有名な別宮氏ほどに厳しい態度で臨んではいない、つもりである。あくまで明白に誤訳であり、そのため意味が通じなくなっている箇所だけを念頭に置いて、このように書いている、という点だけは言っておきたい。<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
T・ヴェブレン『帝政ドイツと産業革命』<br />
<br />
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<div class="MsoNormal">
<span style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">第六章 ドイツの産業革命<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal">
<span style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;"> <span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">新しい産業的な時代が始まる時期――おそらく一九世紀の第二・四半期に――ドイツの政治家たちが追求した経済政策は、いまだに官房学的な類のものであった。このことは、たとえばアダム・スミスを追従した様々なドイツ人によって伝統ある官房主義集団からの少数の一時的な逸脱がここかしで見られたとしても、プロイセンおよびオーストリアなどを含むドイツ諸邦全体に言い得ることである。絶対主義的かつ軍国主義的なドイツ諸公国の政治構造と伝統の結果、事実上、官房主義的政策以外の何事も受け入れられることはなかったのである<span lang="EN-US">(46)</span>。経済情況は産業と商業の新時代に入り、それゆえ祖国(<span lang="EN-US">Fatherland</span>)の政治家は新しい商工業体制が提示しなければならなかったことを最大限に活用する方向にむかって経済政策に着手した。この新たな活動においては、国政の理想は以前と変わらなかったが、その考慮されるべき新しい方法と手段は、国家の王朝的目的のために国民の資源を最大限に活用するという古来の官房主義的な目的から逸れることなく、追求されるべき政策の概略を不可避的に変更しないわけにはいかない。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">新時代の経済史はプロイセン国家およびプロイセン化された帝国の経済政策史として書かれるべきであろう。そのような歴史は、たとえ(それがかかわる)商工業現象の政治的利用および政治的関連を一瞬たりとも見失わないとしても、帝政ドイツの政治史にはならないだろう。それは、偉大な商工業国民――彼らの商工業に対する関心は、商工業以外の目的、社会の物質的福祉を超えたところにある目的、そして実際にいかなる点でも社会の富を超えたところにある目的を巡る利害関係を規制的に統御することにある――の物質的運命の記述となるであろう。このことは――少なくともそう考えられるのであるが――社会の物質的福祉にとって不利益となる経済政策を追求することを必ずしも意味するものではない――。実際、それが、社会の物質的利害はその隠された目的として国家の成功をもたらすような政策によって最もよく保護されるというこれらの政治家たちの信念の一部をなしている。しかし、そのような物質的利益は、国家的な利用に最もよく役立つように、最もよく役立つような事象や制約をもたらしつつ、達成されることになるに違ない。ここでは、もちろん、そのような歴史を試みるつもりはなく、ただこの時代の歴史を定めた特別な環境を想起し、こうした特殊な環境が結果にどのように影響したのかを示すつもりである。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">平時であれ戦時であれ、すなわち商売上の提言であれ、国際政治上の提言であれ、近代的な技術は、ドイツ諸領邦風の極小国家の存在を、ナポレオン一世の争乱後の状態のような極小国家の存在さえ、容認しない。この技術、そして近代的な産業技術の様相が存続し運動するために利用している実業界は、非人格的な、世界市民的な性格を持っている。人間的な個性、地方的な特徴および国境線は、近代の商工業生活に係る一切の点で、役立たずというしかない。個人的特権または階級的特権にもとづくか、それとも国民的な分断(隔絶)にもとづくかにかかわらず、境界(<span lang="EN-US">circumscription</span>)の抑制的効果はきわめて明白なので、分断が唯一の存在目的となっている・これらドイツ諸領邦の政治家でさえ、産業的および商業的に分断された社会として近代の経済体制の中で生存し、またそれによって生存することの不毛さをしぶしぶ理解するようになった。ドイツ国民の産業から自己の物質的生活手段を得ていた国家は、譲歩し、多くの条件を付けながら、緩慢な手段によって関税同盟に結集して、やがて後に北ドイツ連邦に、そして最終的に帝国に結集した。この動きのよい効果は、効率の上昇、またそれがもたらした物質的な繁栄として、十分によく知られており、かかる問題について語る能力のある多数の著者によって十分に広められ、推奨されてきた。そのようにして実施された最も顕著な改革の一項目は、関税障壁および貿易と通信に対する同様な境界間の障害の撤廃である。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">政治家による商工業のこうした推進は、それが以前に強要していた制限の撤去にその本質があったという点で、ほとんど全面的に消極的あるいは許可的な種類のものであった。ずっと後のビスマルクの執政期の貿易と産業における帝国政策についても同様のことがあてはまる。その好結果は障害の除去によるものであると言うことができる。それが暗示する所は、この政策を引き続き追求していれば、たとえば国境線の全面的廃止のように、あらゆる種類の経済的規制に関係してドイツ産業の効率を同様に引き上げるという好結果をもたらしたはずだということである。やがてその後に続いた国境線の維持と重商的な関税政策などヘのさらなる回帰は、産業社会のためではなく、むしろ政治的な手段、国家利益のための手段であった。ドイツ国家の王朝的利益にかかわりなく、ただ社会の物質的繁栄を促進するのであれば、ドイツの企業および産業とドイツ外の企業および産業との間の境界およびすべての差別的待遇の廃止を決定づけたであろうことは疑いない――まさしくこうした配慮が帝国内のこの種の境界と差別的待遇の廃止を決定づけたように――。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">純粋に物質的な面からみれば、その利益はドイツ人にとってこのような国内規制の撤廃から得られたのと同類のものであったであろう。そしてこの国境が実際に廃止された(帝国内の)些末な国境より大きい事実であったように、帝国の国境が廃止されていたと想像するならば、そこから得られる利益はおそらくもっと大きかったはずである。しかし、通商の妨害手段としての帝国の国境は、帝国を自給自足的な経済社会に、したがって国際政治戦略の中で利用されなければならない自律的な統一体にするための主要な手段であった。なるほど、単に物質的な繁栄という観点および経済的進歩の速度の観点からすれば、帝国国境のような障壁が維持されなかったほうが国はより豊かになったであろう。しかし、その直接の結果は、当時の消費の大きく不可欠な部分について、ドイツ社会を外国に依存させるような産業の専門化と貿易関係の網の目というものとなったであろう。そのため、帝国は戦時には相対的に脆弱であり、同時に社会と人民はますます戦争を嫌がることになったであろう。換言すれば、そのような政策は、少なくともフリードリヒ大王派の政治家が見ていたような王朝政治の戦略に断じて適うものではない。したがって、この件に関連して実際に追求された政策は、適度な制限と圧力の政策であり、それによって産業効率の自由な発展と自足的な産業社会の発展との妥協が成立したのであり、社会の一切の力を特定の政治的な(軍事的な)目的に向け、ほとんど躊躇せずに他国に対して敵対的な態度をとることが可能となったのである。その発達の新しい局面では、軍事的な理想がより前面に出て来るにつれて、政策は自律的な産業社会を創造することによって国を防御しやすい位置に置くことをより強力に目指すことになった。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">産業問題への干渉もしくは規制の主たる方針は、保護関税によるものであった。もちろん、他の関税規制と同じく、これはほとんど全面的に禁止的であった。これとは別に、この領域における政治家の主な指導的な仕事は、概ね軍事戦略をねらった鉄道建設、そしてこれもまた大部分が軍事を目的としていた造船への助成金支給および監督にかかわっていた。しかし、より重大な事実は常に関税である。もし帝国の国境とその税関がなければ新産業時代に結果がどうなったかというのは、もちろん、省察的な質問であり、決して確信をもって答えられるではないけれども、関税が是正しようと努めた不足点を指摘すれば、結局、ドイツの産業状況が陥らぬようにと国家の政策が保護しようとした結果の性質を示すものとして興味を引くかもしれない。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">よく知られているように、祖国は近代産業にとって重要な類の天然資源に特に恵まれているとは到底言い難い。鉱物資源に関しては、ドイツは唯一炭酸カリウムという品目で決定的に優位に立つだけである。鉄と石炭の埋蔵は申し分ないが、品質、立地または賦存量の点で決して二級以上のものとは決して言えない。それ以外では、ドイツは近代産業の依存するいずれの天然資源でも二級のものとさえ言えない。森林と漁場はまったく取るに足りないというわけではないが、まったく重要というわけでもない。土壌(農地)は、良質の土壌から劣等な土壌まで様々であるが、産業を他分野から集約的な農業――農作物の自由貿易下で魅力的な事業提案となる以上に集約的な農業――にかなり劇的に強制的に移さない限り、ほぼ全人口を養うにも足りない。輸送設備、港および天然の水路もまた、他の商業国と比較して、不十分と評価される。天然資源として唯一つの大きい資産は、勤勉、健康および知的な人口である。この点では、ドイツは、新時代が始まった時、全体として、フランスを除くいずれの隣国よりも好ましい状態にあり、ベルギー級の小国と同じ状態にあった。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">商工業の新時代が国家権力によって国家目的のために規制されなかったと想定できるが、そのような事例では、そのために生じる状況の概略が現実に起きた事と近似的にさえ一致しないであろうということは、かなり確実に推測できる。第一に、というよりは予め認められる事として、産業社会の総効率は、効率性の上昇とその結果としての産出量の増加速度と同じく――神の摂理による調停を考えないとして――、無論、きわめて高くなり、その利益の国民間への分配はおそらくより公平になっていたと言えよう。農業生産、そしておそらく特に肉と乳製品の生産は、相対的により少なくなり、おそらく絶対的にも少なくなっていただろう。他方、これらの品目の輸入は顕著に増加していたであろう。それには産業諸階級の生活必需品の費用(価格)のはっきりした低下と栄養状態の改善が伴い、それは平均寿命のわずかな伸びおよび一人あたりの効率の上昇、それに伴う人口増加率の上昇をもたらすものと思われる。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">国内農業生産の縮小のさらなる直接の結果は、食料の海外輸入の増加であろう。それは海運業の成長をもたらし、またおそらくこの輸送業、そしてこれらの輸入品を生産する諸国における農業の拡張と関連して、恐らく、わずかであるが持続的な移住を誘発することになる。このことはすでに北・南の両アメリカ大陸との海外貿易との関連ですでに目に見えるものとなっている。自由貿易政策の下ならば生じるようなそうした海外取引の拡大が与える追加的な刺激を受ければ、このあまり目立たないドイツ人移民は、これら複数の諸国の実質的な植民地化をもたらす結果になったであろうと予想するのが正しいかもしれない。実際にそうなったのだが、ドイツ人の移住は、ブラジル、アルゼンチンおよび合衆国に実質的なドイツ人の植民地を作るのに必要な量と一貫性にほとんど不足しなかったという印象を受けるのである(<span lang="EN-US">47</span>)。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">自由貿易政策の下でも、ドイツの石炭と鉄は両方とも生産されたであろうが、実際に行われたより小規模になったかもしれない。これらの原材料は現在より大きい割合のものが輸入されたであろう。そして、論理的には、その絶対量は現在の輸入額よりきわめて大きくなったはずである。したがって原材料と半製品を完成品と消費財に仕上げる産業がそれに比例して増大し、その成長には、増加した輸送量を取り扱うのに必要な、国内および海外の輸送システムの拡張とさらなる改善が伴うことになるだろう。ドイツ産業は、おそらく完成財の生産がより進むことになり、したがって現在よりも広範囲で欠くべからざる通商関係に結びつけられることになっただろう。そのような場合であれば、付随的な結果として、それはドイツ人の海外市場への依存がその対極にある取引相手側のドイツ市場への同様の依存を伴うことになるため、ドイツによる平和あるいはドイツとの平和を破棄することをほぼ不可能にしたであろう。その結果生じる一般的財市場の状況は、おそらく最近染料および綿の独米貿易であらわになってきた状況に類似するものとなったであろう。もう一つ別の重要な副次的結果は、過度の陸海軍編成を維持しているのが平和を破る(攻撃する)ことを目論んでいるからではないというもっともらしい根拠がなくなったことであろう。しかしながら、あまりに省察の域をでない性質の補足的考察や二次的な結果が多くなるため、ここでは詳しく列挙することができない。そのいくつかはこの先の議論の中で扱うことにする。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">新時代に起こった出来事が現実にたどった推移の中で、国境は常に大きい要因であり、様々な関連において主要な決定要因の一つであった。国境が帝政時代の初期段階で問題とされた最も雄弁で最も明白な方法は、この拡大した領土内における相対的な自由――国のかなり広い範囲における通商の事実上の自由――である。その上、ビスマルクの支配の下では、おそらく国民間の関係における絶対的自由貿易とは言えないが、少なくとも些か英国の流儀にならった自由の拡大に向かう顕著な流れが存在した。この政策は、実際にはきわめて顕著というものでは決してなく、この政治家(ビスマルク)が引退すると静かに中断された。そしてより広範囲にわたり、より軍事的な「世界政策」(<span lang="EN-US">Weltpolitik</span>)という新精神は、帝国の経済政策を、排除による自立の立場へと引っ張りこみ、それに伴ってドイツ人とその隣国との利害にとどまらず、感情の疎遠性(対立)を助長した。現皇帝の下で追及された貿易政策は、ドイツと他の工業国との敵対関係を増幅する役割を果たし、同じ時期のますます露骨になってゆく軍国主義の果たした役割より決して小さいとはいえない役割を演じるようになった。この貿易政策は際立って重商主義的な類のものであり、一方的な輸出貿易という幻想的な理想を指向するものであった。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">この貿易政策は帝国が重要であるという幻影(理想像)によって強化されたが、そこから派生した一つの問題はビスマルクの引退以降のドイツ帝国の植民地政策にあった。植民地の獲得によって、工業原料の大部分が、もしかすると最終的には全部がこれらの属国から引き出されることが期待されてきた。そうすれば帝国は、その工業原料の供給を外国に仰がなくてもよくなり、それと同時にその植民地が完成財の市場の役割を果たすことができるようになるという訳である。その狙いは産業的に独立した帝政国家を樹立することにあった。こうした植民地事業の取引は帝国政策にとってあまり推奨できず、またあまり利益のあがらない章の一つをなしていたのであるが、祖国の王朝政治家たちはこの点についてイングランド人の学んだ教訓――植民地は王朝の領土としては役に立たず、また同時に産業社会および世界商業への参加者として前進することもできないという教訓――を自らのものとすることができなかったのである。その結果、ドイツの植民地は、イングランドの流儀にならってドイツ産業社会の分枝となる代わりに、帝国の属国となったのである。ドイツの経済界がそのような分枝を効果的に生み出した限りでは、それらの分枝はあまり協調的な努力をすることもなく、ドイツの支配に服していない国々の商工業の方法をそっと巧みに取り入れたのである。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">上段で述べたことは、帝政時代のドイツ人の物質的な成功が帝政国家の助成によって達成されたのではなく、帝政国家にもかかわらず達成<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">されたことを意味するように聞こえるかもしれない。そのような見解にも一片の真実があるが、その裏面の評価にも書き留めるべき多くのことがある。帝国政府の経済的関与とのかかわりを綿密に調査するほど、その政策の妨害的性格がますます明白になり、また国の物質的利害関係を規制し、導き、促進しようとするいずれの努力でも、総じてそれが与えたと主張される利益はますます曖昧で捉え難いものとなる。とはいえ、国の物質的福祉(やがて現れるかもしれないと期待されている)に対する帝国の政策のこのより曖昧な関連を指し示すために書き留めるべき、副次的ではあるが重要な経済的利益の実体が存在するのである。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">帝政期のドイツ人の経済的達成についての現在広まっている多くの説明では、ドイツ人が一九世紀に産業社会の仲間入りした際の障害が重視されている。この障害が重大なものであったことは疑いなく、これらの出来事の様々な関係によってかなり周知のこととなっているので、ここでその面を繰り返す必要はないだろう。この障害は、乏しい手段(資金)とわずかな経験しか持たずに仕事に就く新規参入者を悩ますいくつかの困難からなっている<span lang="EN-US">(48)</span>。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">そこで克服するべき主要な困難とは、通常、資本の不足であると考えられており、その際、資本とは投資に利用できる資金を意味する用語と理解されている。正確に言うと、ドイツの事例では、そのような資金は不足しているわけではなかったが、さりとて簡単な条件で潤沢に入手できるわけでもなかった。産業的企業への投資の習慣も不足していたが、そのような習慣は簡単に獲得されたように思われる。それと同時に、必要な銀行業の施設も、景気の状況が銀行諸機関の与える信用の利用を頼るべくその拡張を求めるや否や、素早く現れたようである<span lang="EN-US">(49)</span>。より大きくしぶとい種類の困難は、産業問題における経験不足や知識不足であり、新たに見つけられた方法と手段の自由な利用を妨げるような習慣と法的諸権利が存在したことである。この種の困難がドイツの事例にはあり、一九世紀の前半に見られた遅れの多くはドイツ人がナポレオン時代から帝国の形成期にかけて徐々に取り除きつつあった法的および習慣的障害によるものだったと考えられる。この同じ期間には、必要な情報も(自分たちの)日常の退屈な経験によるものではなく、英国で生み出されたものを模倣によって習得し集めたものであった。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">必要な技術的習熟は容易に得られる種のものであった。チューダー朝期のイングランド人がヨーロッパ大陸から借用によって獲得したその種の技術的技能よりずっと容易であった。この昔のイングランドの事例では、借用し自分のものとしなければならかったのは、そうやって受け継ぐべき理論的知識と産業技術への実践的洞察にとどまらず、雇用される労働者側の個人的な慣化と手の器用さの習得でもあった。それは洞察に限らず多数の個人の長い期間にわたる訓練を必要とする事でもあった。徒弟期間は、周知の通り、五年から七年に及び、労働者(職人)の修業は徒弟修業期間では終了しなかった。手工業体制下で新しい産業技術を導入する際に最も好まれた方法は、修業を終えた職人を輸入するというものであり、戦争中のヨーロッパ大陸の君主たちがイングランド国に与えた大きい貢献の一つは、熟練労働者をイングランドに追放したことである。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">一九世紀になってドイツ人は機械技術を借用したが、この機械技術は、それが導入された側の社会の潜在的可能性と注意力にもとづいて創出する需要の点で、上記の事情と異なっている。それは、主に、機械装置を設置するのに必要となるような現実の状態への実践的洞察に裏打ちされた理論的な問題である。熟練した技術者の注意を惹くような理論の技術的応用の詳細な作業を除くと、このようなことすべての中に曖昧、難解あるいは困難な種類のことはほとんどない。機械工業は、それ自体が単純であり、細かい工程に広く応用される特定の広範な原理にもとづいて稼働するので、相対的に少数の専門家による監督と統御に適している。雇用された労働者は通常まったく特別な訓練を受ける必要がない。機械工業が普通に稼働しているとき(機械を)操作する労働者として用いるのに必要となる特別な訓練は、手工業体制下と同等な有能な労働者を作るのに必要な訓練よりはるかに少ない。特定の機械的職業に関係する特別な工程にいくらか、相対的にわずかな特別な習熟とならんで、一般的な情報と手の器用さが、機械産業にきわめて順応した労働力をこうして作るのに必要となるすべてである<span lang="EN-US">(50)</span>。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">ドイツの達成の性格と規模、およびその進歩の速度を評価するためには、この近代的な産業技術の様相の中で彼らが借用したものの性質を認識する必要がある。この機械技術の前提と論理は、それ自体として、決してひどく難しいといった性質のものではない。その修得は本質的にかなり簡単なことである。そのすべてが、その基礎的原理においては、深遠な、または信仰上の洞察も、鋭い知恵と悪賢さの広がりも、信仰や詩的な幻想の達成も、想像力や禁欲的な熟慮のひろまりも必要としない。実際、それは人類の最もありふれた達成であり、またその前提と論理は最も貧弱な直感的な理解力にとってさえ明白である。その多く、全体にとっての土台と出発点をなすような多くのことは、普通人の周囲にあるごく平凡な無生物とのあらゆる日常的な関係の中で普通人にとっては、不可避的および不可欠に、馴染み深いものである。その出発点および範囲と方法は「事実の問題」という一句に要約される。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">イングランドの技術者とその同類の者たちは、産業革命を準備し、さらにその結果を技術と物質諸科学にもたらしたのであるが、その画期的な知的達成は、彼らが物質の性質と作用を洞察する新しい方法を得たことにあるというよりも、以前から知られていた多くのことを、環境の力によって、忘れることができたことにある。彼らは、自分たちの見る物事が擬人観的な特質と性格を持っていると解釈する習慣的性向が衰退したため、これらの物事をあるがままに解釈することができるようになったのである。諸環境が――その主なるものは王朝的企ての衰退につづく人格的支配の衰退であったように見えるが――物質的な現象を神秘的、呪術的、擬人的、霊的な用語で解釈するという過去から継承した根深い習慣を弱めたのである。ブリテン島では、このように物質的事実間に霊的な力や結びつきを見る習慣が大陸より早く、またより大きく衰微していた。そのためブリテン島の住民のうち好奇心の強い者は、形而上学的に思弁せず、あるいはそのような思弁のあとをわずかに残すだけで、これらの外的現象を不明瞭な事実として額面通りに受け取り、現象とその運動を(相対的に)素朴な知覚認識として解釈する単調な(無味乾燥な)習慣に――大陸の隣人たりより速やかに――入り込んだ。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">それゆえ、機械技術の前提と論理の構成要素は、異質で見慣れぬ種類の思考習慣という実際には通り抜けできない外皮にしばしばおおわれているかもしれないが、誰の心の中にも存在している(ことになる)。これは、誰でも、あるいはどんな社会でも、ただ自己の思考(<span lang="EN-US">cogitations</span>)にさからわなければ、自分の内なる意識から機械産業の実用的技術をただちに進化させる支度ができているという意味ではない。その前提と論理的な洞察が与えられている場合にさえ、これらの前提を働かせるためには、広い領域の事実についての経験的知識を蓄えなければならない。そしてこれはただ大きく長い経験と実地練習という代価を払ってしか得られないものである。というのは、この知識の細目は、あらゆる経験的な情報、特に物理的な情報という「不透明な(とらえどころのない)」性質を持つからであり、また知覚という狭い経路を通じてしか手に入れることができないからである。相いれない超現実的な先入観から解放されたときでさえ、またその限りで、試行錯誤を通じてその物質的な内容を、ゆっくりと段階を踏みつつ、修得する必要性がいまだに残っている。そしてドイツ人が相応の持ち分(役割)を引き継ぐ前に数世代の英国人を従事せしめたものこそ、工学のための素材を作り上げる不透明な事実を見つけ出すという・このゆっくりした過程であった。こうした物質的知識の最初の獲得は必然的に試行錯誤を伴うゆっくりした作業であるが、それは確実かつ明確な形で維持し伝えることができるため、それを移転(借用)によって修得するのは骨の折れることでも不確実なことでもない。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">こうしたことから結論されるのは、この技術の実際の構成要素がひとたび明らかにされれば、それを消化するのに大きい困難を経験する必要も、長い時間を費やす必要もない、ということである。機械産業の装置と過程を知的に使用するのに必要となる情報は、所与の条件下でのある物質的対象の物理的行動に関する事実に即した情報の総体ほど深遠(難解)なことではない。もとより、その詳細は、全てを語るならば、かなり膨大かつ複雑である。また誰も、そのシステム全体の作用にかかわる全範囲の情報を修得するのを望まないかもしれない。しかし、結局のところ、システムというものは現存する知識を最も事実に即して組織化したものである。したがってそのシステムはそれが提供する機械器具と工程に適した条件を持つ社会によってきわめて容易に引き継がれる。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">ドイツ人は、天賦の才能によって必要な種類と程度の知性を賦与されており、この点で、この近代的産業技術の様相を作り出した英国社会や他の社会と同じ土台の上に立っていた。同時に彼らは、その知識階級にあっては、技術を機敏に修得するのに必要なあらゆる理知的習慣を持っており、また労働者階級にあっては、十分によく訓練された熟練労働者の一勢力を有していた。したがって、ドイツ人が新産業の進歩を達成し得た速度は、その環境が新産業の利用をどれほど速く、またどこまで認めたかという問題にすぎなかった。したがってそ、その導入と拡大の速度は、概ね、経営と産業の裁量権を持っていた人々の進取の気性の問題であり、それは金銭的誘因の問題、そしてこの新しい産業の提示する好機を彼らがどう見通すかという問題となる。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">これらの点で、ドイツ社会は特別によい位置に置かれていた。これらの新規事業から利益を受ける位置にいた階級は、昔の体制下の類似の産業的企業に対する相対的に低い収益に伝統的に慣れており、そのため(新たに)与えられた(より高い)報酬率はより大きい収益に慣れた営利社会よりいっそう強く彼らに強く訴えた。利用できる天然資源は、あまり使われずにいたので、相対的に少ない費用で手に入れることができた。有能な労働者の調達はきわめて安価な賃金で行なうことができた。そして最後に、とは言え最も劣るというわけでは決してないが、商工業が以前の伝統的な状態と決別していたため、ドイツの企業は、同時期のどの英語諸国の停滞している企業より因習的な制限や手元の旧式化した装置および組織に妨害されることがなかった。ドイツの利点を示す目録中の最後の項目は、同時代のイングランド商工業の苔むした情況と対比すれば十分に明らかであり、すでに前段で示した通りである。それはアメリカ社会についてはさほど明白でなくて、恐らくさほどあてはまらず、問題にさえならないかもしれない――アメリカ社会は、周辺の英語諸国の先頭に立っているのである――。どれ程であれ愛国的感情に曇らされた見解を持つアメリカ人は、もちろん、彼らの誇りにしている営利企業の精神にもとづいてそのような中傷を否認するであろうが、上述のような主張を認めるためには、それに関係する事実を冷静に眺めるのがよいだろう。 <span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">新時代に自由裁量的な経営権を持つようになったドイツ産業の総帥たちは、まことに幸運にも、「しっかり掴み取り、分け合い、沈黙する」という規則に沿って営まれる投機的不動産と政治的汚職の小売取引にもとづく田舎町の訓練校から入学を許可されなかった。彼らは、あぶく銭の分配に与ろうとする保守主義者としてうまくやる選択的試験ではなく、産業企業を積極的に遂行するのに適した選択的試験に合格してやって来たのである。同時に、この国は主に――実際、無視できるほどの地方的な例外しかなかった――産業プラントを設立するための時代遅れの土地や方法に縛られていなかった。すなわち、自由裁量権を行使した人々は、産業を追求のための立地のただ機械的な便宜だけを考えて選択する自由を持っていたのである。事態を暗くする老朽化した装置も、時代遅れの取引関係もなかったため、彼らは知られている最良の装置と数年または数十年前に最良だった装置との妥協に満足せず、むしろ最良かつ最高の効率の新しい産業過程を自由に引き継ぐことができた。また例えば新規事業の資金調達のときも、その目的が金融的入れ替えによって無償で何かを得ることというよりも、市場で販売できる財とサービスを生産するための装備と運転資本に必要な金銭的手段を見いだすことであったため、その道はかなり簡素であり、販売できる社債を作り出そうとする無一文の会社発起人が取る困難で迂遠な方法に頼ることも事実上必要なかった。フランスの百万長者が登場していた時代に、会社発起人がドイツ社会に登場していなかったというのではないが、やっぱり産業から保守的な策略を弄する戦略家へと資金を移転させようと企てられた巧妙な金融のためにドイツの口座から清算される資金の浪費や消失は相対的に小さいままである。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">営利の領域にいるこれらのドイツ人冒険家は、金融の将帥というより産業の将帥であり、ドイツ社会の小銭を抜け目なく奪い取ろうと待ち構えるというよりは、産業的な眼識と能力を求めて自由に仲間と職員を選んでいた。そして選び出す母体となる人々、仕事の能力を持ち、街角政治に浸りに行くのではなく、十分な教育的資格を持ち、新しい産業的展望に関心を抱いている人々――そのような人々に不足はなかった。というのも、ドイツ社会は、伝統的に潔白な職業に喜んで雇われようとする教育を受けた人々を十分に供給されていたからである。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">もっと劇的な形の浪費に恰好な手段がなかったため、学問は、ながらく、費やす時間とエネルギーを持つ若者の主要な拠りどころだった。それに――通常の肉体労働もそうだったが――、通常の商業的職業が慣習上いくぶん紳士的な尊厳を持つとされていたこと、また公務、牧師および大学教授という尊厳ある職業にはもうそれ以上生存できないほどに人が群れていたことも理由である。こうした学問を受けた若者の供給は、そのように彼らに開かれていた新しい水路に容易に流れ込み、ここに相対的に儲かり、有用なことが明らかであり、不評でないことが明らかな仕事の機会が提供された。こうした産業の領域への若者の流入がひとたび始まるや否や、直ちにその正当性が明らかになった。それは新しい職業に就き成功した人々にある程度の金銭的確証を与えたのであり、その人気はそれを流行させるのにおのずと役立った。これらの産業の責任ある職員と部隊は、田舎の店やいんちき弁護士の法律事務所ではなく学校を通じてやって来た人々であり、近代産業の効率的遂行にとって不可欠な範囲の理論的および技術的知識を正しく評価する能力を欠いていなかった。またそのため、ほぼ同じ頃のアメリカ人が金融戦略家の支配下に引き込まれたように、ドイツの産業社会も確実に、そして抵抗する術もなく、技術専門家の支配下に引き込まれた。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal">
<span lang="EN-US" style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;"><span style="mso-spacerun: yes;"> </span></span><span style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">これらの副官(下級将校)たちは、いくつかの新規産業企業の自由裁量権を持つ頭領たちと同様に、比較的質素な生活様式と比較的つましい所得に慣れていたが、その理由は、ドイツ社会全体が伝統的に一貫して貧しい環境と倹約的な気分にあったからである。したがって経営者の報酬および一般的な役得として粗収入から差し引かれる金額は、古い産業社会で一般的に行われていた金額と比較して、または繁栄期に祖国の実践となった金額と比較しても小さかった。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">また例えば利用可能な労働力の供給について言えば、身体的にも知的にも多量かつ良質であり、その上、権威に従順になる用意があるという利点を持っており、貧しく質素な生活水準によくならされていた――安く、能力があり、豊富だったのである――。この労働力の供給はまた、どんな感じられる程度にも、あの生まれつき非効率な種類の「極貧」住民――イングランドの工業都市で、機械過程の体制下での競争的な営利企業の支配する最初の百年の結果として、大きく膨張した――貧弱で、貧血ぎみで、痩せこけており、皮肉に成長した住民からなっていたのではない。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">このこともまた最初の頃からはいくつかの点で目に見えて変化した。しかし、生活水準は英語圏諸国の水準に及ぶぬまでも向上し、それと同時に労働者は、ある程度気難しく不満を訴える様になった。ただし、これら他の国々における資本家=雇主をいらいらさせ、その利得を狭めるほど手に負えない様にというわけではない。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">労働者階級の伝統は、また中産階級の伝統もそうであるが、過去のドイツでは、女性の手作業における有用な雇用を幾分促進してきたが、この利用の慣行はいまだによく維持されている。ただし、やはりここでも、少なくとも手労働の職業からの、特に野外手労働からの女性の慣習的に評判の高い免除または排除という同じく一般的な姿勢に流れている徴候がある。この損失原因からドイツ社会はまだ多くの損害を受けていない。例えばドイツ女性は、野外の労働を続けており、まだ考えられている身体的能力の大きい低下の影響をこうむっていない。また彼女らは怠惰による病気をそれに対応して増加した程度には病んではいないように見える。もちろん、これらすべてが富裕な女性にあてはまらないことは述べる必要もおそらくあるまい。彼女らは、最善の待遇が必要となるほどに、(因習的に)虚弱に近い状態にあるように見える。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">この産業時代の初発から、またその後の単純な推移の大方を通じて、責任を持つ人々と労働者の総体の両者とも、あらゆる種類の産業的な事業、特におそらく技術的な事業に生き生きとした関心を抱いたように見える。自分の仕事に対するこのような素朴な態度の一つの帰結は、スポーツ、秘密結社、扇情的な新聞、酩酊、政治運動、宗教的衝突などのように不満を組織的に外に転じる差し迫った必要性が彼らはなかったということである。また相対的に倦怠感が欠如しているという同じ原因から、あのより成熟した社会――そこでは産業的事業と技術情報は、人々が長期にわたって熟知し、因習的な嫌悪物となっていたために、つまらない趣味のものとなっていた――のように長期休暇や折々の休日の必要性もなかった。また同じ理由で、仕事が人々の好奇心に訴える力や職人的熟練を開花させる魅力をまったく失っていないうちは、労働時間は、有益なことに、長くなりえた。人々の日常的な仕事が好奇心を保ち、その結果、興味を抱いて注意力を保つ限り、人々の機嫌をとり、精神的な不調をもたらさないようにするために、日常的利益に無関係な気晴らしや浪費などはそれほど必要ない。また情報に対する食欲がなくなり、また機械技術と呼ばれる応用科学の類のように人々の好奇心に直接に訴える事象に関する思索がなくなるのは、ほぼ流行によるものであり、それゆえ模倣によって広め、また何らかの満足のいく代わりの利益を導入することによって生み出す必要がある。しかし、そのすべてに時間がかかる<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">しかし、問題の性質上、代用品は最終的に発見されるであろう。商業化された産業によって存続するどんな社会も、正当性の厳かな規則にかかわる一切において、必然的に価格体系という至上の管轄権の下に入る。宗教的または軍事的な階層体系にとって有利な部分的、一時的な例外が生じるかもしれないが、そのような例外は部分的なものにすぎず、また一時的に終わる傾向があると同時に、ここで問題となっている点で価格体系の裁定を否認するものではない。そして、その価格体系は、こうした職人魂への感情的中毒のように明白に有益な経済的な性質を持った関心や習慣的な気分が金銭的理念に従っている社会では長く名声を保つことができないことを、まったく疑う余地なく、裁定する。というのは、そのような関心や気分は顕示的浪費という明快な原則を否認するためである。問題はただどれほど早くそうなるか、またその原則に不快な適当な代用品がどれほど早く発見され、弁護可能な形に仕上げられるかということにすぎない。通常、頼りになるのは、何らかのスポーツ――すなわち職人魂の感覚が即座にその無用さに吐き気を催さないようにしておくように「何事かを行っている」というそれらしい外観を生み出すと同時に高価で無用な何らかの形の浪費――である。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">前段で述べたように、イングランドでは、スポーツへの耽溺が、主に代行的に行われるのであるが、慢性的な習慣となっており、イングランドの日常生活に通じていないドイツ人にとってかなり信じ難い程に社会に浸透している。この耽溺は、今やかつてのどの時期より明らかに普遍的制度となっているとはいえ、機械産業の到来前の時期に由来している。それは、漸次的にのみ現在の程度と遍在性にまで成長してきたのであるが、時間と生計費の不毛な支出を伴うという点でも、また産業目的にとって無用というよりむしろ有害な事で人々の心を習慣的に満たすという点でも、英国の産業効率の深刻な衰退要因となってから久しい。しかしながら、それは無用でありながら、かなり名声をはくしていると同時に、十分もっともらしい達成を示して、最上流階級の是認を得ている。ドイツ人もまた、至上の価格体系下の短い経験を通じて、試験的に、また高圧的にスポーツマンの儀式の輪に割り込んできたが、彼らは自分たちの身に浸み込んだ吝嗇生活(節倹)の中でここでも、金銭的文明の諸国民中の上流階層と肩を並べることを望み得るより先に多くのことを克服しなければならない。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">少なくとも現在の段階では、すなわちドイツ人が後継者となった段階では、近代的な産業技術の状態は、実業的方法による経営か実業家による経営と緊密に結びついている。
このことが意味するのは、この技術体系を引き継ぐどんな社会であれ、やがてすぐに、産業体系が営利的利害によって継承され、実業家の金銭的利得のみを目的として運営されるということである。その営利的運営は出発点では少なくとも産業的事業に奉仕しているようにうえるのだが、その不可避的な結果はその関係の逆転である。そのため産業は営利のための手段となり、最終的には金融戦略の急務に奉仕する偶発的な手段として実践的運営の中に姿を現すようになる。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">この金融戦略は戦略家たちにとって取得できる最大の純利得を得ることに向けられるが、それは社会の物質的富または生産効率に最大の純増を付け加えるような経営と一致するかもしれず、一致しないかもしれない。ドイツの発展の初期の諸段階では、実務家の利得と販売される生産物の産出との関係はかなり単純で直接的だった――ただし、ここでも考慮しなければならない例外はある――。しかし、時間が経ち、状況が英語圏諸国(そこでは産業企業に金融を与える業務が別の独立した取引部門になった)で広まっているより成熟した段階に入るにつれて、その関連は直接的で一貫したものではなくなり、きわめてく縁遠くまったく疑わしいものとなる。そのような場合には、自分たちの資金的富――貨幣単位で計算されるような富――を保全しようとする金融企業の保守的運営のために産業の衰退や停止が容易に生じ、それは社会の物質的富――重量で計算されるような富――の生産を停止したり、縮小する効果をともない、したがって時が経つにつれて社会が日に日に貧しくなることになる。この種のことが帝政ドイツで経験されたことは言うまでもないが、それは産業の営利的な運営に必然的な随伴することである。しかし、特に初期の段階を通じて、ドイツが近代的産業体制を採用しているときには、その種の経験はあまり重大なものではなかった。というのは、実務家は産業装備の増大する必要に応じ、運営するのに忙しく、利得が販売される産出物の増加から来ることを探し求めていたからである。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">この方向に向かう特定の影響力を持っていたのは、ドイツの産業的事業の続行を可能にした広い利潤マージン、すなわち一方の販売市場における公正価格と、他方の低費用と供給不足との間に生じるマージン(利幅)であった。それが発展の初期段階における状況であり、その程度は、ドイツが費用と価格の点でその通商上の競争相手に広まっている条件に接近するにつれて絶えず減少し続けた。マージンは小さく不安定になり、不審と継起変動を受けやすくなった。というのは、部分的には販売市場が競争相手の侵入するところとなったためであり、また部分的には製造費と販売費が増加したためであり、また部分的には金融費用が増加したためである。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">産業生産物の市場の衰退の要素のうちの一つは、装備の増加の割に国内需要が落ち込んだことであった。これはまったく明らかなことに、産業人口のための新しい住居や生活器具といった付属物を含めて、新規の生産施設の必需品の絶対的規模の落ち込みではなかった。この需要は絶対額では減少していないが、初期および後期のドイツ産業の総産出高に比べると相対的に、この国内市場部門が縮小を被ったことを示すことは難しいことではないだろう。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">外国市場の有効な拡大が生産能力の成長と歩調を合う程のものでなかったことも本当の事である。これは周知の事実であり、ドイツの政治家からも、また種々な通商委員会からも、しきりに注目されている。それは、ビスマルク政権の後半に採用され、彼の後継者によってより決然と推進された植民地政策を擁護して主張された動機の一つである。そのような植民地計画がそのような目的のために真剣に策定されたことは、事実を知った者には誰であれ奇妙に思われるかもしれない。しかし、市場の追求がこの植民地政策の主要な推進要因の一つだったというこれらの人々の厳粛な陳述に幾らかの信認を与えずにいることもできない。次のように考えるのが適当であろう。すなわち、愚かにみせる資格が自分にあると信じないで、そのような愚行を主張するような人は、とりわけプロシア=帝国政治家のような厳粛な自己満足に陥っている人々の中には、いないであろう、と。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">ドイツ産業の成長とともに成長してきたいっそう本質的にして同時に手に負えない困難は生産費の上昇である。それは新時代が緒についてからまもなくして小規模に始まり、それ以来ずっと累積的に拡大してきた――情況のさらなる展開の中で同じ要因が作用し続ける限り、それは必然的にいっそう増大するに違いない。ある小さい部分だが、ここで問題としている生産費用の増加は、資源の物理的消耗あるいは物理的老朽化の結果というより資本化(設備投資の増大)の結果である範囲内で、人為的な性質のものである。しかし、それでもなお、この資本化が産業的新規企業の資金調達を行うために欠かせない条件の一部になるという点で、費用増は効果的である。
他のどこでもそうだが、ドイツでも、天然資源も、立地条件という差別的利点、そして法的免除、助成金および関税による独占という差別的利益も、これらの有益な資産から引き出される見込み利得にもとづいてある程度まで資本化されてきた(投資対象とされてきた)。そしてそれらはそのように資本化されるため事業評価の基礎とされたのであり、それゆえまた信用拡張の基礎とされ、さらに規準収益率のもととなる資産の中で重要な地位を占めるようになった。これは、この種の資産が法人企業の資本化に引き入れられ、そのため粗収益から支払わなければならない固定費の基礎になったような事例にとりわけ当てはまる。このように社会内部の差別的利益を資本化する過程は、それに伴って固定費を増やしながら、徐々に累積的に進行した。それは、特に信用と法人企業の資本化が大規模に利用されるところでは、産業の営利的経営の不可避的な結果、というより付随物であり、それは時間が経ち、資本主義体制が発達するとともに必然的に成長する。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">また同時に、それが産業体制の成長に固有のものであるため不可避的に、こうした立地等々のもたらす差別的利益は、老朽化によっていくらか減価し始めるため、資本化過程で己に帰されたような高い稼得能力の値をもはや有してはいない。それによっての、これらの事項が負担する固定費、つまり特定の営利事業体がこれらの資産の所有するために負担する固定費と、それらの資産の所有による稼得との好ましからざる食い違いが生じる。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">前段で述べたように、この老朽化は、必ずしも物理的劣化という性質を持つものではなく、改良された技術的装置に置き換える必要さえない。しかし、全産業体制が規模の変化、生産の中心地と経路の移動、輸送と販売方法、その他の関連する産業体制の変化、標準的な労働条件または労働力需要の季節的変化等々――これらは大部分が関係する営利事業体の統御不能で修復不能な事象である――によって、老朽化した技術装備の利用を不要とするまでに成長したという事実から生じるにすぎない。実現された資本化と満足な収益力とのこうした食い違いの諸原因にはそれぞれの結果が伴い、それらの結果は営利を考慮して運営されるどんな産業社会でも成長、変化および再調整の付随物として不可避的に現われる。そして時が経つにつれて、それらは概して量的に拡大する。そのためドイツ産業社会は、近代的産業企業のかかる付随物を適度に分かち合うのに加えて、明らかにそれらを原因とし、それらに付随するその種の付随物をもっと多く持つのである。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">種類は異なるが、ほぼ同じ全般的結果をもたらすさらなる困難が、もっと近くにあり、もっと利用可能な天然資源から引き出すことのできる原材料の供給力を越えた産業の成長から生じる。ますます遠くなるか、ますます難しくなる供給源に頼らなければならなくなるのである。これは、この頼りの綱が国境内にある資源か国境外にある資源かにかかわらず、費用を上昇させるように作用する。この原材料一単位あたりの費用の増加は、より利用の難しい資源に頼ることを必要にするその種のいっそう大規模な産業のもたらす生産経済の拡大によって少なくとも十分に相殺される傾向があると言うことができ、またそのように推定することをためらう必要もない。それでも、産業体制の規模と範囲の拡大は、その効率性の値がどれほどの高くなろうと、上記の推論をこうむるという事実に変わりはない。実際、これは帝国の政治家が、論理を奇妙にねじり、植民地の獲得によって修復することができると信じるように自身を説得していた予見されていた困難の一つであったのである!<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">体制の成長に本来的なものであり、また打破することのできないこれらの欠点のどれよりもはるかに深刻だったのは、生活水準の上昇――おそらくもっと正確には、支出水準の上昇というべきであろう――による生産費の上昇であった。これは、それが労働者階級働の維持費の増大の問題である限りにおいて、「労働争議」から切り離せない産業の妨害と停滞と並んで、不満と苛立ちという負担をもたらす。この点でも、ドイツの産業時代には不利な点があった。その問題は、初期における費用を超える販売価格のマージンからのわずかな減少に始まり、三〇ないし四〇年間にきわめて少しずつ大きくなってゆき、いささか手に負えないような問題になるに至った。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">他のどこでもそうだが、ドイツでも、支出水準の上昇のために増大する労働者の不満は、――貴族的または独裁的な体制の形をとる慣習的または合法的特権によるか、それとも財産を所有する人々の行使する所有権によるかを問わず――所有階級と特権階級に賦与された無責任な権限の行使に対する不満のような臣民階級の不満と部分的に融合した。この融合が決して完全だったことはなく、同時にどんな具体的な事例であれその二者を区別することがいつも可能だったわけではない。この苦境は、全ての発展した商業国の産業経営を悩ましており、当局は、譲歩および救済策と抑圧的手段(飴と鞭)の両方を用いてきわめて効果的に対処してきた。そのため、ドイツ産業社会は、このしいた原因から生じる騒動、妨害および苛立ちを考えれば当然と思われるよりも小さい苦しみを経験しただけですますことができた。それでも、政治家および当該公共団体の一切の厳しい運営にもかかわらず、労働者階級の要求は、近頃では、資本化への「最低生存利益」の支払を可能にする利幅を脅かし、ドイツの営利事業にとって脅威となるほどの程の不都合な水準にまで拡大してきたことが明らかとなっている。また同時にそれは、実現できる利幅がこの手段によって最終的に小さくなりすぎ、政治的および軍事的な国家体制を保持することができなくなるという不測の事態を展望させるという点で、国家当局にとっても困った問題である。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">この最後に関連して言えば、生活水準の上昇は際立って困った政治問題をもたらす。例えば、産業収益の配分を増加させるよう求める労働者には、不忠義の感情や罰などなく、そのため最高の恩寵を求め、成功するという理性的希望をもって彼らに愛国的心を訴えることなど不可能である。その種の忠誠心を維持するためには、むしろ国家は彼らの求める要求において誠実かつ確実に彼らの味方であると確信させる必要がある。一方、資本家=雇主にそのような訴えを行っても、少なくとも同じほど無益である。というのは、これらの人々は主要な機会(自己の利益を得る機会)の見込みによって動かされているからであり――さもなければ彼らは資本家・雇主とはいえないだろう――、また――最終的に圧力を逃れ、自分の事業をどこか他の場所に移すという選択肢を除くと――同じく選択の余地を残さない信用拡大、社債および固定費という蜘蛛の巣にからまっているからである。これらの関連のいずれでも、そのような不測の事態が近頃になって遠い先の出来事とは限らないように見えてきたが、その情況はまだ頂点に達したと言うことはできない。しかし、このすべてのことが帝国とプロイセンの政治家によって取り扱われてきたのであるから、またそれが究極的には他の誰の関心事でもなく彼らの関心事をなしているのであるから、もっと後で、これらの問題に関する国家政策を検討するときに、この問題の探究に戻るのが最もよかろう。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">しかし、生活水準の上昇は、金持ちと裕福者にも自分で働く人々にも影響を与える。そして前者の必要は後者の必要より切迫しているわけではない――仮に後者の必要が物理的な生存最小限を超えた水準にあるとしても――。いずれにせよ、その生活水準は例外なく主に「まともな生活」とも呼ばれる立派な支出の水準であり、またそのようなまともな生活水準に達しないときに受ける傷は精神的な性質のものである――「まとも」という精神的な必要が、困苦という衝撃を後者(労働者)に投げ返し、かつ基本的な身体上の生存必要物にかかわる現実的な習慣的欠乏に苦しんでいることを明らかにするほどの肉体的快適さを犠牲にしては、満たされない限りにおいて――。しかしながら、これが通常の事実であり、こういったことは、生じている限り、困窮の被害者によって本当の(<span lang="EN-US">bona fide</span>)の肉体的困窮と感じられ、そのため理性や感情に訴えることによって正すことも修正することもできるものではまったくない。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">貧困者の間でも、また金持ちと裕福者の間でも、まともな支出の標準的規模は強制されたものとなるであろう。またここでは詳細に論じられない理由で<span lang="EN-US">(53)</span>、そのように標準化されていて、どんな階級や社会でもまともさの主な構成要素として受け入れられる支出額は、大雑把に言うと、その階級や社会の習慣的所得が顕示的浪費の形で維持できる額によって決定される。それは「事情が許す限りの額(大きい利潤)」という原則のもう一つの応用である。しかしながら、そのような顕示的浪費のための慣習的な金額が慣習的な所得の支え得る金額に調節するのは、習慣化の働きであるため、時間と若干のいくらかの入念な苦心を必要とする。しかし、まともな支出は、そのようにいつもの日常の習慣に織り込まれるや否や、そしてその限りで、必需品の目録の中に座を占め、好ましく欠いてはならないものとなる。この点で、ドイツ社会は、強制的な吝嗇の時代から伝わった倹約の伝統を持っているため、これまでのところはただわずかな進歩をなしたにすぎない。彼らの中で最も費用のかかる者が十分に浪費的でなかったというのではなく、世間並みの人々が浪費家社会の中で一生の経験を積むという利益を受けてきた相続財産を持つ紳士の特徴となっているあの控えめな能率で大きい財産を消費するようにほとんどなっていないのである。最良の種類のイングランド紳士は、伝統的言って等しい地位にあるドイツ紳士の費用の七倍を全部で費やすであろうと、恐らくいまだに言うことができる。それに、ドイツ人は、金持ちも富裕者も、かなり予想される通り、よく、また速くたるみを取っている(合理化している)。彼らは人種的にはイングランドの仲間とまったく同じなので、その機会と適当な時間を与えられさえすれば、この文化的発展の特徴の点でも後れを取ることはないであろうということを銘記しておくべきである。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">ここでも時間と生存手段のまともな浪費を非難するつもりがないことは言うまでもない。それは価格制度の必要な付随物の一つである。また、それは帝政ドイツがまだもっと成熟した産業国に追いついていない点の一つである。しかしドイツ社会はこの方向に向かってきわめて効果的に動いているので、もし事故が起きないとするならば――これはまさに現局面の大きい疑問点である――、産業的産出と現在の消費との自由に使える利潤幅はすぐに消えると期待されるかもしれない。こうした経路によって生じる消失を妨げることになる事情とは、財産をある種の実業家から別の実業家に永続的に移すことであり、また産業技術の持続的な成長を通じて産業の生産性を持続的に拡大することであろう。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal">
<span lang="EN-US" style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">(46)</span><span style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">その世代(一九世紀中葉)のドイツの愛国的経済学者たち、そして彼らの見解を反映する著述家たちは、自分たちの提案する政策について語るとき、官房学より「国民経済」という表現の方を好んでいる。当時の経済学者を自称する者は、どんな公平な意味でも、主な関心を理論的研究より政策形成に置いていたことが特に注目に値しよう。イングランドの(古典派)理論家の提示する経済学体系に対する彼らの異議は、主にイングランドの古典派の公式の提示する実践的指針が国民的な力を建設する方向には実際に役立たず、特別の関連を持っていないという理由にもとづいており、これに関連して「国民的」という言葉は、国防と攻撃および用心深く国境を防衛するために組織された王朝国家を暗に示している。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">一八世紀の典型的な官房学者が一九世紀の「国民主義者」、すなわち歴史学派の経済学者と相違する点は、原則と目的の違いというよりは、国家の経済的基盤と課題にかかわった後代の理論家によって考察された必要な広範な方法と手段の違いである。商工業の状態は、昔から顕著に変化してきており、国家の物質的力に最も貢献する経済政策ならば、必然的に、かつて充分と思われたものより広範囲のものとなっただろう。単なる財政的な開発手法では、もはや大規模な取引関係と資本化された産業体制を持つ社会を最大限に役立てるには十分ではなかった。とはいえ、国家の物質的な利害が一九世紀のドイツ経済学の中でに第一の位置を保持し続けること、またイングランド人に見られなかったことであるが、その体系的な解説の中で財政に関する考察に重みと重要性が与えられているのは確かである。財政学はドイツ人の経済理論の最強の線であり続けたのであり、それは国家の利害が最高位にあるという命題に一律に沿っている。イングランド人、特に古典派については逆のことが成り立つ。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal">
<span lang="EN-US" style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">(47)</span><span style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">言うまでもなく、そのようなドイツの植民地には――もしそれらの植民地が、ひょっとして、自分たちの発展を助成してきた国民政権から離脱し、帝国の植民地として自発的な合併に向かう程の規模の君主権に対する忠誠に達し、それを保持するのでもない限り――あったとしても、わずかな王朝的価値しかないだろう。帝国に対する忠誠心の金銭的費用がすさまじく高く、しかもその金銭的利益がかなり疑わしい以上、そのような結果はほとんど考えられないだろう。また国外に定住するドイツ臣民がドイツの旗でなく、他国の――他国であればどこであろうと、と言いたくなるかもしれない――国旗のもとに進んで避難所を求めることから見ても、帝政国家の圧政下に喜んで身をささげるといったことはまったく考えられない。<span lang="EN-US"></span></span></div>
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<span lang="EN-US" style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">(48)</span><span style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">ゾンバルト教授(『一九世紀のドイツ国民経済』第二巻)のようなきわめて有能な観察者さえ、事態の同じ状態の与える利点をかなり無視して、この側面を観察し、詳述する。それはまったく通常の見解であり、またゲルマン主義のスポークスマンの側におけるある種の自己満足および「人種的な」評価に限らず、ドイツの偉業に対する(疑いなくふさわしい)称賛の豊かな根拠となっている。例えば、W・H・ドーソン『近代ドイツの進化』を参照。これは帝国の外交に就いている高名な人々によって(称賛なしで、したがってまた無条件に承認されることなく)かなり広範に書写されてきたという栄誉を担っている。また例えば、E・D・ハワード『ドイツの近年の産業的進歩の原因と範囲』を参照。ドイツ近代経済の時代についてのあらゆる研究の中で、上に引用したゾンバルトの研究がこの時期の研究者にとって最も有益なものであることは言うまでもない。<span lang="EN-US"></span></span></div>
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<span lang="EN-US" style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">(49)</span><span style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">十全な銀行業および類似の金融事業体の設置が当然のことと考えられる呼び物の一つであることを示すには、商業的または産業的な時期の歴史的研究のどれでも十分であろう。それらは世間の注目を浴び、またきわめて慎重に詳しく扱い、そこで特に貿易統計に感動している人々の注意を引き続けており、産業発展の主要因として高く評価されるようになる。<span lang="EN-US"></span></span></div>
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<span lang="EN-US" style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">(50)</span><span style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">普通の労働者が機械産業で引き受ける極度に機械的、単調、そして愚かしい部分の性質については、通常、多くのことがとげとげしい調子で言われてきた。これらの酷評はしばしば話し手側のある程度の無知を反映しており、その酷評が誇張され、寛容できる限界に度々近づくことは言うまでもないが、誇張をすべて正当に考慮しても、上段で主張したように手工業と機械産業がこの点で非常に大きく相違しているという事実はまだ残っている。<span lang="EN-US"></span></span></div>
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<span lang="EN-US" style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">(51)</span><span style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">『製作本能論』、第二、三、五および七章を参照。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal">
<span lang="EN-US" style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">(52)</span><span style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">補注四の三三二ページを参照。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal">
<span lang="EN-US" style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">(53)</span><span style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">『有閑階級の理論』、第二―第五章参照。<span lang="EN-US"></span></span></div>
Unknownnoreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-7801649817273939885.post-13234016921681194812019-10-30T12:43:00.001+09:002019-10-30T12:45:40.126+09:00帝政ドイツと産業革命 第四章 イングランドの事例<!--[if gte mso 9]><xml>
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<div class="MsoNormal">
<span style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;"> 続いてヴェブレンの『帝政ドイツと産業革命』の第四章「イングランドの事例」の訳文をかかげる。</span></div>
<div class="MsoNormal">
<span style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;"> ドイツとイングランド(またはより広くブリテン島)は、どのように違うか、これを比較史的に概観するのが、第四章におけるヴェブレンの主題であるが、彼は、両者には本質的な相違はなく、ただ両者が近代化の経験をスタートしたときの時代(時機)と期間(時間の長さ)の相違だとする。両者とも、隣人たちから借用(borrowing)を行い、それに自分たちの目的にあわせて改善してきた。しかし、イングランドは、近代のより早い時代に、かつ長い時間をかけてゆっくりとそれを行い、ドイツはずっと遅れて、つまりすでにイングランドが覇権を確立してから、しかも短期間でそれを行わなければならなかった。イングランドが孤立した島国であり、ドイツと異なって、相対的に平和な状態(他国と交戦していない状態)にあったことも相違を生み出すかなり大きい事情であったとされる。</span></div>
<div class="MsoNormal">
<span style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;"> こうした差異が両者のどのような差異をもたらしたか、その詳細は本文で詳しく議論されている。 </span></div>
<div class="MsoNormal">
<br /></div>
<div class="MsoNormal">
<br /></div>
<div class="MsoNormal">
<br /></div>
<div class="MsoNormal">
<br /></div>
<div class="MsoNormal">
<span style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">T・ヴェブレン『帝政ドイツと産業革命』(1915年)</span></div>
<div class="MsoNormal">
<span style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;"> </span></div>
<br />
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<div class="MsoNormal">
<span style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">第四章 イングランドの事例<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal">
<br /></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">このように明示的に提示すると、一つの技術体制は、その技術を出来合いのものとして、その技術を元々生み出し、かつ生活様式の付随的な他の変化と関連づけながら累積的に成熟させてきた社会でその技術が既に生み出していた効果と異なったものとして、受け継いだ社会に対して経済的価値と文化的投射を持つ、という見解にまとめられるが、そのように整然とした一般論として述べると、この命題は聞き慣れず、またおそらく疑わしくみえるかもしれない。しかし、よって立つ前提として公に認めるかどうかはともかくとして、その命題は確かな常識としての地位を固めて久しい。そのような借用の事例が歴史家や文化人類学の研究者の中で注目される場合には、このようにあまりなじみのない産業的手法と手段の体制を受け継いだ民族は、「粗野」、「未熟」、「均衡を欠く」、「粗雑」、「非純血種」などと特徴づけられるのが普通である。これに反して、かかる社会のスポークスマンは、「若々しい」、「たくましい」、「質実」、「血気盛り」と語る傾向がある。いずれにせよ、その意味は、差別的な感情を別とすると、次の通りである。すなわち、そのような民族は、一方では、かかる技術効率の進歩に必然的にかかわるものとして実現されるべきであり、またいつか必ず生まれるあの非物質的な文化要素、産業事象ではないことにかかわる思考習慣を獲得しなかったということであり、他方では、新たに発見された物質的効率を身につけた民族は、その同じ技術を久しく使用してきた諸民族の中でしだいにその技術を使いづらいものにした無益で抑制的な習慣や流儀を受け入れなかったということである。どちらの見解にも異議を唱える必要はない。習慣化の現象、したがって習慣の成長の現象として見れば、鏡に写る両面である。それらは同一の見解の二つの側面である。またドイツの事例とイングランドの事例の相違、またその他のヨーロッパの産業的に先進的な民族の事例との相違はこうした性質のものである。ドイツ民族は、この技術が生まれながらに所属する近代的産業文化の恩寵を受け継がずに近代技術を受け取った。しかし、彼らがこの技術体系をその性質の欠点を抜いて受け継いだことを指摘することも少なくとも同様に肝要である。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">その点で、ドイツの事例では、英語諸国民の持ったような規模の経験と文化的な熟成がない。換言すれば、ドイツ人が西洋の物質文明の流れの片岸に立ったときに何が欠けていたかは、この技術的成長の時期全体のイングランド国民の事例と対比すると最もよくわかる。この二つの国民の人種的起源は同じであり、彼らの文化上の先人は古代を通じて同じであり、異教時代の後期にさかのぼる。両者の経験は、中世にさえ、はっきりと異なる文化的な帰結をもたらすほどに異なっていない。相違が顕著になり始めたのは封建制時代の末期からであり、技術的状況が英国の産業体系を最近までドイツの産業体系から区別してきたあの近代的性格を帯びたのは、イングランドの編年誌が教えるように、近代が始まってからのことである。したがって英国の文化的パターンが他の点でもドイツのパターンからはっきりと分化してきたのも近代である。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">あらゆる注意深い歴史研究で注目を引くような細部の相違は、もちろん、きわめて早くから現れる。そして、一般的な類の文化的発展に関係する限り、これらの初期の相違は、これら二国民の間の情況の後代の相違とまったく同じ種類のものなのであるからか、ここで当然想起されるべきだろう。民族移動の時期以来、ブリテン諸島への侵入者は、いま「祖国」(ドイツ領)となっている土地に侵入した同族の運命を左右した環境と異なった性格の環境にさらされてきた。ブリテンに侵入した異教徒はローマ化されたキリスト教徒の住民を目の前にした。それは、彼らが征服した民族、またまず政府組織を設置して支配しようとした民族は、ローマの平和および教会司祭の支配下に従順と整然とした(秩序ある)生活をすでに学んだ民族だったことを意味する。一方、ドイツに定住した野蛮人は、もっと扱いにくく、おそらく経済的により価値の低い住民を見いだしたように見える。同時にドイツ領の野蛮人の様々な集団は、相互により絶え間なく争い続ける一方で、ローマ帝国およびその後継者とずっと敵対的に接触し続けていた。そのためアングロ・サクソン期のブリテンはまったくの騒乱状態にあったにもかかわらず、流血と負傷、暴行、奴隷制と迫害という状態が暗黒時代を通じてドイツの生活体系を形成していたのと対照的に、終局的にはブリテン島の情況は比較的平穏だった。それでもこの二国は同じ封建時代を経験したのであり、二つの異なった線の文化的発達をその後にたどったと言うことができる程に生活様式の方法を全般的に深く変えることはなかった。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">中世から近代への移行にあたって、イングランド諸民族は、西ドイツと南ドイツを含む西欧および中欧の他の地域と比較して文化的に遅れていた。その時期が一五世紀末か、それとももっと前の時期から始まるのか、その如何にかかわらず、また産業と物質文明の点で比較するのか、それとも知的達成と生活様式という非物質的な条件についてするのかにかかわらず、そうである。しかし、それに続く百年間にイングランド社会は長足の進歩を遂げ、その百年間が終わるまでにヨーロッパ大陸の隣人たちと(この点は疑わしいかもしれないが)肩を並べるほどになっていた。この英国の進歩は絶対的であるとともに相対的なものであり、ブリテン島における加速的な進歩と大陸の領土の多くにおける進歩速度の停滞の両方によるものであるが、ただしその停滞は大陸では一六世紀末頃より一七世紀によりはっきりしている。大陸の競争相手諸国の事態と再び比較すると、相対的にイングランド社会はこの時期に政治的、軍事的および宗教的な混乱による休止を経験するが、この休止は減速(<span lang="EN-US">mitigation</span>)であり、完全に停止した(<span lang="EN-US">surcease</span>)わけではない。それは、古典的時代の新しい商業、産業、および学問の進展と、とりわけその進展がもたらした生活の保証の増加の進展と疑いなく大いに関係している。またそれと同時に、それがブリテンの平和の最初期の時代のこととして注目に値する――この平和はそれ以来時としてもちろん危険にさられながらも結局のところかなり一貫して続いてきたのであり、この点にこの島にもたらされた生活条件と大陸に広まっていた生活条件との差異が示されているのである。そのため、条件付きであるが、近代を通じて平和の技術がより大きい注意を求めてきたのである。同じ時期に戦争の技術と王朝政治・宗教の技術が大陸諸国民の主要な注意を求めてきたと、同じ程度の確信をもって言うことができるかどうかは疑問であるが、いずれにせよ、この点での対照は見逃すにはあまりに明瞭であり、またその性格は人間関係および人間の目的を支配する諸制度および先入観の異なった成長に有効でなかったとするにはあまりに深すぎる。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal">
<br /></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">いま検討している目的にとっては、近代英国社会は、いくつかの点に照らすと、二つの局面または段階に分けるのが最善かもしれない。初期の局面は一六世紀初頭のある時期から一七世紀のある時点まで続き、一方、後者はおおよそ一七世紀後半に始まり、現在まで続く。前者の段階は言うまでもなくエリザベス時代に最盛期を迎えた。ただし、その文化的な帰結は後の時期に十分に実現される。後者の最高潮は、慣習的にそう呼ばれている産業革命によって刻印され、主に一九世紀の英国文化にその刻印を残している。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">英国近代をそのように細分する理由も指標も、主に技術的または産業上の性質やそれに関連するものである。これらの二つの時期のうち初期は、イングランドが産業技術を借用し、同化した最高潮の時であり、したがってある意味でドイツの帝政時代に対応する。後者の時期は、特別な意味でイングランドの生活における創造的な時代として特筆され、機械産業によって特徴づけられ、また支配されている現在の技術体系を生み出した時期である。そしてドイツ人のこれまでの生活史にはこれに対応する時期はない。したがってイングランド社会の生活史には含まれるが、ドイツ人の国民的天分を作り出した経験を欠如させるおよそ三百年ないし四百年の時期があるように見える。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">この命題は、このような無限定な形のままでは、誇張に行きつきことは疑いないだろう。必要な修正を行うことが明らかに効果的であるが、それらを公式的な言説にまとめるのは決して簡単ではない。殊に、時間であれ、他のどんな次元であれ、定量的に記述できる修正を導入するのも難しいだろう。またここで問題としている点――二つの社会の先だつ対照的な経験と、それに続く対照的な習慣的傾向――に関する限り、イングランド人がしだいに近代化される体制の下で生活の訓練を受けてきたのに対して、ドイツ人は古めかしい種類のより多くの、かつより厳格な経験を集めてきたことを想起しても、両者の差異が減じることはない。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">ここでもまた、ありうる誤解を避けるためには、二つの対称的な民族がそれぞれ受けてきた経験と、したがってまた、その結果生じた習慣化の対照に注意を向けるとき、差別的な比較を意図してはないことに注意することが必要と思われる。ある特別な目的のために評価する場合を除くと、ある因襲的に承認された長所や便宜にもとづいて、一方が他方より良いとか悪いということにはならない。明白にするように努めるべき全要点は「相違がある」ということにすぎない。もちろん先進工業国で通用しているような近代西欧文化の見地から見ると、この差異は比較される二者のうちドイツ側の精神的発達が抑制されているとみなされるべきだろう。もちろん退化や遺伝的欠陥といったものではなく、中世から最も隔たっている諸民族に見られるように、近時の文明人の理想、目的および精神(<span lang="EN-US">animus</span>)と折り合わない習慣的性向があるというだけである。それは本質的な意味における人間的性質の特徴ではなしに、ただ習慣と伝統という第二の天性にすぎない。そのように中世的な心の本拠地保から遠ざかることは、それを見る者の好意の持ち様に応じて前進とも後退とも評価されることになる。したがってそれは好みの問題となるのであり、この点について議論の余地はない。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">この時期のイングランド史を大きく温情的な見地から取り扱った近代の著述家たちは、エリザベス朝のイングランドを自己完結的な文化的時期と見なしがちであり、この時期をそれ自体の歴史の範囲内に含まれる生命力から成長してきたと考える。またそのような意見が、新しい学問の開拓、当時の軍事的および商業的な企て、およびその文献の迅速で確実な進歩に関する限り、英国の達成の実り豊かな季節についての有力な意見であることは疑いない――もしこれらの実りある成果とその成果がそれを創造した豊かなエネルギー支出に直接にもとづいていたことだけに注意を払うならば――。しかし、エリザベス朝のイングランドはたまたまついでに起こった挿話的な出来事ではない。ドイツの帝政時代と同じく、エリザベス女王時代は新しい情況、社会の運命と努力を左右した物質的な力の情況の新しい態勢から成長し、またその態勢を実現したのである。またそれに対応するドイツの事例のように、この新しい経済力の態勢の大部分は、概ね外国からもたらされた産業技術を新たに取得した結果である。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">厳密な意味におけるエリザベス朝時代につながる初期チューダー期は、イングランドの産業を大陸の近隣諸国と肩をならべるための運動を始めた。それはエリザベスの統治の大部分を通じて続けられた。この運動は主に工程、装置、労働者および手法を借用することにかかわり、またこれらすべての事物をブリテン島の社会の必要と利用に巧妙にあてはめることにかかわっていた。そのように借用するとき、イングランド人にはどんな借用者でも受け取ることのできる利点があった。彼らはよいと認められるものを取り入れ、それを生み出した国では借用した要素に付きまとっていた因習的な制限を抜いて取り入れたのである。こうした因習的な要素とは、手工業体制に特有な要素であり、それとともにその体制につきもののギルドおよび勅許の規制、決まった利用法、経路と手法の零細取引である。新しい前進の中の小さからざるものは、イングランド人が<span style="mso-bidi-font-weight: bold;">オランダ人</span>から学んだ造船業と航海術である。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">産業体制の新しい出発――新しい出発という用語よりは改善と革新という用語の方がよく表現できるが――の副次的だが直接的な効果は、産業力の利用している新しい態勢の中で可能となった資源が(事実上)発見されたらことであり、またこれらの新資源が自由に利用に向けられたことにある。以前に行われていたものとは対照的に新しく広範な機会が提供され、またこれらの機会は、そこでいつでも企業を刺激するものとして態勢の中に演じ入れられることになり、繁栄の累積的蓄積をもたらした。手元の富は有益な利用のための新しい機会を刺激して有用性を増し、また産業的支配権を手中にした人々は様々な機会を予見したのであり、それらの機会を自分自身が信頼してこそ、その新しい見通し自体の鼓舞する冒険的企業を実現することが可能となったのである。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">それは商業と産業の周期的繁栄――累積的に増加する信認、投機の進行、浮揚の高まり、拡張、インフレーション(膨張)、つまり何であれ不況の反意語として選ばれる用語の時期――のどんな研究者にもなじみの物語であり、この特別な繁栄期の主要な特徴はこの時期が新しい効率性の獲得から成長したものであるという点にあり、この新効率の獲得は、手中にある産業的資源が新しい産業体制の下でより多く利用されることにより産業的価値の増加を実現するという付随的な発見によって援助されながら事実上新しい技術的資源の発見につながったことによるものである。それともに、このような諸力の実際の発見がかなりの時間にわたって漸次的に進んだため、その推進力の上昇を最初にとらえた世代の生存中にこの繁栄と企業の時代を刺激の枯渇による停滞が急襲することはなかったというもう一つの特徴もあげられる。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">この点で、帝政ドイツの事例は類似現象を示しているものの、ドイツ人が新しい産業体制を獲得する規模と歩調の成長も、また近代的商業と産業企業のより速やかな歩調も、彼らの経験を短縮しており、それはイングランド人の場合には百年以上もとらえた出発点から頂点までのゆるやかな運動を一世代に圧縮するほどであった。そくどのこの大きい相違は、手工業体制とその零細商業と比較されるような機械技術の異なった特徴から生じる。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">ドイツの事例と比較してこのイングランド期の事業を引き立たせるもう一つのきわだった特徴がある。ドイツの新経済体制については、その開花が本質的には小さく一時的な混乱を取り除きながら、キリスト教世界全体の諸国民の平和と産業企業の発展の半世紀間に生じたため、ドイツの企業はすでに先に進んでいた他の産業諸国と競争しながら道を歩まなければならなかった。これに対して、エリザベス朝のイングランドは、キリスト教世界の他の地域がついでやがて破壊的な戦争にまきこまれ、産業の不振と経済の崩壊の長引いた時代に陥ったために、企業経営については特別に有利な状態にあった。そしてイングランドの産業社会にとって幸運なことに、それは彼らの産業上および商業上の競争相手の中でも最も有能な相手に特に厳しくふりかかった。それに続いて大陸では長期にわたる国家形成の時期があり、それはブリテン島という部分的な例外を除けば、キリスト教のヨーロッパを際限のない戦争と政治的陰謀に巻きこみ、南ドイツの営利企業の大崩壊の時代をもたらし、その破滅的崩壊のうちに終わった。大陸キリスト教世界のこうした漸次的な、ほとんど中断されなかった経済的衰退は、イングランド人に商工業に漸次的に持続する(<span lang="EN-US">progressively susutained</span>)差別的な利益を与えたので、国内で醸成されたあらゆる騒動にもかかわらず、ブリテン島の住民は、一六世紀の特殊な環境が手中にもたらしていた主導的状態を保持したのである。またそこであまり重要いでない抑制――いくつかは大きい絶対的規模の抑制――にもかかわらず、エリザベス時代にはじまった繁栄はそれに続く二百年にわたって緊張度を減じて進み、また一八世紀の産業革命がもたらした新時代につながったと言うことができよう。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">このありきたりな物質的成功の時期の大半は、そのイングランド人の名誉というより近隣の大陸人の不名誉のせいであると認めるべきだろう。イングランド人の大きい利点は孤立のために簡単に防御することができたことであり、そのため彼らが相対的な平和状態に置かれていたことにある。また大陸諸国の王朝的野心と愛国的および宗教的情熱は、それら諸国に極度の経済的混乱と産業的衰退をもたらし、かくしてイングランド人を前代未聞の逸すべからざる機会をいかがわしくも(<span lang="EN-US">doubtfully</span>)有効に思うままに利用できる状態にしておいた。経済的利害と技術進歩の点で、エリザベス時代からナポレオン一世時代までの期間は、大陸のキリスト教世界の諸民族にとって、「蝗害年」(蝗の食べし年月)という表題のもとに置いてもよいかもしれない。イングランド人にとっては、同じ時期の中葉半分は慣性による緩慢な進歩によって占められている。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">しかし、イングランド人がそのように大陸キリスト教世界の技術的知識を取得し、また妨げられずに利用することを許された期間は、帝政ドイツの対応する配分時間を六倍ほど超えており、そのため利用と新体系に移行するために強いられた速度は穏やかだっただろう。そのため物質的な生活様式における習慣化の新体系は、他の点における社会の思考習慣を修正するという帰結をしあげるのによりふさわしい機会を持つことになっただろう。生活体系の中にそのように取り込まれた技術的諸制度は、この新しい経済状態にそのように中毒した人々にそのための訓練を押しつけ、他の事柄についても、その産業体制に本来そなわている気分に調和するように人々の思考を変えることになるであろう。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">イングランド人が借用し更なる帰結へと発展させた体制は手工業と小商業の体制であり、この産業体制にとって本来的または正常な気分は、自助と機会の平等を指し示す気分であった<span lang="EN-US">(23)</span>。この体制に具現化される産業的職業および利害と規制の体系の一切の浸透している訓練は、穏やかだが大規模かつ着実な推進力をもって、ゆっくりと作用し、イングランド人の中に民主主義的な権利と不干渉、自助と自律の精神を生み出してきた。それは一六八八年の革命で政治的に頂点に達し、それに続き自然権という形而上学にもとづくコモンロー体系の発展を通じて感情(世論)の向かう方向を指し示し続けた。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">それゆえに手工業と自助という近代初期の体制に向かうイングランド人の動きの結果は、就中、専制の解体および独裁的な権威筋による強権的監視の崩壊だった。新しい産業体制に続いて、またそれによって経済における裁量権と主導権の再分配が生まれ、強まると、古来の不服従の精神が社会事象の中に再び現れ、個人の物質的関心と主導権とを政策の前面に押し出し、「臣民」を「市民」に変え、国家を公共的平和の管理と私的利害関係者間の公正さ(<span lang="EN-US">equity</span>)の規制のための役所にして「無害な廃絶」の状態に戻すところまでほとんど進んだ。古い王朝体制の印から遠ざかるこうした流れがすべて成就したわけでは決してない。――イングランドの自然権の増殖は、先史時代の型に沿う規制された無政府状態の体制になるほど熟したわけでは決してないとはいえ、その方向に向かう危険な脱線がときおり現れてきた。近代的な産業と商業の大規模で複雑な組織も、国際的不和の不断に現れる影も、そのような事態を許さなかったのである。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal">
<br /></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">これらのすべてには時間を要した。この産業的および商業的体制の訓練が人々の習慣を改め、新体系の運営条件に合うように法的および道徳的観念を徐々に調整しなおすという効果をもたらすためには時間が必要だった。この再調整は、法令の条項および当局の規制を新しい産業と商業の要請に適合させ、その新しい要求に適合するように市民的および政治的な関係を規格化するしっかりした努力によって、部分的には慎重に行なわれたことは確かである。これらの努力はほとんど成功しなかった。それらは、大部分が、新体制の訓練によって浸透した思考習慣によってではなく、以前の体制から受け継いだ先入観にもとづいて生じた。また新たな経済状況を標準化し、規制しようとする当局のこうした初期の努力も、それ相応の実際的価値を持つこともなく、恒常的影響を持つこともなかった。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">新しい訓練の心理的沈殿物と呼ぶことのできる事の形をとって新しい情況からやがて成長してきたような後代の法規的施策や行政的施策については、もっと(肯定的に)語ることがある。また道徳的、法的または知的な関心に関する見込みの変更にはもっと大きく本質的な価値を与えることができる。それらはこれらの類のその当時の慣習とその当時の価値評価の基準およびカノン――例えば宗教、芸術、特に文学、哲学、科学および礼儀と忠誠のカノン――の中で効力を発したのであり、必ずしも法令の形式または他の権威ある形式に取り入れらなかった。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">このような成長には時間がかかる。それは習慣化の問題であり、また受け入れられた思考習慣を徐々に置き換える問題である。この部類の価値評価および行為の信条は一世代では獲得したり、捨てることができるものではない。たしかに精力的で慎重な当局による管理がそれらを獲得したり、捨てる習慣化過程をかなり加速するかもしれないことは確かであるとはいえ、突然法令によって押しつけられるものではない。しかし、最も配慮に富んだ当局の監視といえども、自由な諸制度または今問題としている時期のイングランドの発達を特徴づけるような自由思想と呼ばれうるものの成長を促進するには、相対的に無能である。これらのものは、不服従と進取の精神という古代の精神が回復力によって生み出されるものであり、強制的な指示によって養成されるものではない。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">ここで、この近代的な労働および自助の体制の長期間の訓練の下で、何が宗教的信仰とその基礎にある神学的観念に生じたことを明確に述べることは必要なく、それよりも退屈なことであろう。その結果は、――新しい出発の分岐点にあった高い権威が欠けていたため――あらゆる程度の敬虔的な信頼性(<span lang="EN-US">authencity</span>)に及んでおり、また反逆的、自律的で騒々しい異説のツギハギ細工は、敬虔な礼儀に対する洗練された好みを持つ者ならば、進んで頼みにできるようなものではない。哲学はせいぜい神学の侍女であったため、宗教の後退に続いて哲学の後退が起こるべくして起こった。そのため近代の特徴的なイングランド哲学の作品は、概して懐疑的な性質のものとなり、自助と人間による利用のために実利主義の原理に大きく依存しており、その道徳的前提と規範には物質主義的思考ではなく、功利主義的および実利主義的な思考が強くしみ込んでいる。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">忠誠心も同様により低い地位へと縮小した。近代の英国臣民が国家に、また時折にせよ統治者と王朝に忠実でなかったというわけではない。しかし、現在の君主や王室に対する英国臣民の忠誠が自己の物質的利害に対するかかる忠誠のもたらす利益に左右されていたことは、ブリテン島内でも、また植民地のうち重要なものにおいても――例えばアメリカ合衆国を形成した一三州でも――痛々しくも再三再四明白となった。何のための忠誠心か、と問題を提起するような忠誠心には、封建的な理念、繁栄する王朝国家の土台を常になしていた熱狂的な自己犠牲というあの精神がまったく欠けている。英国人の忠誠はまったく「好天時の忠誠心」という汚名を着せられるわけではないが、王朝政治の立場から見ると、その部類のよい取引物件とはいえない。それはあまりに不服従の気質を帯びている。ここでも、イングランドの事例はこの点でドイツ帝国の事例と異なっている。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">王朝に対する忠誠心、または国家にさえ対する忠誠心の点でさえ、イングランド人とドイツ人の間にあるようなこの気質の相違は、主にイングランド側における忠誠心の不足であるように見える。イングランド人は、自己犠牲および王朝政治ならびに君臨者家系とその貴族官僚層の増進に対する献身の点に欠けている。ドイツ国民の素朴な愛国的連帯とは対照的に、イングランド人の忠誠は自己利害の気質を持つ忠誠でなく、和らげられた不服従と呼ばれてさえよいかもしれない。しかし、それは種類の相違というより程度の相違である。インいnグランド人は、ドイツ人が保持してきたか、あるいは強化さえしたもの――国家の至上権と統治者の権威に対する敬意に常習的に身をゆだねるようなこと――をこの数世紀の間に失ったように見える。イングランド人の習慣的な態度と気質には献身が少ない。たしかにイングランド人の習慣的な気分にはいまだにこの高潔な誠実さのかなり役立つ残滓が残されている。しかし、それはある意味で見落とされて残されてきたように見え、また残されているものさえ自己利益という付け足し(<span lang="EN-US">afterthought</span>)によって強いられる忍耐の限度内にある。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">ドイツ人と比較してイングランド人が王朝的団結心と服従を欠いていることは、複数の要因によって発展が分岐したことから生じている。中世から近代への移行時、分岐が始まったとき、イングランド人はこの点で大陸の同胞よりあまり恵まれていなかった。中世的精神はイングランドでもさほど発展せず、ドイツ領における発展のほうが特に過酷で軍事的秩序のものだった。新たに分離してから、王朝的理想に対する忠誠と統治者の要求に対する服従は、イングランドではそこに広まっていた比較的平和な状況のため基盤を失った。一方、ドイツでは、概して、この心の習慣はすべて、支配者個人に対する忠誠心のより粗野でより野蛮な形を失うのではなくて、むしろ増加したが、それはこれらの諸国民が服従していた小規模で私的な軍事的企ての中で行われた持続的かつ精力的な訓練による<span lang="EN-US">(24)</span>――とりわけ北部ではそうであり、ここでは政情が不安定なために、人格的な支配と従属的忠誠が(家臣の)武勇による保有権の因習化(強化)にさほど浸食されなかったのである――。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">しかし、 近代のイングランド文化の最も顕著な特性は、また同時に近代全体を通じて一九世紀中葉に至るまでのイングランドとドイツの体系の最も特有な相違点は、つまるところイングランド人が物質的な現実に没頭したことである。英語の「現実」は、
この用語を使う人が意図的にそれをより広く押し広げて考えないときには常に、またその限りで、物質性を意味する。近代の英語諸国民の手中で、積極的な意図によってではなく無視によって、その概念の含意はこのように狭められてきた。イングランド人の精神構造におけるこの物質主義的な傾向は、「機械論的概念」――これはこの思考習慣のより正確な定義を分析的に与えようと試みる機会を持った人々が呼んできた概念である――において最高潮に達する。機械論的な概念と機械論的な見解は、もちろん、目に見える技術の性質および関連を持つものである。それは近代を通じて徐々に高まり、その最高点は歴史的現在にやっと達成された――もしこの運動の最高点がもう達されており、私たちの眼に最高点と映るものがこの傾向のもう達成された最も進んだ点であるためにそう見えるのではないと言ってよいならば――。この近代の数世紀を通じて、この方向に向かう流れが極めて一貫して進行したので、もっと後の段階に到達した点から見ると、機械論的概念が近代生活の規律の目指してきた到達点のように見えるのである。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal">
<span lang="EN-US" style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;"><span style="mso-spacerun: yes;"> </span></span><span style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">価値評価の唯物論基礎、および現象を取り扱うとき機械的論理への依拠に向かう近代の知的生活のこの傾向のすべてに、ドイツ諸国民はどんな感知できる程度にも関与しておらず、またそれに参加したとか、はっきりと貢献したということはまったくない。この広い否定(不関与)の一つの例外が近代の前半全体の南ドイツ諸国民に相応にあてはまることは疑いないが、この例外はそれがまさにあてはまる時期にさえ次第に力を減じてゆくのである。またそれが決して到達しなかった今後の最高点という観点からではなく、ただそれ自体を見ると、そのように評価されることはほとんどないだろう。この近代初期――例えば大雑把に一六世紀、またはおそらく一七世紀――の段階を別にすると、ドイツ諸国民の知的な趨勢は、明確にという程にではないとしても、唯物論的な精神(<span lang="EN-US">animus</span>)からかなり遠く離れていた。総じて祖国の内に限定しても、これらの世紀を通じて日常生活の訓練は、全体的にみて、非物質主義的な性質と関係を習慣的に注意が最も向けられる側面に置き、差別的な正統性、威厳、カースト、階級、先例および序列といった価値評価にゆきつくような人格的な性格のものであった。それは町の集会、開放的市場および公道の秩序ではなく、むしろ異常な程に宮廷、野営、官僚制および警察の秩序だった――その傾向は機械工場と大工業からもっと取り除かれなかった。そのような秩序のもたらす知的傾向と体系的な思考原理は、機械論的な概念と併存することなく、むしろ理想主義的、精神的、先験的と言われる高次の思考習慣と軌を一にする。それらは非物質的で隠れた――知覚の現実性を越える概念の助けを得て確実性と決然性を追求するという意味で、先験的な――範疇の下に一般化し包摂することに帰着する。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">この近代初期の形成期を通じて、キリスト教世界の知的生活を形づくったる習慣化について、イングランド人とドイツ人に純然たる対称性があるというわけではない。両者はともにキリスト教世界の文化的領域内におり、また少なくとも主要には、中世の文化的関心とは対称的な近代の時間内にいる。しかし、この二者はキリスト教世界の知的生活に関する限り、また特に近代的な諸制度が当時形成されたことについて語るべきことの多いあの文化的要素に関する限り、この文化複合体中の二つの極端な状態(または極)をなしている。すでに述べる機会があったように、その差異は程度の相違であり、両者の生活に入るいくつかの要因のどれかに当たる異なる圧力の相違である。しかし、研究の重点を両者の同一性ではなく相違に置く限り、そのような差異を対照的に取り扱うのが最も便宜的であろう。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">そこで、ほとんど一時的で表面的な効果しかない余計な要因を除くと、また近代の初期を除くと、ドイツ国民の知的生活は、上で特徴づけたように祖国の生活秩序が与える方向をとってきた。物質諸科学または機械的な種類の技術的知識には相対的に小さい注意しか払われず、相対的にきわめて小さい効果があげられただけである――これらの分野で達成されたイングランド(そしてフランス)の成果が一九世紀初頭の頃に、借用した進歩を通じて最終的に根付く時点まで――。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">ドイツの省察と研究は、手元にある知識の秘められた先験的な体系化に、そして精神の領域、すなわち人格的力と精神的一致という合理的な関係――支配と服従の体制、権威によって強要された伝統的価値観への秩序ある従属に彩られた合理化――における現実の探求に習慣的に注意を向けたという点で、深遠な性格と呼ばれてきたものを帯びた。その頂点がロマン主義学派のドイツ形而上学であることは言うまでもない。それは実際の因果関係ではなく論理的な適合性にもとづいており、また先験的な人格性を否認する(<span lang="EN-US">over-ruling</span>)準汎神論的支配において頂点に達している。ドイツの思索は、論理的範疇と道徳的要請の(手直しされた)汎神論的体系で頂点に達する。一方、これに対応するイングランドの運動は、ここで問題となっている点にかかわる限り、事実の不明瞭で非人格的な事柄の無神論的かつ非道徳的な体系に強く傾いている。ドイツの習慣の下で登場したような人間精神のこの仕事は、「より気高い」、「より深遠」なものとして語られる――そのような区別が不公正であり、好みと見解の問題であるため、ここで論じることのできない論点をなしている。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">それでも、ほかの場所や時代に広まっていたものと区別されるような近代キリスト教世界の諸民族の知的生活の特徴的傾向は、機械的な概念に表される精神である。これはあまり近代キリスト教世界の栄誉とはならないかもしれないが、この点でのみ近代キリスト教世界の文化がそれより前に存在した周知の文明社会を超えたという事実は残る。この精神がその実際的な効果、事実との調和によってのみ近代的な知的生活におけるそのような支配的な地位についたことも注目される。また機械論的概念が近代的な思考論理における支配的地位を与えられたのが主に英語諸国民の手の中のことであったことも注目されるべきである。したがってそれは近代が始まったとき以来、イングランド社会が従ってきた習慣化の経路の結果であると言うことができる。その観念は明かに技術的秩序のものであり、この事実は、その技術の普及している近代文化を、そのような命題が他のいかなる知られている文明に当てはまるより明確かつ直接的に、産業技術の様相を本質的核心としている文明の特徴とするものである。しかし、その技術上の半券は、産業革命期に先立つ近代の産業体制の中にではなく、産業革命以降に広まったような近代後期の産業技術の様相の中に見出される<span lang="EN-US">(25)</span>。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal">
<br /></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">技術的慣習と科学的研究の予見のこのような相関が実際の明白な因果の連鎖だけでなく、近代の知的生活を貫いている様子は、すでに当面の目的のために別の場所で充分に概観しておいたので、そのすべてをここで繰り返しても何の益もないであろう。そこで言及した議論では、西欧文化全般の一段階として実際の事実の全般的進展を示しているが、この発展をヨーロッパの他の部分と異なった英語諸国民の所産としたあの環境に特に触れることはない。したがって、ほかならぬブリテン島にこの発展をもたらし、ブリテン島における発展の様相に影響を与えたイングランドの事例の特殊環境についてもっと語らなければならない。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">主要で決定的な環境、この事例に関する他の環境の主因(<span lang="EN-US">causa
causans</span>)は、ブリテン島が島だということである。イングランド社会のこの島国的な位置のために、封建制はイングランドでは十分に確立しなかったか、あるいは成熟に至らなかった。「王朝国家」はそれほど強制的および熟練した方法で維持されたわけでなく、またヨーロッパ大陸ほど続くこともなく、いつまでも残ることもなかった。というのは、それは繰り返し生じた外国の戦争のもたらす必然的な挑発と機会とがあまりなかったからである。近代的体制に移行するとき、手工業体制をはじめとして産業情況が後進的な状態にあり、その手工業体制はブリテン島では歴史が浅かったため、特にそのギルド規制の点でヨーロッパ大陸ほどの精巧さには決して達しなかった。政治的、市民的および産業的な組織はより緩やかに織り込まれる性格を持っていたため(<span lang="EN-US">26</span>)、敏速に変化する余地と個人の主導性のためにより自由な余地を提供した。不服従と個人的な自己主張が近代に大陸よりもブリテン島でより容易に、また少ない刺激でも生じたことは、当局側からのかかる譲歩が常習的だったことと共に、よく知られている。後になっても、この島国的な情況は同じ意味で社会の利害関係に影響を与え続けた。主要な事実は、相対的に平和な生活様式にあり、そのため人格的支配の漸次的は弱体化し、官僚的監視は衰退してゆき、それにともない利害と関心が軍事的愛国心および王朝的政策から離れて、戦争と政治に代わって平和術に向かい、また産業と貿易に熱中してゆく流れが生じた。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">このように一般人の日常的思索を引きつけた産業は、その当時の他の土地と同じように、イングランドでも手工業的性格の産業であったことは言うまでもない。しかし、他のより高次の、より理想的な論理のカノンと一般化の範疇がなかったため――相対的に少なかったか、その重圧がわずかだったため――、通常のイングランド人は、――ちなみに彼らは他の民族と同様に大抵平凡だったが――習慣的に心に植え付けられていた範疇に助けられて、またその日常の職業から教わっていた論理を使って、自分の好奇心を惹くどんなものについても熟考した。これらの範疇は、手工業体制の下で自助によってやってゆくという日常的な手順によって強化されており、職人魂の範疇であったのである。また同じ身近な経験の力によって習慣的に自分の身につけていた論理は産業過程の論理であり、小商業のギブ・アンド・テイク(相互依存)の論理だった。非物質的な威厳と目に見えない壮麗さという因習を識別し順応するための相応の訓練を欠いていたため、彼は大陸の同胞の装飾品の一つであり続けた相違が感じられないところでは、あの抵抗しがたい差別感の多くを失っていた。彼は、平凡な数世代が経つうちに、唯物主義的な思考習慣に陥ったが、その唯物主義は、自己の生活習慣にかかわる産業的活動から、また家計の関心の中心点にある財から形成されたものであり、また同様に「市場の駆け引き」の中で熱狂するようになった重量と価格の細心の数字から形成されたものである。これらの諸問題を、この種の問題を、彼は理解することができた。そしてその論理は、途切れのない教義化によって、自己の関心の内に含まれる一切のものに通用する論理だった。そして、もし物質的データまたは少なくとも重量のような感覚的に表現できるデータや価格評価に役立ちうる様相を表さないものでなければ、この関心の内に入ってくるものはほとんどなかった。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">そのような精神状態にあっては、人は一連の出来事を知覚できるデータの連鎖とみなすのであり、その中では、遠く離れている作用を認める余地(<span lang="EN-US">place and force</span>)はなく、また重量という知覚可能な用語を使った公式化に耐えない「十分な理由」を探し求めることは無益となる。実際、そのような集団内では、十分な理由という無形の根拠にもとづく議論は賭け事ほどの説得力もない――賭け事は少なくともその領域の標準的単位による統計的な公式化を受け入れる余地がある。しかし、職人の論理は、その仕事で使われる材料に手で触れ、形を変えるという確かな知覚できる根拠にもとづいて行われる。有形的な効果を知覚可能に「生み出す」原因は、ごくありふれた唯物主義者の形而上内にあるものである。やがて新時代の科学者が彼らの好奇心を引き、彼らに知識の体系化のための枠組みを見いだすように求め始める現象を見るのは、こうした手工業を背景にしてのことであり、また商業会計統計を照らす無味乾燥な光のためである。そこで、科学的研究がイングランド社会ではじまるとき、それは有効な諸原因を探し、これらの諸原因を職人芸的な職人精神を持続的に示す形で見いだすのである。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">これがイングランド人の新しい、他からの刺激を受けなかった発見だというのではない。類似のことはそれ以前のあらゆる知識の体系化に認められる。しかし、――例えばスコラ学派および後代の(ドイツ)神秘主義者<span lang="EN-US">(27)</span>および近代初期の錬金術師たち(<span lang="EN-US">28</span>)の体系化のような――神学、形而上学、呪術等々の個人的根拠にさかのぼるより高尚またはより観念的な体系にあっては、この職人的な有効原因という原理(思考習慣)は、議論全体に浸透しているが、不明瞭かつ大部分が公言されずに存在している。またイングランド人の主催する新時代がこの点で優先権を得ているというのでもない。これらの最近の物理的原因の探究者は、どこにも支援を求め、多くの場所に支援を見いだす。というのはその原理自体がその人種の最古の、強固な形而上学的な習慣の一つであるからである。普通のイングランド人が主催するこの新時代には、職人的な因果律のこの形而上学的な公準が研究の前景に姿を現しているというにすぎず、この公準は、軽視のためいっそう高い原理が不履行になっていることによって学問領域の終局的な体系化の唯一の自足的範疇として存立するままに残されているにすぎない。イタリア人は、つまり手工業と個人的主導性が彼らの中に物質主義的な研究習慣を育んでいた当時の、また教会による迫害と党派間の戦争がイタリア社会をふたたび正統信仰および忠誠という薄暗い宗教的な光に連れもどす前のイタリア人は、同様な素朴な探求に出かけ、同じ市場で売れる主要産物を持ち帰った。またこれと似たような情況のために自分たちの社会にとって無益な好奇心という同様な傾向が生まれていた時代のフランス人、オランダ人および南ドイツ人もそうである。いまやイングランド人の順番がやって来たとき、彼らは他の場所で既になされていたことを――またいまだになされていたことを――利用した。やがてイングランド社会が主導権を握ることになるが、それは諸般の環境が決めたことである。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">やがて手工的技術が自らの特有の方法の限界を超え、自身の特有に職人的な思考習慣の結びつきを緩め始めると、感じられない程度に、新しい再出発が開始されたというより、始まった。一八世紀初頭頃になると、大規模で包括的な物理的過程、「省力装置」と機械的な原動力を含むような技術的手段への依存がある種の工学を技術体系に導入するような比重を帯び始める。次にやがてこの新しい種類の接近が産業技術の状態における本質的な要素として産業効率の問題に導入されはじめる。この新しい要因は、――あるいはむしろ、その技術体系の形成、あるいはその体系が生み出し、かつそれに従うべき知的態度の形成に向かうと考えさせる重みをいまや帯び始める古い要因というべきか――ともかく、この新しい要因は、船積み規模の拡大と機械的精巧化に関係しながら登場し、それと同時に体系化された計算可能な航海術、高速道(および水路)と乗物の改良が生じ、それに続いてより機械的に体系化された形への通信・運輸の方法と手段の転化が生じ、また水車・風車・その他の原動機、家畜飼育の改善に合理的かつ意図的に注意を払う農業過程の拡張と体系的な決定が行われる。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">しかしながら、本来の手工業のより素朴な精神には異質なこの要素の産業体系への浸透が産業技術の状態に目に見えて影響を与え、また新しい内容の効率性原理というべきものが古いものに代わるほどの重みに達し、そのために「機械技術」がもはや職人精神とまったく同義ではなくなるのは一九世紀もかなり進んでからである(<span lang="EN-US">29</span>)。しかし、技術体系を形成した思考習慣の首位の座は、一九世紀の第3四半期の頃に、職人精神から工学(エンジニアリング)に移ったと言ってよいだろう――少なくとももっと後の同様な発展からうかがわれる観点から事態を眺めると、そのように見える。単に当時の情況から判断し、また機械産業の後代の変化に影響されずに、この命題に同意する人がいるかどうかは疑わしい<span lang="EN-US">(30)</span>。この時代が産業革命と命名されたのは後知恵によるものであり、その場合にも、産業革命は手工業の手作業を「容易にし、短縮する」ための方法と手段の体系として「労働節約装置」という用語で伝統的に評価されてきた。しかし、そこに生じた事態を見るとわかるように、この産業革命の技術的な特徴は、故意にでない限り、見誤られようがない。その効率は専門的な職人芸の効率ではなく、機械的要因にかかわる過程の効率である。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">とはいえ初発には、あるいはもっと適切に言うならば、機械産業の時代の初発段階では、新しい手段の設計者と考案者が仕事にとりかかるときに持っていた先入観は、明白に手工業的な種類のものであった。初期の機械設計にあっては、彼らの意識的な目的は職人的な手作業を機械装置によって拡大された規模、範囲および速度で再生産することにあった。もちろん、これは造船、航海、道路工学あるいは牛の飼育のような領域には当てはまらないだろう。しかし、今やこれらの領域は、後になってみると(<span lang="EN-US">ex post facto</span>)見られたようにより広範な機械技術体系の中に位置を占め、また機械論的概念の支配領域に入っていると見られているが、その一方で、当時は機械時代の技術の応用とは理解されていなかった。技術は、最初、また長らく単独で、そのようなものとして、また新旧の事態の相違点をなすものとして称賛されており、より狭い意味で機械として語られた装置だった――これらの新しい発明品の設計は、最初、職人的な予見によって現実のものとなったのであり、その発明者と設計者はこれらの擬人化された産業過程概念を振り払い、これらの過程が駆逐した手作業の論理ではなく実際に働いている機械論的な要因と過程の論理によって、機械的諸問題を解くようになったが、それはただ漸次的かつ感じられない程度にだった。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">通常のように、習慣化には時間を要した。また機械論的概念の論理が機械過程の具体的細部に携わっていた人々の思考習慣の中に安全な居場所を確保しえないうちに、機械過程の世界に決定的にふみだした世代が去り行くことも明らかに必然的であった。その時々の知識体を体系化するために依拠する科学の規準と範疇は、日常生活の規律から遠く離れたところで生まれたものであり、技術者の予見よりも遅れて変質を被ることになる。しかし、この日常の習慣が最終結果をもたらすほどに十分長く、十分に一貫して自己の性格を保持するとのみ仮定すれば、その変質は同じ日常の習慣から生まれたものであるから、必然的にそれらにも及ぶだろう。そこで産業革命に続く一世代か二世代の科学的な仕事をなした人々は、いまだに一包みの原材料を取り扱い・一片の細工物を作り上げる典型的な職人から抽出した物のように見える効率的な諸原因というタームで自己の体系化を考え続けることがわかるだろう。またあの初期世代の科学者の理論的思索の中にある因果連鎖を支配する自然法則という抑えきれない枠組みには、古いギルド規約のなにげない提議をこえるものがある<span lang="EN-US">(31)</span>。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">しかし、このように近代的産業技術の効率上の精神的な核を構成するこの機械論的概念はまたゆっくりと、不可逆的に、そして責任を問われることもなく、その論理を知識の領域全体に取り込んできた。もちろんそれが最初に、また最も明白に生じたのは物質科学の領域であるが、やがてもっと高度な事について省察する研究心を持つ人々の間でも生じた。機械論的概念は、機械技術が手工業を駆逐し、儀式の順守と強制的規則から関心をそらしたのとまったく同じ規模で、かつ同じほど全般的に、科学的理論の論理において神学校と紋章学校の予見の地位を奪ったのである。もちろん、後者の動きは、前者の運動に続いて起こり、またそれに左右されており、それゆえに同じように動くとしてもかなりの程度の遅れを示すことになるという留保を常に付しておく。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">このイングランドの事例の分析全体の中では、産業技術の状態が唯物主義的および機械論的な関係における包括的な習慣化の方向に妨げられずに向かったと勝手ながら想定した。また旧体制の特権階級という権威主義的な因習に対する服従が残ることはなく、かつ人物を考慮せずに、それが自助と機械論的論理というかなり普遍的な精神をもたらしたとも想定した。もちろん、それは明らかに事実ではない。しかし、同じ歴史的時期にドイツ人に生じたことと対照すると、このようなことは、結局、特徴的に英国的な文化のより目立つ特徴であり、また実際すべての先進工業国の文明の目立つ特徴だった。だが、これらすべての社会では、またおそらく少なからず英国の事例では、少なくとも機械技術の到来に先行しており、かつ機械技術やその種の所産ではない慣習体系のきわめて大きい遺制が過去から受け継がれていた。教会と国家と貴族は、いまだに効果的に力を保持している。しかし、古くからの慣例によって、歴史がいまだにこれらの古代から注ぎ移された範疇のもたらした用語で書かれており、その結果におけるそれらの役割が広く知られていて、それらを思い出したり、参照するなど一切の必要事が与えられているのであるから、ここでは近代の英国生活におけるこれらの要因の働きをよく見る必要はない。それらが文化的な潮流の中で果たした役割は主に地味なものだった。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">他方、一部は技術的性格を持つ直接の結果によって、大部分はこの新しい体制の産業効率に左右される慣習として、この新しい産業体制自体から広範な使用、因習、既得権、権利および礼儀の規準が成長してくるのであり、それは新しい産業技術の様相の一部ではないが、結局はそれから、またはそれを作り出す社会によるその利用から分離することは簡単ではない。これらの因習や規準には、産業体制の働きを妨げるか、その純効率を引き下げる効果がある。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">イングランドの事例でも、ヨーロッパの他の地域と同様に、所有権は太古から法と習慣によって承認されてきた。そしてこれらの権利は、イングランドではヨーロッパの他の多くの地域より、国家による上級使用権の簒奪によって弱められなかった。また手工業体制の時代にあっても、また機械産業が登場してからはなおさらであるが、産業は金銭的土台の上に金銭的な利得のために続けられた。しかし、産業効率の上昇、取引および市場関係の規模の拡大とともに、「小商業」の形で始まり、手工業に侍女として奉仕した金銭的企業は、時が経つにつれて産業体制の主人、産業設備の所有者、そして――もしかすると――自己の金銭的目的のために産業の操業を指図する十全な自由裁量権を持つ・社会の技術効率の唯一の受益者となった。そのため近代に入って社会が獲得した技術的知識と技能とは、所有権によって、それらを統御している経営者の金銭的利得に主として奉仕し、ただ副次的に住民の福祉に貢献するにすぎない。もちろん、法的および慣習的に所有者に帰属する自由裁量権の規模がより十全であり保証されている点を除けば、またイングランド社会の相対的に大きく長期にわたった産業効率を除けば、このような状態はイングランドの事例に特有というわけではない。産業効率は、他のどの地域よりイングランドで補足的な結果がより大きく成長するための時間と視野を与えたのである。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">私的利得のために営まれたイングランドの産業体制のこうした補足的な結果は二つの項目に分かれる。それは、産業(生産)に影響を与えるものと、生産物の消費に影響を与えるものである。前者は競争原理に属し、後者は顕示的消費――生活水準とも呼ばれるもの――に属する。三番目の要因となる習慣の惰性は、これら二者の両方に影響を与え、ごく普通にはそれらを強化すると同時に、――特に産業的な方法と手段における積極性を妨げ、革新を遅らせる形で――産業体制の効率に重大な影響を及ぼす。これらのいくつかの方向のすべてに何かしら体系的な成長のようなものがあり、それは実際の機会によって左右されるが、また結果が熟すためには時間を必要とするだけでなく、問題となる実践を停止する緊急の必要が生じる場合に、その停止を進めるためにも時間を要する。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">経営管理の産業的な影響、あるいは産業体制に対する「有機的」影響と呼ぶほうがよいかもしれないことは、その生産効率にとってすべて有害というわけではない。ただし、それらの十分な発展のために時間と習慣化を要するそれらのほとんどすべてがそのような性質を持つわけではない。こうしたことは一般的によく知られている。実際、それらはごく普通に知られている事柄である。しかし、それらはまた太古からの所有権および価格制度ときわめて堅く結ばれているので、――おそらく正しく――経済状況の本性の内に存在する当然のこととして受け入れられている。市場競争に従って相反する目的のために組織的に働くことはほとんど言うまでもないことであり、各競争者の目的は利益を自分に向けることであり、それはおそらく付随的には社会の物質的福祉に役立つことであろう。所与の、だがしばしばありうる環境の下では、この情況は、それを統御する経営者の金銭的利得が社会の物質的福祉にとって有害な設備――例えば粗悪品のように混ぜ物と代用のまがい物の使用、有害な特効薬や飲物の生産・販売、危険で非衛生な住居、道路、乗り物および家庭用器具、産業における危険な機械と有毒な成分および工程の使用、等々のようなもの――から最もよく得られるように転じる。これらのいかがわしい利得手段はいつの間にかより完全に、産業的および商業的体系に浸透し取り入れられることになる。これらの事柄に多くの才能が使われ、多くの事務的な産業がこうした「乱用」――しばしばそう呼ばれている――の維持と寛大な監督に権益を持つようになる。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal">
<span style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;"> 重要さの点でなくとも、広く知られている状態の点で次に来るのは、頻繁な怠惰の季節、市場が求める装備と労働力の失業または半失業(不使用)である。これらの困難は、産業社会とその市場関係の大きい複合的体系――この体系の中では、終局的には機械技術の支配下で産業過程が専門化し細分されるために、またいくつかの産業が価格タームの利得を私するために営まれるというより直接的かつ決定的な事実のために、様々な部分と行為者のきわめて大規模な相互関係が広まっている――が成長することによって増加する。この種の失業は常に価格を考慮するためのものである。同様に価格を、また価格タームの利得を競争的に配慮することから、雇主の利害は労働者の利害と一致ないことになる。この利害の相反は言葉巧みに否定されてきており、こうした弁舌がいくらか信用されていることは言うまでもない。しかしながら、本当の経過は広く知られている。一方では、労働者には彼らの行う労働の効率には心底からの利害を持たず、むしろその代価として価格タームで得られるもの(貨幣賃金)に利害を有している。他方、雇主は、労働者の福祉への、または持続的な効率への人道主義的な――まったく二義的と言われる――利害をなにも持っていない。そのため、一方では、禁止的な労働組合規則、ストライキ、ロックアウト、その他の同様な産業過程を乱すものが、他方では、しばしば超過労働、賃金不払いおよび劣悪な労働条件、等々の形で、不当な範囲と方向を取る人的産業資源の搾取が続くことになる。特にイングランドの場合には、これらの「乱用」は広く知られている通り極端に実施され、また同じく広く知られているように、その完全な展開に時間をとったため、それらを是正するためには時間と努力が必要となるだろう。例えば、たくさんある中から一例として、また雇用労働者雇用におけるこの競争原理の作用をただ単に冷静に示すためには、次のことを認めれば充分であろう。すなわち、イングランドでは、新産業体制の最初の百余年間に、労働、賃金および家計の状態が「救恤的」労働者のかなりの人口を生み出し、彼らの衰弱を「第三世代または第四世代に至るまで」の子孫に伝え、彼らをいかなる有効利用にも適することを疑わしい状態にしておくのに十分に身体を害されたままに放置しておくような性質を競い合ってもたらしたのである<span lang="EN-US">(32)</span>。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">営利経営という競争制度と結びついているのは販売術の中にある近代企業である。販売術の拡大は、産業における営利経営の拡大と関連しながら進行する。実際、近代後期の発展では、また営利的な土台上にあるほとんどの産業的事業のように市場に大規模に入ってくるような種類の企業では、販売術はしばしばと特定の営利事業体の費やす努力と資金の半分か、半分を超えて入ってくる。広告および広く知名度をあげるための類似の冒険をはじめとする販売術の費用は、しばしば消費者にとって商品価格の半分をかなり超え、ときには七五パーセント、九〇パーセント、または百パーセント近くにさえ達する。(特定の営利事業体の内部における機能の適正な専門化を許すような規模で、かつ十分な手段を用いて営まれるという意味で)より大きく、より複合的に、より十分に資本化されると、総支出の一部は全体的に販売術に入る。要するに、経営の情況がより成熟して近代的になるほど、総支出の割合はより大きくなるのである。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">販売術に要する支出は、社会全体の物質的福祉への貢献度の面から評価すると、ほぼ純粋な浪費である。それがほぼ純粋な浪費にどれほど近いか推測するのは危険かもしれないが、一般的に有益な目的に役立つ販売術のための控除はいずれにせよわずかなものであろう。それにもかかわらず、競争的販売術および他の競争的経営の戦略的手段は営利的な産業経営の本質をなしており、――そのための成熟の時間を所与とすると――条件が許す限り、それらの増加は限界にまで至る。条件が許す限りというのは、終局的には、どれほどの人およびどれほどの資金投下が、生産的産業に使われた人々と装備のための生存最小限と当該産業の総産出量とのマージン(差額)にもとづく賃金と利潤の「現行」率と呼ばれる点で支持されるかという問題である。装備の資本化価値と雇用された労働者にとっての現行の賃金にもとづく利潤率を所与とすると、何であれ残余部分を吸収する販売術として存在するのは、調整のために必要な時間でしかありえない。しかし、必要な調整には時間がかかる。また技術体系、したがって物質的装備は絶えず変化しており、市場化できる産出物のための市場として役立つべき人口と分配も変化しているので、販売術の企業と投資がまあまあの範囲内で条件の許す限り限界に近づくことができるのは相対的に古い工業国に限られている。そして、そこでさえ、連合王国のように高度に商業化された社会でさえ、販売術の企業が今や疑いなく機械技術の範囲内に暮らしている他の、産業的にもっと新しいいずれの国よりそれにきわめて近づいたとはいえ、まだ決してこの限界にまでは達していない。後発的なドイツの事例との対照は十分に明らかである。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">「老朽化(経年)による減価」は近代の会社会計のかなり重要な項目であり、また産業生産設備にかかわらなければならない実業家にとって苛立ちと困惑の種である。その第一の最も素朴な形は便利な器具や工程が競争によってもっと便利なものに替えられることに見られる。そのような減価についての議論は、しばしば減耗の分析におけるこの点より先に進まないが、ただし、より関心を引き、また困惑的で悲惨な事例はその点を越えたところにあり、それは機械発明の細々としたことより広い射程距離を持つ原因に由来するものである。ある営利事業体が同じ産業で競争する隣人に対立しながら享受している差別的利益を変えるような技術革新による細々した減耗は、普通、産業全体または社会全体の効率や福祉に有害な影響を及ぼさない。減価はただ競争によるものであり、また他の事業体に対立する一事業体の金銭的利得の減少という効果を生むだけである。社会全体または特定分野の産業は、革新によって効率を高める。同じことは「全般的な」減耗と呼ぶことのできる場合にはあてはまらない。それは産業社会の成長による(あるいはまた衰退による)か、それともなされる仕事ないしは雇ったり雇われたりする人口分布の変化のもたらす環境変化によるものかもしれない(<span lang="EN-US">33</span>)。この種の減耗は、成長の問題であり、産業技術の状態がいくらかでも感じられる程度の変化を常に遂げている社会ではどこでも進行しており、技術的な様相の成長が長く続くほど、いっそうそのような減価は避けがたくなる。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">イングランドの産業体制のように、改良、拡大、革新および専門化の経路をたどってきた産業体制は、過去に一度ならず、複数の事情に関連して、その当時は適正な規模の器具と工程表および時間調整と言われていたものに係らなければならなかった。一部はそれ自体の成長によって、また規模を拡大し生産やサービスの速度を上げるように意図した技術革新によって、産業とビジネスに受け入れられた相互関係も既存の装備も時代遅れとなる。そして、それにもかかわらず、従来からの体制が持続して働くことに特別の関心をいだき、ともかく技術的なことにあまり詳しくない保守的な実業家の社会にとっては、健全な事業案として承認されるような治療法を見いだすことは決して容易なことではない。問題となっている老朽化が、競争相手の事業体に対立しているこれらの実業家の一人または一団に顕著な差別的利益をもたらさない限り、論理的に言って、治療法は追及されないことになる。細々した革新による適切な治療法はいつも実施できるわけではない。実際、この種のより重要な局面では、新品目の装備がすでに古い装備を支配している仕様に必ず順応することを求められるという点で、それは事実上不可能である。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">例えば英国の鉄道が、他国の鉄道のように、狭すぎるゲージ(軌道)で建設されていることはよく知られていたが、この「老朽化による減価」の項目がしばらく前から知られていたのに、それは最も天才的な省察の中でさえ治癒できる欠陥と考えられていなかった。同じことに関連して、アメリカの観察者、また最近のドイツの観察者は英国の物財運輸に使われている、馬鹿げたほど小さく、短い車両に強い印象を受けてきた。アメリカやドイツの鉄道輸送がどんなものにも役立つ前の当時は、それで十分だったが、今日の必要性に直面するようになると、せいぜいお遊びという雰囲気を持つことになる。それにもかかわらず治療法は単純な良識の問題ではない。この鉄道制度の中で最も古く、最も完全な制度上のターミナル設備、軌道、側線設備、そして貨物輸送を取り扱うすべての方法と手段がすべて短い車両に合わせられる。そこで、やはりここでも、機関はもちろん、鉄道の路盤とレールも、それらが初めて操業されたときケアするように求められたような輸送をケアするのに十分なように建設されており、後の必要性に応じて少しずつ調整するのは容易なことではない。社会全体とその物質的利益の見地から見ると、利益をあげながら時代遅れの装備と組織を取り除く――口語の表現では「廃棄する」――べきであり、また後の装備に入れ替えるべきことはおそらく間違いない。しかし、それはこれらの問題を必然的に決定する経営者の裁量にまかされており、支配的な経営者の競争的な金銭的利害に照らしてみると、この命題全体が異なった意義を持っている。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">この英国の鉄道制度とその細々した欠陥という事例は、たとえ老朽化がほとんど、おそらく多くの面でそれほど明白でも重大な問題でもないとしても、ずっと英国の産業装備と組織全体に典型的であり続ける。町、道路、工場、港湾、住居は、今や産業技術のかなり時代遅れの状態となっている事情の求めに応じるために過去に建設されたものであり、それらは全体的にも個別的にでも、これらの器具が設置されたときの産業技術の状態から産業技術が変化した程度に応じて「不適当、無能、不適切」となっている<span lang="EN-US">(34)</span>。それらは変化する要求にそれなりに応じるために、改善され、「仕上げられ」、改造されてきたのである。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal">
<span style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">しかし、これに関係して言うと、こうした改良、改造および修理という仕事の主要な意義は、この仕事がかかる老朽化による全般的な減価を克服することに致命的にも消極的で無能だということを明らかにしていることである<span lang="EN-US">(35)</span>。これら一切のことは、英国人が技術規則に対して罪を犯してきたということではない。それはそれらが先導者の立場にたつ羽目になり、(後進に)道を示してきたことに対するツケを払っているにすぎない。同時にこの先導者の立場が痛みと罰しかもたらさなかったと想像してもならない。この英国産業情況の欠陥は、主に英国人が彼らの過去の達成という抑制的な死せる手がなかったならばなしているかもしれない達成物と比較すれば、また最近では新来のドイツ人がイングランドの技術的知識を使ってなしていることと比較すれば、明らかになる。現実の姿としては、手元の機械装置の形でも、人々に浸み込んで利用可能となっている技術的知識の形でも、物質的および非物質的な蓄積された装備はつまるところきわめて高い価値を持っているのである。とはいえ、実際には、ドイツ人の事例は、まったく第一次的な重要性を持つものが現存「生産財」の蓄積ではなく、むしろ後者、すなわち非物資的な装備であることを明らかにしている。これらの「生産財」は労働の他には費用がかからない。非物質的な技術的技能の装備は長年の経験を要する。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">もちろん、このことが現在蓄積された資本として語られているもの、すなわち産業経営に投資された資金という富に当てはまることを意図してはいない。それは社会全般にとってさほど重要ではない。この意味での資本、企業資本の総計は、物質的および非物質的な産業設備の利用にもとづく差別的権利の疑似的総計という以外の意味をほとんど持たない。そして記録に示される資本に計上された富の総計が(会計士の最後の頼みであるが)これらの「簿価」が要求すると考えられる物的項目の時価総額をかなり大きく超えることは、他の発達した商業国だけでなく、英国にとっても当てはまることは疑いないだろう。それは経営を遂行するに際して信用と会社組織を大規模に利用するどんな国でも必然的に現実となる。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">機械産業の規律は、単にその直接的な影響範囲に限っても、ある程度の非人格性という性格を持っており、人格的な統治の安定や拡張の助けにならないことは明らかである。それは、上司という人格の任意の要求に対する従属ではなく、むしろ非人格的で、またその意味で平等な機械過程の広まりを適正に認めることを教え込む。労働者集団と、その労働が労働者に結びつける技術的な要素に関係する限りで、近代的な産業方式への中毒によって生じる精神的習慣が市民的関係における個人主義的な傾向に、また権威主義的政府のいらだちに有利に作用することになる。そして概してそれがかなり最近まで近代的な産業生活によって実施されてきた訓練の正味の結果であったように思われる。しかし、産業の営利的な統御が広く有効となり、また産業的職業の組織と管理の主要な要因になるや否や、人格的な裁量が再び目立って実際のものとなる。所有権の権威が金銭的圧力によって強化され、産業と投資の規模が大きく成長するにつれてより包括的で不可避的となる強制的性格を帯びる。近年の大規模な条件の下では、この所有の権限は、責任を問われることのない圧制という無情な冷淡さを持っているが、きわめて無情な専制をも和らげるような温和な特徴をまったく持っていない。それが強要する従属は、ビジネスの統御体系がより包括的になり、またより厳格に確定するにつれて、ますます不本意な不忠に向かう不機嫌で非熱狂的な性格のものである。そこで、イングランドの事例では、二つの階級、労働者と彼らの所有者との疎遠性は、産業体系の遂行に関する一切においてほぼ完全となっている。とはいえ、その帰結は、結局、一種の服従の規律であり、また階級内部の協調的行動と団結の規律である。そして協調的行動および利害と信念とを同じくする社会というこの規律は、その分だけ人々が大衆統制を受けやすい状態にしておき、また国家権力を支持し、当局の営みが奉仕している利害関係者を強化するために集団に投げ込まれるような状態にしておく。イングランドでは、国民的連帯の感覚および普通人にとって物質的な価値を持たない国内政策の支持は、この二、三十年間、以前より目に見えてよい修復状態にある――以前は、株式会社型の営利会社および労働者の組織は規律を国民感情の形成に向け始めたばかりだったのである――。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">このイングランドの事例から測ると、ある経済状況の規律の生み出す思考習慣は実際の体制の最善の働きに、あるいはこの体制を利用して生計を得ている社会の最善の物質的利益に必ずしも結びつかないように見える。換言すれば、ある方法と手段の体系、ある生活体系の作用から生じる行動の原理および規範は、必ずその体系の効率や住民の繁栄に貢献するようなものではない。習慣化の性質について少しでも考えればすぐにわかるように、それらはすべて偶然の一致にすぎない。その間、どんな産業技術の状態の下でも、例えば生活の教え込む規律(思考習慣)はこの所与の産業技術の状態の提供する生活条件といくらか相反するというきわめて合理的な推定が、何らかの偶然から、現代には、かなり成り立つ――ただし、技術的な性質を持つような思考習慣を除くが、それは産業技術自体の一部なのである――。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal">
<span style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;"> この命題の明白な例外は、問題となっている技術的体系、そして他の生活様式を支配している、それに付随する体系が淘汰的な試験――この人口が特定のタイプの人間として生存していた生活史の初期段階にこれらの文化的条件の下で繁栄するという淘汰的な試験――によって当該人口に適していることが証明された地域に見られるだろう。バルト海・北海地域の他の民族と同様に、英国人についても、それは近代的生活のもたらした習慣(原理、諸制度)の成長が――その潮流が新石器時代の北欧に広まっていた文化体系の復興に向かっていることを除くと――どうやら逆の性格のものであることを意味するだろう。また全体的に、それはその方向から分かれるほど逆に見えるであろう。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal">
<br /></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">今やいささか時代遅れとなった予見、権益および産業装備とならんで、生産体制を支配する習慣が成長する一方で、産業と経営を支配する因習と同程度に安定して厳密な慣例、規範および偏見とならんで消費習慣の成長も同様に進行していた。
経済学者が通常学術用語を用いて取り扱うように、これらの消費習慣はまとめて生活水準の項目に分類してよいだろう――ただし、技術的な用法では、その用語はその語源的な意義が人に期待させるような物質的福祉の標準を示すものではない――。それはむしろ消費がどんな根拠にもとづいて計測されようとも、消費水準を意味するものであり、通常、消費者の物理的福祉には関係しないか、少なくとも人々の意図する関係を持たない品目を含むことになる。貧富にかかわらず、どの階級にとっても生活水準に含まれるものの大きい割合、おそらく大部分は顕示的浪費<span lang="EN-US">(36)</span>という理論的範疇に入り、それは生存だけでなく時間と労力の消費をも含んでいる。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">道徳がなくても許されるが、教育がないのは許されない、というのは、よく知られた一つの警句の知恵である。儀礼作法の規準は、伝統に一致しており、メディア人とペルシャ人の法のようなものである――彼らは情状酌に服さず、それを認めなかった――。簡素で厳格な法典の場合にしばしば生じたように、違反に対する刑罰は法からの追放であり、この措置は犯罪人の追求と根絶とをあらゆるよい出自の者(<span lang="EN-US">gens de bien</span>)に課せられる責任として含むことも含まないこともある。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">通常の場合、社会内部の隣人にふさわしい礼儀作法を普通に実施する場合には、その結果として生じる追放の予定行動は社会階層化に帰着する。その際、諸個人は、育ちの点で同様な習慣を持つ人々、およびその時の支出水準の点で似たような習慣を持つ人々との接触および協働のために生じる「同類という意識」によって、また彼らがもはや帰属してない人々の金銭的水準から排除されて、自分の新しい居場所に落ち着く。その一般的な結果は階級間の怒りと羨望の、そして個人と個人の対抗と誹謗の横行を超えて深刻なものとはならない。この時間と資産の消費にかかわる慣習の、またそれに付随する行儀作法と育ちという細部の差異が大きく一貫しており、また文化的に異なる社会の間を走っている場合、その結果は二者が相互に疎遠な関係となりに、それはちょっとした挑発で殺人行為にまで高まり、国民と国民の敵対行為に捌け口を求めるかもしれない。通常、愛国的憎悪が宿るのは、このように伝統が侵されたり、不快感を与えるという感情的な土壌の上である。最も有能な王朝政治家と商業的愛国心を持つ最も抜け目のない戦略家といえども、そのような「文化」の相違から生ずる似非道徳的な敵意がなければ、文明人に国際的殺戮状態をもたらすことなどできない。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">今や、こうした慣習――時間と財貨の消費において、またそのような消費という儀式に当然含まれている振る舞いと儀式の点で、礼儀にかない称賛に値すると理解されている点にかかわる慣習――の成長が近代イングランド社会に、また英語諸社会全般にも、この点で大陸諸国民の同時代の結果と顕著に異なる結果を、とりわけドイツ諸国民の中で練り上げられてきたものと異なる結果をもたらすようになる。ドイツ諸国民は、他の多くのことと同様に、物質文明のより古い局面が教え込んできた伝統的美徳の多くをこの点に特に維持してきたのであり、ここから和解不可能となった「文化」の差異が生じる。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">しかし、ここでもっと直接に関心を引くのは、英国社会の純産業効率の上にこの消費の慣習が成長するという関連である。きわめてよく知られているように、生活水準は、総じて大陸諸国全体より連合王国で、特にイングランドで高かった。そして、この水準が近代を通じて、またより顕著には産業革命以降も時々中断しながら上昇してきたことは言うまでもない。その時々の生活の必要条件のこうした進歩は全ての階級と状態に影響を与えたが、より高次の金銭的水準に相対的に最大の影響を与えてきた。そして、これらの因習的必要性の点で上流階級の手本が下層階級の習慣の成長を大きく導くにつれて、富裕者の(金銭的に)正しく正直な生活という規範が社会全般の富にとって広範な意義を持つようになる。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">最初、イングランドが合理化し、あの近代的産業情況を創造した孤立的な経済政策コースを取り始めたとき、イングランドの信望の金銭的規模は大陸の水準よりいくぶん低かった。意気揚々と威張って歩いたエリザベス時代にもイングランドの流行の旗手たちは大陸モデルを追っていた。また実に、高級・壮麗という大陸的標準に最も接近していた人々さえ当時は柔弱な浪費家としてけなされたほど距離を隔てて、大陸モデルに従っていたのである<span lang="EN-US">(37)</span>。彼らが専門用語の意味における浪費家であったというのは、訂正・修正することのできない命題である。それが自然状態の経済に占める彼らの位置と習慣であった。また彼らが「神の与え給うた生活状態」をきわめて効率的に満たしたことは紳士として賞賛に値する。国民的文化の集合という観点から見ると、紳士というのは美徳の一項目であり、その価値は完成した職人芸と洗練された味覚規準に適合することにある。紳士が浪費的な存在であることは事実の本質をなしている。模範的または主要な紳士が特定の文化の中で顕示的浪費の型としてどれほど浪費的に引き上げられるかは、当時の生産と分配の体系がどれほどの大きい割合を顕示的浪費的な消費に費やすかという問題である。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">いずれにせよ完全な紳士(および完全な女性紳士)の発展には時間がかかる。制度として、完全な紳士(または女性紳士)は、使用される原材料を最も経済的に利用することしか許さないという批判的感情を背景にしながら、顕示的浪費の原理(思考習慣)の全面的な監視を受けつつ完成される待遇、区別、洗練された嗜好という複合的な事象である。これに関連して、この経済的規準は、紳士の顕示的浪費が偶然や漏れによってではなく、誰か他の人の物質的福祉に、または金銭的利得に断じて貢献してはならないことを求める。これらの卓越性という印にもとづいて判断すると、それは紳士(または女性紳士)というイングランドにおける金銭的文化の主要産物が人間の欠点がもたらすも同然のことであることが、異論なく認められよう。産出量もほぼ期待されるほどに大きい。実際、また当然ながら、それは事情が許す限り大きいが、その訳はイングランド社会がキリスト教世界の領域内で金銭的文化の達した最高かつ最大の成熟にゆっくりと、釣り合いよく成長してきたからである。他の英語諸国民もよくやっているが、遺産に入りこむのが遅すぎたため、処理可能な幅の財貨とエネルギーを物質的に役立つ余りを残さずにどう処理するべきかというこの難問を解決できていない。多くの他のことと同じく、彼らの努力は、この構成におけるイングランドの主導権から受け継いだ制度を保守し、その効率を高めることに向けられるのがせいぜいである。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">エリザベス期の若い世界(<span lang="EN-US">juventus mundi</span>)の大いなる鋭気がイングランド人に経済的覇権の道をスタートさせるとすぐに、イングランドの富裕な人々の高支出は大陸の批評家たちの注意を引きつけ始めた。イングランド人は旅行――金のかかる習慣――に走り、そしてそれ以来ずっと、彼らが極めて浪費的な支出を行なうことはイングランド人旅行者に対する定評的な批判となってきた(<span lang="EN-US">38</span>)。この大陸の批判者による批判は、通常、羨望の調子を帯びることになるが、ただし、その最も突出している点はこの英国人の支出請求書の不経済的な――上記したように、これらの問題に適用される経済的規準の下における不経済的な――特徴の指摘にある。今日のイングランド人は、その紳士の数でも、その単位あたりの費用でも共にキリスト教世界をリードしていることは疑いない。この費用は生産の余剰から支出され、その分だけ純余剰を減らしている。英国紳士階級の現在の純費用の総計を示す数字は、所得表からいくぶん差し引くことができるかもしれない。課税所得は、合法的に免除されなくなる限度まで顕示的純浪費の項目に確実に含めることができる。――この見積りから生じうるどんな誤差も、少なくとも他の源泉、例えば鉄道と気船乗客輸送、ホテル、様々な行楽地の営業費などから引き出される同類の浪費的支出項目によって相殺されるだろう。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="line-height: normal; margin-bottom: .0001pt; margin: 0mm; mso-char-indent-count: 1.0; mso-pagination: none; text-align: justify; text-indent: 10.0pt; text-justify: inter-ideograph;">
<span style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-font-family: Century; mso-ascii-theme-font: minor-latin; mso-bidi-font-size: 11.0pt; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-font-kerning: 1.0pt; mso-hansi-font-family: Century; mso-hansi-theme-font: minor-latin;">スポーツは、この徐々に成熟している英国の顕示的消費の浪費体系のきわめて大きい源泉であった。さらにスポーツは、それ以外にはなんらかの有用な目的から簡単にはそらせないエネルギーの失礼を失わずに非難されることのない捌け口を与えるという利点を持っている。スポーツは、規模の上で、またそれを連合王国で育成するのに必要な環境のために、人気のある趣を長期間、持続的に訓練するための費用なくしては、日々の生活体系に取り入れることできない。それは不愛想な措置によってなされないのである。いかなる成人男性の市民であれ自ら進んで英国式の凝った無用物、例えば射撃や競馬、ないしはポロや登山のような空しい離れ業、または大試合のための遠征に熱中することなど、まったく想像力の及ばないところである。この子供じみた見せかけ(</span><span lang="EN-US" style="mso-bidi-font-size: 11.0pt; mso-font-kerning: 1.0pt;">make-believe</span><span style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-font-family: Century; mso-ascii-theme-font: minor-latin; mso-bidi-font-size: 11.0pt; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-font-kerning: 1.0pt; mso-hansi-font-family: Century; mso-hansi-theme-font: minor-latin;">)のひと勝負への熱狂的傾倒を意味する良識を消すことは一世代では達成されえない。それには伝統が与えうるあらゆる正統性を得ることが必要となり、したがって次世代の教育を幼少期に始め、教育体制全体にわたって追及しなくてはならない。もし人々の感情がゆっくりした習慣化によって同じ傾向へと徐々に転じることがなければ、それが人々の感情によって許容されることもないだろう(</span><span lang="EN-US" style="mso-bidi-font-size: 11.0pt; mso-font-kerning: 1.0pt;">39</span><span style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-font-family: Century; mso-ascii-theme-font: minor-latin; mso-bidi-font-size: 11.0pt; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-font-kerning: 1.0pt; mso-hansi-font-family: Century; mso-hansi-theme-font: minor-latin;">)。だが、習慣化が作用してきたため、社会全体がこれらのことを許容しただけでなく、この過剰な愚行が時の経過とともに文明生活の正義、善および必需品であるというイングランド人の観念に組みこまれてしまった</span><span lang="EN-US" style="mso-bidi-font-size: 11.0pt; mso-font-kerning: 1.0pt;">(40)</span><span style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-font-family: Century; mso-ascii-theme-font: minor-latin; mso-bidi-font-size: 11.0pt; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-font-kerning: 1.0pt; mso-hansi-font-family: Century; mso-hansi-theme-font: minor-latin;">。これらのすべて、そして同様なことは、説教の言説にとってはよい材料となるかもしれないが、この点に関して、その価値評価はここでは問わないこととする。今目的としているのは、これらの深く浸み込んだ浪費的な使用の、英国社会の純産業効率に対する関連、この浪費的使用が生み出す幸運を得た産業技術のこうした近代的な状態の、社会全体に対する純有益性の関連である。</span><span lang="EN-US" style="mso-bidi-font-size: 11.0pt; mso-font-kerning: 1.0pt;"></span></div>
<div class="MsoNormal">
<br /></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">このすべてが、また同様なことが、説教にとってよい資料かもしれないが、それに関係するその価値はここでは問題としない。本稿の目的となるのは、これらの染みついた浪費的使用の英国社会の純産業効率、彼らが幸運にももたらした産業技術のこの近代的状態の利用の、社会全体への効率性に対する関連である。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">さらに説明を続けると、――スポーツの項目を単独の分離された項目としてはっきりと孤立した状態に放置しないように――、豊かな英国人に慣用によって義務となっている住居と家庭内設備の面における浪費的消費について一言語ってもよいだろう。巨額の富を持つ紳士は、複数の居所、住居、またはその他にどんな用語であれ一人の表向きの居住者がそのわずか一部しか利用できないような建造物を意味するものを持つべきである。町と田舎でどれほどの住居が特定の金銭的格付けの特定の紳士に必要であるかをはっきりと述べることはもとよりできない。一般的に言えば、そのような紳士は、表向きにさえ、自分が便利に利用することができる以上を、また維持することのできる限り多くの大住宅を持つべきであると言うことができるだけである。この制度の目に見える経済的効果は、各々の(上流階級)世帯のための一団の奉公人と世話係を有用な雇用から遠ざけると同時に、普通人が各世帯に属している土地(これはできる限り広くあるべきだが)を利用できないようにすることにある――すなわち、この(紳士の)実践はブリテン島の純利用可能な地面をそれだけ減らすのに役立っているのである――。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">この社会の上流身分の人々の義務的となっている奉公人の使用と儀式習慣をもっと詳しく述べる必要はない。この点を補強するのに十分なことがきわめてよく知られている。すなわち、多くのことが習慣から因習的必要という範疇に入っており、またそのため総生産能力と純利用可能余剰との乖離幅が大きく狭められている。またかりにこの社会は競争状況の必要性から利用可能な力を最大に利用することを求められているとしても、またはその時には、有効な効率をその社会の理論的な効率にまで高めることは時間、圧力および困惑の問題となるだろうという点についても同様である<span lang="EN-US">(41)</span>。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">この、因習的に承認された浪費者の手中で行われる因習的に標準化されている浪費は、すでにそれ自体として十分に大きい障害であるが、また間接的に、人々の嗜好と模倣による同様の習慣の普及に及ぼした方向の点で、もっと大きい結果をもたらすことも疑いない。上段で指摘したように、イングランド社会全体の生活水準は大陸諸国より高く、概して近代を通じて上昇した。この水準の上昇は、一部が物理的な快適さの水準の上昇である。それがまったくそのような性格のものであるということを意味する言葉で、そのことは屡々話される。だが、すぐ上で言及した、犬を飼う慈善事業といった類の挿話は疑念を生みやすいが、その経済的価値を評価するために英国労働者階級の取るに足らないおしゃれと野暮ったい遊興を詳しく調べるのは無作法にして煩わしい作業となろう。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">しかしながら、社会全体の産業効率にかかわる英国と大陸の習慣の対比を示すために、疑問の余地のない趣味についてある事実を引いてもよいだろう。例えばイングランドの女性たちが野外労働をするのは、不道徳と言わぬまでも、不適当ということになった。一方、大陸諸国では、またおそらく特にドイツの諸地方では、女性たちはそのような道徳的な制限を受けずに野外で働いている。それは身体的な苦難という問題ではない。野外労働は室内労働より見た目ほどに煩わしくなく、また疑いなく健全である。北欧の住民は遺伝的に他のどんな住民にも劣らず屋外的な民族であり、おそらく他の多くの民族よりそうであろう。また女性は男性と同じようにこの遺伝の影響を受けている。屋外労働から女性を「免除」するために様々な議論が提案されている。これらの議論は、詳しい吟味に耐えるのに適合している限り、因習的妥当性を考慮した結果であることがわかる。それらは一切の有用労働からの富裕な女性たちのあの免除(これがイングランドの社会的規範の主要疾患の一つ、また顕示的浪費の原理の主要な適例の一つをなしているのであるが)を衝動的に模倣する性質のものであるように見える。これらの評判のよい免除の経済的価値は、利用可能な産業力を直接減らすという点でも、またその支配下に入る住民の部分の活力を引き下げることによって間接的に効率を下げるという点でも、相当なものである。その難しさはこの社会の産業効率に起因している。この産業効率は、浪費する余裕があるほど十分に高かったか、あるいは少なくもこれらの免除が最初に定着したかの上流の準有閑階級の中ではそうだったのである。階級差と階級的免除が主に金銭的土台の上に実現される社会では、浪費的な因習は低位にある金銭的階級が上流階級の習慣を負けまいと模倣することによって住民全体にかなり簡単に広まる。そのためこの種の免除は、裕福者内部の簡単な差別の手段となり、やがて立派な生計の必要なしるしとして貧困者の間でも広まることになる。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">かくしてまた財の消費でも、かつては余剰の問題であった体面の問題として多くが求められるようになり、そしてこれらの品位物、例えば衣服や日常用品などは、身体的な快適さにとって必要な物というより生活必需品となり、生活水準に含まれることとなった。大陸よりも連合王国の労働者階級の間で、また過去のいかなる時代のブリテン島よりも現在の労働者階級の間で、この体面を保つための、物理的に余剰であり通常審美的に不愉快な義務的な支出が多い<span lang="EN-US">(42)</span>。そこで、ここでもまた、この近代的な産業体制の効率上昇のもたらす目に見えぬ抑圧の増大という最後の説明の通り、なんらかの種類のスポーツへの中毒およびスポーツマン的な関心および価値への没頭は上流階級のレベルから住民全体へと下に広まり、この浪費という範疇は労働者が出会ったり表明する意見にとっての共通の関心の唯一の土台になるまでに至った。人々の消費のために毎日産出される印刷物の半分は、スポーツに供されると言うことができる。スポーツに対する関心の一切の下位区分を含むことを目指す分類であれば、おそらくその割合はもっと高く評価されるだろう。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal">
<span lang="EN-US" style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">この至るところに存在するスポーツ中毒とその熱愛に含まれる時間と財産の直接的な浪費は、それだけであればおそらく誰の懸念もかき立てる必要はないだろう。それだけの浪費ならば健全な最小限を少しも超えないかもしれない――ただし、芸術的な浪費や知的な浪費を好む人ならば、この粗暴で残忍な性質の浪費中毒を非難するよう駆り立てられるかもしれない――。しかしながら、ここで、もっと要点をついているのは次の事実である。それは、スポーツマン精神の負けじと張り合う、不愉快な関心を持ってこのように夢中になることは、不可避的に、産業にとって不都合な影響を住民の気質に与え、それらを些細な負けじと張り合う功績の方向に向かわせ、かつ近代的な技術効率の精神的土台をなす現実のかの用意のととのった差別から離れるように、習慣的偏向でもって曲げるという事実である。スポーツマン的な夢中がこのように英国住民に浸透したことは、産業体制の生産物とエネルギーを浪費するというよりは、むしろ産業体制の効率のよって来る源泉を腐敗させるのである。破壊手段としてのその高度の帰結は、それが精力を浪費することにある。ここでもまた、このような浸透している堅固な習慣的適性の発生と確立には時間を要すること、そしてそれを取り除くにも時間、圧力および経験が必要となることを指摘しなければならない。</span></div>
<div class="MsoNormal">
<br /></div>
<div class="MsoNormal">
<span lang="EN-US" style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">注</span></div>
<div class="MsoNormal">
<span lang="EN-US" style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">(23)</span><span style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">ヴェルナー・ゾンバルト『近代資本主義』、第一巻、第五章、六章および七章、『ブルジョア』「序論」と第二章を参照。<span lang="EN-US">W.J.</span>アシュリー『イングランド経済の歴史と理論』、第二巻、第六章。またこれらの著述家の言及している著者を参照せよ。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal">
<span lang="EN-US" style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">(24)</span><span style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">「その数世紀は、憎悪、貪欲、勇気および献身という基本的なチュートン的な性質をくっきりと浮彫りにした。」(<span lang="EN-US">H</span>・<span lang="EN-US">O</span>・テイラー『中世の精神』)。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal">
<span lang="EN-US" style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">(25)</span><span style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">この精密科学における主導性と創造的先導について英語諸国民の優越性を不適切に主張しているように思われかねないが、それは他民族に属し、また他言語に関係する科学者の仕事を見落としているわけではない。これは言語や民族の帰属の問題ではなく、いわんや人種の問題ではない。ここでの議論の要点は、精密科学の、また特に物質的科学のこうした先導が西欧諸国民の産業技術の状態――および同類の制度的概念――と緊密に関係しているということにすぎない。また近代の技術進歩の特徴的な地理的分布が、特に一八世紀末と一九世紀初頭のそれが、他のどこよりもブリテン島において近代科学に起因する機械的傾向のより自由な成長とより完全な成熟をもたらしたにすぎない。同時に、また主に印刷の利用のために、これら西側諸国の文化は、近代全体を通じてコスモポリタン的(世界市民的)な性格を持ってきた。イタリア、オランダ、南ドイツ、さらにスカンジナビアの専門家、とりわけフランス人による科学的な発展の貢献――きわめて重要な貢献――がイングランドのものと比較して過小評価されてはならない。(一八九~一九三ページを参照。)これらの他国人は、たいてい、この領域にもっと早い時期にやって来たが、他方では、より完成された機械的原理の下で生じたより完成された近代化の時期の前進的運動にはわずかな比重を持つにすぎない。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">西洋文明の発展の頂点にかかわる多くの他のことと同様に、このすべての点で、フランス社会が大陸諸民族全体に当てはまる全般的な特徴づけの明らかな例外として特出していることは疑いない。フランス人が近代文明の経過全体を通じて覇権的な地位を占め続けたことは、上段で試みた分析を妨げるものではない。その分析は、イングランド人とドイツ人の相違に直接に向けられたものであり、バルト海・北海沿岸の気候地域内の諸民族に共通に行われている文化の極端な型として考察されている。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal">
<span lang="EN-US" style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">(26)</span><span style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">『製作本能と産業技術の状態』、第四章と第六章を参照。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal">
<span lang="EN-US" style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">(27)</span><span style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">ジェイコブ・ベーム『万物の署名』を参照。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal">
<span lang="EN-US" style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">(28)</span><span style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">ロバート・ボイル『懐疑的化学者』を参照。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal">
<span lang="EN-US" style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">(29)</span><span style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">機械的な方法と手段に依存するようになったために生じた技術体系の新しい要因は、同じ点に関係している諸要因の協調に対して一定の「閾値」の比率や密度を超える場合にのみ、状況全体の中で本質的な貢献要因とみなされることになる。これはどんな事例でも習慣化の複数の要因についても当てはまる。比較的わずかな尺度で存在しているようなものは簡単に無視されうる。その事例は治療法で行われていることに似ており、その場合には「最小服用量」より少ない投薬は効果を持たない――ただし、特定の薬の場合、最小服用量の持続的な反復がやがて累積的な効果をもたらしうるのを除く――。治療法も習慣化がものを言う領域であると言わなければならない。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal">
<span lang="EN-US" style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">(30)</span><span style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">例えばアダム・スミスは、産業過程の効率をめぐる経済問題にかかわる予見がこの点に関して彼を論理的に有利な点に置いたとのに、問題をそのようには見なかった。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal">
<span lang="EN-US" style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">(31)</span><span style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">実際、煩をいとわなければ、とりわけ技術的な領域からおそらくまだ最も縁遠く、機械工学の論理にほとんど触れない分野の科学、例えば経済学に携わる科学者の作品の中には、自然法のギルド規制的な観念の復活を見つけ出せるかもしれない。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal">
<span lang="EN-US" style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">(32)</span><span style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">ここでは「救恤的」という言葉を、そのように「救恤的な」イングランド人世代の形成をもたらした営利的経営を称賛したり非難しようというつもりはなく、技術的な意味で使う。それは、とりわけ、この制度が救恤的な労働人口を生み出すという特徴を持つ長期間の経験をへなかった別の社会の経験と競争的な関係に投げ込まれるとき、産業体制の持続的な効率に関連するような帰結という事実である。どの種の「救恤的」人口や世代も、成長を妨げ、内臓の構成や機能の計測人類学的なバランスを乱し、また気候、公衆衛生、栄養または緊張というこれらの不適当な条件にこのようにさらされている世代内部で生命機能が回復できなくなる限度を越えて衰弱させるほどに、その特定の類型にとって正常だと淘汰的にわかっている生活条件とあまりにも異なっている生活条件の下に置かれてきた人々である。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">このような特定の類型からの救恤的な変異は、その条件が続くかぎり、また正常な条件に戻ったのちもかなりの時期または何世代も実際に遺伝することがある。本稿の目的にとって、それは「劣悪な」環境による一時的な類型変化ということになり、前段の一節で語った人種類型の永続性ということには関係しない。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">同じく劣悪あるいは不健康な性格の変異は、例えば王室、貴族または世襲的な金持ちのような富裕階級や特権階級に時々みられるような過食、自然(風雨など)からの過度の保護、または過度の官能的耽溺および身体器官の活動不足の方向に向かう生活環境の劣悪または不健康な変種を伴っていることは疑いないだろう。語源学から言えば、この種の過剰による劣悪な変異を「救恤的」と呼ぶことは許されないであろうが、一方、他に技術的な用法によって認められるどんな用語もあるようには見えない。実際、こうした特権階級内の過度の耽溺の結果は、貧困者内の食料不足と過剰労働によって達成される結果とほぼ同じになるのである。この二種の劣悪な変異が通常同じ社会に、一方を生み出しながら通常他方を産出する条件の中にともにみいだされることも注目されよう。例えばイングランドは、近代の技術的進歩のもたらした企業と産業、平和と繁栄の時代の副産物として双方を備えるに至ったのである。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal">
<span lang="EN-US" style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">(33)</span><span style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">五港(シンク・ポート)は、産業体制の成長と人口分布の変化によるそのような「全面的な」減価の歴史的実例を与えている。一方、イングランドのローマ道は、産業技術の状態の衰退または没落のために同様な減耗がどのように生じるかを示している。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal">
<span lang="EN-US" style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">(34)</span><span style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">製鉄業のようなまったく基礎的で、特殊に英国的な業種にあってさえ、最近、他国の観察者――例えばドイツ、スウェーデンあるいはアメリカの観察者――は、無能に矮小な溶鉱炉、時代遅れの原材料搬送器具および労働と燃料を浪費する時代遅れの装置を真剣に、皮肉まじりに非難する機会を持った。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal">
<span lang="EN-US" style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">(35)</span><span style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">営利的な産業のこうした状態との興味深い対照は英国海軍に見られる。そこでは、人員と戦略の体系的な組織化と統制のより重要な部分はもちろん、ほとんどどの項目の装備も過去十年内に時代遅れとなった。この海軍の体制を現在の技術的な基準からみて満足な効果にまで引き上げるためになされた努力には、多くの妥協と多くの急場しのぎがあり、その結果、堪え忍ぶべき遅延の程度は、結局、英国産業の事業体の中で十分に通用する程度と比べてまったくひどいものである。社会の産業効率が第一の意義を持っており、海軍の体制は副次的に重要性であるか、それ以下の意義しかもたないが、産業の業務は競争的な営利企業の動機にもとづいて遂行されるのである。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal">
<span lang="EN-US" style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">(36)</span><span style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">近代的生活におけるこの原理とその位置のより詳細な説明については、特に『有閑階級の理論』第二章から第七章、第一二章を見よ。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal">
<span lang="EN-US" style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">(37)</span><span style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">例えばエリザベス朝イングランドについてのハリソンの記述を参照せよ。そこでは、イタリアの異国情緒の極致を追い求めるようとしているあのイングランドの紳士気取りの子弟について多くの辛辣なことが語られている。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal">
<span lang="EN-US" style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">(38)</span><span style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">最近、彼らの後を追っているアメリカ人によって追い抜かれて影が薄くなっている。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal">
<span lang="EN-US" style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">(39)</span><span style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">グレアム・ウォラス『偉大な社会』、おそらく特に第三章と第五章を参照するのが。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal">
<span lang="EN-US" style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">(40)</span><span style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">例えば、ドイツとの戦争によって生じた英国の生活の混乱の中で、犬の飼い主が陸軍に徴兵されたため、それらの犬の世話をし、また飼い主の復帰に備えて犬を衰弱させないように保護するための連合が形成された。ごく冷静な性格を持つ英国の新聞でさ、犬を養うというこの必要な仕事をどうすすめるのが最善かということについて、最も英国式に冷静な助言と警告を印刷してきた。兵士たちのスポーツ装備を適正に維持すべしというこの扇動のすべてが実際に一包みの滑稽な戯言なのではないという印象を避けることはできない。むしろ、それは習慣が常識に対して支配権を行使するようになることを例解するものである。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal">
<span lang="EN-US" style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">(41)</span><span style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">この浪費的な支出が浪費家によって浪費とみなされることがないのはもちろんであり、金融戦略家によるこれらの経路への富の組織的な流用も世間の人々の理解ではそのようにみなされていない。この点に関する通俗人の経済理論と呼ぶことのできるものは、次の意見によく見られる。この意見は、正確に報じられているかもしれず、そうでないかもしれないが、それでも真実をついている。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">「私たちの現実社会の基礎はお金(貨幣)に依存していて、富を達成するのは労働者だけです。」モーガン嬢はつづけて言う。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">「例えばカーネギー家とフリック家の例をあげましょう。 彼らは巨大な富を持っており、それは膨大な労働者によって蓄積されました。働く人たちは財界だけでなく、社会の運命をも左右します・・・。社会とその様々な部分は生存するために貨幣支出に依存します。毎年何千という商人たちに雇用を与える娯楽や社会的機能に費やすために必要な貨幣を持っているのは誰でしょうか?
それはお金持ちです。実業界は、労働する人々を構成する何千人もの人々によって流通する貨幣で一分でも生きることができるでしょうか? 決してそうではありません。実業界は「上流社会」の費やす何千ドルものお金によって生かされているのです。これは統計学者がよく調査するべき題目です。」<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal">
<span lang="EN-US" style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">(42)</span><span style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">例えばアダム・スミスは次のように語る。彼の時代には、スコットランドの労働者階級は、この靴という手段によって自分たちの名声を守る必要性を感じていなかったのであるが、イングランドの労働者階級の間では必要な支出品目として生活水準に含まれていた、と。この説明は、それが典型的な事例であり、また現在でもブリテン島と大陸との間で同じ程度に対照が成り立っているという点で正しい。ただし、特定品目の靴は、――――アダム・スミスの時代以降の変化であるが――近代的技術がたまたま靴を物理的な必要物にしたという点で、まことしやかな異論の余地がある。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">金属、ガラス、レンガ、陶器、石、コンクリートの舗道および同様な耐火性物質は、近代生活の中ではどこにも存在するため、無防備な人間の足は不利を被るという事実がある。ちなみに、その結果として足を固く、重く保護する必要性は、この産業技術の様相がその粗効率から不可避的に控除しなければならない組織的な不利益の典型的な一例である。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal">
<br /></div>
Unknownnoreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-7801649817273939885.post-87778565309426005022019-10-30T12:27:00.002+09:002019-10-30T12:27:34.427+09:00帝政ドイツと産業革命 第三章 王朝国家<!--[if gte mso 9]><xml>
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<br />
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">前回のアップデートからかなり時間が経ってしまったが、ヴェブレンの『帝政ドイツと産業革命』の第三章(翻訳案)を掲載する。</span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">いつものことだが、なかなか日本語に翻訳するのが難しい英文の文章が並べられ、中には英語の単語の意味は明確なのに、文脈の中でどのような含意を持たせられているのががよく理解できない節もある。そのような節にひっかかると、一箇所で何時間も考えなければならなくなる。例えば、somewhat of a chance, much of the time という句は、除いても意味は通じるが、一体何を表現したいのだろうか、まだ完全に自信をもって日本語に訳したとは言えない状況だが、とりあえず仮訳ということで先に進むことにした。そうでもしないとずっと先に進めない箇所がいくつもある。</span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;"> 文章の意味を一つずつ確認し、また段落全体の位置づけを一つずつ確認しながら、少しずつ先に進むのは、かなり集中力と忍耐力のいる作業であり、70歳を目前に控えた身にはかなり苦しい。</span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;"> また一般論として言うと、世の翻訳には、誤訳や不適訳がつきまとっており、また趣味(taste)の問題もあり、もっと趣味のよい訳し方もあると思う。自分が読んで意味をとれないような訳文は誤訳か不適訳に違いないはずであるが、訳者はもとの原文(英文)を知っているので、リーダブルではない日本語でもかろうじて意味を理解できるという場合もあるかもしれない。</span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">ともかく、様々な問題があることを自認しながら、第三章を以下に掲げることにする。</span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<br /></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<br /></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">T・ヴェブレン『帝政ドイツと産業革命』(1915年)</span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<br /></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">第三章 王朝国家<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<br /></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">バルト海沿岸地域の古い居住地なのか、それともその外部の祖国と語られるようになったあの征服と移住の地なのかにかかわらず、先史時代の異教信仰から後期近代にかけての時代を通じてゲルマン諸民族にふりかかったこと、こうしたことはすべて本研究にかかわらない。またあの古めかしい文化状態の下で生き繁栄していたこれらの人々の遺伝的な人種的素質がどのようなものであるかを言及して示すのに役立つ場合を除けば、古い先史時代のこれら諸民族の特別な運命もこの関連で関心をひくことはない。これらの諸民族がそのように生き繁栄していたことは、その古い文化とそれにもとづいていた産業技術の状態が彼らの気質的な特徴に適合していたことを証するものである。この異教的な古代の特徴的な文化の成立に示されるような遺伝型の人間的性格がこれに関連して興味を引くが、というのも、それが現今の技術の提供する条件の下でこれらの諸民族が今日も生計を得るのに役立っているのと同じ人間的性質であるためである。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">したがって概説的な要約する段落があってもよいだろう。概して、バルト海・北海沿岸の気候地域内に住んでいるこれらすべての北欧諸民族は、言語や国籍を問わず、一つの人種的特徴を持っている。これらの諸民族はすべて混成的な起源を有し、三つほど(またはそれ以上)の人種的種族から形成される雑種の住民であり、また散発的に投げ入れられた少数者を含んでいる。この人口構成は、いくつかの人種構成要素が雑種的な混合体に入っている相対的な割合からみて、西から東に向かってわずかに変化しており、また北から南に向かって体系的に変化している。ただし、現下の目的にとって、この特徴づけがバルト海と北海の気候地域の内部にしか当てはまらないという留保は常に必要である。したがって、これらの諸国の住民には雑種的集団に特有の広範な個人的多様性がしある。この広い多様性は、その民族に新しい環境および異質な環境にさえ容易に適応できる能力を与えるほどになっているが、しかし、この多様性さえ、結局、ある一定の広さの、選択的に決められた線内にとどまっており、これらの諸民族全体に共通する・一定の・柔軟ではあるが厳然たる人間的性質の全般的な傾向や原型が長期的に有効に成立すること(<span lang="EN-US">assertion</span>)を否定するものではない――この型の人間的性質の根底的な特徴は、バルト諸民族が生き延びるのに成功した民族の生活史の初期に生み出した古い文明に示されるのと同じものである。先史のこの時代は、かなり安定した環境下で、明確に淘汰的な効果らしきものを実現するのに、またそこで彼らが何に適しており、何が彼らに適しているかを試すのに十分に長い間持続したこの住民の経験中の唯一の時期だった。この古い文化は、そこで淘汰というテストによって北欧人に生得的なものであると言えるが、その技術的な側面では、典型的に新石器文化の特徴を持っており、それ以外の特定の名称を与えられるべきではない。一方、その国内的、社会的、および市民的な諸制度の点では、それは、強制的統御の公的規定を欠いており、寛大な隣人監視の実践によって機能させるのに十分なほど小さな規模に限られていたという意味で、因習化されたアナーキー(無政府主義)と呼んでもよいだろう。利用できる証拠が示す限り、このような性格づけは宗教的儀式、そしておそらく基本的な宗教的な観念にも当てはまる。この異教的文化の政体が多くの出来事の後に最終的に崩壊したとき、その地位はヨーロッパの周辺諸国に定住したあの好戦的で海賊的な移民の間で封建制度へと発展した掠奪的な組織に受け継がれた。一方、バルト・スカンジナビア諸国の故地に残された住民の間では、それはやがて封建制を模倣して建設された似たり寄ったりの特徴を持つ強制的な統治体制によって置き替えられた。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">これらの諸民族が雑種的派生物だという点に、またこの人口の人種的構成が新石器時代におけるバルト海・北海沿岸部の最初の定住以来決して大きくは変化しなかったという事実に、ここでは特に注意を払ってきた。ただし、――その到来が新石器時代のことだとしても――短頭・黒髪種族の交雑・混交が生じたのは最初の定住後のことかもしれないという保留を付しておこう。こうした人種的構成の状態からすると、この気候地域内の異なった民族間には、またはこれらの民族のどれか一つを構成する異なった社会階級間には、本質的には遺伝的な相違がないという帰結が生じる。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">それらの雑種的な構成はまた、技術的な事象でも、また市民的および社会的諸制度のスキームや宗教的および知性的な観念の流布の点でも、あらゆる生活技術における幅広い適応性と並んで、外部から斬新な思想を受容するためのきわめて大きい能力を与える。同時にその同じ雑種の個人的な多様性は、受容された習慣の特定のスキームや制度が永続的な安定性を達成しないように妨げるように作用する。そのような人々の中では、どんな知識、信仰、利用法または統御のシステムも、技術的な変化や異質な文化との接触から生じうる新しい事態の衝撃を受けて、それらを変容させるのではなくむしろ破壊してしまうことになる程の不動性と硬直性を達成することはありえない。その結果、その下に構成されるすべての個人またはほぼすべての個人の気質的性向に――それ相応の寛容幅を伴うとしても――きちんと納まることになる慣習と確信のスキームは生み出されえない。それゆえ、このような性格を持つ人口の中では、習慣、知識および信仰の包括的なスキームは、事実上、必然的にある程度に暫定的となる。それは必然的に、その規則の下に生活する全住民の画一的で全面的な自然発生的合意にもとづくというよりは、関係する諸個人の多数派による承認(部分的には譲歩的な承認)にもとづくことになる。この有効な多数派がそのような標準的なスキームに与える承認も必然的に、かなりの程度に、自由なイニシアティブというよりはむしろ同意による承認である。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">そうした事情であるということは、歴史時代にキリスト教世界の諸民族の上を通り過ぎた革命的な変化のどれ一つをとっても明白である。例えば、封建制が成長し、また後世に王朝国家が発達し、それに続いて立憲的土台に移行したときも、そのような変化が生じたのである。またキリスト教信仰が漸次的に受け入れられ、それに続いてその教会支配が成長して、それに伴って宗教的異端という多くの冒険が生じ、またそれらの種々の結果が生じたときもそうである。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">この後者の範疇、つまり北欧人の中の宗教的儀式の冒険は、そのような気質の可変性や、またそれに続く知識と信仰の継起的なシステムの台頭、支配および衰微の作用について入手できる最も適切な説明になるかもしれない。もちろん、このこと自体は論争的な激しさに満ち、また摩擦熱を帯びた生活様式の一分野である。とはいえ、本論を加熱せずに説明用の材料としてそれに頼ることを認めるのは、本研究にかかわる主要な関心からはまったくそれている。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">険しい道をたどり不名誉な結果をもたらしたあの献身的な企てはもちろん、信仰の領域における成功に満ちた出発においても、超自然的なものにかかわる思考習慣の新しい、または従前とは異なったスキームがいつでも特定の少数の個人の好みとして登場したことが見て取られよう。推測するに、これらの個人は、これらの問題について以前に受け入れられた見解に適合しないような、肉体的ないし精神的な訓練、またはむしろ両方の訓練によって、この新しい思考様式に適合的な心理状態に陥ったのであろう。超自然的事象の領域におけるそのような先駆者が例外的な、または誤りに満ちた個人、特別な能力を賦与された人格であり、おそらく病理学的な異常行動にさえ冒されているか、それとも呪術的または超自然的な影響の下にあったことは、通常、その改宗者以外の何人も認めるところであろう。すなわち、いずれにせよ彼らは普通の人種型の中の不規則な変種であり、その特異な気質的傾向がある特別な訓練や例外的な体験によって強められていたために、その当時正しいものとして受け入れられていた思考習慣に合わないのである。その結果生じる種類の信仰は、ついでやがて、その当時の情況の課す訓練がこの新しい潮流の宗教的観念に一致するような方向に相当数の人の思考習慣を傾けるようなものとなる場合に、より広く承認されるようになる。そして、もしこの新種の信仰が当時の日常的習慣化の趨勢とかなり一致するほどに幸運であるならば、その改宗者の一団はやがて全般的な信頼を獲得し、正統派の信仰へと拡大するほどに恐るべき人気ある宗教運動へと成長してゆくことになる。「万人によって、あらゆるところで信じられるものは、信じられるべきである」(<span lang="EN-US">Quid ad ominibus, quid ubique creditor,credendum est</span>)。かくして多くの人々、恐らくどんなに挑発されても自分の羊毛から同じ毛織物を紡ぎ出せなかったと思われる人々が、新しい宗教的観念に同調することになる。そして次にその変種はその発生源となった元の信仰母体に取って代わるようにさえなるかもしれない。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">ここでもまた、もし新しい信仰がまったく幸運にも世俗的事象の体系にきちんと一致するならば、その体系はその時々の必要によって形作られているのだから、この新しい信仰は唯一の真の信仰になるかもしれず、またそこですべての人に等しく義務的となるかもしれない。このことは、特に、もし同時にその遵守を実施する手段を所有したり見つけ出すことのできる支配階級の目的に合致しているならば、生じやすい。この最後の命題は逆も真となりうる。もし新しい信仰に体現された精神がその時々の日常的経験の訓練によって効果的に支えられるならば、その宗教的傾向に深く染められた人々は、人々の歓呼のうちに責任ある権能を持つ地位にたやすく投げ上げられ、そこで彼ら自身の利益の促進を、その利益を支える自分たちの敬虔な信念と結びつけ、それを自明で不寛容な不可謬性という成熟した段階へ育て上げるようになる。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">慣習全体の事象にかかわる習慣的理想と信念の発生と成長の中で、あるいはどんな関連においてであれ、出来事の流れは、これらの宗教的真理の発端と普及を取り巻く環境と本質的に異なった性質のものではない。全国民の生活の顔を変えるような変化も始まりは小さい。つまり、さかのぼることのできる最初の過程は、普通、小規模な特色ある人間集団の側の何らかの公然たる行為から始まっている。これらの人々は、つぎにやがて運動が成功したとわかった場合には、洞察力と指導力を持っていると認められるであろう。かりに運動が承認とそれに続く効果を得ることができないならば、その宣伝のスポークスマンはそのとき、おそらく不健全な精神を持つ空想的な企画者だったということになるだろう。そのような事象の流れを比喩的に記述すれば、新しい精神状態の徴候は、まず先天的な性癖および例外的な露出度のために特別にそれに感染しやすいある一人の個人の態度に明確に現れるであろう。同じような感受性がそれ以外の住民の中で優勢となっている限り、また習慣化の環境が新しい観念に有利である限り、それはつぎにやがて多数の増加してゆく人々の思考習慣の中に定着するであろう――とりわけ、雑種的な遺伝の気まぐれによってその受容に特に適した気質を持つ変異者として生まれた人々の中で、または生活規律が例外的な厳しさでそうした方向に向けさせる人々の中では、そうである――。かりに新しい観念が権威筋または人々の擁護を標榜する立場にある人々の支持を得るようになれば、その趨勢は模倣によって、またおそらく強制的な遵守によって大いに支えられることになり、またそこで比較的短期間に当然の事、常識的な事になるだろう。しかし、そのような雑種人口の中では、新しい観念の浸透と確立にあれほど資するところのあった気質的多様性の広まりが同時にその持続をそれ相応に不安定にすることになるという留保を常に忘れてはならない。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">この点は、近代諸国民の中で時折好戦的な思想が台頭したり没落したりすることによって説明されるかもしれない。ただし、その点を最もよく説明するのは、これらの思想の衰微ではなく、むしろ発生と支配ではある。そのような思想の、またそれらの外面的な表現というべき愛国主義的な憎悪の退潮は、(平和)宣伝と適切な訓育による攻撃的な教化というよりもむしろ等閑視を通じた旧情復帰の結果であるように見える。平和と親善のもとは、論争的な(平和)宣伝、「平和を維持する」ための精力的な戦争準備以外の何物かによってもたらされたようには見えない。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">これらの近代国家には常にかなりの好戦的な精神が存在している。必然的にそうであるが、それはそれらの政府体制が必然的に強制的な性格を持っており、それらの支配階級が王朝的野心に動かされているからである。この点では、共和国はこの規則に対する大きい例外をなさないほど効果的に、無批判的に、王朝国家を模倣している。歴史的伝統と先例はそのように流れている。そのため常に紛争の危険性がある。しかし、特別な誘引がなければ、一般の住民は、他にも関心事があるため、戦いのために戦うといった生得的な気質を持っていないので、簡単に等閑視して平和的な思考習慣に入りこみ、そのため間関係については――国際関係についてさえ――親善とまではいかないにせよ平和的なものと考える習慣になっているのである。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">しかしながら、気質的に常軌をいっした諸個人、また特別な階級へと伝統的に訓練されているか、それとも特別な階級的利害に傾く傾向のある諸個人は、容易に好戦的な企ての利点を直ちに見てとり、国民的な憎悪の伝統を維持しようとすることになる。愛国心、掠奪および特権が共通の論点となる。こうした性質の途方もない先天的な偏見を持つ個人が同時に残忍な誇大妄想の成長に有利に働く環境にさらけだされ、自己の特異な性向を支えるような無責任な権威筋と規範的特権の立場にたまたま置かれるようなところでは、その好みが簡単に人気をはくし、流行となり、適当に維持され巧妙に管理されれば、あらゆるところで習慣的に承認されるようになり、その結果、一般大衆を熱狂的に好戦的な気分に陥らせる。特に王朝的戦略に流れる歴史的伝統を持ち、強制、大権および忠誠の類に依存する日常的な制度体系を持つ国民の場合には、そうした結果となりやすい。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<br /></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">ドイツが、独自とは言わないまでも華麗なる成長の非凡な事例として一般的認識のうちに座を占めるようになったのはようやく一八七〇年の新しい出発以来のことにすぎない。もちろん、それが力を開花する歴史は、いまも生きている人々の記憶内にあるこの短い期間にとどまるものではない。しかし、ドイツ国民の生活史が近代ヨーロッパにおける出来事のありふれた進展からかくも顕著に分岐することになるための力を与えた新しい出発は、結局、この時代から遠くにさかのぼるものではない。ドイツ史のこの時代が始まる正確な時期を探求する者は誰であれ、先にあげた年よりも前のどの点に決める場合でも困難を覚えることになる。そしてその日付より前に国力の開花として生じたことは、それ以降に生じたこととの関連でのみ重要な意義を持っている。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">この歴史的時期にドイツ人が顕著に達成したことは、統計の語ることに従う限り、人口の増加、産業効率の上昇、そして軍事力の拡大である。おそらくスポークスマンの見解では、もっと大きい重要性をもつもっと大きい成長が他にも主張されており、ここでは、こうした物質的な領域の外部におけるドイツ人の達成を割り引いたり、矮小化したりするつもりはない。しかし、これらの他の点における進歩の規模は、ある程度まで評価と意見の問題であり、その程度に応じて自己満足あるいは軽視の感情の影響を受けるかもしれないが、一方、上段で評価した物質面の増加には反論の余地がない。しかし、これらの物理的に計測できる優越性というしるしによって判断すると、ドイツ人のこの近代の開始点にあたる歴史的時期は、普仏戦争のいくぶん前としなければならないだろう。上述の三つの関連のいずれにあっても、すでにその日付の前に発展はかなり進行していた。しかしながら、その時期の始まりは一九世紀の第二・四半期におさまると言うのが妥当だろう。そして、国民が力を展開するための諸要因の中の主たる動因が他の二つの関連のどれでもなく産業効率の上昇にあったと言ってもよいだろう。そうした効率の上昇は人口の増加によってもたらされたことは疑いないが、主導権は、これら二つのもののうち、後者ではなく前者にあったことも疑いない。産業の進歩と人口との相互関係の中では、前者が優位であった。同じことは、もちろん、軍事力の強化についてもあてはまる。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">また疑いなく、成長と効率の諸原因の中で大きい位置を占めるのは、賢明な政府の政策と巧妙な行政であると信じられているが、この政府の政策の評価については、自説が大きくものを言い、このような問題に関する自説は、賛成にせよ反対にせよ、どちらかにかたよりやすい。軍事力の展開は、明確に政府の政策の結果であり、また疑いなく産業の進歩を推進するべくそのような政策が追求されてきた<span lang="EN-US">(1-16)</span>。後者に関連して提起される問いは、政府――またはドイツの概念を使うと「国家」――の真摯な意図と努力に関するものではなく、ただこれらのよき意図と努力がどの程度まで有効だったかに関するものである。またこの主題については意見が一致していないので、この命題は前提から外しておくのが最善であろう。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">よく知られているように、ドイツ統一のための実践的運動は、ドイツ帝国が最終的に形成されたことで成功裏に終わったが、その始まりと初期の成功はドイツ諸邦の経済的必要性のためであった――あるいは国土は小さな領邦に分かれていたが、それらの小さい領邦の政府によって生み出された人工的な悪弊という重荷によって惹起された――と言ってもよいかもしれない。かくして実践的な方策としては、それはこれらの領邦の分断的政策が築いてきた障害のいくつかを除去するように企てられた関税同盟の形成から始まる。そして帝国内の経済政策のこうした同盟と統一性はいまだにその強さの主要な源泉の一つであり、特に国内関税規制の撤廃はそうである。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">それゆえ、近代ヨーロッパの産業発展に対するドイツの位置と関係とは、必然的に、この近代におけるドイツ人の富と達成を研究するための出発点となるだろう。そこで、この主題については、近代産業で使用するために利用できる天然資源は、隣国で見いだされるものと種類も範囲も同じものである。少なくとも隣国のうち最も恵まれた国と比べると、この国の資源が品質的に少し等級が劣り、また量的にわずかに不足していることを除くと、ドイツ諸国を北欧全体から区別するものは本質的に何もない。そのうえ、生得的な性向と素質の点で、ドイツの住民は、事実上その隣人たちとまったく同じである。遺伝的資質――人種的な特徴――については、それは周辺諸国民の住民と同じ民族である。――いっそう特にオランダ人、ベルギー人、そしてイングランド人と同一である。その雑種的な系統のために、ドイツ人はこれらの他の国民と同じように、広範囲の技術的な知識を獲得し、利用するための大きい能力を賦与されている。また、これらの他の国民に生命を与えている同じ職人的技量の遺伝的傾向によって、彼らは隣人たちと同じく産業と節約に勤勉に、かつ思慮深く熱中している。この関連において、主にドイツ人を他の諸国民から、またいっそう特にイングランド人から区別するものは、ドイツ人がこの産業制度にとって新参者だということである。またドイツの事例の差別的な特徴は、主に彼らがいまだに見習い期間中であるというこの事実に由来するものである。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal">
<br /></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">ドイツ人の生活史における今の時代が始まったとき、つまり一九世紀の第二・四半期に、ドイツは、西側の隣人、とりわけイングランド人と比較して、はるかに遅れていた。もちろん、これは歴史の常識である。必要ならば適度に斟酌し限定して受け取ってもらってもよいかもしれないが、ある決定的な、または少なくとも本質的な点でドイツが、特に英語諸国民の占める位置から見て時代錯誤の状態にあったという主要な事実は変わらない。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">当時のドイツ文化が優れていた分野でその長所を見下す必要はなく、またそれを過小評価しようと試みても無益であろう。ドイツ文化は人類の遺産におけるあまりに大きい事実であるから、言葉による暴力(批判)に真剣に悩むことはない。しかしながら、ドイツに特有な文明が卓越していた――実にドイツが勝ち誇っていた――あの天才的な領域は、ヨーロッパで当時形成されつつあった体系下の生活にとっての適合性に大きく向かっていると評価される効率性の水準にはなかった。それはそれにとって代わったものよりもっとましだったかもしれず、あるいはもっと悪かったかもしれないが、いずれにせよ稼働中の体系の明確な一部をなしていなかった。この後に証明するように、その体系の達成にドイツ国民の集積された知恵のなした貢献は取るに足らないものにすぎない。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">ドイツは、産業技術およびその政治制度において遅れており、また制度体系中のこれらの基本的な働きと密接な相互関係を持つか、それともその圧倒的な影響下に入っているような市民的および家族的な生活体系の特徴の点でも遅れていた。これは、表面的な慣行の特徴および無用に装飾的な文化の要素を除けば、当時のドイツ国民と英国国民の事例との顕著な相違である。産業の点では、ドイツはいまだに手工業の段階にあり、制度的な障害物と些事の細心の標準化という意味合いで述べられるすべてのものを伴っていた。イングランド社会をその当時に立っていた地点にもたらしていた進度歩によって計測すると、
ドイツの産業制度は、二世紀半か三世紀ほど遅れており、エリザベス女王時代のどこかにあった。その政治制度はいっそう古めかしかった。そして社会関係を細部にまで支配する慣習は、この経済的および政治的状況が必然的に育てあげるような性格のものであった。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">このように描かれる性格づけは、均衡のとれた包括的な機能システムとしての産業組織に当てはまる。それは西ヨーロッパのより近代的な産業社会とのドイツの不可避的な接触のために様々な異質の細々したことがこの古めかしい制度に導入されていたという事実を見落とすものではない。しかし、外来の要素が古めかしい体系の枠組みを本格的に乱し始めたのは一九世紀後半になってからだった。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">政治的にもまったく同じことがあてはまる。ただし、この領域の国境を越えて入り込んだ近代思想はより少なかったし、またそうした近代思想は政体組織に等しく確実な惑乱のための拠点を持っていなかった点を除いておこう。ドイツは、いまだに一貫して「領邦国家」――ゲルマン諸民族の中においてのみ最上の成熟に到達し、そして祖国内で目覚ましい粘り強さをもってその地位を保持していた特別に小さく特別に無責任な専制国家――のパターン上に組織されていた。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">領邦国家、あるいは呼び方を変えると、洗練されていないその模造品は、北欧諸国でも知られていなかったわけではないが、他の北欧諸国民の中では少し前に古めかしくなって消えてしまった。そのため北欧諸国、つまり地理的な必要性から小さくなるように設計されたように見える諸国さえ、ドイツで統合(<span lang="EN-US">supersession</span>)の問題が(効力のない)思弁的関心を引き付け始めた頃までには、この古い流儀の国家政策と政治的統御を捨て去っていたように見える。領域国家とは実際には領域的な統合体であり、その住民は用益権として特定の君主に属する財産と考えられている。この観念は明らかに封建制に由来するものであり、それを実現可能な形の政治組織にする心的習慣は主人個人に対する人格的な従属という封建的な習慣である。そのような政治的従属にあっては、人格的忠誠が主要な美徳、その継続に先行する主要な条件である。一方、不従順は致命的な悪徳であり、そのような強制的システムとは相容れない。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">そのような国家における政治的な利害関係の観点から見れば、自己犠牲の精神は弁護論的な婉曲表現では「義務」と言われ、他方、不従順は「法廷侮辱」と呼ばれる。前者は持続的で一貫した抑圧によってもたらされた心の習慣であり、また領域国家のような隷従的な政治組織の基礎となる。後者は、もし自由なふるまいが許されるならば、いま祖国となっている地で野蛮人の侵入が強制的な支配を確立する前の先史時代にゲルマン社会の憲法をなしていたように見える無政府主義的な自律性を結果するだろう。後者はこれらの諸民族の自然的な性向に一致するように思われる。しかし、前者は一五世紀に由来する強制という専横的な訓練に服従する精神にしっかりと根をおろしている。これらの人々の中にある「義務」の精神は、明らかに、生得的な性向という意味の「天性」ではないが、それは長期にわたる一貫した経験によって誘発された根深い伝統的な態度として、祖国の諸民族の「第二の天性」となっている。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">近代的な文明人に通用している用語でこれらのことについて語るときには、「義務」というこの隷従的または屈従的な態度を非難するように見えることを避けるのはほぼ不可能である。この困難は特に英語を使用する人を悩ますだろう。――利用できる語句の帯びている軽蔑的な調子の縁取りは、たとえばドイツでは、それほどやっかいではないが、そこでさえ、日常的な語彙は多大の能弁をもって近代的な愛国心のこうした諸要素を賞賛するのではなく、盲従と無責任な支配を非難するのに与するのである――。そのことは、疑いなく、近代西欧における制度的発展の潮流によるものであり、この潮流は全体としてどうやら一貫して王朝的専制政治の威力をしだいに緩める方向に向けられてきた。この変化はおそらくそれほど無政府主義的な(すなわち非隷従的な)精神の成長を創造したり、開始したというよりは、それを許容しながらかくまったのであり、かくしてこれらの諸民族の生来の無政府主義的な傾向が、あらゆる遺伝的性向の特徴となる取り消せない回復力によって、大きく再生することを可能にしたのである<span lang="EN-US">(2-17)</span>。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<br /></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">近代ヨーロッパの自由な、または広まった制度の歴史的成長のどんな調査も、そのかなり大雑把な調査でさえ、こうした成長が実現したのは、当局が自由裁量権と権力とを賦与されており、機会があればいつでも成長を打破しようと考えなかったからというわけではなく、それを条件づける環境が当局に十分にそれを打破することができるようにしなかったからであると、あらゆる関係者を満足させるはずである。また近代諸民族の間における思想の緊密で容易な伝達によって、無政府主義的な傾向は、教育と隣人的な交流の手段により、より維持されてきた領邦国家の臣民たちにさえ感染するに至った。その結果、そこでさえ、専横の陰で、現在の語彙は自由制度と主人を持たない人にとって弱みを示している。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">それゆえ、こうした言語の状態のために、祖国の国民の中に生き残っている自己犠牲という習慣についてのいかなる議論もほとんど不可避的に非難の色を帯びざるを得ないが、ここではかくもドイツ文化とドイツの達成の基礎にあるこの隷従の精神を称賛したり、責めるつもりはない。それはこの国の近代の創出をもたらしたにより大きい要因の一つであり、またこの時代とその「システム」は、この封建制の生命がその結果にいかなる強さや弱さを提供したかにかかわらず重要である。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal">
<br /></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">さて、忠誠と従属というこの生き残っている封建的な魂は、――おそらく社会の経済効率の奉仕するべき政治的目的を別として、経済システムにとっても力の源泉であったように――明らかにこれまでドイツ国家にとって力の源泉となっていた。このことは、他のあらゆる関連における人々のそうした気質の究極的長所についての疑問、あるいは国家目的にとっての秘められた価値についての疑問とはまったく切り離して認識され考察するべきである。本研究にかかわるあらゆることについて、大抵の英語諸国民の心には疑いなくそう見えるかもしれないが、次のように見えるかもしれず、また見えないかもしれない。つまり、プロイセンの行政能力システムが依拠しているこの従属的活発さの精神は自由人としての人間的尊厳に値しないこと、それは臣民の精神であって市民の精神ではないこと、王朝に役立つ点を除くと、それは欠点であり怠慢であること、また結局文明生活の要求はそのような中世主義の時代錯誤的な残存物に耐えることができず、その習慣はいいずれ消え去るであろうこと、である。今日眼に見える限りでは、それが王朝国家に役立つということさえ一時的な価値しか持たないこともありうるかもしれない。しかし、それらがこれまで明らかにドイツ国家にとっての、またおそらく経済的主体としてのドイツ国民全体にとっての強さの源泉であったという事実を崩すことはない。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal">
<br /></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">一九世紀第2四半期にドイツでは事態の再調整と再生という複雑な動きが始まった。少なくとも表面的には、この動きは主に経済的な性質のものであり、それを実際の活動へと直接に刺激したのは、通商と君侯財政の必要性だった。これらの実践的な手段とならんで、多くの学究的な種類の優れた思索ならびに国家的理念についての多くの啓発的な広まった説明と論議が進み、この知的、精神的な騒ぎは実際にとられた諸方策と、また国民的政策の一般的な趨勢と多少なりとも関係していたであろう。この精神的な騒ぎがこの時期に進行していた実際の変化の原因または帰結であるとして評価されるかどうかを述べることは簡単ではないが、これら両者の根拠にもとづいて位置づけることは妥当に思われる。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">その当時の歴史家、特に愛国的な歴史家の間で流行したのは、一九世紀の中葉を通じてドイツ史を形成するこうした物質的または非物質的な諸力の複雑な動きを、この人種の溢れんばかりの国民的才能によって始められたドイツ精神の運動であると解釈することだった。それは伝統というものであるが、その伝統はロマン主義時代に由来している。だが、そこからはより実際的な性格を持った伝統が出て来ることができるとは思えない。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">そのような歴史上の運動についての現実的な見解は、必然的にその当時の思考習慣を形成するに一役買ったかもしれない要因に注目するものであり、ここでは――現在流行しているような、運命の顕示、国民的才能、神の摂理の導き、等々のような、どんな神秘的な作用も考えなければ――分析が確実に頼れるのは二種類の派生物しかない。もちろん、それらの神秘的な作用を過小評価するように求めるつもりはないが、あれやこれやのそうしたものが隠れた原因だと認めるとしても、隠れていることがそれらの性質だということを、そしてそれゆえに、これらの隠れていると考えられる主要な動因の働きによって発現する有形の作用は、隠れている原因に頼らずとも十分に作用するに違いないことを、思い出すべきである。隠れた原因は呪術的な効能によってしか効力を発揮できない。それらの出来事の流れに対する関係は、因果関係の効力ではなく、神秘的または呪術的な効能という性質のものである。そして、これらの科学研究の問題における近代の唯物主義的偏見の下では、出来事の説明が求められる因果関係の連鎖は、有形の事実しか頼らず、「データ」の性質を持つ事象の上に動機づけと結果にかかわるあらゆる要素において完全でなければならない。効能あらたかな導きを求めるロマン主義と比べると、能率的な因果関係をより好む近代的な先入観にとっては、実際の事実以外のものによって論理的目的を打ち立てるいかなる試みもまったく無効である。それは天才的な豊饒な仕事であるかもしれず、また演劇術や説教上の言説としてなら価値があるかもしれないが、科学的研究の家では、そのような命題、そのような用語を用いた一般論は金管楽器の響きやシンバルの音でしかない。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">上述した再調整と復興という複合的な動きの中で、人々の思考習慣を形成するように明確に働く二種類の流れがある。それは受け入れられている習慣の体系および産業技術の新しい状態である。そして、再調整に向かうのが後者であるのを見ることは難しいことではない。また受け入れられている習慣の体系の監視下で必ず再調整がなされるのを見ることもそれほど難しいことではない。後者は産業技術の新しい様相によって強制されるこの新領域の習慣化の中で修正される。しかし、習慣に生じる変化は、他所と同じくここでも生じ、もはや時代遅れとなった慣習を明白に容認しようとしない事態の影響を受けて、ゆっくりした譲歩の形で行われる<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">ここで問題としている複合的な動きは、新しい技術的状態の要求に合わせるために生活様式を再調整する動きであり、またそれを新しい技術的な条件下で働きうるようにするために君主の受容されている政策体系を再生する動きである。それゆえ、その結果生じる変化は、新しい技術的進歩に主導されて、またそれを自身の目的に合わせて利用する当局側の便宜的譲歩と抜け目ない努力によって生まれる。その際の意識的・指導的管理は、政府組織の手中にあり、また新しい産業技術の状態の強制する拡大した規模における事業を行うことができ、かつ新しい産業体制がかくして自分の自由に使えるようにした諸力を十分に行使できるようにする領邦国家の復興を目指している。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">技術的改善が君主の軍事力増強に直接に貢献する限り、何百年間も、これらの改善を利用するために多くのことがなされ、また地方的統御と財政的管理の拡張のついでに通信手段および交通の改善の形で多くのことがなされてきた。しかし、近代的な産業体系は、それ自体としては、また外部の本質的に異質の要因としての側面を除くと、ドイツ人に深くかかわっておらず、特に一九世紀にドイツ復興の中心的位置を獲得したあのプロイセン領についてはそうである。しかし、
ドイツの産業状態は所詮近代的というよりもむしろ中世的であり、それゆえ、その産業技術の状態はいまだに全体的にみると古い体制を維持するのに好都合であり続けた。この古い体制が王朝支配者および特権階級の利益と伝統的理念にしっかりと育まれていたのであるからには、殊にそうであった。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">近代化に先立つドイツ文化の成長には技術的な側面からの副次的な影響があり、これは近代の展開の中で生じたことを理解するどんな試みでも特筆するべきことである。印刷術とそれに続く印刷物の利用は、その技術進歩が初めてなされたときから常にずっとドイツ人の間では馴染みのことであった。その初発から一九世紀に入るまで、印刷工の技術は手工業的な過程であり、ドイツではよく発展していた。しかし、印刷物を利用する習慣の制度的な帰結、その習慣の影響は、だからといって手工業的な秩序のものであるとはかぎらない。印刷物の自由な利用は、思想の自由交通を意味し、したがって消費者の直接的な個人的交際範囲を越えて流行している思想との接触に消費者をさらすことになる。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">印刷物の習慣的な消費は、機械産業の引き起こす生活様式の広範な標準化への習慣化とまったく同じ規模の訓練上の影響をもたらすが、印刷物の利用がかく引き起す影響は、それに慣れ親しんでいる階級の人々を超えて拡大することはあまりないことは言うまでもない。すなわち、読み書きできない人々、そしてとにかく印刷物をほとんど利用しない諸階級はそれほど、あるいは広範に攪乱されることはないだろう――印刷文献の氾濫と呼べるものは、多大な帰結をもたらすものではない――たしかに印刷物が読み書きできない人々の間に思想を拡散させることは、常に相応のものになることは否定できないのではあるが――。一方、事物を標準化する機械産業の体制下では、生活の教え込みの価値のほうが読み書きできない人におそらくもっと直接的かつ親密に影響し、また読書を習慣とする階級にかかわるのとほとんど同じほど包括的に影響する。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">これに直接関連して、印刷物という媒体によるだけでは、あるいは他の、全般的な影響をもたらす本質的により厳格で断固たる習慣化の要素なくしては、事の性質上、既成秩序の深く、大規模な革命的騒乱がやり遂げられないということは、一般的に妥当する命題であるとしても、銘記するべきである。例えば、ドイツの事例では、一部の読書人口は、ヨーロッパ全体の知的運動と長らく接触し、また実際、折々、その当時の思想形成に大きくかかわってきたとはいえ、この部分はきわめて小さい階級をなすにすぎず、住民大衆とはきわめてわずかしか接触しておらず、またそのような「学術的」な保有権の上に――すなわち、自分自身の機械的事実の経験によって補強することなくきわめて一律に――知的な確信を保持していたので、最上の意図を持ってはいても、一般大衆に新しい秩序に関する自分自身の思想を浸透させたり、古い秩序の保有権ならびに利用権を持つ公職者を攪乱することがかなわなかったのである。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">同時に印刷物は、他の点では生活様式の日常的な要求と一致する思考習慣の普及、同化および標準化のためのかなり効率的な媒体である。そこでまた、本を読む習慣は、一九世紀にドイツ社会に浸透したあの機械技術にとってほとんど欠かせない援軍であり、その当時(一九世紀中葉)には後のどの時代よりもそうならなかったことは無論であるが、その結果の成否に大きくかかわるほどにはそうである。さて、読み書き能力は、より高い「学習」能力の点でも、また印刷物をすらすら読むというより素朴な形の能力の点でも、新時代が到来した時のドイツ人にとっては比較的ありふれたことだった。そして民衆を教育する手段を改善し、拡張する運動がすでに充分に実現できる状態にあったので、この点の欠陥は治療を要することがわかるとすぐに克服されたのである。学識ある人々を過剰にかかえる頭でっかちだということは、ドイツ社会に対する決まり文句の悪口の一つだった。この点について探しは一九世紀後半から終わり、学識ある階級が有用であることがわかり、また科学に堪能な人々に対する需要が十分に追いついてきた。その間、この学問の性格、あるいはその方向ともいうべきものはいくらか変化したが、
その変化は全体としては何らかの技術的または商業的な価値を持つ知識諸領域に向かう顕著な移行の中で生じたものである(<span lang="EN-US">20</span>)。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">ドイツにおける近代産業の進歩と近代化された王朝国家との論理的な関係について述べれば、この国家の創設者たち、フリードリヒ大王からヴィルヘルム二世までのホーエンツォレルン王朝の政策が領域を拡大し、国家の能力を改善するために利用できるありとあらゆる技術的な改善を利用してきたと考えられるだろう。あるいは他方では、戦争技術上のより大規模で、より高価な装備と戦略はいうまでもなく、産業と商業の規模の拡大を強化するための技術進歩も王朝国家を新しく拡大された方式にもとづく再組織化に駆り立て、行政機構のいっそうの細分化と収入源のより細かく厳しい統制をもたらしたと考えることができるよう<span lang="EN-US">(21)</span>。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">どちらの見解も等しく正しいように見える。この事例を取り扱うドイツの研究者たちは、普通、前者を採用し、後者の見解がどれほど有効かは無視しがちである。ドイツの分裂主義の最高潮にあった小さな領邦国家が、その政治術がはっきり成立していなかったため、一九世紀のヨーロッパに広まっていたような条件下では生き延びる可能性を持っていなかったことは明白であろう。この分裂主義の圏内にある王朝政治家たちは、洞察力かそれとも特別な必要性と不確実な手段のいずれかによって新時代のより大きく、機械的により効率のよい装置を利用するように導かれ、自分たちの保守的隣人に対して差別的利点を享受することになること、そして最終的に政治的手腕の領域で隣人たちに取って代わり、やがてそれを継承することになるのも等しく明らかである――王朝国家は必然的に競争的または強欲な性格のものであり、手中にできるどんな手段をも自由に使うことができるのである――。それは何らかの方針にもとづく統治をおこなっている人々の競争的策略を通じて実現される淘汰的生存の一事例である。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">産業技術の状態が市民的および政治的な戦略の物理的な範囲を拡張して大規模な国民的組織を明確に実施できるようにするに至ったとき、自給自足的な諸小公国という古い秩序は存続不可能となった。この変化はドイツの領土には西欧の中では最後に到達し、またかくも遅い時期まで国民生活の再編成に成功することがなかったので、この遅滞は、歴史家があらゆる説明を提供したにもかかわらず、驚くべき出来事だった。しかし、この遅滞に続いてひとたび再編成がなされると、その規模もまた、歴史家が神の摂理の側における縁故主義的偏愛という魔術的効力や、この事例(ドイツ人)にのみあてはまるという人種的な特徴を持ちださずには、説明することができないほどのものであり、彼らを途方に暮れたままにしておくほどのものだった。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">政策の決定権と行政機構の統御権を手にした王朝政治家側の賢明な管理によって、ドイツ社会の物質的な効率の急速な上昇――これは近代的な産業技術状態の導入によるものであった――は、西欧の他のところでは達成されない程に成功裏に国家的利用に充てられてきた。そのため、実質的にドイツ社会のホーエンツォレルン国家に対して、百年前のドイツの諸領邦における財政事情の財政主義的行政のやり方にまったく従って、王朝的目的のために管理される王朝国家、準荘園的な王室御料地や領域に対するのとほぼ同じ関係に立っている。王朝的目的と王朝的行政に対するドイツ社会のこうした従属は、大局的には好戦的な侵略政策によって、また細部では官僚制的監視と臣民の私生活への絶えざる干渉の制度によって保全されてきた。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">そのような王朝的な利用権と統制権の体系には、人々の感情という忠実な支柱の他には確固たる基盤がないことは言うまでもない。またそのような人々の感情の状態が絶えざる習慣化、この目的に賢明に、かつたゆみなく奉げられる訓練によってしか維持されないことも言うまでもない。とりわけ、これを目的とする習慣化の行程は、もしそれが近代的生活――ここでは機械産業が広範な非生命的要因と機械的過程を前にして人格的な力と大権の不要性とを絶えず強めており、また各人が自分の主人であることをいたるところにある価格制度の作用が絶えず教えているのである――の(王朝の精神的支柱を)堀り崩す訓練にさらされている臣民の人格的な忠誠を維持せんとするならば、首尾一貫し、かつ不動のものでなければならない。プロイセン支配下では、このすべてが配慮され、比類なき徹底性と効果をもたらしてきたことは周知のところである<span lang="EN-US">(21)</span>。ドイツ国民の国家への従順な忠誠を緊密に保ってきた要因のうち主要なものは、もちろん成功をおさめた戦争であり、それは戦争準備と好戦的な傲慢さと野心を教化するという訓練による効果によって補強されてきた。これらの事柄に慎重に払われてきた注意も周知の事実である。そのようなわけで、実際、それはこの制度のスポークスマンがそれを当然のことと考えるようになり、またかくしてそれをつい見逃してしまうほどである。戦争の体験は好戦的な心理状態を生み出す。また戦争の遂行は、自分の指揮官と恣意的な命令に従う訓練の実行であり、熱狂的な従属および権威に対する盲従の精神を生む。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">戦時に軍事組織となるものは平時には奉仕的組織である。そのシステムは同じであり、それがうまく働くのに求められる人々の精神もどちらの場合でも同じである。いずれにせよ、戦時であれ平時であれ、恣意的な権威と無条件の忠誠の習慣が徹底的に染みこみ、従属が臣民の情熱的な念願となったときに、また臣民の自由の理想が命令に従うことを許容するほどの自動化にまで忠誠の習慣が到達するところでのみ、それは最高の効率性に達する。それは神のすべての命令を遂行することが至高の義務となるといった類の信仰者の自由を神学者が解釈する流儀にいくらか似ている。ここに示した意味の「義務」が「自由」とともにドイツ精神の熱望する目標をなしていると説明する通俗的な追従者の言によるならば、そのような愛国的感情の理想的な成長は、ドイツの場合、許容できるほど近いところまで、達せられたらしい。もちろん「義務」は、下位者の服従だけでなく、上位者の側の恣意的な指令の実行を含むが、そのような恣意的な権威はより上位の権威へのしかるべき服従によってのみ実現され、ついで王朝の長にさかのぼるに至る。しかし、この王朝の長は、神の恩寵によって彼個人に授けられた委託された権威しか実行しないらしい。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">ここでは「家産制国家」より「王朝国家」という語句を好んで用いるが、その理由は、この二つの概念に本質的な相違があるからではなく、むしろ帝政時代に活動しているようなドイツ国家に対する後代のドイツ人スポークスマンが前者の用語を嫌悪しているように見えるからである。彼らは、それを代議制と議会形態を僅かに含む憲法を採択して復興したような国家に対照させて、帝政に先立つ時代の領邦国家に適用しようと望んでいる。しかしながら、「王朝」という名称はいまだに適用可能である。また実質的に憲法による復興はドイツ国家を家産君主制という範疇の外に出しはしなかった。帝国憲法から生じた相違は、大部分が形式上の相違であり、行政機構の相違である。それは皇帝の有効な権力、権利と行動の自由をあまり制限していない。その上、それはいまだにプロイセン国王の権力、あるいはプロイセンの継続のために授けられた宗主権という王朝的要求を制限していない。その憲法の下でさえ、それは議会の議決権ではなく、国王の宗主権にもとづく政府である。換言すれば、それは憲法によって緩和された絶対主義政府であり、君主制で緩和された議会による議決権の政府ではない。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">分裂主義から帝国への移行には、一六八八の革命によって連合王国で始まった変化に比べられるような革命的な運動は起きなかった。もしそうした民主主義的憲法への移行がドイツ国家に襲いかかるとしても、その動きは将来のことであろう。帝国憲法とともに導入さた変化は、実際に効力があった限りでは、新しい国民的司法権が機能するために求められた規模の拡大によって必要とされたものであり、領土と資源・人口・貿易と産業の統御と利用のために必要となるような議会的組織および地域的組織に対する代議制的な司法権をごく僅かに伴ったにすぎない――これらの組織は小領邦国家に特徴的なより素朴な官僚制の効力範囲を超えていたのである。帝政時代の経済政策は、近代の経済事情の規模と複雑さが要求するような譲歩的な修正を受けているが、いまだに「官房学的」政策であり続けている。たしかに、ビスマルク政権下には、一九世紀後半の大半を通じてあらゆるヨーロッパの政治家の努力に無意識のうちに偏向を与えているあの「自由主義的な」予断の方向に向う傾向が感じられる。しかし、この傾向は、貿易、植民地および萌芽的な責任内閣制というビスマルクの政策に現れているが、彼の手では決して決定的なものにはならなかった。またそれは帝国の宗主権の完全な請求権(<span lang="EN-US">revendication</span>)を目指した後代の皇帝たちの努力をはっきりと妨害するまでには至らなかった。帝国憲法下では最高の権威は議会にではなく、君主にあった。ただし、これは帝国政府よりプロシア政府についていっそう制限なしに当てはまる。しかし、これらの点で、ドイツは帝政時代にしだいにプロイセン化され、他方、プロイセンは、他の北欧と中欧の諸国を少なくとも限定的で暫定的な条件であれ保っている類の民主主義的自治に向かって行かなかった。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">帝政ドイツは、国民政策または行政統御の目的と方法の点で、フリードリヒ大王下の型からはっきりと隔たっておらず、またその政治家の予断は、あの悪逆な国家形成期の王朝寄生者の間で流行していた予断とまったく違っていない。相違点は主に政治と行政の機構にかかわるものであり、主に近代の産業と商業の結果をかつて初期の実践家にとってよさそうに見えた目的を説明するために使おうとする努力に見られるような特徴を帯びている。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">そうではあっても、この機会に非難しようというわけではない。少なくともここではそのような含みはまったくない。このような主張を十分に証明するようなものはまだ見えていないとはいえ、それはおそらく不運な事態なのであろう。ここでそれを特記するのは、それが西欧文化内部における諸制度の発展の一段階と考えられる帝政ドイツの事例の主要な一要因だからである。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<br /></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">以前に実現可能だった規模を超える規模でドイツにおける王朝国家の復興に導いたこの近代的な産業技術の状態、この技術進歩はドイツで生まれたものではなかったが、英語諸国民から、そのうちでも主に、そして結局はほとんど全面的にイングランドから、直接に、または間接的に借用したものである。上段で主張したことは、技術以外の点における英国の習慣はドイツ社会によって同時には引き継がれなかったということである。その結果は、それはイングランド人の作り上げた近代的な産業技術の状態の働きを示すものであるとはいえ、この近代的な産業技術の状態の成長に付随して英語諸国民の中で成長してきた一連の特有の制度と信念を欠如させているという点で、ドイツはイングランドと対比して変則とされるものを提供することになったことにある。ドイツは、近代技術の発展におけるイングランドの経験の成果を、近代的な産業体制が到来する前にイングランドに普及していたのとほぼ等しい他の生活様式の状態と結びつける。そのため、ドイツ人は、イングランド人の技術的な遺産を、それを達成する際の経験によってイングランド社会に誘発された思考習慣や習慣にかかわる代価を支払わずに、受け継ぐことができた。近代技術はドイツに既製品として始まったのであり、それを始め、その発展をたどることを決めた経験を持つ諸民族の中では漸次的に発展し、持続的に利用して生まれてきた文化的な帰結を伴わずに、到来したのでえる。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal">
<span lang="EN-US" style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;"><span style="mso-spacerun: yes;"> </span></span><span style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">この点でドイツ人の位置はまったく独自というわけではない。ある程度まで、他の西欧諸国にも同じ一般的な命題が当てはまるだろう。しかし、それは同じ幅ではどこにも当てはまらない。ドイツの事例は、この技術の習熟の急速さ、完全さおよび規模についても、この習得の時点における文化内容の古めかしさについても西欧諸国民中に先例がない。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">これに関連して、工芸技術を国内の成長によって発展させるより、それを借用する利点について先の章で述べたことを想起してもらいたい。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">そのような借用された技術的要素は、ある社会から別の社会への移転の中で、その発展と利用の間にそれにまとわりついて成長してきた他の付随的な文化的要素を持ち越すことはない。新しい必要品は、それらを使用する上で想定的か因習的な関連しか持たないものはすべてはぎ取られた状態で到来する。より低水準の文化の上では、ある技術的装置の使用としっかり結びついた因習的または想定的な強要物(<span lang="EN-US">exactions</span>)というこの付属物は、主に呪術的または宗教的な儀式の性質を持つだろう。しかしもっと高い水準の文化では、ここで問題としている階級の場合、それらは習慣に、またある程度まで法に埋め込まれているが、例えばかなり高い生活水準の要求のような、しばしば義務的性格の宗教的儀式に近づく因習となりやすい。</span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;"></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;"><span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal">
<br /></div>
<div class="MsoNormal">
<span lang="EN-US" style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">注</span></div>
<div class="MsoNormal">
<span lang="EN-US" style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">(16)</span><span style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">例えば、W・H・ドーソン『近代ドイツの進化』第三章を参照。またもっと全般的には、フォン・ジューベル『ドイツ帝国の建設』第一巻。またゾンバルト『十九世紀におけるドイツ国民経済』第二巻を参照せよ。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal">
<span lang="EN-US" style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">(17)</span><span style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">すでに前段で示したように、ドイツの伝説や他の民話は、近隣社会の自治というこの古めかしい小規模な体系がいまだにドイツ民族の精神にいまだに保持している堅固な砦手の証明となる。これらの民話は、王朝的な領邦国家の強制的支配の下で服従と疑いなく忠誠心に縛り付けられていた何世代もの非識字者の平凡な夢想家を通じて伝えられてきたその日暮らしの有名な伝説の中にひっそりと生きてきた。しかし、それらが表現している理想は、いまだに、異教時代が終わるはるか前から、これらの諸民族の経験の地平、あるいは彼らの現実の物語の地平の中にさえ入って来なかった準無政府主義的な隣人的生活の理想である。こうした民話の状態は、教会、十字架、司祭および修道士が完全にとけ込んだ雰囲気で現れる宗教的信仰(キリスト教)に関連するあらゆる点で、これらの物語がほぼ完全な修正を受けてきたという事実から判断して、ますます注目に値する。これらの「信仰対象」と呼ぶことのできるものは、中世のもの、または近代的なパターンのものでさえある。これに対して、社会的および政治的な生活および機構はいまだに典型的にキリスト教以前のありかたにならって理想化されている。この古風な型の素朴な民話の保存は下層民の仕事だった。これに対応する支配階級の伝説的な民話は、これも当時の現実と比べてみると古風であるとはいえ、別の、かつより後の時代の精神のものであり、その理想的な創造物の点では当代的というよりも中世的な体系に傾いている。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal">
<span lang="EN-US" style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;"><span style="mso-spacerun: yes;"> </span>(18)</span><span style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">一八四八年の騒動はこの点で事態がどう推移したかを示すのに役立つかもしれない。ここでは知識ある少数派の啓蒙的な思想と衝動が肉体的苦痛という耐えがたい諸条件のために立腹した非識字者と手を握り、一時的に成功したような外観が生まれ、結局は誤解による両党派が不服従により有罪と宜告されるという最終結果になる。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">同様に、例えばロシアのような古めかしい国家における政治的な古代遺物の守護者たちの小心翼々たる警戒は、特に過度に現代的な思想を提供する醜悪な文献の流通に関しては、ゆきすぎ(<span lang="EN-US">supererogation</span>)とみなされるべきである。あらゆる努力にもかかわらず、印刷物の形で入ってくる思想の普及が印刷物の読者を超えて及ぶことはほとんどない。そして、ここでも、これらのうち読んだものによって深刻に乱される者はほんの一部にすぎない。そして読者は幸いにも大衆のうち取るに足りない割合でしかない。このようにして産業の日常的な慣習の土台を踏まずに入ってくる外来の思考方法は、知識の木の上枝に羽毛のねぐらを作る鳥を羽ばたかせるかもしれないが、すべての騒動は支配階級にとって利用する価値のある民衆の頭上を超えて行きすぎるであろう。民衆の思考習慣は日常の習慣によって作られるのであり、システムの習慣が深刻に乱されないと仮定するならば、彼らは同じ心理状態のままにあることになり、そのためどの鵞鳥番の娘もいまだに彼らを満足して羽毟り小屋に連れてゆくことができるのである。他方、新しい産業システムへの変更は、これまでと違った傾向の日常的習慣をおしつけ、簡単にあやまちを育てかねない。しかし、ドイツの事例を実地教育として判断すると、無責任的統治制度の致命的な乱れに対してより賢く備えるならば、それは明らかに新しい産業秩序の同化を容易にし、効率と肉体的快適さの画期的な前進をもたらし、次いでよく考えられた甘言を用いて強制を抑えるほどに広く読書の習慣を生み出すことだろう。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 10.0pt;">
<span style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">宗教的な関心の現状(<span lang="EN-US">status quo</span>)維持をねらった読み書きできない人々の育成と有害な文献の除去とはこれとはまったく別の事柄かもしれない。この場合にはばむべき混乱は、いくぶん表面的な種類のこと――その時々の迷信の色調配合の変化――であり、異教の教義は技術的な類の矛盾がなくてさえ災いを与えるかもしれないと考えられる。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal">
<span lang="EN-US" style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">(19)</span><span style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">例えば読み書きできないことがロシア社会(または諸社会)の近代的産業体系の上に現状を再編するのに深刻な、おそらくは決定的な障害をなすという命題について合意を得ることは、あえて主張したり強調する必要もない。またドイツ人や英語諸国民の中で読み書き能力の割合と範囲が高いことが彼らの優れた産業効率の多くを説明することにも疑問を差し挟む余地はない。手工業と家内産業という旧体制の下では、読み書きできないことはもしあったとしても比較的小さな欠陥だった。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal">
<span lang="EN-US" style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">(20)</span><span style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">古い体制下におけるドイツの学問の熱心な(<span lang="EN-US">supererogatory</span>)性格が広く理論的に推定する問題をつきつけるような大規模な技術が欠けていることと結びついていることは疑いない。社会生活が階級にそって組織されていること、また思弁的な価値と信頼性、出生と先例による社会生活の標準化もまた、思弁的な理論構成と、「事実の事象」よりも本質的な、すなわち形而上的な被造物と性質の知識に対する関心とを優遇する傾向に貢献してきただろう。それらの(知識)階級は(有用または儲かる職業に就くことを認めない因習的な礼儀の標準を持ち)、彼らの偏在する貧困のために、スポーツと標準的となっていた浪費の生活にいつも――少なくとも上流階級のゆるみを取り上げるような規模で、かつ気前よく――入ることができなかった。学問は、このきわめて多数の、またきわめて貧しい紳士階級の手の届く範囲にある形の浪費であり、彼らの手元でより多くの注目を集め、また例えばイングランドまたはフランスにおけるよりも上品な性格のしるしとしてより確信的に評価されるようになった。しかし、利益をもたらすか、または利益をもたらすかもしれない、あるいは生計の必要や世俗的な産業の方法と手段に密接に関連する諸問題にかかわる学問は、とりわけ産業が世俗的な肉体労働の性質を典型的に持っており、肉体労働が紳士にとって因習的にタブーとなっている社会である限り、上品ではありえなかった。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal">
<span lang="EN-US" style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">(21)</span><span style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">典型的にはフリードリヒ大王の追求したようなプロイセンのこの経済政策のおそらく最も簡潔で、なおかつ最も解明的な報告は、シュモラー教授の報告であろう。『重商主義体系』(『経済学の古典』に再版された翻訳、アシュリー編)。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal">
<span lang="EN-US" style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">(22)</span><span style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">それは少なくとも同等の説得力をもって日本の事例にも当てはまり、実に日本の事例は、これに関連して、きわめて印象的にドイツの事例に類似している。『人種の発展誌』、一九一五年七月の「日本の機会」を参照。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal">
<br /></div>
Unknownnoreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-7801649817273939885.post-62667724356764516492019-08-25T20:20:00.004+09:002019-08-25T20:20:57.930+09:00帝政ドイツと産業革命 第二章 古い秩序 3 異教的アナーキー(異教時代の無秩序) 前回の更新(第二章の2の訳文掲載)から長い時間が経ってしまった。<br />
<br />
今回の部分は、北欧のゲルマン諸民族が「王朝国家」を形成する以前の古い、といっても決して「太古的」というわけではないが、まだキリスト教が広まる以前の「異教時代」を叙述したものである。<br />
ここで「アナーキー」(anarchy)とカタカナ(英語)のままにしておいたのは、まだ「王朝国家」が成立する以前の時代にかかわることなので、ある種の「無政府状態」であったのは言うまでもないけれど、ただ政府が存在しないというだけにとどまらず、ある種の自由な、あるいは無秩序・無規律な状態を示しているように見え、これを表すのにぴったりの適切な日本語が思いつかなかったためである。とりあえず「アナーキー」のままにしておいたが、もちろん「異教時代の無秩序」でもよいのかもしれない。<br />
<br />
<br />
ソースティン・ヴェブレン『帝政ドイツと産業革命』(1915年)<br />
第二章 古い秩序 <br />
<br />
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<div class="MsoNormal">
<span style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-bidi-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;"> 3 異教的アナーキー</span></div>
<div class="MsoNormal">
<br /></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 11.0pt;">
<span style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">キリスト教に改宗し、それに続いてキリスト教の世界史に入る前のバルト諸民族の文化については、同時代やほぼ同時代の記録がない。したがって、その文化を少なくともかなりよく後に残し、かつそれを多少とも異質な社会状態と見ていた書き手が見ていたような、事情を回顧的に示すような証拠を除くと、その文化諸制度に関する直接の証拠は現存しない。したがって先史時代のバルト文化の、物質的な関連以外の状態を示すものは、不充分な文書と状況証拠にもとづく再構成という性質を持たざるをえない。とはいえ、バルト文明の支流と考えられるイングランド人やドイツ人の長期にわたる素質と遺伝的才能を理解しようとする努めるためには、この先史時代の社会状態を明確に概念化することがきわめて必要であり、そこで冒険の危険を甘受し、この目的のために利用できる資料を最大限に活用することが必要となる。資料は最善であっても、まだまだ不足していることが多い。しかし、人間の諸制度に関するどんな調査もそんな場合には「常に最善で充分である」という警句に立ち戻らなければならず、かくして手元にあるものを最大限に活用しなければならないであろう。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 11.0pt;">
<br /></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 11.0pt;">
<span style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">スカンジナビア諸国の後期異教文化が与える見通しを通して振り返るとき、この地域の考古学資料の提供する背景に照らして見れば、バルト沿岸地帯社会の先史時代の社会状態の概略的で暫定的な再構成を試みることができよう。そのような暫定的な記述の目的は、今日の北欧諸民族がおそらく遺伝的な気質と能力によって最も適合している生活体系と産業技術の状態を、換言すれば生まれつき適合し、もし環境が許すならば自分たちの「自然状態」として入りこむことになった生活体系と産業技術の状態を、また北欧の金髪雑種人口にとって本質的に異質な異なった生活様式を要求するもっと後の産業技術の状態の圧力を受けて習慣化によってのみ転換・離脱してきた生活体系と産業技術の状態を、できるだけ近似的に示すことである。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 11.0pt;">
<span style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">市民的な機構の中では、すべての権力は、厳密な公式的な分類ではないとしても事実上は自由保有農民からなる人々の集会に最終的にゆだねられている。それは肩書き上、身体強健で資産を持つ地位にある男性市民を含むが、公式的には自由人のどんな部分をも除外せず、おそらく絶対に厳格にではないとしても、すべての女性を排除する。この協議のための集会は、実際に行使された権力としては、立法、執行(ごくわずか)および司法の権力を行使した。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoListParagraph" style="margin-left: 18.0pt; mso-list: l1 level1 lfo1; mso-para-margin-left: 0gd; text-indent: -18.0pt;">
<span lang="EN-US" style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-bidi-font-family: "MS 明朝"; mso-bidi-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;"><span style="mso-list: Ignore;">(1)</span></span><span style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">注3、<span lang="EN-US">302</span>ページを参照。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoListParagraph" style="margin-left: 18.0pt; mso-list: l1 level1 lfo1; mso-para-margin-left: 0gd; text-indent: -18.0pt;">
<span lang="EN-US" style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-bidi-font-family: "MS 明朝"; mso-bidi-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;"><span style="mso-list: Ignore;">(2)</span></span><span style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">武装した身体強健な男性たちに参政権を賦与するという制限と、武装して集会に参加しなければならないという条件は、彼らがもっと昔のヨーロッパ文明国に侵入した時期と侵入後の時期のこれら野蛮人の略奪者的な群れ(バンド)や戦士社会に観察されるのであり、古代のスカンジナビアに行われていたようには見えない。むしろ少なくとも集会における武器の時折の禁止があった。しかし、そのいったすべての問題は緩やかな形で市民の選択にまかされていたように見える。実践は変化してきたように見える。</span></div>
<div class="MsoListParagraph" style="margin-left: 18.0pt; mso-list: l1 level1 lfo1; mso-para-margin-left: 0gd; text-indent: -18.0pt;">
<br /></div>
<div class="MsoListParagraph" style="margin-left: 18.0pt; mso-list: l1 level1 lfo1; mso-para-margin-left: 0gd; text-indent: -18.0pt;">
<span style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;"></span></div>
<div class="MsoListParagraph" style="margin-left: 18.0pt; mso-list: l1 level1 lfo1; mso-para-margin-left: 0gd; text-indent: -18.0pt;">
<span style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;"><span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal">
<span style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">警察権はあったとしても無きに等しいが、それでも確立した治安規制の慣習はある。そして国王の農場外では「国王の平和」の観念はない。また人民集会地区の外部にはなんらかの種類の公的権力の強いる「公安」の観念がない。この市民的組織全体を通じて際立っていることは、それが隣人的な自治の考えに依拠しているという証徴であり、その自給的な隣人関係の内部では、――個人や集団が耐えがたい公的な迷惑へと拡大しないように、自分の親族の支援を得て、また最終的には自警団の結成もありうることに示されるような忍耐の緩やかな限度内であるが――自分自身の利害を守るために個人が全面的に依拠されているという点である。
<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 11.0pt;">
<span style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">この市民体制は、強制的な統御を行使しない協議集会の常識によって制限される無秩序(アナーキー)であると説明できよう。あるいは、もしその傾きの表現がよいならば、執行権力を停止している民主的な政府と呼んでもよいもしれない。そのすべてが、法制度、合法性の観念が、またはそのような社会で生じる傾向のあるあらゆる事態をカバーする特定の、また細かい法条項の観念さえないことを意味するわけではいささかもない。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 11.0pt;">
<span style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">そのような不服従にもとづく準無秩序な社会統御の体系は、それが優遇する自然的な性向――その公正の倫理的または審美的な意味――にもとづいてのみ取り入れられうる一方で、その実践可能性は特定の機械的な環境に制約されている。その体系は集団内部の人的関係に依存しており、その支配が及ぶ集団は、そのような人的および非公式の関係の限度内に制限されるにちがいない。それは事物の性質上(本質的に)近隣組織であり、近隣関係の有効な範囲を越えると適用されない。したがって、それは、必要な産業関係がそのような隣人的な接触の可能性を超えない時に、その限りで実践可能である。そして産業の遂行またはその結果生じる経済関係の規模を過度に増やすような産業技術の状態のどんな知覚できる進歩でもあれば、社会の無秩序な体系はますます不安定になる。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 11.0pt;">
<span style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">早晩、一方の産業社会の伸長によって機械的に実現可能なもの、というよりむしろ不可避的なものと、他方の隣人の常識的な監視というアナーキーな体制の最大限の可能な限度との裂け目は埋め合わせられないほど大きくなる。そこで、旧体制は、組織の効率の条件をなす一体化した感情の同意の有効限度をはるかに超える組織規模をもたらす累積的変化の影響を受けて崩壊せざるをえないことは明白である。その徴に、変化する環境の下でこうした性質を持つ文化を数千年にもわたって発展させることによって、こうした生活様式の規模に対して優れた適応性を示した民族は、おそらく、これらの穏やかな限界を大幅に超える産業技術の状態が強要する条件には安住できないであろうし、またそこで、これらの新しい条件の下で、同じ規模の文化的なバランスと優雅さ、人々の快適さと満足、または健全などこでも見られる多産性などを達成することもできないであろう。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 11.0pt;">
<span style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">より大きい物的装置を必要とするか、より大きい範囲の事業を認めるような産業技術が進歩するとともに、そのために必要な手段の所有者は、隣人的な監視が効果的な限度を越えて自分の事業を拡張できる立場に入りこむ。彼がこうした限度を越えて引き受けることは、アナーキーな支配下では、その限度内に住んでいる自分の隣人たちに関与しない。実際、外部のどんな事業でも、彼は自分の従事する取引が隣人たちを侵害しない限り、自分にとってよいと思われるように生きることが正しく善なることなのだから、「生き、かつ生かす」という規則の下では、近隣者の道徳的支持を得るだろう。そして必要に備えて、彼は、集団的連帯という常識的な魂が隣人たちを支える限り、かなりの程度に隣人集団の積極的な支持を得るだろう。他の社会、とりわけ遠く離れている社会を、また特に異質(疎遠)と感じられるような社会を犠牲にした利得は、内部で育まれた習慣の基準にてらせば不愉快なものではない。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 11.0pt;">
<span style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">同時に、財産を重んずる文化におけるあらゆる金銭上の利得がそうであるように、そのような利得は、利得を得る人の地位を引き上げる。そして、その構成員中の誰かに外部から移転するすべての利益は、集団的連帯という無批判的だが至る所に見られる感覚の判断によって、その社会にとっての利益であるかのように感じられる。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoListParagraph" style="margin-left: 18.0pt; mso-list: l0 level1 lfo2; mso-para-margin-left: 0gd; text-indent: -18.0pt;">
<span lang="EN-US" style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-bidi-font-family: "MS 明朝"; mso-bidi-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;"><span style="mso-list: Ignore;">(1)</span></span><span lang="EN-US" style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-bidi-font-family: "MS 明朝"; mso-bidi-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">この集団的連帯の感覚は、明晰な推論によって簡単に説明することのできないような人種心理学の特徴となっている。しかし、それは疑いなく人間性の不透明な遺伝的事実として受け入れられなければならないだろう。またこの性向を欠くか、それともそれを不十分にしかそなえていないどんな人種の型もこの特徴を持つような型との生物学的競争の中で確実に消えたに違いないのだから、選択的生存(適者生存)の論理によって十分容易に説明し得る。</span><span style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">――人間生活が、少なくともここで問題となっている人種にかかわる人類の生活史の分節を通じて、集団によってのみ続けられてきた限りで――。この性向が効果的に実在し、無批判的に効率であることは、国際貿易の問題にかかわる近代諸国民の態度に見られる。そこでは、貿易は直接にかかわっている実業家たちの利得のために続けられている。またそこでは、当国の実業家たちのものとなるような利益から社会全体に利益が生じると考えることなどは精査に耐えないだろう。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal">
<br /></div>
<div class="MsoNormal">
<span style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">そのような事業の得ることのできる好評と追加的な力は、一方では事業遂行の刺激としての、他方では実施を承認するものとしての役割を果たす。そして、あらゆる利用可能な手段を用いて競争的な利得を追求することが譲り渡すことのできない権利であり、また外部者を犠牲にした利益が自分の所属する社会への奉仕より優先されるべきであるということが、普通の習慣となるに至る。また先史時代についても歴史時代についても明晰な分析によっては説明できないが、古代と近代の用法によってよく認証されており、また遺伝的な短所または遺伝的な長所と評価されるような心理学的詭弁のある種の不明瞭なトリックによれば、集団的連帯の感覚は、達成感と一体化し、集団の構成員全体が高貴な身分にあるどの集団構成員の達成にも幸せを感じるというような効果をもたらす。この感情的詭弁はきわめて広く通用するので、社会は外部者を犠牲にした特定の構成員個人の地位上昇の成功を承認し、喜んでいるようという相貌を示すだけではない。社会はまたよく考えずに、自己を明らかに犠牲にして、また新規事業から利得――例えばローヤルティの徴取のような――を受けとらないことが確実なのに、そのような事業をすすめることになる。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 11.0pt;">
<span style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">つまり旧秩序の小規模な王国の市民は、王国の領土を拡大し、自分たちの君主の家産に第二の王国を追加しても、物質的な利益を得ないだけではなく、それどころか彼らの利益はおそらくそのような帰結を避けることにこそあった、とまったく確かに言うことができる。健全な論理によれば、市民は君主の野望をくじく方策をとるべきだった。ところが、実際には、彼らはそうした王朝権力を強める企てをおしすすめるためにかなりの努力をした。もちろん、それ以来ずっとそれこそが王朝の戦争史であり政治史であった。君主の要求と役得は小さな近隣諸王国という旧秩序の下ではきわめて少なく不規則だったように見える。しかし、王の領地が王を隣人的な感情による効果的な監視の限度を超えるような規模に拡大するやいなや、――すなわち、その領域が一つのこじんまりとした隣近所の程度を越えて拡大するやいなや――君主は、別の君主から奪い取りながらその隣接地の忠誠を利用することが出来たであろう。そして君主権は、次にやがて産業技術の状態によって付加される限界以外には、その持続的な拡大に対するどんな障害も見いださないことになっただろう。この限界は、主に自由にできる交通手段によって決定され、また副次的には君主が自分の領地を拡大し、より広くなった領地を統御する際に用いる部下と手段を調達するために依存する社会の生産効率によって決定された。習慣化は、君主の支持によって強化・認証されながら、忠誠という美徳を生み出した。そして、最後には――旧秩序の最後には――、
「生き、かつ生かす」という統治は、国王が自分にとって好ましいと考えるように生き、また普通人が自分のあがめる王が自分に授けるように生きるという規則に変容するに至った。この集団的連帯への傾向は、彼らの信任する代弁者の権力が強化されることを承認する傾向と一体化し、それは、旧秩序の下で隣人的な忍耐とならんで家の支柱をなしていた不従順と自発性とに代わって、自己利益の否認が新秩序の主要な美徳になるという結果をもたらした。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 11.0pt;">
<span style="font-family: "MS 明朝","serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">この時点の事業は二つの主要な線に従っていたように見える。両者は異なっているが、いずれも結局のところほぼ同じ結果をもたらしている。<span lang="EN-US">(a) </span>地方の国王たちは、自分たちの領地を拡張し、帝国のための闘争には不適当な類の王を廃し、その相続権を奪い、かくしてより大きい領域へと統合した社会に以前より専制的な支配をおしつけ始めた。<span lang="EN-US">(b)</span>不安な若者や、君主権の圧力増加を耐え難く感じるより高齢の者たちは、冒険的に仲間を結成し、新しい土台への道を外部にきり開くか、混乱の中で衰退した。いまや「祖国」となっている土地を蹂躙し、服従させたあの略奪者の集団は、この階級の出自であるように見える。これらの群集、例えばヘルリ(<span lang="EN-US">Heruli</span>)の群集のような群集の中に時折現れる群集は、王族の子によって導かれていたかもしれないが、それは通常の事例ではなかったようである。しかし、いずれにせよ、その結果は、準無政府主義的な自治という旧秩序がやがて無責任な権威と臣従とに席を譲ったという点では、まったく同じである。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal">
<br /></div>
Unknownnoreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-7801649817273939885.post-64329949719684083182019-08-03T11:48:00.002+09:002019-08-03T11:48:25.834+09:00企業者の失業に対する態度 経済学を科学する(1) 企業者は労働者の「失業」(unemployment)、すなわち過小雇用についてどのような態度をとるか? あるいは、どのような状態が望ましいと考えているだろうか?<br />
<br />
このように問題を提起すれば、ほとんどの人は、「失業がないのが好ましい」に決まっているし、企業者も血の通った人間である以上、そう思っているはずと答えるのではないだろうか?<br />
<br />
たしかに企業者が血の通った人間だということは間違いなく、またそのような人間としては失業で人々が苦しむことを望んだりしないだろう、と考えられる。あるいは、もっと一般化して言えば、人々の労働条件がよくなることを望んでいるであろう、ブラック企業などもっての他だ、と考えるかもしれない。<br />
<br />
しかし、もしそうだとしたら、何故ブラック企業がはびこり、また失業はなくならないのであろうか?<br />
このように問うてくると、多くの人は、少し考えてから、ブラック企業が現れるのは、あるいは企業がブラック化するのは、企業が激しい競争に晒されているからだとか、失業は少なくとも個別の企業者の責任ではなく、彼らの思惑を離れた複雑怪奇な経済活動の結果だと答えるかもしれない。<br />
<br />
この回答には、経済科学が考慮するべき点が含まれているかもしれない。<br />
それは企業者はやはり単に善良な意思を持つ隣三軒両隣の普通の人ではなく、企業者としての立場(position)にあり、企業者として行動するべきことを(少なくとも一部の)利害関係者から期待されているということでああろう。すなわち、企業者、例えば雇われ社長としては、自分の任期中に会社の利潤をできるだけ増やし、株主に対する配当、経営者への報酬、内部留保を増やさなければならない、等々である。もし、これがかなわなければ、二年後三年度の株主総会で自分自身が解雇され、失業してしまうかもしれない。<br />
<br />
では、経済学はこれについてどのような回答を用意しているだろうか?<br />
ここでも、経済学者はいくつかの意見を異にするグループに分かれる。そして、このグループ分けは、本ブログでも繰り返して説明してきたものに他ならない。<br />
1 新古典派<br />
いわゆるニュー・ケインズ派、マネタリスト(通貨学者)を含む。 <br />
2 ポスト・ケインズ派<br />
ケインズの流れを汲むグループとカレツキの系列では若干意見が相違する。 <br />
3 マルクス派<br />
他ならぬ、マルクス自身の説明がある。 <br />
4 制度派<br />
T・ヴェブレンは、これについて明確な説明を持っていた。<br />
<br />
ここにあげた4つの流れは、ここで提起されている問題について、さらにいくつかの小グループに分けられるかもしれないが、相互に共通する、あるいは類似する見解を持っているとも言いうる。<br />
きわめてルーズに言えば、1)新古典派が失業を自然現象として説明するか、その責任を労働者のせいにする傾きがきわめて強いのに対して、2)~4)は、むしろ本質的に企業のありかた、ということは資本主義のありかた(分かり易く言えば「欠陥」)に密接に関係しており、 例えばカレツキ、マルクス、 ヴェブレンのように、企業者の態度・行動に帰せられるという点で一致している。<br />
もしそれらの間に相違があるとしたら、それはその「欠陥」が資本主義の修正によって取り除くことが可能なのか否かという「ビジョン」の相違に由来すると言ってもよいように思われる。しかし、終局的な解決方法の如何を別とすれば、したがって100年、200年先といったようにそれほど遠い将来ことでなければ、むしろ共通性の方が強いとも言えるだろう。<br />
<br />
それを制度派のT・ヴェブレンの用語で表現すれば、「失業」は、「事情がゆるす限り、他の人々(つまり大抵は、多数の労働者)を犠牲とした多くの利得」(What the traffic bears) を目的とする資本主義体制に特有の現象にほかならない。「失業」、あるいは生産要素の過小雇用は、そのために費用(その中では人件費が最も重要)を引き下げるために行われる最も通常な、どこでも行われる方法である。もちろん、そのことは公然の秘密とされなければらず、またそれ以上に他の様々な宣伝・方策によって糊塗されている。<br />
<br />
<br />
さて、経済学はこの問題をどう説明しようとしているか、そしてどれが最も事実に近いのか、これが問題である。 (この項、続く)<br />
<br />Unknownnoreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-7801649817273939885.post-48923928636164580092019-07-27T18:46:00.001+09:002019-07-27T18:46:24.618+09:00愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ 「経験」と「歴史」はどう違うか?<br />
<br />
その前に、歴史はおろか、経験にさえ学ぼうとしない人もいるかもしれないと思うと、ともかく学ぼうとするのはよほどましということになるかもしれないと思う。<br />
<br />
さて、夏目漱石の「創作家の態度」というエッセイは、漱石としてはめずらしく一種哲学的な趣のあるエッセイだが、ちょっと読んだところでは、その辺にある哲学書の解説というよりは、自分の脳で考えたものらしい。ただ、その中で最初の部分に「ジェームスと云う人」に言及しており、その人の「吾人の意識するところの現象は皆選択を経たものだと云う事」を紹介している。後の方になると、かなり難しい議論を展開しているが、これなどは最初の導入部だけあってずいぶんと分かり易い。<br />
「経験」というのは、皆、個人個人の生涯(life-history)の限度中で得られた体験であることは言うまでもないが、それだけでなく、何らかの「選択を経たもの」であるという制限・制約を受けていることになり、歴史に比べていっそう狭くるしいものであることはわかる。しかも、個々人にこうした選択をさせる脳(意識)の働きは、漱石が別の処で論じている「模倣」、つまり社会学でいうところの「社会化」、広い意味での「教育」によって条件づけられており、当該個人を育ててきた社会(国、地域、一族、家族など)の「バイアス」(ある傾向への偏り)、「先入観」(preconception)、「思考習慣」--これはソースティン・ヴェブレンの用語から借用している--の働きに関与していると言えるだろうから、国籍や地域性によって異なるということもできよう。<br />
またこれとはことなった方向から考えることもできるように思う。<br />
「柳の下にドジョウはいない」ということわざがあるが、これは、ある人がある時にたまたま柳の木の下を流れる流れにドジョウを見つけ、獲ることが出来たとしても、柳の下を流れる川で常にドジョウを捕まえることができるわけではないことを示したものである。言うまでもなく、仏教の有難い御経をひもとかなくても、すべての現象・事象は相互依存的に生成する(dependent-rising)という縁起が成り立つことは、ちょっと哲学的な思考をすることができる人には自明の理である。ある時に川にドジョウがいたのは、そのための他の諸条件が整っていたからに他ならない。私が子供の頃は、春まだ田圃の耕作が始まる前だったか、刈り取りが終わった後だったかよく覚えていないが、シャベルで田圃の土をかくとドジョウがうようよといたものだが、いまはいない。強力な殺虫剤、多分今では使用されていないホリドールという強烈な薬品によって絶滅したからであろう。そういえば、昔は田圃のあちこちにいたタニシ(貝)もいない。ただ、源氏ホタルのエサになる「ビンドジ」という巻貝は郷里の家の後ろの池とも側溝とも言えない処に細々と生息しており、そのために我が旧家は貴重な源氏ホタルの発生地となっている。<br />
<br />
つい話しがそれてしまうが、経験とはどのようなものかを説明、いや自分で納得するために考えながら書きつらねているため、ついそうなってしまう。<br />
さて、以上の「経験」と対比すると、おそらく歴史とはそうした個人個人の選択を経た経験を越えるものということになろう。でなければ、この文章にとって都合が悪い。<br />
それはむしろいくつかの層からなる人々(社会)の経験を脱構築する(deconstruct)ものでなければならない。それは少なくとも、様々な人を特定の方向に偏らせる諸要因を自覚化させるものでなければならず、したがってある選択をもたらした意識上の諸要因を明らかにするものでなければならない。 <br />
またそれは別の観点から言うと、相互依存的な世界をそのようなものとして見直し、その相互依存関係、あるいは因果関係の実相にせまるものでなければならない。<br />
<br />
さて、自分は何故このようなどうでもよさそうなことにこれほどにこだわっているのか?<br />
それは、私のちょっとした経済学上のこだわり(発見というほどのものではない。というのはすでに多くの人が指摘しているようにも思うためである)に解決の糸口を見つけることができるかもしれないと考えるためである。その発見というのは、経済が例えば「オランダ病」や「イギリス病」、そして現今の「日本病」などの病に罹った場合、 人々は合理的に行動し、その病から脱出する手段を簡単に見つけることができるのではなく、むしろ反対に悪化する方向の行動(経済的行動にとどまらず、政治的選択を含める)を取ることが往々にしてありうるということに他ならない。<br />
さすがに、ケインズは、『一般理論』の本論で、彼の基礎理論を展開し終えたのち、最後の部分でこれに取り組んでいるように見える。彼の見解は「思想」と「与えられた利害関係」(idea and vested interest)というものである。ただし、この両者は別々のものであるかのように捉えられているかもしれないが、分かちがたく相互に密接に関連していると捉えるのがよいように思う。また彼が本論中で指摘した「合成の誤謬」という論理的誤謬も両者の関連を歴史の中で具体的に把握するためには、論理的な環として重要なことであるように思われる。しかし、従来の経済研究の中では、この側面を深めることはあまり追求されてこなかったように思う。<br />
<br />
ともあれ、いわゆる経済学研究が政策科学として成立するためには、こうした制度派的な視角からの分析が必須であるように思う。<br />
Unknownnoreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-7801649817273939885.post-28803743920970853652019-07-23T08:58:00.000+09:002019-07-23T09:03:41.688+09:00漱石もマルクス『資本論』を読み、金権腐敗の輩に筆誅を加えていた 私も見習わねば・・・<div class="" data-block="true" data-editor="3dho4" data-offset-key="232b5-0-0" style="-webkit-text-stroke-width: 0px; background-color: white; color: #1d2129; font-family: Helvetica, Arial, "hiragino kaku gothic pro", meiryo, "ms pgothic", sans-serif; font-size: 14px; font-style: normal; font-variant-caps: normal; font-variant-ligatures: normal; font-weight: 400; letter-spacing: normal; orphans: 2; text-align: start; text-decoration-color: initial; text-decoration-style: initial; text-indent: 0px; text-transform: none; white-space: pre-wrap; widows: 2; word-spacing: 0px;">
<div class="_1mf _1mj" data-offset-key="232b5-0-0" style="direction: ltr; font-family: inherit; position: relative; text-align: left; white-space: pre-wrap;">
<span data-offset-key="232b5-0-0" style="font-family: inherit;"><span data-text="true" style="font-family: inherit;"> 1997年に財界(大企業)が雇用戦略を転換し、労働条件の改悪、賃金抑制を実施しはじめたことは、経済学をやっている人ならほぼ誰でも知っている。実際、賃金率は名目・実質ともに低下しはじめた。それがデフレ不況(本質的には賃金デフレ)の開始である。当時、比較的ましだった日銀は、それに警鐘をならした。賃金低下→購買力低下→有効需要不足→不況→デフレ圧力→賃金低下のスパイラルを懸念したからである。</span></span></div>
</div>
<div class="" data-block="true" data-editor="3dho4" data-offset-key="c9iql-0-0" style="-webkit-text-stroke-width: 0px; background-color: white; color: #1d2129; font-family: Helvetica, Arial, "hiragino kaku gothic pro", meiryo, "ms pgothic", sans-serif; font-size: 14px; font-style: normal; font-variant-caps: normal; font-variant-ligatures: normal; font-weight: 400; letter-spacing: normal; orphans: 2; text-align: start; text-decoration-color: initial; text-decoration-style: initial; text-indent: 0px; text-transform: none; white-space: pre-wrap; widows: 2; word-spacing: 0px;">
<div class="_1mf _1mj" data-offset-key="c9iql-0-0" style="direction: ltr; font-family: inherit; position: relative; text-align: left; white-space: pre-wrap;">
<span data-offset-key="c9iql-0-0" style="font-family: inherit;"><span data-text="true" style="font-family: inherit;"> 本来なら政府も「そんな馬鹿なことをしてはならない」と諭すべきところだった。ところが、橋本、小泉「構造改革」(リストラ)は、諭すどころか、推進さえした。</span></span></div>
</div>
<div class="" data-block="true" data-editor="3dho4" data-offset-key="34tkb-0-0" style="-webkit-text-stroke-width: 0px; background-color: white; color: #1d2129; font-family: Helvetica, Arial, "hiragino kaku gothic pro", meiryo, "ms pgothic", sans-serif; font-size: 14px; font-style: normal; font-variant-caps: normal; font-variant-ligatures: normal; font-weight: 400; letter-spacing: normal; orphans: 2; text-align: start; text-decoration-color: initial; text-decoration-style: initial; text-indent: 0px; text-transform: none; white-space: pre-wrap; widows: 2; word-spacing: 0px;">
<div class="_1mf _1mj" data-offset-key="34tkb-0-0" style="direction: ltr; font-family: inherit; position: relative; text-align: left; white-space: pre-wrap;">
<span data-offset-key="34tkb-0-0" style="font-family: inherit;"><span data-text="true" style="font-family: inherit;"> そして、多くの有権者が「構造改革」というキャッチコピーに踊らされた。マイナス思考の構造改革を批判する私などがむしろ守旧派と非難される始末だった。しかしである、1906、7年頃になるとさすがに雰囲気が変化しはじめてきた。賃金低下、非正規雇用の増加に疑問を持つ人が増え始めたのである。以前は私の言うことに聞く耳をもたなかった人が「佐藤さんの言うことが分かってきました」という人も現れてきた。その間、実に10年もかかっている。そしてその間に非正規雇用は増え、賃金水準は低下し、出生率は低下しつづけ、ブラック化する企業が増えた。</span></span></div>
</div>
<div class="" data-block="true" data-editor="3dho4" data-offset-key="eue7h-0-0" style="-webkit-text-stroke-width: 0px; background-color: white; color: #1d2129; font-family: Helvetica, Arial, "hiragino kaku gothic pro", meiryo, "ms pgothic", sans-serif; font-size: 14px; font-style: normal; font-variant-caps: normal; font-variant-ligatures: normal; font-weight: 400; letter-spacing: normal; orphans: 2; text-align: start; text-decoration-color: initial; text-decoration-style: initial; text-indent: 0px; text-transform: none; white-space: pre-wrap; widows: 2; word-spacing: 0px;">
<div class="_1mf _1mj" data-offset-key="eue7h-0-0" style="direction: ltr; font-family: inherit; position: relative; text-align: left; white-space: pre-wrap;">
<span data-offset-key="eue7h-0-0" style="font-family: inherit;"><span data-text="true" style="font-family: inherit;"> 今また「アベノミクス」なるキャッチコピーに踊らされている人がいる。たしかに小泉「構造改革」と異なっているところがある。それは盛んにデフレ克服、「物価上昇」を叫んでいるところだ。しかし、人々(特に零細業者や労働者)の名目所得(賃金、年金)の引き上げが先行する物価上昇(例えば名目所得が年に2パーセント上昇し、その結果1パーセント物価が上昇するなど)ならともかく、金融操作でまず物価を2パーセント引き上げるなど、愚の骨頂だ。人々の所得が増えないままに物価が上がったら、実質所得が減り、そして人々はますます節約するばかりである。</span></span></div>
</div>
<div class="" data-block="true" data-editor="3dho4" data-offset-key="9m8tg-0-0" style="-webkit-text-stroke-width: 0px; background-color: white; color: #1d2129; font-family: Helvetica, Arial, "hiragino kaku gothic pro", meiryo, "ms pgothic", sans-serif; font-size: 14px; font-style: normal; font-variant-caps: normal; font-variant-ligatures: normal; font-weight: 400; letter-spacing: normal; orphans: 2; text-align: start; text-decoration-color: initial; text-decoration-style: initial; text-indent: 0px; text-transform: none; white-space: pre-wrap; widows: 2; word-spacing: 0px;">
<div class="_1mf _1mj" data-offset-key="9m8tg-0-0" style="direction: ltr; font-family: inherit; position: relative; text-align: left; white-space: pre-wrap;">
<span data-offset-key="9m8tg-0-0" style="font-family: inherit;"><span data-text="true" style="font-family: inherit;"> 私が元持っていた新潟市のある社会人経済教室では、年金生活者の一人がそのことに激怒さえしていた。</span></span></div>
</div>
<div class="" data-block="true" data-editor="3dho4" data-offset-key="6kblu-0-0" style="-webkit-text-stroke-width: 0px; background-color: white; color: #1d2129; font-family: Helvetica, Arial, "hiragino kaku gothic pro", meiryo, "ms pgothic", sans-serif; font-size: 14px; font-style: normal; font-variant-caps: normal; font-variant-ligatures: normal; font-weight: 400; letter-spacing: normal; orphans: 2; text-align: start; text-decoration-color: initial; text-decoration-style: initial; text-indent: 0px; text-transform: none; white-space: pre-wrap; widows: 2; word-spacing: 0px;">
<div class="_1mf _1mj" data-offset-key="6kblu-0-0" style="direction: ltr; font-family: inherit; position: relative; text-align: left; white-space: pre-wrap;">
<span data-offset-key="6kblu-0-0" style="font-family: inherit;"><span data-text="true" style="font-family: inherit;"> アベノミクスは実際には「アホノミクス」であり、「アベコベノミクス」である。それが日本の社会経済に活気をもたらすことは原理的に言ってありえない。というのは、それは、人々、特に日本の80パーセントを占める個人業者、中小零細企業で働く人々、年金生活者の労働条件と生活をよくする方策ではないからである。それは以前として下請け企業や労働者をt犠牲にして大企業に内部資金をせっせとと蓄えさえ、その内部資金を守るための官制の株価を維持する政策にすぎないからである。</span></span></div>
</div>
<div class="" data-block="true" data-editor="3dho4" data-offset-key="f34f1-0-0" style="-webkit-text-stroke-width: 0px; background-color: white; color: #1d2129; font-family: Helvetica, Arial, "hiragino kaku gothic pro", meiryo, "ms pgothic", sans-serif; font-size: 14px; font-style: normal; font-variant-caps: normal; font-variant-ligatures: normal; font-weight: 400; letter-spacing: normal; orphans: 2; text-align: start; text-decoration-color: initial; text-decoration-style: initial; text-indent: 0px; text-transform: none; white-space: pre-wrap; widows: 2; word-spacing: 0px;">
<div class="_1mf _1mj" data-offset-key="f34f1-0-0" style="direction: ltr; font-family: inherit; position: relative; text-align: left; white-space: pre-wrap;">
<span data-offset-key="f34f1-0-0" style="font-family: inherit;"><span data-text="true" style="font-family: inherit;"> 現在の安倍政治は、金権政治(plutocracy)であり、一部の財界(グローバルな巨大企業)の利益をはかるものにすぎない。それを支える政治屋はいつもは金満家のご機嫌をうかがいながら、選挙のときだけは有権者に愛想わらいを浮かべる。その証拠に、消費増税は財界のご意向であり、内外金融利害の圧力によるものであり、それによってのみ大企業や富裕者の減税の穴埋めができているという「事実」がある。ただし、これが「事実」だということは、ここでは詳しく展開しません、よ。</span></span></div>
</div>
<div class="" data-block="true" data-editor="3dho4" data-offset-key="58ag6-0-0" style="-webkit-text-stroke-width: 0px; background-color: white; color: #1d2129; font-family: Helvetica, Arial, "hiragino kaku gothic pro", meiryo, "ms pgothic", sans-serif; font-size: 14px; font-style: normal; font-variant-caps: normal; font-variant-ligatures: normal; font-weight: 400; letter-spacing: normal; orphans: 2; text-align: start; text-decoration-color: initial; text-decoration-style: initial; text-indent: 0px; text-transform: none; white-space: pre-wrap; widows: 2; word-spacing: 0px;">
<div class="_1mf _1mj" data-offset-key="58ag6-0-0" style="direction: ltr; font-family: inherit; position: relative; text-align: left; white-space: pre-wrap;">
<span data-offset-key="58ag6-0-0" style="font-family: inherit;"><br data-text="true" /></span></div>
</div>
<div class="" data-block="true" data-editor="3dho4" data-offset-key="3s2ci-0-0" style="-webkit-text-stroke-width: 0px; background-color: white; color: #1d2129; font-family: Helvetica, Arial, "hiragino kaku gothic pro", meiryo, "ms pgothic", sans-serif; font-size: 14px; font-style: normal; font-variant-caps: normal; font-variant-ligatures: normal; font-weight: 400; letter-spacing: normal; orphans: 2; text-align: start; text-decoration-color: initial; text-decoration-style: initial; text-indent: 0px; text-transform: none; white-space: pre-wrap; widows: 2; word-spacing: 0px;">
<div class="_1mf _1mj" data-offset-key="3s2ci-0-0" style="direction: ltr; font-family: inherit; position: relative; text-align: left; white-space: pre-wrap;">
<span data-offset-key="3s2ci-0-0" style="font-family: inherit;"><span data-text="true" style="font-family: inherit;"> ここまで書いてきたとき、ふと明治・大正時代に同じようなことを述べた文学者がいたことに気づきました。</span></span></div>
</div>
<div class="" data-block="true" data-editor="3dho4" data-offset-key="dc23j-0-0" style="-webkit-text-stroke-width: 0px; background-color: white; color: #1d2129; font-family: Helvetica, Arial, "hiragino kaku gothic pro", meiryo, "ms pgothic", sans-serif; font-size: 14px; font-style: normal; font-variant-caps: normal; font-variant-ligatures: normal; font-weight: 400; letter-spacing: normal; orphans: 2; text-align: start; text-decoration-color: initial; text-decoration-style: initial; text-indent: 0px; text-transform: none; white-space: pre-wrap; widows: 2; word-spacing: 0px;">
<div class="_1mf _1mj" data-offset-key="dc23j-0-0" style="direction: ltr; font-family: inherit; position: relative; text-align: left; white-space: pre-wrap;">
<span data-offset-key="dc23j-0-0" style="font-family: inherit;"><span data-text="true" style="font-family: inherit;"> 夏目漱石です。彼もまた「金権腐敗」の輩が多い、世が激しい格差社会だということに激怒し、ペンをもって「筆誅」を加えんとしていたわけです。実は、漱石は、経済社会のことについては、相当の知識をもっており、また様々な社会経済事象を考え抜く力を持っていました。これについては、近く新しい記事を書いて、紹介したいものです。</span></span></div>
<div class="_1mf _1mj" data-offset-key="dc23j-0-0" style="direction: ltr; font-family: inherit; position: relative; text-align: left; white-space: pre-wrap;">
<span data-offset-key="dc23j-0-0" style="font-family: inherit;"><span data-text="true" style="font-family: inherit;"> 私などはもちろん文才は漱石の足元にも及ばず、漱石の思考力にひれ伏すしかありませんが、せめて「筆誅」を加えんとする志だけは漱石にまけないようにするつもりです。</span></span><br />
<br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<span data-offset-key="dc23j-0-0" style="font-family: inherit;"><span data-text="true" style="font-family: inherit;"><a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEhLGtKgJsmc1V9iomC1A2Qipl3Z8u2T2tgtv1qmCbzoA3MvM_uG0H0do26g7NjA5fGfD_BmTxM-zRgNVhY13cPCYvBYqiay1S8Zgzx8XSdn4ssQVarObeV-Jw7F9JO_O4TmfGhRP-kLIZDu/s1600/2374.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" data-original-height="280" data-original-width="280" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEhLGtKgJsmc1V9iomC1A2Qipl3Z8u2T2tgtv1qmCbzoA3MvM_uG0H0do26g7NjA5fGfD_BmTxM-zRgNVhY13cPCYvBYqiay1S8Zgzx8XSdn4ssQVarObeV-Jw7F9JO_O4TmfGhRP-kLIZDu/s1600/2374.jpg" /></a></span></span></div>
<br />
</div>
<div class="_1mf _1mj" data-offset-key="dc23j-0-0" style="direction: ltr; font-family: inherit; position: relative; text-align: left; white-space: pre-wrap;">
</div>
</div>
Unknownnoreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-7801649817273939885.post-62013993630674940742019-07-22T06:30:00.001+09:002019-07-22T06:30:46.758+09:00安倍政治の転落のはじまり<div class="" data-block="true" data-editor="9q45l" data-offset-key="9evqe-0-0" style="-webkit-text-stroke-width: 0px; background-color: white; color: #1d2129; font-family: Helvetica, Arial, "hiragino kaku gothic pro", meiryo, "ms pgothic", sans-serif; font-size: 14px; font-style: normal; font-variant-caps: normal; font-variant-ligatures: normal; font-weight: 400; letter-spacing: normal; orphans: 2; text-align: start; text-decoration-color: initial; text-decoration-style: initial; text-indent: 0px; text-transform: none; white-space: pre-wrap; widows: 2; word-spacing: 0px;">
<div class="_1mf _1mj" data-offset-key="9evqe-0-0" style="direction: ltr; font-family: inherit; position: relative; text-align: left; white-space: pre-wrap;">
<span data-offset-key="9evqe-0-0" style="font-family: inherit;"><span data-text="true" style="font-family: inherit;">参院選挙が終わった。</span></span></div>
</div>
<div class="" data-block="true" data-editor="9q45l" data-offset-key="ejfia-0-0" style="-webkit-text-stroke-width: 0px; background-color: white; color: #1d2129; font-family: Helvetica, Arial, "hiragino kaku gothic pro", meiryo, "ms pgothic", sans-serif; font-size: 14px; font-style: normal; font-variant-caps: normal; font-variant-ligatures: normal; font-weight: 400; letter-spacing: normal; orphans: 2; text-align: start; text-decoration-color: initial; text-decoration-style: initial; text-indent: 0px; text-transform: none; white-space: pre-wrap; widows: 2; word-spacing: 0px;">
<div class="_1mf _1mj" data-offset-key="ejfia-0-0" style="direction: ltr; font-family: inherit; position: relative; text-align: left; white-space: pre-wrap;">
<span data-offset-key="ejfia-0-0" style="font-family: inherit;"><br data-text="true" /></span></div>
</div>
<div class="" data-block="true" data-editor="9q45l" data-offset-key="ku8q-0-0" style="-webkit-text-stroke-width: 0px; background-color: white; color: #1d2129; font-family: Helvetica, Arial, "hiragino kaku gothic pro", meiryo, "ms pgothic", sans-serif; font-size: 14px; font-style: normal; font-variant-caps: normal; font-variant-ligatures: normal; font-weight: 400; letter-spacing: normal; orphans: 2; text-align: start; text-decoration-color: initial; text-decoration-style: initial; text-indent: 0px; text-transform: none; white-space: pre-wrap; widows: 2; word-spacing: 0px;">
<div class="_1mf _1mj" data-offset-key="ku8q-0-0" style="direction: ltr; font-family: inherit; position: relative; text-align: left; white-space: pre-wrap;">
<span data-offset-key="ku8q-0-0" style="font-family: inherit;"><span data-text="true" style="font-family: inherit;"> 自民党が議席を減らし、改憲勢力が3分の2を割り、ひとまずはほっとしたが、これは安倍政治の転落の始まりとなることは間違いない。</span></span></div>
</div>
<div class="" data-block="true" data-editor="9q45l" data-offset-key="fkbrk-0-0" style="-webkit-text-stroke-width: 0px; background-color: white; color: #1d2129; font-family: Helvetica, Arial, "hiragino kaku gothic pro", meiryo, "ms pgothic", sans-serif; font-size: 14px; font-style: normal; font-variant-caps: normal; font-variant-ligatures: normal; font-weight: 400; letter-spacing: normal; orphans: 2; text-align: start; text-decoration-color: initial; text-decoration-style: initial; text-indent: 0px; text-transform: none; white-space: pre-wrap; widows: 2; word-spacing: 0px;">
<div class="_1mf _1mj" data-offset-key="fkbrk-0-0" style="direction: ltr; font-family: inherit; position: relative; text-align: left; white-space: pre-wrap;">
<span data-offset-key="fkbrk-0-0" style="font-family: inherit;"><span data-text="true" style="font-family: inherit;"> まず消費増税はかなり長期の消費不況をもたらすだろう。東京オリンピックが終わったあと、いっそうの深刻な状況が訪れる可能性が高い。</span></span></div>
</div>
<div class="" data-block="true" data-editor="9q45l" data-offset-key="elpbs-0-0" style="-webkit-text-stroke-width: 0px; background-color: white; color: #1d2129; font-family: Helvetica, Arial, "hiragino kaku gothic pro", meiryo, "ms pgothic", sans-serif; font-size: 14px; font-style: normal; font-variant-caps: normal; font-variant-ligatures: normal; font-weight: 400; letter-spacing: normal; orphans: 2; text-align: start; text-decoration-color: initial; text-decoration-style: initial; text-indent: 0px; text-transform: none; white-space: pre-wrap; widows: 2; word-spacing: 0px;">
<div class="_1mf _1mj" data-offset-key="elpbs-0-0" style="direction: ltr; font-family: inherit; position: relative; text-align: left; white-space: pre-wrap;">
<span data-offset-key="elpbs-0-0" style="font-family: inherit;"><span data-text="true" style="font-family: inherit;"> 三党合意(社会保障の充実のための消費増税)を反故にして、年金やその他の社会保障費を削減してきたため、多くの人に犠牲が転嫁されている。これも景気悪化に寄与する。</span></span></div>
</div>
<div class="" data-block="true" data-editor="9q45l" data-offset-key="c3h2s-0-0" style="-webkit-text-stroke-width: 0px; background-color: white; color: #1d2129; font-family: Helvetica, Arial, "hiragino kaku gothic pro", meiryo, "ms pgothic", sans-serif; font-size: 14px; font-style: normal; font-variant-caps: normal; font-variant-ligatures: normal; font-weight: 400; letter-spacing: normal; orphans: 2; text-align: start; text-decoration-color: initial; text-decoration-style: initial; text-indent: 0px; text-transform: none; white-space: pre-wrap; widows: 2; word-spacing: 0px;">
<div class="_1mf _1mj" data-offset-key="c3h2s-0-0" style="direction: ltr; font-family: inherit; position: relative; text-align: left; white-space: pre-wrap;">
<span data-offset-key="c3h2s-0-0" style="font-family: inherit;"><span data-text="true" style="font-family: inherit;"> 安倍晋三の大企業優遇政策(法人税減税)の穴埋めに消費税が使われており、また米国からの数兆円に達する武器の爆買など、深刻な財政問題も浮上する。</span></span></div>
</div>
<div class="" data-block="true" data-editor="9q45l" data-offset-key="bsg2g-0-0" style="-webkit-text-stroke-width: 0px; background-color: white; color: #1d2129; font-family: Helvetica, Arial, "hiragino kaku gothic pro", meiryo, "ms pgothic", sans-serif; font-size: 14px; font-style: normal; font-variant-caps: normal; font-variant-ligatures: normal; font-weight: 400; letter-spacing: normal; orphans: 2; text-align: start; text-decoration-color: initial; text-decoration-style: initial; text-indent: 0px; text-transform: none; white-space: pre-wrap; widows: 2; word-spacing: 0px;">
<div class="_1mf _1mj" data-offset-key="bsg2g-0-0" style="direction: ltr; font-family: inherit; position: relative; text-align: left; white-space: pre-wrap;">
<span data-offset-key="bsg2g-0-0" style="font-family: inherit;"><span data-text="true" style="font-family: inherit;"> マイナス金利を伴う日銀の異常な金融緩和策によって、ほとんどの銀行は金利収入の道を失い、危機的な状況に陥っている。利潤を取るために、従業員(銀行員)に無理なノルマを課し、社会的に許されない営業活動に手を出している。</span></span></div>
</div>
<div class="" data-block="true" data-editor="9q45l" data-offset-key="8fm60-0-0" style="-webkit-text-stroke-width: 0px; background-color: white; color: #1d2129; font-family: Helvetica, Arial, "hiragino kaku gothic pro", meiryo, "ms pgothic", sans-serif; font-size: 14px; font-style: normal; font-variant-caps: normal; font-variant-ligatures: normal; font-weight: 400; letter-spacing: normal; orphans: 2; text-align: start; text-decoration-color: initial; text-decoration-style: initial; text-indent: 0px; text-transform: none; white-space: pre-wrap; widows: 2; word-spacing: 0px;">
<div class="_1mf _1mj" data-offset-key="8fm60-0-0" style="direction: ltr; font-family: inherit; position: relative; text-align: left; white-space: pre-wrap;">
<span data-offset-key="8fm60-0-0" style="font-family: inherit;"><span data-text="true" style="font-family: inherit;"> 年金財源や日銀マネーを使った株価の官制相場もいつ崩壊するかわからない。</span></span></div>
</div>
<div class="" data-block="true" data-editor="9q45l" data-offset-key="fs8pa-0-0" style="-webkit-text-stroke-width: 0px; background-color: white; color: #1d2129; font-family: Helvetica, Arial, "hiragino kaku gothic pro", meiryo, "ms pgothic", sans-serif; font-size: 14px; font-style: normal; font-variant-caps: normal; font-variant-ligatures: normal; font-weight: 400; letter-spacing: normal; orphans: 2; text-align: start; text-decoration-color: initial; text-decoration-style: initial; text-indent: 0px; text-transform: none; white-space: pre-wrap; widows: 2; word-spacing: 0px;">
<div class="_1mf _1mj" data-offset-key="fs8pa-0-0" style="direction: ltr; font-family: inherit; position: relative; text-align: left; white-space: pre-wrap;">
<span data-offset-key="fs8pa-0-0" style="font-family: inherit;"><span data-text="true" style="font-family: inherit;"> 円安誘導はドル高・輸入品物価高をもたらし、実質賃金や支給年金額の実質的低下を招いてきた。一時は「お友だち」の経団連(要は大企業)が賃金を引きあげるふりをしてきたが、以上のような将来不安から、大企業が従業員の労働条件を悪化させ、賃金を抑制して貯めてきた内部留保(利益剰余金)をひたすら大切に守ろうとしてきた。しかし、株価が低下し、虎の子のマネー資産が減価すれば、一種のパニックが生じることになるであろう。</span></span></div>
<div class="_1mf _1mj" data-offset-key="fs8pa-0-0" style="direction: ltr; font-family: inherit; position: relative; text-align: left; white-space: pre-wrap;">
<span data-offset-key="fs8pa-0-0" style="font-family: inherit;"><span data-text="true" style="font-family: inherit;"></span></span></div>
<div class="_1mf _1mj" data-offset-key="fs8pa-0-0" style="direction: ltr; font-family: inherit; position: relative; text-align: left; white-space: pre-wrap;">
<span data-offset-key="fs8pa-0-0" style="font-family: inherit;"><span data-text="true" style="font-family: inherit;"> </span></span></div>
</div>
<div class="" data-block="true" data-editor="9q45l" data-offset-key="8plcq-0-0" style="-webkit-text-stroke-width: 0px; background-color: white; color: #1d2129; font-family: Helvetica, Arial, "hiragino kaku gothic pro", meiryo, "ms pgothic", sans-serif; font-size: 14px; font-style: normal; font-variant-caps: normal; font-variant-ligatures: normal; font-weight: 400; letter-spacing: normal; orphans: 2; text-align: start; text-decoration-color: initial; text-decoration-style: initial; text-indent: 0px; text-transform: none; white-space: pre-wrap; widows: 2; word-spacing: 0px;">
<div class="_1mf _1mj" data-offset-key="8plcq-0-0" style="direction: ltr; font-family: inherit; position: relative; text-align: left; white-space: pre-wrap;">
<span data-offset-key="8plcq-0-0" style="font-family: inherit;"><span data-text="true" style="font-family: inherit;"> それでも、いままで安倍政権がもってきたのは、「偽ぞう・捏ぞう・安倍晋ぞう」と揶揄される欺瞞政治、マスメディアに対する圧力(政権の広報機関化)などであり、多くの人を「マインド・コントロール」状態に置いてきたからである。しかし、日本のマスメディアの不透明性(政府からの圧力による)は、国連の批判を浴びるにいたっている。また中国、韓国、北朝鮮に対する日本人の不信感を増幅し、ナショナリズムを煽動してきたことが一定の「成果」をあげたためであろう。これは神がかりの異常な政治家が自己の真の姿を糊塗するためにしばしば使う手である。しかし、それもいつまで通用するかはわからない。</span></span></div>
<div class="_1mf _1mj" data-offset-key="8plcq-0-0" style="direction: ltr; font-family: inherit; position: relative; text-align: left; white-space: pre-wrap;">
<span data-offset-key="8plcq-0-0" style="font-family: inherit;"><span data-text="true" style="font-family: inherit;"> </span></span></div>
</div>
<div class="" data-block="true" data-editor="9q45l" data-offset-key="9fi7t-0-0" style="-webkit-text-stroke-width: 0px; background-color: white; color: #1d2129; font-family: Helvetica, Arial, "hiragino kaku gothic pro", meiryo, "ms pgothic", sans-serif; font-size: 14px; font-style: normal; font-variant-caps: normal; font-variant-ligatures: normal; font-weight: 400; letter-spacing: normal; orphans: 2; text-align: start; text-decoration-color: initial; text-decoration-style: initial; text-indent: 0px; text-transform: none; white-space: pre-wrap; widows: 2; word-spacing: 0px;">
<div class="_1mf _1mj" data-offset-key="9fi7t-0-0" style="direction: ltr; font-family: inherit; position: relative; text-align: left; white-space: pre-wrap;">
<span data-offset-key="9fi7t-0-0" style="font-family: inherit;"><span data-text="true" style="font-family: inherit;"> 安倍政治が終わるときには、景気後退が引き金になり、スパイラル的に様々な問題が露呈される可能性がきわめて高くなる。事物は相互に複雑に依存しているからである。そのときに、多くの人々はそれまで隠蔽されていた「アベノミクス」(アホノミクス、アベコベノミクス)の正体をいやでも知らされることになるであろう。</span></span></div>
</div>
<div class="" data-block="true" data-editor="9q45l" data-offset-key="8rrfl-0-0" style="-webkit-text-stroke-width: 0px; background-color: white; color: #1d2129; font-family: Helvetica, Arial, "hiragino kaku gothic pro", meiryo, "ms pgothic", sans-serif; font-size: 14px; font-style: normal; font-variant-caps: normal; font-variant-ligatures: normal; font-weight: 400; letter-spacing: normal; orphans: 2; text-align: start; text-decoration-color: initial; text-decoration-style: initial; text-indent: 0px; text-transform: none; white-space: pre-wrap; widows: 2; word-spacing: 0px;">
<br class="Apple-interchange-newline" /></div>
<div class="" data-block="true" data-editor="9q45l" data-offset-key="8rrfl-0-0" style="-webkit-text-stroke-width: 0px; background-color: white; color: #1d2129; font-family: Helvetica, Arial, "hiragino kaku gothic pro", meiryo, "ms pgothic", sans-serif; font-size: 14px; font-style: normal; font-variant-caps: normal; font-variant-ligatures: normal; font-weight: 400; letter-spacing: normal; orphans: 2; text-align: start; text-decoration-color: initial; text-decoration-style: initial; text-indent: 0px; text-transform: none; white-space: pre-wrap; widows: 2; word-spacing: 0px;">
もちろんそれには犠牲が伴うであろう。しかし、それはアベノミクスなる異常な政策が6年もの間、実施されてきたことの報いである。</div>
<div class="" data-block="true" data-editor="9q45l" data-offset-key="8rrfl-0-0" style="-webkit-text-stroke-width: 0px; background-color: white; color: #1d2129; font-family: Helvetica, Arial, "hiragino kaku gothic pro", meiryo, "ms pgothic", sans-serif; font-size: 14px; font-style: normal; font-variant-caps: normal; font-variant-ligatures: normal; font-weight: 400; letter-spacing: normal; orphans: 2; text-align: start; text-decoration-color: initial; text-decoration-style: initial; text-indent: 0px; text-transform: none; white-space: pre-wrap; widows: 2; word-spacing: 0px;">
<br /></div>
<div class="" data-block="true" data-editor="9q45l" data-offset-key="8rrfl-0-0" style="-webkit-text-stroke-width: 0px; background-color: white; color: #1d2129; font-family: Helvetica, Arial, "hiragino kaku gothic pro", meiryo, "ms pgothic", sans-serif; font-size: 14px; font-style: normal; font-variant-caps: normal; font-variant-ligatures: normal; font-weight: 400; letter-spacing: normal; orphans: 2; text-align: start; text-decoration-color: initial; text-decoration-style: initial; text-indent: 0px; text-transform: none; white-space: pre-wrap; widows: 2; word-spacing: 0px;">
<br /></div>
Unknownnoreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-7801649817273939885.post-41707719619161974592019-07-19T22:10:00.001+09:002019-07-19T22:21:38.296+09:00 神奈川県参院選<br />
<br />
立憲野党の2議席(立民・牧山、共産・あさか由香)獲得を願って、<br />
2人目・あさか由香候補への投票で実現を という横浜駅西口の集会<br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEjzVl50TxOkaCHijrjzAX322iMRyWZlQqb3qlqZ5Hm5_S6tfJ4n1hd1tShJYOA1CapNZa2h1BiID_oTh5gbgV52rvwZ_K1QPcipLUdSH62Ks_YBwFct27Js3jadbTLGv4CScACNmtoaWBto/s1600/IMG_3870.JPG" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" data-original-height="1200" data-original-width="1600" height="240" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEjzVl50TxOkaCHijrjzAX322iMRyWZlQqb3qlqZ5Hm5_S6tfJ4n1hd1tShJYOA1CapNZa2h1BiID_oTh5gbgV52rvwZ_K1QPcipLUdSH62Ks_YBwFct27Js3jadbTLGv4CScACNmtoaWBto/s320/IMG_3870.JPG" width="320" /></a></div>
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgryywCNUr_6ucHiB8vG1I-JV7c5-UNcArDa5FBL2gAuwvnS59r2DNYaUMuan0jvE4_bvHTAlVhOwC45MBwBgJIRiDBduVgB3GYUiiqo9S-HYML8dI-aLarX5L4oBcyZRSPwrlj_OxJRj9V/s1600/IMG_3872.JPG" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" data-original-height="1200" data-original-width="1600" height="240" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgryywCNUr_6ucHiB8vG1I-JV7c5-UNcArDa5FBL2gAuwvnS59r2DNYaUMuan0jvE4_bvHTAlVhOwC45MBwBgJIRiDBduVgB3GYUiiqo9S-HYML8dI-aLarX5L4oBcyZRSPwrlj_OxJRj9V/s320/IMG_3872.JPG" width="320" /></a></div>
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEitw-W8kgo0zA32YLbbgfDDk995C1txl9Ki_9TwBjLNHOCOsMidw494yBbYidrNcPNqsNAvxbR664VJIvwR8quCnaCYomNs3vCXWdQ7BTU_38xOImEVNP7AxZlHXn_X-83MK1x5RTnNxdgd/s1600/IMG_3874.JPG" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" data-original-height="1200" data-original-width="1600" height="240" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEitw-W8kgo0zA32YLbbgfDDk995C1txl9Ki_9TwBjLNHOCOsMidw494yBbYidrNcPNqsNAvxbR664VJIvwR8quCnaCYomNs3vCXWdQ7BTU_38xOImEVNP7AxZlHXn_X-83MK1x5RTnNxdgd/s320/IMG_3874.JPG" width="320" /></a></div>
<br />
<br />
<br />
<br />
おそらく初めてのことと思いますが、<br />
無党派の前川喜平さん(前文科省事務次官)<br />
政治学者の山口二郎さん(法政大学)<br />
れいわ新選組の山本太郎さん<br />
この3人が横浜駅西口に応援に来てくれました。<br />
無党派、他党派の人が応援に来てくれたのは、歴史的な出来事ではないでしょうか?<br />
<br />
前川さん<br />
日本社会・経済、民主憲法を破壊する安倍政治をやめさせる。<br />
安倍政権の9条改憲(自衛隊の加憲)は恐ろしい。すでに安保法制という違憲立法を制定し、それを合憲化するだけです。アメリカの「有志連合」として海外に自衛官が派遣される。そして「非常事態」、これで憲法は停止されます!! <br />
あさか由香さんの当選で立憲野党の2議席を実現しよう。<br />
「偽ぞう・捏ぞう・安倍晋ぞう」をやめさせる。<br />
<br />
山本太郎さん<br />
日本社会・経済・憲法を破壊してきた安倍政治を終わらせる。<br />
中小零細企業やそこで働く人々を長時間働かせ、絞り取り、大企業に貢いできた自公政権をおわらせなければならない。人々の所得が増えないから、消費も停滞し、企業は設備投資をしない。日本が衰退する政策を自公政権がすすめてきた。<br />
消費税をゆくゆくは廃止する。<br />
庶民が普通に心配なく働ける社会を作ることが求められている。 <br />
「一枚目の投票用紙には、あさか由香。」<br />
「二枚目には山本太郎と、もし嫌いなら日本共産党と。」<br />
<br />
<br />
会場は熱気に溢れていました。<br />
私も日本を破壊してきた小泉構造改革、それを引き継いでいる安倍政治、国民・勤労者を絞り取り、巨大企業にひき渡す政策に終止符をうち、明日に希望を持てる社会を実現してほしいと思います。 そのためには有権者一人一人の投票が必要です。<br />
<br />
「消費増税、しょうがない」などと諦めるのはやめましょう。<br />
帰り道、松沢候補(維新)の旗に「何でもかんでも反対に野党」という文句が書いてありましたが、意味不明です。<br />
ことごとく国民を疲弊させる反国民的・売国的政策をやっているのは、自公とその補完政党=維新です。彼らこそ進歩的な政策を邪魔している守旧派です。<br />
いまや、日本は「普通に働けば暮らせる社会」をがスローガンとなるような国に落ちこぼれてしまいました。20年以上も、庶民を絞れるだけ絞って、景気を悪化させながら、そこから生まれた利潤を大企業(中小零細企業も犠牲者です)にまわしてきました。<br />
景気が悪いから、大企業は設備もしません。<br />
それにしても「普通の生活」が多数者の望みとなるとは、日本もずいぶん落ちぶれたものです。しかし、そう言わざるをえないほどになりました。<br />
私は偏狭な党派心からこのブログを書いたことは一度もありませんし、いまもそうです。8時間働いたら普通に生活できる社会、まずは、このつつましやかな希望を実現して欲しい政治家を国会に送りたいと思います。<br />
<br />
あさか由香さん、それに前川喜平さん、山口二郎さん、山本太郎さんのスピーチ内容は、これまで私がブログで述べてきたこととほとんど同じです。<br />
私があさか由香さんを支持こそすれ、反対する理由はありません。<br />
一方、安倍政治(偽ぞう・捏ぞう・安倍晋ぞう)は本当にイヤです。<br />
安倍晋三が嫌いという人は私の周りにも、自民党に投票してきた人の中にもいます。しかし、もし自民党・公明党に投票したら、それは安倍政権を支持したことになります。<br />
Unknownnoreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-7801649817273939885.post-14903531838498347672019-07-17T21:42:00.000+09:002019-07-17T21:42:00.038+09:00坂口安吾「坂口人生相談 その6 暗き哉 東洋よ」 以前たまたたま読んだ坂口安吾の「安吾新日本地理」シリーズが面白くて、しばしば安吾のエッセイを読むようになったが、「安吾人生相談」に「その6 暗き哉 東洋よ」と題した文章がある。<br />
<br />
この文章は、ある高齢の女性の自殺とそれをめぐる夫たち(高名な学者とその弟子達)--「王様とそれをかこむ神がかりの徒」と坂口は言う--の対応を扱ったものだが、それはともかく、安吾は最後に次のようにつづる。<br />
<br />
人間の倫理は「己が罪」というところから始まったし、そうでなければならんもんだが、東洋の学問は王サマの弁護のために論理が始まったようなものだから、分からんのは仕方がないが、<br />
ああ、暗い哉。東洋よ。暗夜いずこへ行くか。<br />
オレは同行したくないよ。<br />
<br />
マスコミではほとんど報道もされないが、昨今も高齢者の自殺があいついでいるらしい。耳にしたくないような痛ましい死に方をした高齢の女性もいる。その時にどのような思いだっただろうか。<br />
<br />
ああ、暗い哉。東洋よ。暗夜いずこへ行くか。<br />
オレは同行したくないよ。<br />
<br />
もちろこの東洋には日本も入っている。<br />
そして、これは私の昨今の気持ちを表現するものでもある。<br />
<br />Unknownnoreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-7801649817273939885.post-30054205655887918872019-07-17T12:21:00.000+09:002019-07-17T12:21:02.049+09:00権益と思想 ヴェブレン・ケインズ・ガルブレイス 自然科学・社会科学を問わず、偉大な科学者には、徹底して事物を観察し、考え抜く力がある。これは言わずもがなかもしれない。が、それだけではなく、普通の人があえて疑問としないことを問うという能力を備えているように思う。そもそも問うことなしに、観察も考察もないだろうから、これは当然のことかもしれないが、必ずしも明確に意識されていないかもしれない。<br />
問いには、はじめて接する事柄に対する疑問もあろうが、多くの場合、世界事象はすでにわれわれの前に現出していたものである。つまりは、当たり前のことであり、多くの場合は問うに値しないようなもの--常識--である。例えば太陽が東に上り、西に沈むことは常識であり、日々の生活にその理由・事情を明らかにすることは必ずしも必要ない。もしそのような常識事を明らかにすることが必要な事情が生じたとするならば、よほどの事態あるいは変化が生じたということななるであろう。<br />
結論的に言えば、問いには「脱構築」(deconstruction)が前提となっているように思う。 日常的に私たちの前に現出している事態と、その把握方法、つまり常識を問いなおすことが「問い」である以上、このことは同義反復といってもよいほどのものであろう。<br />
<br />
ケインズは、『貨幣・利子および雇用の一般理論』(1936年)で、いわゆる「有効需要」の理論とそれにもとづく貨幣・利子・雇用の理論を構築したが、そのためには、彼を育てた常識的な理論(新古典派理論)との格闘を必要とした。ケインズの場合、新古典派の中から生まれた自己批判として『一般理論』を構築したのであるから、その格闘の程度は、例えばマルクス経済学--つまりあらかじめ脱構築を果たしていた経済学--から出発したカレツキに比べて、はるかに激しかったはずである。私などは、カレツキが比較的簡単に彼の有効需要理論を展開しえたのに、何故、ケインズがまわりくどい説明をしているかが理解不能とも言えるほどである。<br />
<br />
そのケインズであるが、『一般理論』の最後の諸章で、何故人々は間違った政策--というのは不況時に不況を深刻化させるような政策ー-を実施しようとするのかを論じている。私にとっては、理論本体よりもこちらの方がより興味深く感じるが、一般的には必ずしもそうではないかもしれない。ともあれ、この問いに対して、ケインズは「権益」と「思想」(vested interest and idea)という回答を与えている。この権益と思想という用語であるが、「権益」も「思想」も適訳ではないように思う。特に vested interest というのは、各人がそれそれの状況の中で賦与された利害や利害関係のことだから、「権益」はあまりふさわしくない。例えば、私事になるが、私は数年前まである大学に勤務しており、給与所得を得ていたが、したがってその当時の私の vested interest は、深くその事(大学をとりまく状況など)にかかわっている。それを「権益」というのは、少々オーバーである。誰でも必ず何らかの意味で、関連で権益を持つ。だが、これについては後で詳しく検討することにする。<br />
<br />
しかし、人々が現実の経済活動とどのように係わっており、またその中でどのような意識の傾向(bias*, preconceptionなど)を持つにいたるか、を深く問うたのは、ケインズよりもっと先の人、アメリカの経済学者、ソースティン・ヴェブレンである。このヴェブレンの経済学は、弟子のガルブレイスに受け継がれている。後にガルブレイスはケインズの理論に大きな影響を受けたが、ヴェブレンの問いを確実に引き継いでいた。<br />
<br />
そして、現在、私が最も関心を持つに至ったのが、この「権益」と「思想」であり、また両者の関連であり、かつ後者が持つ傾向・特徴(bias*, preconception)がどのようにして形成されるか、という問題群である。<br />
<br />
*bias という言葉であるが、日本語で「偏見」とも訳される。しかし、ヴェブレンのbias には非難めいた響きはない。それぞれの社会がその特性に応じて特定の「かたより」 「傾向」を持つというにすぎない。それは個々人にとっては彼が生まれついた社会から与えられた先入観(preconception)でもある。 <br />
<br />
といったところであるが、ヴェブレンの著作は、目下、翻訳中であり、その一部はすでに本ブログでも公開したが、簡単な解説も順次公開したい。 <br />
Unknownnoreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-7801649817273939885.post-68434693514435244472019-07-17T11:11:00.001+09:002019-07-17T11:21:02.458+09:00参院選に寄せて 自公(+維新)に投票してはならない理由参院選・神奈川11区<br />
4人区ですが、当選の確率の高い立憲野党の候補は、牧山ふみえ さん(立民)、あさかゆか さん(共産)の2人です。国民民主党の候補も立候補していますが、あの小池希望事件のことがあり、また何故か神奈川県・国民民主党は「市民連合」の呼びかけに応じてきませんでしたので、旧民主党・民進党支持者の投票をあまり期待できないでしょう。<br />
<br />
19日12時から、前川喜平さん(前文科省事務次官、安倍・加計不正事件を告発した人)、そして山口二郎(政治学者)が「あさかゆか」さんの応援にかけつけてくれるようです。<br />
<br />
19日12時から<br />
横浜駅西口高島屋前<br />
<br />
是非、あさかさんの当選を実現し、半数以上を立憲野党で実現して欲しいものと思います。<br />
もし仮に自公(+維新)が3分の2以上をとったならば、国民にとっては悪夢ともいうべき事態が待ち受けることになるでしょう。つまり、<br />
1,軍事大国化<br />
現在でも、安倍首相は一方では外国の脅威を煽り、他方では米国(トランプ)のいいなりに、兵器を爆買し、何兆円も浪費しています。これほど反国民的(あえてネトウヨの言葉を使えば「反日」的なことがあるでしょうか?<br />
戦争になれば、死ぬのは自衛官であり、国民です。したがって政治家の使命は、外交を通じて世界全体の軍縮に努力することです。このことを20世紀の歴史は大きな教訓として教えています。 <br />
2,消費増税と景気の悪化<br />
8%から10%への消費増税は、かりに国全体の課税対象額が350兆円として7兆円ほどの可処分所得を国民から奪うことになるでしょう。<br />
もちろん、国が社会保障などの国民の生活をよくするために使用するならば、景気の悪化はそれほど懸念されないかもしれません。<br />
しかし、あの改竄・隠蔽・ 虚偽の安倍政権です。8%への増税の時もそうでした。しかも、報道されているように、安倍政権は7兆円の年金減額を計画しています。<br />
さらに、安倍政権は、消費増税の裏でこっそりと、巨大企業の法人税減税を実施してきました。前回の消費増税もその穴埋めのために使われています。<br />
3,九条改憲<br />
安倍首相は、九条に「自衛隊」を付けくわえ、違憲論に終止符を打つと言っています。またそれによって何も変わらないと言っています。<br />
しかし、これも虚偽です。<br />
まず「自衛隊」というような軍事組織名を明記している憲法が外国にもあるでしょうか? 他の省庁名でも書かれていません。もし書き込めば、それは憲法の性質上、権力が 国民を様々な目的(徴用など)のために使役できるようになります。国民は、それを拒否することができなくなります。恐ろしいことです。<br />
二番目に、安倍政権は、成立するや、「解釈改憲」を行い、集団的自衛権の行使を容認してきました。2015年には安保法制も強行成立させ、着々と軍事国家化をすすめています。もし改憲が行われれば、これまでの「専守防衛」はかなぐり捨てられ、自衛官が日本の関与しない 戦争のために派遣されることもありえます。<br />
それはこれまで戦争に派遣されることがなく、災害救助を行う組織だからと、安心して自衛隊に入隊していた人を不安にさせています。<br />
私の住んでいる市には防衛大学校がありますが、すぐ近くの元自衛官の人が私にこっそりと「いま防衛大学校では大変らしいよ」と教えてくれました。<br />
また先日の市民連合の主催した集会には、現職の自衛官の人も参加して、改憲に反対する意思を示してくれました。<br />
<br />
4,アベノミクス(金融緩和政策、成長戦略)<br />
これについては、これまでもたびたび言及してきたので、詳しくは述べません。<br />
ただ、それが様々な弊害をもたらしており、例えて言えば、一度麻薬を使った人がそこから抜け出せないような状態になっているとだけ、言っておきます。<br />
具体的には、次の通りです。<br />
成長戦略なるものは、ほとんどが「世界一企業が自由にできる」という目標のために実施されており、それは企業のブラック化を推し進めるものでしかありません。 <br />
また、金融緩和は、円安・ドル高をもたらし、輸入品価格の上昇を結果しました。たしかに物価は上がったのです。しかし、それが景気の好循環をもたらしたでしょうか? <br />
逆です。所得が増えないのに物価が上がるため、庶民は財布の紐を固くしめました。そのため、消費増税とあいまって、景気は悪化。実質賃金も低下しました。<br />
そこで、安倍政権がやったことは、改竄です。賃金統計の改竄、GDPの根拠なき底上げ。ここに至ってはもはや末期的です。<br />
もう一つつけ加えましょう。ゼロ金利、はてはマイナス金利の影響で、金融機関(銀行)は、金利収入を大幅に減らし、三菱MUJなどを例外として、危機的な状況に陥ってきました。例え金融緩和で日銀が市中銀行にお金(ベースマネー)を供給しても、企業が不景気の中で(また450兆円ほどに達した豊富な内部資金をもっている状態で)設備投資のために銀行から借金することはありません。<br />
そこで銀行は、利潤をとるために、預金者に保険商品や投資信託を薦めます。銀行員はノルマをこなすために、多少なりとも社会的には許されないようなことをやらざるを得ないような状態に追い込まれます。そして、結局、最終的には庶民が泣くことになります。<br />
まだまだ書かなければならないことはたくさんありますが、そろそろ、この辺で筆を置きます。<br />
<br />
健全な社会を作るためには、子供・現役世代・高齢者のそれぞれが元気にならなければなりません。構造改革という99%の人を抑制する縮み思考(マイナス思考)の政策から抜け出し、積極的・進歩的な政策に転じなければなりません。 <br />
<br />
あなたはこれでも自公(+維新)に投票しますか?<br />
<br />
<br />
<br />Unknownnoreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-7801649817273939885.post-1303252101205432192019-04-09T10:06:00.001+09:002019-04-09T10:06:47.525+09:00地方の疲弊 減税すれば企業はやって来るか? 地方が疲弊している。<br />
それを実感するのは、例えば私の郷里(新潟県糸魚川市)の村里を訪ねるときである。<br />
私の生まれた大字(江戸時代の「村」)は、子供の時には90戸ほどの世帯を擁し、人口も400人以上はいただろう。自分の小中学の同級生も10人ほどいたように記憶している。<br />
ところが、現在、人の住む家は30数軒になり、その多くは高齢者の単身世帯と聞く。また同字内にある小学校に通う子供(1~6年生)は一人もいない。それでも、同字内に住む私の先輩は、他になり手がいないということで、PTAの会長をしているらしい。<br />
人口減少とともに農協の購買部も店を閉じ、ますます生活しづらくなっているようであろう。<br />
<br />
こうした理由の一つが人口統計学的なものであることは言うまでもない。<br />
少子化がそれであるが、誤って理解されているむきもあるので、少し正確に言う。<br />
郷里における合計特殊出生率(fertility)、つまり女性が生涯に平均して生む子供の数が 2 より低いのは間違いないが、決して全国平均を下回っているわけではない。むしろ東京や神奈川県、千葉県、埼玉県に比べればかなり高いほうである。東京や神奈川県の出生率の極端な低さは、この分野の専門家の間では常識である。<br />
問題は、むしろ生まれた子供の多くが地元で高い費用をかけて教育され、高校を卒業すると、都会(郷里の場合、関東が多い)に流出することにある。私もその一人であり、1969年に高校を卒業し、大学に入学するために関東に流出した。その後、大学院を修了後、福岡し、名古屋市、新潟市の大学で教鞭をとったが、働き居住するために郷里に戻ったことはない。 <br />
ちなみに、現在、郷里ではそもそも若者の数が少ないのだから、関東に流出する若者の数もきわめて少なくなっている。<br />
とすると、東京や神奈川が近い将来どのような人口問題に直面するかも、はっきりしている。簡単に言えば、周辺からの若者の流入がなくなり、かつ内部での「人口の再生産」(何とも味気ない言葉だが、これが学術用語というものか)もままならない。<br />
<br />
さて、前置きが長くなった。<br />
身内のことで気が引けるが、義兄のことを書く。彼は郷里から流出せずに市役所に勤務し、退職してからは家庭菜園や養蜂に従事している。 なかなか愛郷心が強く、地方経済の活性化のことも考えているようである。ある時、自分の思いを文章にしたものを私宛で送ってきてくれた。<br />
その中に、企業を誘致するために、企業減税を行うべきという趣旨の一節が含まれていた。もちろん、税金を下げれば、企業が喜んで(かどうかはわからないが)、郷里に来てくれ、雇用が生まれ、次の世代が郷里にとどまることになるという論理であろう。<br />
ここに批判するべき点はないように思える。 <br />
しかし、ここではあえてこの点を取りあげてみたいと思う。(ここでは義兄の愛郷心に疑義をはさむわけではない。念のため。)<br />
<br />
さて、企業は減税すれば、郷里に進出するだろうか? そして若者はその企業に就職し、人口減少に歯止めはかかるだろうか?<br />
<br />
残念ながらことはそれほど簡単ではない。<br />
まず考えなければならないのは、企業はある地域に進出するとき、何を求めて進出するかである。もちろん、利潤(儲け)が生じることを期待してである。その際、生じた利潤のうち税金としてとられる部分が少ないことを企業は望むであろう。もし私が企業者であっても、間違いなくそうである。<br />
しかし、最も本質的で根本的な問題はその前にある。そもそも利潤(儲け)が生じるかどうかである。そして利潤が生じるには、生産しようとする財やサービスが一定の価格で売れ(市場)、その売上げが原価を超えることが必要である。もし利潤が十分に生じるという期待があれば、企業は税金が減税されるか否かにかかわらず、進出するであろう。私が企業者なら間違いなく進出する。そして、その利潤から法人税がどれほど引かれる大きい関心事ではあるが、むしろ副次的な問題である。<br />
<br />
ここで私は何故義兄がまず減税のことを思いついたかということを問題としたい。<br />
かつてケインズも指摘したことだが、どんな既製の経済学の影響も受けていないと考えている人も何らかの「思想」(idea)にとらわれているのが常である。これがここでも当てはまるだろう。財界(経団連)や保守政権のたれ流す宣伝(ときには泣き事、ときには脅し)がいつの間にか影響を与えたとしか考えられない。<br />
この「宣伝」がいかに欺瞞に充ちていないが、強い影響を人々に与えているかは、いつか機会を見つけて論じることにするが、きちんとした経済学の訓練を受けていないひとには無批判にうけいれやすいものと見える。<br />
<br />
さて、若干横道にそれたが、郷里における経済的プレイヤーは企業だけではない。そこで将来働くことになる人々のことを考えなければならない。<br />
簡単に書こう。企業が十分な利潤をえるためには、費用、特に人件費(従業員に支払う賃金)の条件を考えなければならない。企業としては費用は小さいほうがよいであろう。しかし、より小さい費用はより低い賃金を意味する。そして、議論を簡単にするために労働条件を賃金に限定すると、より低い賃金は若い世代を地元に引きとどめて力を減じる。それが流出をとどめるためには、一定以上の水準を必要とするだろう。またより低い賃金は、地域社会全体でみると、より低い総所得、したがってより低い購買力、不十分な有効需要を結果するということも、ついでながらつけ加える必要がある。おそらく地域に進出することになる企業は生産する財やサービスを外部に販売することになるだろうという市場条件も考える必要があるだろう。<br />
<br />
以上を要するに、本当に考えなければならないのは、人々の生活、つまり郷里で働くことを決意させる働きがいであり、生活環境であり、市場条件であり、所得である。<br />
<br />
経済学、とりわけ財界や保守政権がよりどころとしている新古典派の市場優先主義経済学(数学を駆使する仮想空間の経済学)が人々の日々の生活のことを考える学問から遠ざかるようになってから久しい。しかし、いままさにこうした経済学は現実によってしっぺ返しを受けているのではないだろうか?<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
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<br />
<br />
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<br />
<br />
Unknownnoreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-7801649817273939885.post-73245778910729776612019-03-28T16:31:00.003+09:002019-10-30T12:46:58.603+09:00ヴェブレン『帝政ドイツと産業革命』 第一章 古い秩序 今日は、第一部、第二章「古い秩序」の一(タイトルなし)のみ。<br />
例によってつらつら書くと、すでに訳出されているヴェブレンの論文でも、ときどき気になるものがある。その一つは、関係代名詞の訳である。<br />
例えば、 a child whose father is dead は、<br />
「父親のいない子」「父親を亡くした子」などとなろう。が、中には「その父親が死んでしまったところの子」式の訳文を載せているものがある。<br />
もちろん、誤訳とはいえない。しかし、 数行もの長い複雑な文章の中で、「その~ところの」が出てくると、「その」は何を指示しているのか、すぐに読み取れないことが多い。<br />
そのようなときには、原文の文章を想像し、「その」が何を指示しているかを頭の中で確認しなければならない。当然ながら、いらいらする。<br />
また the knife with which I usually cook なども、<br />
「私がいつもそれをもって料理する包丁」式などは「不可」で、「私がいつも料理に使う包丁」などとするべきだろう。<br />
<br />
今回は、最初から悩ましい文が続く。 <br />
The state of the civilization, and of the state of industrial arts, into which the remote ancestry of the Northern Europeans may be said to have been born ...<br />
<br />
「その」は入れたくないし、思い切って日本語らしくしようとすると、原文との距離が感じられるし、・・・。ということでそのまま直訳に。<br />
ともかく、syntax の著しく異なる言語をまたいで翻訳するのは「労多く益少なし」。<br />
<br />
<br />
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<br />
<div class="MsoNormal">
<span style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">T・ヴェブレン『帝政ドイツと産業革命』(1915年) 続</span></div>
<div class="MsoNormal">
</div>
<div class="MsoNormal">
<br /></div>
<div class="MsoNormal">
<span style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">第二章 古い秩序</span></div>
<div class="MsoNormal">
<span style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;"><span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal">
<br /></div>
<div class="MsoNormal">
<span style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;"> 一<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 11.0pt;">
<br /></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 11.0pt;">
<span style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">北ヨーロッパ人の遠い先祖が生まれついたと言ってもよい文明と産業技術の状態は、新石器時代初期――北ヨーロッパにいくつかの証拠を残している石器時代の最初期の段階――である。ヨーロッパの旧石器時代は存在しない。というのは、これらの後のヨーロッパ諸民族を生み出した雑種の住民が形成される前に旧石器時代は終わっていたからである。その上、その痕跡は、この交雑した人種の住民が生活し、移動し、生存を達成した生息地のどこにも事実上ほとんどない。ヨーロッパ全体について見てさえ、旧石器時代と新石器時代の間に文化的な連続性はなく、また人種的な連続性も皆無ではないとしてもほとんどない、と考えられる。新石器時代は、ヨーロッパにおける発展に関する限り、(旧石器時代と)無関係に始まり、おそらく第四紀末にヨーロッパに地中海人種が侵入したとき、その侵入的な文化としてやって来たと考えられる。ヨーロッパの新石器時代につながる発展の初期段階は、ヨーロッパの領域外で、新石器時代の担い手がこの片隅に浸透する前に、仕上がっていた。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 11.0pt;">
<span style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">それゆえに、ある意味で、この新石器時代初期の生活術の状態が北ヨーロッパ諸民族にとって生まれつきのものと言えるかもしれない。このような命題が、この文化をヨーロッパにもたらしたと考えられる地中海人種の場合に妥当するかどうかは未解決の問題として残されていよう。それはここでは直接に興味をひかない。同様なことが、新石器時代初期に東方から、おそらくアジアからやって来たと見なされており、また同様にヨーロッパの地に分け入る前に新石器時代の段階に到達していたと考えられているアルプス種族についても当てはまる。ヨーロッパに侵入した時点で存立していたようなこれらの人種のどちらも、また両者合わせても――身体的であれ精神的であれ、やがて北ヨーロッパの海岸地帯で新石器時代の技術に助けられて増加し、いまだに生計を見いだし続けている北ヨーロッパ住民の祖型を提供するという意味では――北ヨーロッパ人の先祖とは見なされない。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 11.0pt;">
<span style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">これらの人種のそれぞれがこの先祖を生み出すのに貢献していることは疑いない。彼らは両者とも初発から、またはほとんど初発から、交雑した北ヨーロッパ住民中に存在しており、また明らかに常にこれらの民族の人種構成の少なくとも半分を占め続けていた。しかし、長頭金髪の種族が他の二つの種族と混交し、(その結果)この地域を新石器時代から連続的に占拠し、かつ今も住んでいる諸民族を北ヨーロッパに植民した特定の雑種の種族を生じさせるまでは、北ヨーロッパ人の先祖が事実上成立したと言うことはできない。これらの民族の人種の歴史は、これらの人種型のどれか一つから別々にではなく、この三つのつながった種族から構成された雑種住民の歴史である。それゆえに、その構成に必須な三つの人種要因がつながって来るまで、それが始まったと言うことは適切ではないのである。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 11.0pt;">
<span style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">新石器時代の環境下にあるバルト海と北海の気候地域で生存し、また自分たちの居住地をあらゆる来訪者に対して守るのに適しているという適者選抜試験は、三つの構成要素の種族に対して別々に適用されることはなかったのであり、したがってその三つの種族の各々の最終的な適性試験ではなかった。試験と、その実験から引き出される結論とは、三者が本質的な構成要素となっている構成された住民に適用されるだけである。数千年間を通じた選択的な増加の間にその三者の構成要素型のどれも当該地域のどこでも、他の二者またはそのいずれをも追放せず、また人種型のどの一つもいかなる時点でも三つの雑種の子孫を追放しなかったのであり、明らかにそれが事実である。少なくとも間違いないのは、これらの住民はこの長い期間を通じて雑種的な混交であり続けたのであり、また一方、混交の性格は、この交雑した住民が北に向かうほど金髪が多く、南に向かうほど黒髪が多いという風に、また初発の機会が平等だとしてさえ、長身・黒髪(地中海)の住民が他の二つの構成種族のどれよりも、この特別な気候地域内の北部と南部の両方で、少ないという風に、位置的に変わってきたことである。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 11.0pt;">
<span style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">この論旨を補強するような対照例としては、このバルト海・北海地域に近いところにあるどの国からでも説明のための事例を引き出すことができよう。この地域の雑種住民は、ここでもまた、ほとんど絶え間なく境界を壊し、力ずくで他国に移住し、そのためこれら他民族との交雑によって混血してきたた。しかし、彼らは、その実験がまったく確実となるのに十分な時間を持っていた場合には、どんな場合でも、先住民を排除し、移住時にいた(先住)人種を自分たちの人種構成に変えてしまうような結果をもたらし、民族の人種構成を作り変えることには成功しなかった。――少なくとも北部の雑種を作り上げることになる人種的要因の一つ(長身金髪)は、やがてすべての場合に、その要因を取り入れたこれらの周辺住民から選択(淘汰)によって消え去った。そして複合的な北部の住民は、その複合的な性格では、バルト海・北海の地域外に住むのに適さないことが判明し、それと同時に、その複合住民は複合せずにはこれらの地域を保持するのに適さないことが判明した。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 11.0pt;">
<span style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">また純血種であれ混合であれ、集団移動であれ浸透であれ、異なった人種に由来する侵入住民は、この地域から北部の雑種を追放することに成功しなかった――たとえばバルト諸国、とりわけ淘汰の過程によって金髪雑種民族に属することとなった当該地域の北部と北東部へのフィン族(ラップ族)の侵入のような実験がかなりの規模で試みられたにもかかわらず、成功していない――。少なくともフィンランドの事例では、またそれより不確かだが、北と東に向かう他のところでは、侵入者の開始は初期住民の言語にとって代わるほどにずっと成功したが、長期的には、住民の人種構成は実質的にフィン族が来る前の状態に逆戻りした。そのため、バルト海の二つの海岸の間には知覚できるような人種的相違は現在ない。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 11.0pt;">
<span style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">その上、初期のバルト文化は、実質的にすべての北ヨーロッパ人の本来的に慣習となっていた生活様式の状態を示すものとして興味をひく。実際、この文化はこれらの人々に生得的だと言ってもよいかもしれない。この文化は、証拠から見られる限りでは、長期間にわたって――バルト住民の文化が提供した生活様式に適合していることを試すのに十分長く、また同時に外部の他の人種的要素や集合体との接触にさらされてきたため、これらのバルト諸民族の特有の雑種混合が、その技術的な基礎にもとづき、自らの置かれている地理的および気候的条件下での生活にどの競合的な住民より適していることを明らかにするほどに十分長く――ほぼ順調な経過をたどってきた。証拠が許す限り、この文化期の特徴と顕著な出来事を要約的に繰り返すことは、その主張の正しいことを証するであろう<span lang="EN-US">(2)</span>。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 11.0pt;">
<span style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">総じて、バルトの石器時代は比較的小規模――小規模な農耕システムとその後の混合農業システム――に描かれた地理的状況に置かれた相対的に進んだ野蛮時代と特徴づけられるかもしれない。それはおそらく野蛮の比較的低い段階と呼ぶのが適正かもしれない。この二つの代替的な用語のどちらがよいかについては議論の必要はない。それらはともに技術的に有効な記述的用語というよりはむしろ示唆的なものである。</span><span style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">そして同じく大雑把な名称の青銅器時代がやってくるが、それは全体としてより大きい技術的効率の登場とより大きい富の蓄積によって――またおそらくより定住的な生活慣習によっても――特色づけられるということに注意する必要がある。</span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 11.0pt;">
<br /></div>
<br />
<div class="MsoListParagraph" style="margin-left: 18.0pt; mso-list: l0 level1 lfo1; mso-para-margin-left: 0gd; text-indent: -18.0pt;">
<span lang="EN-US" style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-bidi-font-family: "MS 明朝"; mso-bidi-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;"><span style="mso-list: Ignore;">(1)</span></span><span style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">例えば、A.H・キーン『過去と現在の人類』第九章を参照。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<span lang="EN-US" style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-bidi-font-family: "MS 明朝"; mso-bidi-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;"><span style="mso-list: Ignore;">(2)</span></span><span style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">注Ⅱ、<span lang="EN-US">291</span>ページ参照。【ページは、原著のもの】</span><br />
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 11.0pt;">
<br /></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 11.0pt;">
<span style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;"></span></div>
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<span style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;"></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 11.0pt;">
<span style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;"><span lang="EN-US"></span></span>
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<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 11.0pt;">
<span style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">新石器時代の住民は、その期間中、またその領域全体を通じて、耕作と牧畜に利用できる土地が決めるままに、地表に分散した決して大きくはない規模の開放的な定住地に住んでいたように思われる。これらの定住地が村落にまとまっていたか、それとも開放的な国土上にゆるやかに個別世帯に散らばっていたかは、確かでない。しかし、いずれにしても町の証拠はなく、大きい村の証拠もなく、要塞の痕跡や天然の防御場所を好んだという証拠もない。武器の相対的な少なさ、そして――利用できる証拠によれば――どんな形の防御的な甲冑もまったく欠如していることと関連してとらえると、この無防備な定住地の分布は、おそらく平和な生活習慣がかなり広まっていたという示唆を伝える。ただし、資料が示さないこと、またおそらく示すことのできないことを考慮に入れるように適切な注意を払えば、この文化が特徴的に平和的なものであったという状況証拠を無視することはできない。</span><span style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">またすでに上段で示した考察に照らしてみると、必然的に、その住民が概して平穏な気質を持っていたであろうということになろう。石器時代だけではなく、それに続く青銅器銅を通じて同様の状況が続いており、また状況証拠もある程度の一貫性をもって同じ結果を示している。特に後期には、いくつかの場所で人口分布をいくぶん詳しく跡づけることができ、地形に従って最も実用的な浅瀬と道路を考慮したことが示されており、これらの浅瀬や道路の多くはいまだに使われている。</span></div>
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<span style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;"></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 11.0pt;">
<span style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;"><span lang="EN-US"></span></span>
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<br /></div>
<br />
<div class="MsoNormal">
<span lang="EN-US" style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">(3) </span><span style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">デンマークの土地におけるきわめて多数で広範な台所ゴミ――廃棄物の堆積(貝塚)――は大きい定住地がなかったことについての疑問を提示するかもしれない。貝塚の初期の調査では、その規模がかつてこの場所を占めていた定住地の規模と存続期間をほぼ示すことがいくぶん単純にも自自明と受け取られていた。この問題のもっと後の、より批判的な取り扱いは、明らかに次の結論に達している。すなわち、とりわけ後に増加した貝塚の多くについては、これらの貝塚が主な関心と永住地とを遠く離れた内陸の耕地に求めていた住民によって海岸上の場所の季節的な占取によって形成されたものだったということである。一方、もちろん、貝塚が同時に恒久的な漁村のしるしだったかもしれないことも否定されていない。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 11.0pt;">
<br /></div>
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<div class="MsoNormal">
<br /></div>
Unknownnoreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-7801649817273939885.post-88859375443772111692019-03-26T19:33:00.001+09:002019-10-30T12:47:35.662+09:00ヴェブレン『帝政ドイツと産業革命』 序文 2年ほど前から、アメリカの制度学派経済学の創設者、T・ヴェブレンの『帝政ドイツと産業革命』の日本語訳をすすめており、昨秋になって漸く粗訳ともいうべきものができた。<br />
ご存じの人も多いかも知れないが、ヴェブレンの文章はなかなか難解である。<br />
<br />
難解な文章といえば、私は、20年ほど前に4人の共訳でマックス・ヴェーバーの「ロシアの外見的立憲制への移行」論文の翻訳にたずさわっことがあり、それは名古屋大学出版会から『M・ウェーバー ロシア革命論Ⅱ』(1999年)として出版されているが、この翻訳にも結構てこずり、4人の共同作業であったにもかかわらず、企画から出版まで10年を要した。ヴェーバーの文章が息の長く屈折した文章だっただけでなく、実際に帝政ロシアに生じた出来事に精通していないと正確に訳出できないような部分が多々あり、結局、ヴェーバーが利用したロシア語文献のほとんどすべてに眼を通すという作業をしなければならなかった。文献には、著書以外に雑誌論文、新聞記事、統計、法令などがあり、いま思い出してもかなりの時間と費用がかかり、それだけ自分自身の研究を犠牲にしなければならなかった。ともあれ、ヴェーバーが一年ほどで書いた論文(長大だが、「論文」である)をその10倍の時間をかけたことになる。<br />
しかし、4人が年に一度は集まり、議論を交わしたことが、訳文の作成に大いに役立ったことは間違いない。<br />
<br />
ヴェブレンの文章を理解するのは、このヴェーバーの場合とは若干異なる難しさを伴っているように感じる。一応訳出してみたものの、なかなか readable な日本語にはならない。中には、例えばある箇所の imputation というたった一語の単語の例のように、それが何を意味しているか、何回も異なる辞書を引き、前後の段落を読みかえしてみても、適切な訳語が見つからないという場合もある。<br />
もちろん、例えば people の語のように、「人々」「人民」「国民」「民族」など様々に訳すことのできる単語もあるが、これは大きな難問ではない。 <br />
翻訳は普通にできて当たり前、誤訳や不適訳があれば、きびしく指摘される。別に別宮さんに特別に取りあげてもらわなくても、そうである。何のためにやるのかと聞かれれば、社会科学のためにというしかない。<br />
<br />
とりとめもない話しになるが、かつて名古屋付近のある私大で教えていたときのこと、学生の書いた卒業論文を読んでいて、比較的流麗な文章の中に意味不明の文が混じっていることに気づき、当該学生が研究室に来たとき、問いただしたことがある。その学生も意味を説明することはできず、しかし、人(専門の研究者)の本を写してはいないと主張する。私が本当のことを言いなさいと優しく言うと、しぶしぶ某書の写しであることを認めた。<br />
たまたま、私はその本の原著を持っていたので、確認すると明らかに誤訳であり、原文ではきちんと意味が取れる。<br />
忖度するに、欧文を日本語に翻訳する作業はかなりの集中力を必要とするため、一日に一定量以上の作業をすると、注意力が散漫になり、自分自身がきちんと理解しているかどうかにかかわらず、仕事を先にすすめようとしてしまうということはよくあることである。これが少なくとも誤訳・不適訳の原因の一つであろう。<br />
<br />
<br />
<br />
ともあれ、粗訳終了から半年近くたっても、文章の推敲は遅々として進まない。<br />
しかし、幸運なことにというべきか、ある大学の紀要に最初の部分の抄訳(6章までの翻訳)があることがわかった。先人の翻訳があるということがとても役に立つということが身にしみて感じられる。もちろん、大いに学ばせていただいた。そして拙訳の多くの問題点を知ることができたように思う。<br />
しかし、たとえ誤訳とか不適訳とかいわなくても、翻訳する人の好みや傾向がそこに現れることがあり、それが当方のものとかなり異なる場合もある。この場合もそうである。<br />
<br />
以下、少々考えるところがあり、序文からはじめて少しずつ紹介してゆくことにする。もちろん、訳文はまだ未完成であるが、せめて一週間につき一章くらいは作業をすすめてゆくように、自分自身のリズムをつけるためでもあり、またいわばある種の強制力を働かせるためである。 特段誰かに読んでもらいたいわけではない。<br />
<br />
ということで、以下に、ヴェブレンが1915年に発表した『帝政ドイツと産業革命』(1915年)の試訳を少しずつ載せてゆく予定である。<br />
1915年といえば、第一次世界大戦が始まった翌年であり、その一方の当事者がドイツ帝国であったことは言うまでもない。<br />
ヴェブレンは、そのドイツとドイツ国民がいかにして近代的な産業技術と科学を樹立しえたのか、科学的・客観的に説明しようと試みた。ちなみに、ヴェブレンはまた日本についても同様の関心を持っていたが、そのことは既にこのブログでも紹介している。<br />
<br />
<br />
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<br />
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<br /></div>
<div class="MsoNormal">
<span style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;"> T・ヴェブレン『帝政ドイツと産業革命』(1915年)<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal">
<br /></div>
<div class="MsoNormal">
<br /></div>
<div class="MsoNormal" style="margin-bottom: 8.0pt; margin-left: 5.5pt; margin-right: 187.0pt; margin-top: 0mm; mso-para-margin-bottom: 8.0pt; mso-para-margin-left: .5gd; mso-para-margin-right: 17.0gd; mso-para-margin-top: 0mm;">
<span style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">序文<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal">
<span style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;"> <span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 11.0pt;">
<span style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">ここでは、ドイツ帝国の事例とそれが近代文明に占める位置を検討するが、このような戦時らしからぬ研究をこの時節に提供することについて、いくらか釈明をしなければならないように思われる。本論文は、現在の戦争が始まる前に企てられたものである。ただし、その後に続いた出来事の様相とが疑いなく研究のいくつかの点で議論のむかう特定の方向に影響を与えている。それゆえ、本研究は、論議されてきた国際紛争の特徴とも、また交戦国の力の比較やどちらかが成功するかという可能性にもかかわりない。その目的は、一方のドイツの事例と、他方の英語圏の諸国民との比較と相互関係というあまり論争的でないものであり、近代における文化的な発展の二つのはっきりしており、またいくぶん多様な線として考察される。研究をすすめるための土台は、いずれの場合も結果を具象化してきた経済的な、主に産業的な状態の与える環境である。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 11.0pt;">
<span style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">本研究は、ドイツの産業的発展と高い効率性を、顕示的な運命とか、神のネポティズム、国民的な天賦の才などといった議論に頼らずに、自然的原理によって説明することをめざしている。それはこれまでになされた近代経済史におけるこの話――記述または賞賛とは異なる――の説明の最初の試みであると考える。ただし、もしゾンバルト教授の『一九世紀のドイツ国民経済』がそのようにみなされないならば、としておく。この時期についてのゾンバルト教授の研究を別とすると、多くの学問的で巨匠的な研究が何らかの見地から事実の進展を示してきたとはいえ、この帝政時代とその産業的事情の発展の理論的な研究としては何の成果も現われなかったと考えられる。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal">
<span lang="EN-US" style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;"><span style="mso-spacerun: yes;"> </span></span><span style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;"> ここでは、もちろん、政治的にせよ経済的にせよ、この時期の歴史についての情報(知識)を与えるつもりはない。また議論のための資料として利用された歴史的な情報(知識)は普通のよく知られたありふれた類の、あるいはすべての読者が利用できる標準的な冊子からとったものである。そのため、必要と思われる特別な機会には、論述する点に関連する引用と言及を行なったとはいえ、出典と諸大家の包括的な引用のようなことはしないでおいた。ここでの議論は、慣習的に書かれてきたように、歴史の流れに沿っており、難解な資料や詳細な精密さには偏らない。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 11.0pt;">
<span style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">たしかに英語の読者にとって、古い秩序に関する章は一部難解な情報(知識)にもとづくように見えるかもしれない。このトピック(話題)にかかわる議論は、古アイスランド語で残されている古い文献のかなり徹底した直接的な知識に加えて、バルト地域の考古学のある程度の知識を前提している。それは出典の引用が大いに読者の助けとなるような事ではない。文書史料の詳細な目録およびテキストの一節も、この領域の博識なる専門家の手中でさえどんな有用な目的にも役立たないように思われる。というのは、この資料をここで用いる目的が当該文献の全体のかなり長く、全面的な知識を十分に持っていることによってしか役立たないようなものだからである。ゲルマン民族の、また彼らに先行する先祖のより早い時期の文化が、これらの考古学的、文献的な古代遺物の中にそのように現われており、かつ近代に特有の特徴を示すための対照条件として、またそれらの事例の先祖帰りのどんな潮流であれ必ず向かうことになるこれらの諸民族の文化的な出発点を示すものとして、利用される。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 11.0pt;">
<span style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">英語圏社会の事例にタイトル・ページの表題が正当化できないほどの大きい注意が払われているように見えるかもしれない。ここでもまた、現在のドイツの産業上の状況がイングランドの状況から派生したものであり、また大英帝国でなされたような産業技術の過去の発展の帰結であるという事実はもちろんのこと、比較の尺度が必要となるために<b style="mso-bidi-font-weight: normal;">そう決めることとした</b>。そのために英国社会の過去の産業発展とその帰結になんらかの考慮が必然的に払われることとなったのである。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 29.5; text-indent: 324.5pt;">
<span lang="EN-US" style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">1915</span><span style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">年<span lang="EN-US">3</span>月<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal">
<br /></div>
<div class="MsoNormal">
<br /></div>
<div class="MsoNormal">
<span style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">第一章 序説 人種と民族<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal">
<br /></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 11.0pt;">
<span style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">民族学の事情に精通していない人々の間では、ヨーロッパのいくつもの国民を別々の人種のように語るのが通例となっている。公文書や慎重な歴史家でさえこの観念の混乱を免れてはいない。これらの用語のそれぞれにどのような区別があるのかを文脈から理解しようとするのはしばしば困難であるとはいえ、この口語的用法では「人種」が「国民」や「民族」の同意語と正確に考えられているわけではない。それらは大雑把に、また暗示的に使われており、疑いなく大抵の目的にとっては、議論に妥協や混乱をもたらさしていないようである。そのため、それらの口語的な用法に必然的につきまとうような一定幅の誤差を許すこととし、たとえ口語的な曖昧さがあろうとも、これらの用語を便利と思っている人を満足させる以上にもっと正しい定義やもっと明確な用法を考えることはせずに、それらを使われている通りに理解するのが理にかなっているように思われる。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 11.0pt;">
<span style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">しかし、これらの用語、そしてそれらの実質的な同義語として役立っている他の用語法には一般的に曖昧さがつきまとっており、そうした用語を用いる議論の多くにある一貫した混乱をもたらすような意味の相違がある。「人種」は、他のどんなことを示すと見なされようとも、常に、特定の集団中の遺伝的な特徴の共通性を意味する。それは遺伝的な特徴がその集団の構成員となっているすべての個人にとって本質的に同じことを意味する。「人種」は生物学上の概念であり、それが適用されるところではどこでも特定の型を所有し、またその特定の集団の全構成員に特有のこの型を特徴づける特質を伝える先祖にその集団全体が由来していることを意味する。例えば「国民」または「民族」といった他の用語は、一般的に「人種」と交換可能なものとして用いられているが、それらが当てはめられる集団のそうした生物学的な同一性(連帯)を必ずしも意味しない。とはいえ、それらの用語を使う人々の心の中では、共通の出自という観念が疑いなくゆるく存在している。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 11.0pt;">
<span style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">こうした用語の口語的用法では、これらのいくつかの民族または人種と主張されているものを区別することがまったく無批判的には国境線にもとづくことを許されないときに常に頼りにされる識別のしるしとなるのは言語共同体である。そこで、ある型の言語に慣れていることが人種の由来の伝統的なしるしの務めを果たすことになる。ある習慣の(事実上の)同一性が遺伝的な能力の同一性を意味するものとみなされる。そして、この問題を論じる多くの歴史家と著述家は、多様な慣習スキームを識別的に比較する以外に本質的な事についての根拠がない場合には、気質、知能および体格といった遺伝的な特徴にかかわる広い範囲の一般論を導いた。もちろん、一つの民族を他の民族から区別するこのような慣習の相違は、充分に重大な事かもしれないが、それらの範囲と影響は、結局、まったく別の性格のものであり、人種の型の相違というよりは文化的な成長の中にまったく別の位置と関連とを有するものである。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 11.0pt;">
<span style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">例えば言語が例証するように、いかなる社会でも、その中で有効となっている制度スキームは、習慣の性質を持ち、必然的に不安定であり、またなかなか変化しないとしても、時がたつにつれて必ず抑えようもなく変化する。一方、どんな人種の種族型も安定的であり、その型を特徴づける精神的および身体的な天賦の才という遺伝的な特徴は、人種の一生涯にわたり不変で損なわることのない生物学的遺産のはずである。習慣と遺伝という二つの観念間の細心の区別が人間行動の全研究の知識(認識)のはじまりであり、この二つの混同は歴史学、政治学および経済学の問題における最近の流行りの著作の論争的な魂(小さな非難の応酬)に多くに責任を負っている。また、もちろん、議論に伴うショービニズム(排外主義的愛国主義)の負荷が大きいほど、その組織的な大失敗の結果も大きく全面的なものとなった。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 11.0pt;">
<span style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; line-height: 107%;">もしドイツの事例の研究が人間諸制度、その本性と原因の研究に影響を及ぼす理論的な一般化の目的に役立つならば、その事例の安定的で永続的な性格の諸要因と、変動的な諸要因を区別することが必要であり、それと同時にどんな要因がドイツ人の事例に特有なのか、また他のどんな要因がドイツ人の事例と必然的に比較されることになる隣人達に特有なのかを考慮することが必要である。これらの二つの特徴がかなり一致することも時に生じる。人種の遺伝という安定的な特徴の点で、ドイツ人は隣接する民族と、知覚できるほどに、または一貫して異なるということはない。一方、最近までドイツ人がさらされてきた環境の点だけでなく、過去の習慣化の性格の点でも、つまり、彼らの文化的スキームでも、ドイツ人の事例は少なくともある程度特異である。この国の住民がヨーロッパ全体の住民と異なっているのは、受け入れられた思考習慣――慣習――の事象にあり、また最近彼らの習慣スキームをさらに形成した諸条件にある。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 11.0pt;">
<span style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; line-height: 107%;">これらの問題を取り扱ってきた歴史家と著述家の間で広まっているこの点に関する混乱や無知を見ると、若干の冗漫を犠牲にしても、ドイツ人の人種的な様相に影響を及ぼしているある有名な事実を復唱することが必要に思われる。ドイツ人全体を全体として考えた場合、人種の問題に関係する限りでは、これらの事実について議論は決着している。ヨーロッパ人種問題の研究者たちは、「祖国」(ドイツ)の領域内でさえ、人種的な要素の地方的な置換、移動および浸透という難問をいまだに取り上げており、また疑いなく将来も長らく取り上げるであろう。しかし、ここでの目的にとっては、これらの難解な細部の問題に頼ることはほとんど必要ない。かりに<span style="mso-bidi-font-weight: normal;">もっと詳細ならば便利かもしれないとしても、すでに確実な意見の一致が達せられてきた事例の一般的な特徴を越えてまで、現在用いるのに必要とされることは何もない</span><b style="mso-bidi-font-weight: normal;">。</b><span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 11.0pt;">
<span style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; line-height: 107%;">私たちが、歴史的、論争的および愛国的な著作の中で、一般的に使われているような(ドイツ人という)名称を説明句やさしさわりのない語句なしに利用できるのは、言語の境界線がほぼドイツ領の政治的国境と一致すると考えるようにシフトすることができる限りにおいてである。そこで、その名称を帝国および帝国のドイツ語を話す人々――ドイツ民族――として示すものとして受け取り、またそのときどんな相違点をも見落とせば、例えばユダヤ人またはドイツ化したポーランド人およびデンマーク人のようなドイツ住民に浸透した要素をまったく含めた後でさえ、そのように指定された総体が別の人種として語られることはない。ドイツ人とは、ヨーロッパの非ドイツ人に対立するものとしても、それ自身の内部にあるものとしても別の人種ではない。これらの両方の点で、この住民の事例は、ヨーロッパの他の諸国民の事例と本質的に異ならない。これらの事実はよく知られている。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 11.0pt;">
<span style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">隣国の人々と同様に、ドイツ人も完全に、また普遍的にハイブリッド(雑種)である。そしてドイツ人を構成する雑種混合は、ヨーロッパ住民全体の構成に入る同じ人種的要素から構成されている。その雑種的な特徴は、おそらく、もっと南に位置している諸国の場合におけるよりも顕著である。しかし、ドイツ人と彼らの南の隣人との間のような雑種化の度合いの差は重大なものではない。他方、ドイツ人の場合は、この点で事実上、すぐ東と西に横たわる諸国民の場合と同じである。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoListParagraph" style="margin-left: 32.25pt; mso-list: l13 level1 lfo1; mso-para-margin-left: 0gd; text-indent: -18.0pt;">
<span lang="EN-US" style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-bidi-font-family: "MS 明朝"; mso-bidi-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;"><span style="mso-list: Ignore;">⑴<span style="font: 7.0pt "Times New Roman";">
</span></span></span><span style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">より詳しい考察のためには、補足ノートの一、二八一ページ以下を参照。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal">
<span style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;"> <span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal">
<span style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;"> 人種の点では、南ドイツの住民は、北フランスやベルギー隣接部の人口と本質的に同じである。また同じ点で、北ドイツの住民は、西方のオランダとデンマークの住民と、また東方の西部ロシアの住民と本質的に構成を同じくする。また「祖国」(ドイツ)全体を取ると、その住民は、人種についてブリテン島の住民と本質的に同じである。この混交した住民の広範囲にわたる帯状地域内における細部の地域的バリエーションは、疑いなく知覚できるが、結局、どの国でもほとんど同じ性格のものであり、どれ一つをとっても、東部、西部および中央部ともに同じ結果に帰着する。全体的にみると、つまり言い換えると、イングランド人、オランダ人、ドイツ人および大ロシアのスラブ人の間に大きな人種の相違はない。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal">
<span style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;"> 国民的な優秀さと卓越性に関して一般に行われている解説では、純血種のドイツ人種、ゲルマン人種またはアングロ・サクソン人種が存在するものとして語られるとき、やがてその文脈は、それを謳う者の観念の中にあるものが――もし確実な生物学的範疇があるとすれば――長頭金髪(ドリコ・ブロンド)人であるという見方に入り込む。ところが、いまや、人種の純粋性という不都合な主張にとって不運なことに、この特別な人種の種族はそれと結びついている二つの他の人種(短頭ブルネット人と長頭ブルネット人)の種族のどれよりも混交せずにみいださることが少ないということが生じる。実際、近似的にせよ、他の人種的な要素を含まずに純血種の金髪人からなる、大なり小なりの、広まりのある社会はないことをまったく確実に確認することができる。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal">
<span style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;"> 私たちはさらに確実に先に進み、血統の点で混交していない金髪系統に属する個人がヨーロッパの住民中に見いだされることは決してないと主要な問題にすることができるだろう。また純血種の金髪人がかつてヨーロッパのどこかに存在したと信じる合理的な可能性も、利用できる証拠もない。また、確実性の程度は少し小さいかもしれないが、他の主要なヨーロッパ人種の純血種の実例について、同様の主張をしてもよい。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 11.0pt;">
<span style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">人種的な特徴の多様性は、これらの諸国民のそれぞれの内部できわめて容易に見て取れる。ドイツの場合には、こうした多様性は北と南の間でよく言及されている。また全体をなすと考えられているこれらの諸国民相互を差異を作り出す相違は、制度上の種類のもの――遺伝によって相続できない獲得された特徴の相違、本質的には習慣化の相違――である。しかしながら、この側面については、ある民族性と別の民族性との乖離は大きいことがあるかもしれず、普通は組織的な性質のものである。そのため、人種型の乖離がないと言ってもよいもしれないのに、文化型の相違がかなり大きいこともありうる。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 11.0pt;">
<span style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">これらの諸国民の雑種的構成はさらにもう一つの関連で彼らの性格に影響を与え、それはおそらく同じ度合いではないとしても、文化の成長に対する重要な結果をもたらし、同時にほぼ同じようにヨーロッパのすべての諸民族の運命に影響を与えている。これらの諸民族の雑種的構成の結果、これらの個々のメンバーは、生得の能力と素質の点で、どんな純血種の人々の場合に当てはまるよりも多様性に富んでいる。そのため、これらの民族はそれぞれ、交配されなかったならば、そうなったであろうよりもずっと大きい性格の多様性を示している。身体的な側面では、機械的な方法で計測され、比較されうるような特徴の点で、それぞれの民族の内部におけるこの相違の大きい範囲と複雑さは――身長、色、体重と解剖学上の大きさで――十分に明白となっている。しかし、それはまた人類計測学的な統計にあまりなじまない(精神的および知的な)特徴を疑いなく構成しており、また同時にそれらの特徴を有する民族の運命にとってより大きい結果をもたらすのである。どんな文明体系の基礎ともなり、またその生活史および一連の変更を生じさせる土台となる素材を提供するのはこれらの心理的な特徴――精神的および知的な傾向、能力、素質、感受性――である。人々がその能力の範囲を越えたり、範囲外にある文化体系を創出することができないのは、もちろん、いわずもがなの事である。また同様に、多くの多様な能力を賦与されている住民を持つ国民が、そのために、その一生涯に起こる緊急の必要に対応するのに適しており、どんな求めにもより迅速に応答することができることも当然のことである。より大きく、より完全な、より多様な、そしてより十分に均衡のとれた文化体系は、まずまずの環境下では、単一の特定型にきわめて忠実に育つ諸個人から構成される社会よりも、このような(多様な)人々の中に見いだされるだろう。</span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 11.0pt;">
<br /></div>
<div class="MsoListParagraph" style="margin-left: 18.0pt; mso-list: l11 level1 lfo5; mso-para-margin-left: 0gd; text-indent: -18.0pt;">
<span lang="EN-US" style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-bidi-font-family: "MS 明朝"; mso-bidi-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;"><span style="mso-list: Ignore;">⑴<span style="font: 7.0pt "Times New Roman";">
</span></span></span><span style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">雑種の遺伝を支配すると考えられているメンデルの法則の下では、二つ(あるいは三つ)の異なった型の種を交配した子孫は、その双方(または三方)の祖先に含まれる二倍(または三倍)の範囲の決定要素、すなわち「要因」の間で可能となる実現可能な組合せとほぼ同数の変異によって変化しうることになることは明白である。すなわち、ある型の純血種は、子の個体(<span lang="EN-US">zygote</span>)の成長の間に、その型の構成に含まれるいくつかの決定子に対するストレスの変化に応じて、その型の狭い範囲内で変化するのに対して、他方では、交配した個体が変化するのは、そのような成長中のストレスの相違の結果(先天的に獲得された性質の変異と呼ばれるもの)によるだけではなく、遺伝した性質の変異と呼ばれるものであり、その双方(または三方)の先祖の二倍(または三倍)の側に由来し、――型の構成に含まれる決定子の一つの――数のほぼ二乗(または三乗)に達する様々な性質の多数の組み合わせによって変化すると想定されている――ただし、実現可能ではないような組み合わせ(これは二つまたは三つの親の型が多様なほど多数となる)組み合わせを除外し、また子世代がきわめて広範囲の変異を見通すほど十分に多数であると常に考えての話である。そのような場合の極限の変異は、どのような方向であれ、どちらの親型の極限的な範囲をも越えるかもしれない。それは一つの側に由来するある決定子がその群(<span lang="EN-US">tissues</span>)の集団に影響を与える別の側の決定子によって強められるか抑制される(おそらく後者の方が多いだろう)ことがありうるという事実による。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal">
<br /></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 11.0pt;">
<span style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">このような雑種の住民はまた、もちろん、その特有の欠点を持つことになる。気質と性質の多様化は、その能力と素質の多様化と同じく広範に及ぶことになる。そして一つの側面における達成の多様な波及効果をもたらす不安定さは、他面でいらだちと異論、理想と念願を多大に産み出しやすい。よかれあしかれ、それが西洋の諸民族の先天的な構成であり、また思い出すに、それが西洋文明の歴史であった。<span lang="EN-US"></span></span></div>
<div class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 11.0pt;">
<span style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; mso-ascii-theme-font: minor-fareast; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-theme-font: minor-fareast;">また一方で、この点で、これら西欧諸国民は、生来の賦与の範囲と雑多な特徴の点で、今日もかつての新石器時代のままであるということも念頭においてよいだろう。多様性の範囲は、諸国民それぞれにおいても全体でも、どんな純血種の種族内にあった場合よりもきわめて広い。しかし、今日これらの国々に居住する雑種世代間では、それは、かつてその初期の時代にこの西欧文化を担った同じく雑種の諸世代ほどには広くなっておらず、またどのような知覚できる程度にも異なっていない。この広範囲の遺産は、結局のところ、新石器時代の遺産である。そして、後の時代の西洋諸民族の文化体系がどんなに多様であり、生き生きと多様なように思われるとしても、その流れは、結局のところ、その新石器時代の源より高くなることはない。この文明を構築し、先に進めた住民は、結局のところ、その性質の欠点を授けられており、新石器時代の性質を持っているのである。
</span><span lang="EN-US" style="font-family: "ms 明朝" , "serif"; font-size: 14.0pt; line-height: 107%;"></span></div>
<div class="MsoNormal">
<br /></div>
Unknownnoreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-7801649817273939885.post-54980770775277290712019-03-04T12:14:00.001+09:002019-03-04T12:14:24.747+09:00日本の「雑種性」(hybridity)について T・ヴェブレンと柳田国男(1)<br />
<br />
DNA多型の分析が20世紀末に発展したが、これによって現生人類がアフリカ出自の homo sapiens の一族であることが確認されるとともに、現在から6~7万年前に出アフリカを果たした人類の一団とその子孫たちが現在までに世界各地に広まるとともに、突然変異により多様化したことがほぼ完全に明らかにされてきた。つまり『水滸伝』ではないが、人類は皆兄弟姉妹である。<br />
また多様化といっても、DNAの中に存在する遺伝子の99%以上は同じなのだから、相違はごくわずかだが、そのわずかな相違が外見上の相違と関係しているらしい。<br />
父系で伝わるY染色体の遺伝子と母系で伝わるミトコンドリア遺伝子の多型は、それぞれハプログループに分かれ、さらに各ハプログループがサブグループに分かれる。<br />
この多型の分析からも、例えば日本人が「雑種」であることが判明した。いやすでに明治時代からそう主張されていたが、疑問を持つ反対の人(学者)もいて確定していなかっただけだっということができる。しかし、今や、それは仮説ではなく、間違いのない事実として考えなければならない。<br />
「日本人」の場合、先住者たる縄文人が弥生時代に東アジア(主に現在の中国と朝鮮半島)から渡来した人々と混交し、「倭人」が生まれ、8世紀末以降に「日本」の国号が定まるとともに、民族的に一体であるという意識が生まれ、強くなってきたもののようである。しばしば、縄文時代や弥生時代についても、「日本人」という用語を用いる人が専門家の中にもいるが、便宜的に「日本列島」に住む人々という意味で使うならともかく、彼らが「日本人」という意識を持っていたと考えるなら、それは誤りである。<br />
<br />
Y染色体やミトコンドリア多型の分析から、縄文人(の少なくとも一部)は、現在チベットに住む一群の人々とハプログループを同じくし、また渡来系の弥生人が現在の中国や朝鮮半島の人々の相当部分とハプログループを同じくしている。今から2~3000年前のそれらの先祖が現在と同じ地域に居住していたという保障はないが、どこかの時点で、またどこかの場所で分かれことは言うまでもない。それは大いに興味をひくところである。<br />
また先住者(縄文人)の居住していた場所に、外部からの渡来者(渡来人、渡来系弥生人)がやってきたならば、両者の混交・同化がどのようになされたのかが、一つの大きい学問的研究対象となってしかるべきであろう。<br />
<br />
実は、この点は、すでに明治から現在に至るまで多くの研究者によって研究されてきた。その研究史を概観するだけでも大変な作業であり、ここでは私の書棚にならんでいる乏しい例だけをいくつか挙げておこう。<br />
鳥居龍蔵『全集』の諸論考(考古学)<br />
喜田禎一氏の諸論文(歴史学)<br />
柳田国男『山の人生・遠野物語』(民俗学)<br />
<br />
江守五夫『婚姻の民俗』、『中国小数民族の婚姻と家族』(民族学、家族史)<br />
上田正昭『渡来の古代史』Z(歴史学)<br />
谷川健一『日本の神々』(神話学)<br />
<br />
埴原和郎『日本人の起源』 (人口史)<br />
<br />
このうち、柳田国男の「山の人生」は、「山人」と呼ばれる人々に関する伝承を収録したものであり、一読しただけでは、先住者と渡来人との混交・同化を研究の主題としているようには見えない。しかし、「山人考」と題する講演では、明示的に先住者と渡来者とがどのように混交したのか、その痕跡を民話・昔話に探るという主題が示されている。<br />
柳田の意見では、両者の混交は、長い時間をかけてゆっくりおこなわれたのであり、先住者(とその子孫)はほとんどが渡来人(渡来系弥生人)に同化されたとはいえ、--<br />
その程度はともかく--あまり同化されていない人も残されており、それが「山人」の伝承・話に記録されているのではないか、という。<br />
<br />
私の出身県の新潟県では、「山人」の話は、江戸時代の『北越奇談』 (1770年代) と『北越雪譜』(天保6年)の中に出てくる。<br />
これがどのような内容なのか、またそうしたことがヴェブレンとどのように関係しているのは、次回以降にまわすことにする。<br />
<br />
(続く)<br />
<br />
Unknownnoreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-7801649817273939885.post-56649125246218979002019-03-04T11:06:00.001+09:002019-03-04T11:06:55.076+09:00T・ヴェブレン(4)<br />
<br />
最後は、ふたたび日本。<br />
日本の政治家たちは、第一次世界大戦中にドイツに対する期待(ドイツが敗戦し、大国として復活することはないという展望)を失い、敵対的な態度を取り始めた背景(冷静な、抜け目のない計算)を示す。 <br />
<br />
The New Republic, Vol.XI, June 30, 1917 に掲載。<br />
<br />
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<h4 class="MsoNormal" style="mso-char-indent-count: 1.0; text-indent: 11.0pt;">
<span style="font-family: MS 明朝; font-size: x-small;"><span style="font-family: "MS 明朝","serif"; font-size: 11.0pt; line-height: 115%; mso-ascii-font-family: Calibri; mso-ascii-theme-font: minor-latin; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-language: JA; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-font-family: Calibri; mso-hansi-theme-font: minor-latin;">日本人はドイツに対して希望を失う</span></span><span lang="EN-US" style="mso-fareast-language: JA;"></span></h4>
<h4 class="MsoNormal">
<span style="font-family: MS 明朝; font-size: x-small;"><span style="font-family: "MS 明朝","serif"; font-size: 11.0pt; line-height: 115%; mso-ascii-font-family: Calibri; mso-ascii-theme-font: minor-latin; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-language: JA; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-font-family: Calibri; mso-hansi-theme-font: minor-latin;"> 日本軍が協商国を支援してヨーロッパの海域に送られることとなった最近の動きは、ドイツの最高司令部と協調して、またドイツの大義の究極的な勝利のために実施されるべく計画された計略ではないと想定すると、ヴェルダンへの攻勢の失敗以来のヨーロッパにおける最も辛酸で得心のゆくエピソードである。辛酸というのは、ドイツの見地から見てのことである。たったいま語ったように、それがベルリンの疑似東洋的政治術と歩調を合わせて東洋の政治術によってなされた計略ではないといつも想定すると、それは極東の帝国の政治家たちが今日まで説明を投げ出し、ヨーロッパの参戦国をもてあそび、敵対的態度を終わらせるか、それとももっと追求しながら適当な段階における帝政ドイツとの同盟の機会をあけておくことによって天皇制日本にとって得るべき利益はないと結論したことを明白に示している。天皇制日本は、ドイツとの攻撃的同盟の事実上の利用による日本の外的な利益が(日本のさらなる拡大のスキームに対する協商国の側における敵対的態度の確実性に対立するものであり)もはやまじめに注意するに値しないという確信に明らかに達した。</span></span><span lang="EN-US" style="mso-fareast-language: JA;"></span></h4>
<h4 class="MsoNormal">
<span style="font-family: MS 明朝; font-size: x-small;"><span style="font-family: "MS 明朝","serif"; font-size: 11.0pt; line-height: 115%; mso-ascii-font-family: Calibri; mso-ascii-theme-font: minor-latin; mso-fareast-font-family: "MS 明朝"; mso-fareast-language: JA; mso-fareast-theme-font: minor-fareast; mso-hansi-font-family: Calibri; mso-hansi-theme-font: minor-latin;"> 極東の見地によって生じ、帝政(天皇制)体制に対する将来的な損得の点でまったく冷静に評価される長期的で冷静な展望から見ると、ヨーロッパの戦況は必然的にやがて「代替的な利用」という大問題となるだろう。日本の政策を統御してきた保守的な、すなわち帝国主義的で反動的な政治家たちは、ドイツに対するどんな回避できる攻撃も避けるべきと一貫して考えてきた。抜け目のない帝政の政策ならば、幸運な時局が生じるときにはいつも、現在の敵対関係が終わるともに協商国の中で生じると期待されている脆弱さと崩壊の時期の間に生じるどんな利益でも得るために、ドイツおよびその追随者との緊密な同盟を交渉することもまた明らかである。しかし、そのような政策は、ドイツ帝国が現在の困難から本質的に完全に抜け出すはずだと想定している。完全に、というのは、少なくともプロイセンの政治家の支配と政策の下にあるドイツ帝国としていまだにビジネス(商売)をする程度による。日本軍の現在の動きは、恥知らずな政治術のあらゆる達人の中でこうした最も抜け目のない、最も冷淡な、そして最も警戒するべき者がドイツ帝国軍にとってきわめて幸運な結果の機会がまじめに考慮するに値するにためはいまや小さすぎると決めたことを示すように思われるだろう。換言すれば、それは、日本の帝政政治家の理解では、しばらくして引きなおされるヨーロッパ地図にドイツ帝国が現れることはないことを意味する。またそれは、彼らの理解では、たとえ天皇制日本の軍隊がドイツ帝国とその同盟者の側に無制限に投入されるとしても、この辛辣な運命に救済策がないことを意味する。この推測からはまた、この日本の「代替的な利用」の勘定にそのような結論を与えたのは、アメリカの参戦かもしれないことが示される。</span></span><span lang="EN-US" style="mso-fareast-language: JA;"></span></h4>
<h4 class="MsoNormal">
<span style="font-family: Calibri; font-size: x-small;"><span lang="EN-US" style="font-size: 11.0pt; line-height: 115%; mso-fareast-language: JA;"> </span></span></h4>
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<span style="font-family: Calibri; font-size: x-small;"><span lang="EN-US" style="font-size: 11.0pt; line-height: 115%; mso-fareast-language: JA;"> </span></span></h4>
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