ローソンの社長が従業員の給与を引き上げると公表しました。新聞記事では、20代後半から40代の「社員」の年収を平均で3%引き上げるとされています。
結構なことです。給与を引き上げれば、それだけ人々の所得も増え、消費支出も増えるでしょうから、景気もよくなるはずです。もしローソンに続いて多くの企業、産業が給与を引き上げれば、長い間続いた「賃金デフレ」も終わるかも知れません。
しかし、気になることがあります。ローソンに限らず、コンビニでは多数のバイト、パート従業員が働いているように思いますが、彼ら・彼女らも「社員」に入るのでしょうか?
社長さんの話では、2%のインフレを期待して3%の給与引き上げ(つまり実質1%の引き上げ)ということですから、当然、論理的には従業員の多数を占める非正規雇用も増えないとおかしいですよねえ。そうしないと、(もし彼らの賃金が据え置かれるのであれば)実質的にマイナス2%の低下となるわけですから。
ところが、これも新聞報道ですが、対象となるのは、全社員5120人のうち約65%とか。あれおかしいですねえ。ローソンの店舗が全国にいつくあるか知りませんが、全従業員がそんな少数のはずがありません。
もし4000人弱の「社員」の給与を平均3%ほど引き上げても、その額の全費用に対する割合は、おそらく0.1%ほどのはず。つまり、それを全部価格に転嫁しても、価格上昇に対する効果は微々たるものであるということです。
しかも、本当に引き上げなければならないのは、低賃金労働の多くのバイト、パートの人たちでしょう。その部分を仮に5%引き上げたとしても、その額の全費用に対する割合は、(私の計算では)どんなに高くても1%以下でしかありません。
私は、前回のブログで「生活保障賃金」の運動を始めようと書きましたが、その時念頭にあるのは、低賃金労働の部分の生活のことです。ローソンが本当に誠実であるならば、率先してバイト、パートの賃金をせめてなりとも(例えば)5%引き上げると言うべきであり、そうでない限り、不誠実なものを感じざるをえません。
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