2016年10月2日日曜日

昨日の東京新聞の注目記事 アベノミクスの幻想を示す

 先々月(8月)の22日に白内障の手術を受けてから、約5週間。やっと眼科の先生から仕事復帰の

許可がおり、運転免許証更新の際の視力検査もかるがると通過。世界がはっきりと見えるようにな

りました。

 このブログは、書きかけのものが多く、為替相場、EU、英国のEUからの離脱(Brexit)など、中途

半端のまま終わっているものが多々ありますが、その理由は、書きながら調べ、調べながら書いて

いるので、また途中でウチナーグチ(沖縄語)やアイヌ語、日本古代史(近年のDND分析によるも

のなどと含む)、趣味的な事柄に関する本や(場合によっては)専門的な論文などを読みだすもの

だから、なかなか先に進まないという事情もあります。

 それに昨年からは、「九条の会」の活動もあり、さらに日米欧の軍産複合体研究のことも加わり、

忙しくなりました。


 さて、昨日(10月1日)の東京新聞からいくかをピックアップします。

1面 新電力契約伸び悩む 自由化半年、2.7%どまり
 
  「利点を見いだせず様子見する家庭が依然として多いようだ。」
 
 そりゃそうだ。うちも旧来のままです。

 それより、原発の費用が電気料金に上乗せされる。こちらの方が大ニュース。

3面 97条で応酬 細野氏「なぜ削除」 首相「単なる整理

 自民草案「基本的人権巡り」
 
 「単なる整理」の訳がない。これは安部政権のねらいそのものだから。
 
 本来、現在の近代的な憲法(民主主義国、立憲制の国)は、どこの国でも、国家権力を制約する

ものであり、人々(国民)の自由と権利を国家権力が保障しなければならないと規定している。
 
 それが「法の支配」の意味だ。法(right)とは正義(justice, jus)であり、自由と諸権利を意味する。

ところが安部君は、恥ずかしくもなく、「法律の支配」と公言してはばからない人だということからも

わかるように(また改憲草案にもそのことが明記されているが)、国家権力の側から人々の権利を

制限することをもくろんでいる。

 古代の中国では、法律とは「律」であり「令」、つまりお上が明文により制定した行政法と刑法であ

った。それによって「臣」と「人民」を支配しようとした。これはもちろん近代の「法の支配」とは似て

非なるものである。

 聞くところでは、安部君は、現代の中国の政治家に教えたいと言ったそうだが、本当に教えを請

わなければならないのは「あなた(安部君)です」。


5面 社説 配偶者控除  増税がねらいではないか

 読んでみてください。社説の通りです。

 いつか(後日)、コメントしたいテーマです。

7面 暮らしへの影響読めず 金融緩和策修正 長期金利上げ不発

 「日銀が2月にマイナス金利を導入後、預金金利は極限まで低下。保険会社は国債での運用に

困り、貯蓄性の高い保険は次々に販売停止に。・・・
 
 弊害が目立ち始めたため、日銀は長期金利を0%程度に誘導することを「検証後」に決めた。

 しかし、長期金利は「検証後」もマイナス水準で推移。しびれを切らした日銀は「五年超十年以

下」の国債の買い入れ額を前回より減額。」

 しかし、効果なく、マイナス金利は続く。

7面 将来不安大  実質賃金減 かみあわぬ経済政策

 アベノミクスの「アベコベ」ぶりは、いまや知る人ぞ知る事実。
 
 そういえば、安部政権が誕生し、「アベノミクス」が喧伝されはじめたとき、私はある場所で、主に

社会人を相手に日本経済の勉強会を行っていましたが、その時、ある年金生活者が2%のインフ

レーションをターゲットにすると聞いて、大いに怒っていました。

 なぜかって? そりゃそうでしょう。毎年支給される年金額は、減ってゆくのに、消費者物価が上

昇したら、実質年金額はもっと減るわけですから。それに虎の子の貯金も(預金利子がほぼゼロ%

では)実質的に減少します。これが庶民の「期待」(expectation)=予測です。

 当時、2%のインフレをターゲットにすれば、景気がよくなると断言した御仁もいたようですが、「責

任を取れ!」と言いたい気持ちです。

 記事には、配当に対する税率が【何十億円、何百億円でも】20%であり、きわめて不公正である

ことが書かれています。

 私が本ブログで前に示したように、大企業の「実際の」法人税もきわめて低く、また安部政権によ

ってこっそりと引き下げられてきました。私の所得税の昨年の限界税率より低い!

26面 安保法施行後で初  17年度防衛予算概算要求 5兆1685億円を読む

 「無駄  空中給油機・大量の水陸両用車」

 本文中のグラフには、「安部政権で増え続ける防衛予算」が示されています。

 これも私なども含め、多くの人がブログ等で言っていたこと。

 やれ財政赤字だ、財政健全化といいながら、この放漫ぶり、散布は許されないでしょう。

 でも、安部政権が軍産学共同を推進していることは、よくわかります。


 ちなみに、「集団的自衛権」とは、日本を攻撃していない国の軍隊を攻撃するといったきわまりな

い危険なものであり、本来、好ましくないものであることは戦後の国連でも議論されていた通りで

す。もちろん、90%の憲法学者はそれを認めている安保法制を違憲としています。

 実は、戦後米国は、それに反対していましたが、後にそれを理由にベトナムやイラクを攻撃。

 現在の米国では、参加した兵士の中から毎日何人もの精神疾患で苦しむ人が続出。それに加

え、イラク攻撃では死者の70%は民間人(市民)でした。これがIS(イスラム国家)という欧米(日も

か)がおびえる組織を生みました。

 米国の伝説的な経済学者ジョン・ガルブレイスの最後の遺言的著作も経済にとっての軍事=軍

産学複合体の有害性・危険性を指摘しています。


 昨日の東京新聞だけで、これだけのことが示されています。(まだあるのですが、これくらいにし

ておきます。)

 安部政治を放置したらろくなことはありません。

 選挙で自民党・公明党などに投票した人も、今からでも遅くありません。今度は、民進、共産、社

民、生活、緑など、はっきり(または一応)安部政治に反対している政党に投票しましょう。




 

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