いまやアベ首相とその周辺(以下、アベ友集団という)は、危機的な状況に陥っている。改憲はしたいが、それどころではない。これまでやりたい放題やってきたことがたたり、アベ友集団に対する批判が急速に高まり、内閣支持率が急落しているからである。それは「危険水域」(level of death)にまで落ち込んでいる。
もちろん、彼らは何とかしなければと考える。アベ友集団のかかえる問題は、いろいろとありすぎて「整理」しようとしても多大の努力と時間がかかると推察するが、とりあえずは森友問題、加計問題をなんとかしなければならない、と彼らは考えているだろう。
しかし、加計問題だけでも、事実が表面化してから、とりあえず国民をだませると考えて適当な嘘を重ねてきた。嘘で固め、嘘の上塗りをしてきた。しかし、徐々に国民をだませなくなり、前川元事務次官だけでなく、文科省の官僚たちまでが一部本当の事を言い始めた。隠蔽してきた文書も出てきた。困るのは、これまで重ねてきたいろんな嘘が事実に反するだけでなく、嘘と嘘が相互に矛盾していることである。
(NHK「英雄たちの選択」風に)ここで首相の頭の中に分け入ろう。
あ~、いろんなところでついた嘘が互いに自家撞着をおこしてしまった。
ここらで国会で追求されても大丈夫なように、自分の頭の中を「整理」しておこう。
まず文書は存在しないと言って来たが、公表されてしまった。まずいことにスガ官房長官は、それを「怪文書」と言ってしまった。このままでは、文書隠匿をしてきたことも国民に批判されてしまう。ここは文部省内で再調査をすることにしよう。しかし、もちろん、出来るだけ余計な資料は国民の眼に触れないようにして・・・。文部大臣には、文書の存在は認めても、その内容は事実ではないと発言するように注意しておこう。また処分をほのめかし、新たな文書が出ないように、十分注意しなければならない。
しかし、それでも国民は納得しないだろう。萩生田、木曽、和泉が文科省に圧力をかけてないとか、2018年4月開校と「尻を切って」京産大にあきらめさせたというのは事実ではありません、といっても国民は納得しないだろう。あの文書さえなければ、だませたのに、くそっ!
しかし、いまさら出たものを悔いてもしょうがない。私の関与がなかったことにするには、どうするのが一番よいだろうか?
やはり加計学園(岡山理大)の「獣医学部増設」についての記憶はありませんという例の手を使うべきだろうか? いや、その方法は今後随所で使うとしても、いまは国民の疑惑を大きくさせるだけだろう。強圧的な、まくしたてるような話し方も変えて、低姿勢になっておこう。
そもそも私は、国家戦略特区の諮問会議議長だから、当然、いろんなことを知る立場にある。それに加計君とは旧知の間柄、岡山理大の件については、彼とよく話している。本当のことを言うと、2015年12月15日の会議で愛媛県今治市に「獣医師系の学部」(先端ライフサイエンスの拠点)をつくる案を承認している。これに加計学園が関係していることなど、公然同様になっている。
それでも、やはり最近まで知らなかったことにしたらどうだろうか? だが、これまで適当にあしらい、かなり前から知っていたと答弁している。つい最近(今年1月20日)まで知らなかったといっても国民が信用してくれるだろうか?
いや、これは結構いける案かも知れない。そうだ、他の人はともかく、私は知らなかったことにしよう。そうすれば、いざというときには、周辺が勝手に忖度して、私のあずかり知らないところで、文科省に圧力をかけましたというシナリオも描け、私に対する批判はかわせる。ここは手の平を返すように友を裏切ることになるが、これが初めてではない。籠池君には悪いことをしたが、しょうがない。私の保身のためだ。
そういえば、籠池君は、あの後も都合のわるいことを明らかにしているようで、実に困る。何とかできないだろうか。逮捕してもらうというのもいい手だが、そうすると私の強圧的な態度が非難されるだろうか? それに裁判になって真実を明かされ、報道されるともっとまずいかな?
もとに戻ろう。今年1月20日まで知らなかったことにするのは、大丈夫だろうか? 今治市、新獣医学部のことは2015年12月の会議の議事録や資料にも残っているし、首相官邸のホームページにも載っている。ただ、幸いに「岡山理大」の語句はいれていない。
決めた。それにしよう。誰がなんと言おうと、今年1月20日まで知らなかったことに決~めた。知っていたという証拠を出すのは難しいから、何とかなるだろう。それに山本君、和泉君、木曽君、萩生田君、松本君などには、要所要所で「記憶にありません」と言ってもらえれば、当面はなんとか過ごせるだろう。
そのうち国民も忘れてしまい、また内閣支持率が上がるかもしれない。そうだ、北朝鮮の脅威を煽るという例の手を使うチャンスもまた来るかもしれない。いや、来て欲しい。
以上は、あくまで想像の話し。実際にはアベ首相の頭の中に分け入ることは誰にもできない。NHKの番組でも、勝手に想像しているにすぎない(失礼)。
しかし、首相の答弁の「整理」、「急な質問で混同」などの語句を心理学的に分析すると、アベ友集団がお互いに相談し、出来るだけ被害が少なくなるような話しにするために、整理していることは十分ありうる。
稲田防衛大臣もそれで頭を悩ましていたことは、新聞社の取材などで判明している。
2015年12月15日の特区会議の配布資料
愛媛県今治市、国際教育拠点の整備 ー獣医師系(ライフサイエンスなどの新たに対応するべき分野)と明記されており、これが加計学園(岡山理科大学)に関連するものであることを知らなかったといっても、信じる人はいないだろう。
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