2017年1月31日火曜日

トランプの大統領令乱発について

 トランプ米国大統領が違憲の大統領令を乱発している。

 かつてロシアのエリツィン大統領が同じように大統領令を乱発し、ロシアの国有企業を民営化(私有化)したことがある。その結果、国民の共有財産たる多くの大企業が一握りのオリガーキー(財閥)に二足三文で、いやただ同然で売り渡されることとなり、後に「私有化」(privatizatiia)ではなく、「掠奪」(prikhivatizatsiia)だと非難されることとなった。この大統領令は、当時のロシアの法令に違反するものであることがロシア国内で議論されたことがある。
 それはまた革命前の帝政ロシアの皇帝=ツァーリが乱発した勅令(ukaz)に、しかも自らが制定した「国家基本法」にさえ違反する勅令に例えられたこともある。

 法とは、諸個人の自由と権利を、したがって社会を権力者の「恣意」からまもる普遍的な正義(justice)に他ならず、権力を持つ人々=政治家を縛る原理でもある。選挙で選ばれれば、何をしてもよいというものではない。 これは外国の問題というだけではない。日本の政治にもあてはまる。わが国の安倍首相が9条に違反する安保法制(日本の参戦を可能にした法律であり、本質的に戦争法である)を強行したことを、つまりわが国には意見の法律があることを忘れてはならない。

 

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