2012年12月27日木曜日

シンドラー社のエレベーターと競争入札

 シンドラー社のエレベーターが多数の事故を起こしてきました。
 事故を起こしたエレベーターの設置場所を調べると、公共の建造物が多いことに気づきます。公共住宅、大学、市役所、その他の公共施設です。また競争入札制度が導入された小泉「構造改革」の頃からシンドラー社のエレベーターが導入されるケースが増えていることは間違いないようです。
 競争入札の問題点については、私もビルメンテナンス会社の社長さんや工学部の教師・大学院学生などに話を聞いた事があります。
 競争入札の導入まで、日本の多くの地方自治体・公共団体は、地元の企業にほぼ前年度と変わらない価格で事業を委託していました。そもそも同じ内容の仕事をパソコン・ソフト等を使って計算しているので、どの業者もほとんど変わらない金額を出すはずとのことでした。しかし、実際の資料を見て確認しましたが、21世紀に入り、競争入札制度が実施されるとともに、入札金額は極端に低下しています。その理由は、地元企業だけでなく、全国から企業が入札に参加するようになり、価格競争が激しくなったからです。しかし、そうした価格競争の中で最も低い金額を示した企業の中にはブラック企業が多数ありました。市場競争というとよさそうに聞こえますが、仕事をできそうもない低価格で引き受けた企業の中には、地方に事務所も満足な事務所も持たない企業(つまりペーパーカンパニー)があったり、(その地域では事業を行なっていなかったので)以前の委託企業から労働者を貰い受け(!)「継続雇用」(!)する事業者があったりと、デタラメな企業が多かったのです。
 たしかに低い金額でも公共サービスが低下せず、雇われている労働者の労働条件が低下しないならば(あるいは、もっと慎重に言うと、人間らしい生活を営むための労働条件が守られるならば)、問題はないと言えるかもしれません。
 しかし、実際に聞いた話では、極端に低い金額で仕事を取った業者が結局事業を実施できなくなり、病院のゴミ箱は3日に一回しか捨てられなくなり、院内感染を恐れた看護婦さんが仕方なくゴミの処理をすることもある病院ではあったそうです。労働条件も悪化していた可能性が高いようです。(ここでは、実際の統計資料や会社名など実名は出さないことにします。)
 金額や価格だけでは、企業やそのサービスは評価できず、総合評価が必要な所以です。
 私はまだシンドラー社のエレベーターについて調査していませんが、かなり怪しいと思っています。もう少し調べてから、結果をお示しします。

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