2015年7月10日金曜日

ギリシャへの支援(貸付)は誰のために役立ったのか?

 ギリシャが2010年から2014年までに EU や IMF から受け取った「支援」(という名の融資貸)は、総額2100億ユーロ(約30兆円近く)に達する。
 この融資はいったいどのように使われたのだろうか?
 ギリシャ危機の真相を理解するには、これを知ることも必要となる。
  
 だが、この点についてもとんでもない誤解が広まっている。そのことを指摘するサイトを見つけたので、紹介しておこう。


 広まっている誤解というのは、「融資がギリシャ政府を破綻させず、その基本的な活動を維持し、医師、教師および警察官への給与を支払うために使われた」というものである。
 しかも、この誤った誤解を(悪意から意図的にか、無知のせいか)広める政治家もいる。例えば2014年末には、スペインの財務大臣がこの線に沿った主張をした。

 「ギリシャは、例えばスペインからの260億ユーロをはじめとして2100億ユーロを受け取った。ギリシャが金融市場からは得ることのできなかったこの資金調達のおかげで、ギリシャはすべての公共サービスを維持し、・・・医師、警察、退職者に支払うことが可能だった。」

 しかし、統計はこうした発言が虚偽にすぎないことを示している。
 統計によれば、ギリシャ政府が自国の医師、教員、警察官の給与を支払い、その他の公共サービスのために使うことができたのは、約11パーセントにすぎない。ギリシャ政府は、その大半を返済と利子の支払い、その他、国民のための支出ではない目的のために支出しなければならなかった。
 しかも、それと引き換えに、ギリシャ経済は破滅し、GDPの25%もの縮小が生じてしまったのである。ギリシャ経済は借金を返すために借金しなければならない状態に陥ってしまった。

 このことは、融資が誰のためであったかを如実に示している。あえて言うまでもなく、債権者=「投資家」の金融的な利益のためである。

ギリシャ政府による融資の使途

http://www.macropolis.gr/?i=portal.en.the-agora.2080

スペイン財務大臣の発言
http://www.thelocal.es/20141231/spain-reminds-greeks-what-they-owe-europe

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