2017年10月21日土曜日

国立社会保障・人口問題研究所による生産年齢人口将来推計  リベラル派・左派大連合の必要性

【国立社会保障・人口問題研究所による生産年齢人口将来推計】
 日本の生産年齢人口が減少していることは、よく知られている。また国立の研究所が将来推計を行っており、その数値も、少なくとも専門家にはよく知られている。
 それはきわめてショッキングな数字である。研究所による推計値は2040年までのものであるが、仮に同程度のトレンドがその後も続いた場合には、予想はよりショッキングなものとなる。実に、2100年の日本の生産年齢人口は現在の4分の1となる。もちろん、現在生まれた人が85歳ほどになる遠い将来の話しであり、必ずそうなると決定されているわけではない。




【ケインズの議論  リベラル派・左派大連合の必要性】
 ところで、こうした人口減少問題がかつてイギリスの経済学会で大問題となったことがあった。世界が不穏な空気におおわれていた「危機の20年」とも呼ばれる両大戦間期のことである。
 あのジョン・ケインズも議論に真剣に加わった。彼の結論は、現在の私たちにとっても大変示唆的である。
 彼は、そのような時に、企業がこれまで通りに利潤を増やしづうけようとして労働者の賃金を圧縮すると悲劇が生じ、いっそう悲劇的な状況が強まると指摘した。なぜならば、賃金の圧縮は、人々の可処分所得を縮小し、いっそう消費支出を削減し、景気後退を招くからである。
 そうしないためには、人々の、一人一人の賃金所得を引きあげ、格差を解消し平等化を達成するとともに、一人あたりの(あるいは世帯あたりの)家計支出を増やさなければならない。それは所得・資産を平等化し、多くの人にとって住みやすい社会をつくるだろう。人口の回復という望みも生まれる。
 しかし、そのためには、「リベラル派・左派の大連合」が必要である。保守派・反動派からの攻撃を理性的にかわさなければならない。
 
 まるでケインズは、現在の日本社会を念頭において議論を提示しているかのようである。
 ちなみに、残念ながら、ケインズのこうした議論、提案の部分はまだきちんと日本語に翻訳されていない。一刻もはやい翻訳が望まれる。
  

2017年10月13日金曜日

選挙を前にしてGDPの「かさ上げ」 2014年の「実質賃金」操作と同類




 自民党の選挙パンフをみて驚いた。
 GDPが突如530兆円を超えている。安倍政権時代に50兆円も増えたと吹聴している。
 しかし、前にも述べたが、これは財務省がGDPの「かさ上げ」を行ったからにすぎない。
 上のグラフを見ると、いくつかのことが見えてくる。
 1)過去にさかのぼって全体的にかさ上げがなされている。たしかに過去にも改訂はあったが、それは基本的には基準年が違うと物価構造が異なるが、ある程度の年数を経過すると、その基準年を変更するために生じることであり、大きく物価構造がかわることのない現在では、これほど大きな数値の差はでてこない。どうも「かさ上げの」根拠はないようであるが、きちんとした統計数値の存在しない「何か」を推計する計算方法を変えたらしい。
 2)現在に近づくほと、上げ幅がおおきくなる。1990年代には数兆円規模だったのが、次第に拡大、2015年にいたっては35兆円ほどになる。これも作為の結果でしかありえない。
 3)それでも、よく見てみよう。かさ上げされた統計でも、2015年のGDP(名目)は、1997年のGDPに達していない。これはまさに長期にわたる日本経済の衰退を示している。かさ上げ以前の数値では、もちろん、20兆円も低下したままである。「いざなぎ超え」どころではない。安倍泥沼経済である。この泥沼ぶりは、家計消費支出や賃金所得を見ると、さらにはっきりする。

 まさに国家ぐるみの統計操作が行われていることを示すに十分な状況証拠であるが、このような不正操作ははじめてのことではない。
 2014年の選挙前には、実質賃金が低下しているのに、厚生労働省は、おそらく安倍政権の圧力によってであろう、上昇しているという結果を国民に示した。
 その数値は後日「訂正」されている。


 





森友・加計学園疑惑をわすれてはならない 国家戦略特区をめぐる利権・腐敗

【森友・加計学園疑惑を忘れてはならない】
 桝添氏は、実にせこい事柄で東京都知事をやめるに至ったが、安倍首相の疑惑は、かってない規模、金額の疑惑である。マスメディアも官邸の圧力を恐れてあまり報道していない。
 しかし、岡山理大・新獣医学部(加計学園)の建築費水増し・不正請求だけで数十億円にのぼる。
 しかも、安倍首相は、丁寧に説明すると言いながら、審議を逃れるために共謀法を突然打ち切って強行採決し、その後、野党(議員の4分の1以上)の要求にもかかわらず、臨時国会を三ヶ月も開催しないという違憲行為を行いながら、今月に入り、臨時国会冒頭で審議もせずに突如、衆議院の解散を宣言した。
 テレビでも、演説でもまったく説明していない。
 有権者の眼をそこからそらすために、消費税の使途変更に言及したり、「かさ上げ」GDPを宣伝したり、ありもしない「イザナギ」超えを宣伝したり、北朝鮮の脅威を必要以上に煽り、国連では、「対話」「外交交渉」を拒絶するという演説をして、各国から顰蹙をかっている。
 それらは彼がやましいから、有罪だからに森友・加計問題から逃亡するために他ならない。
  
 もし選挙で自公が勝つようなことがあれば、それは政治的な腐敗、しかも海外では危険な「極右」と広く知られている政治家たち(日本会議メンバー)の腐敗を有権者が認めたことを意味する。実に恥ずかしい限りである。
 多くの有権者の良識ある判断を期待している。