2014年2月23日日曜日

補足 貧困を許容している日本の最低賃金

 昨日、日本の最低賃金率が世界的に低い水準にあることを書きましたが、そのとき平均(中位)の賃金率に対する割合で40%を大きく切っている図を示しました。

 ところが、通常、(相対的)貧困の指標として平均の50%以下という基準が利用されていることはよく知られています。つまり、日本の最低賃金は貧困線以下に設定されているということになります。

 これも前に書きましたが、たしかに旧来は夫が大黒柱として稼ぎ、妻がパート・バイトで家計を補充するというパターンが広まっており、この家計補充型では問題が少なかったことは間違いないと思います。しかし、男女間のあるべき関係、社会的公正・正義の立場からは大いに問題がありました。また。また近年、非正規雇用者が増加してくるとともに問題はかなり深刻になってきました。
 
 日本の政治家、それに国民自身の多くがこの問題に消極的にしか取り組んでこなかったことをきわめて残念に思います。

 ちなみに、外国では、宗教者が運動で大きな役割を演じているようです。例えば米国では、プロテスタント、カソリック、イスラームを問わず、牧師・司祭、指導者が公正・正義をこの世に実現しようとして(もしかすると、脱宗教化の流れの中で、人々を宗教にとどめようとしてというのが本当かもしれませんが、理由はともかく)運動に加わり、政治家や企業者を説得し、生活保障賃金を実現しようとしています。
 これに対して日本の仏教徒は概して個人の安心立命に閉じこもり、社会活動には消極的というしかありません。仏教が葬式仏教になり、影響力を失うのもさもありなんと一人で心の中で納得しています。

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