2013年2月3日日曜日

為替相場を決めるメカニズムと要因は?

 John T. Harvey という米国の経済学者の書いた Currency, Capital Flows and Crises, A Post Keynesian Analysis of Exchange Rate Determination,  Routledge, 2010. という本を読み、翻訳する作業を進めています。(直訳すると、『通貨、資本移動および危機 為替相場決定のポスト・ケインズ派による分析』となります。)
 外国為替相場というと、新古典派の理論は、貿易取引(フロー)に焦点を置いた「購買力平価」説、市場均衡、合理的期待などにもとづいて理論を構築しようとしており、ことごとく失敗しています。これに対して、ジョン・T・ハーヴェイの著書は、ポスト・ケインズ派の見解にもとづいて為替相場決定のメカニズムと要因を明らかにしようとしています。特に貿易フローの40倍にも達する資本移動(その中でもとりわけポートフォリオ資本移動)に焦点を置き、貿易不均衡、ケインズも試みた心理学の応用(美人投票、バンドワゴン効果など)にもとづいて理論を構築しており、きわめて現実世界を説明するものとなっています。
 このブログでも、折をみて、その内容をかいつまんで説明し、またその理論にもとづいて現実をどのように説明できるか、解説したいと思います。

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